寧波伝統のお味をこだわりの空間で〜♬ : 華園

（２０１３年１月）

食べログ読者の皆様、新年明けましておめでとうございます。
旧年中、読者登録していただいた方々〜♡ 暖かいご支援を
賜り、心より御礼申し上げます。新しい年も幸多く、健康で
美味しい一年となりますよう・・・♡
皆様お正月はどのようにお過ごしでいらっしゃいましたか？

私の元旦は ’思いがけないおせち’ でサプライズ・パーティ
ーでございました。昨年に続き今年も和のおせちは終夜灯
から届いて昨年同様お友達のお家で一緒に愉しむべく〜♬
お持ち致しました。すると・・今年はご主人の弟様ご夫婦
もいらっしゃることになって〜おせちは中華とのこと。お
重ではなくジップロック入り、との連絡が入り取り敢えず
大皿を２枚用意しておく？と、お友達と私。

８名全員揃ったのが６pm・・大きな風呂敷包みから油性ペ
ンでお料理名が書かれたジップロックが次々に現れ〜キッ
チンでお皿の準備をしていたお友達と義理のお母様、私か
らは ”美味しそうねぇ〜♬ ” と思わず歓声が上がりました。
”知らないでしょ？ 中国大使館の並びに知る人ぞ知る的な
中華があるんだよ〜” と義理のお兄様は得意満面です。

エッ！それってもしかしたら〜華園？→そう！でも、なん
で知ってるの、あの店！！→ご主人を４０年前から知って
るの→僕だって奥さんの方〜僕が大学生の時から知ってる
よ〜→キャー凄い！！なんというサプライズ〜♬ 誰でも
知っている〇〇飯店とか〇〇樓ではないところが驚きです。
（ちなみに昨年の元旦、お友達のお母様から届いたおせち
は赤坂飯店のおせちでした）

華園のおせちは以下の１２アイテム
１−カシューナッツ
２−野菜の甘酢漬け
３−くらげの和え物
４−茹で大豆の和え物
５−中国麩・竹の子・椎茸の精進煮
６−鶏肉の烏龍茶薫
７−焼豚
８−豚舌と砂肝の薬膳煮
９−有頭海老の含め煮
１０−鮑
１１−茶葉蛋
１２−長寿お粥

カシューナッツはカラっと軽く揚がっていて甘く香ばしく、
中国麩は高野豆腐のような食感で肉厚椎茸との相性も抜群、
豚の舌と砂肝はマルのまま、実物大でごろんとジップロッ
クに入っていました。砂肝ならまだしも、舌の先が緩やか
にカーブしている大きなタンは私などには到底手に負えま
せんが、お友達と義理のお兄様がカッティング担当、私は
テーブル・セッティング担当でしたので〜♬ 怖い思いを
することなく、美味しい！美味しい！！風味豊かなタンと
砂肝の薬膳煮を心ゆくまで堪能させていただきました。

何が素晴らしい〜〜♬ と言って、この豚舌と砂肝だけに限
らず、華園のお肉料理は鶏肉烏龍茶薫も焼豚もジューシー
で柔らかく、それぞれに香り高く、お味に奥行きがあって、
滋味深く、特に薬膳煮と謳われていなくても〜本当に身体
によいものをいいだいていると実感できるところにありま
す。柔らかさと滑らかな食感で圧倒的だったのは〜もちろ
ん鮑ですが、この色白で美しい鮑を一切れ大切にお粥まで
とっておいて一緒にいただきましたよ〜〜♬ 至福のお味。

それから〜お葱と生姜を入れてシャン菜を５人分ほど独り
占めして〜♬ 小さな '幸せマイ・ボウル’ を作りました。
同じジップロックに入っていたお味噌をお粥に入れた方々
からは〜もの凄く辛い！でも旨い！！との歓声が聞こえて
来ます。殆んどお米の形を留めないとろっとろのお粥です。

白身がうっすらと紅茶色に染まった茶葉蛋は皮蛋のように
熟成香が匂うピータン玉子ではなく後味に紅茶がふんわり
と香り、ジュワーッとお味が染み出て来る有頭海老も絶品
で、くらげも、サポート役を務める黒酢風味の大豆の和え
物も、野菜の甘酢漬も、全員がそれぞれの持ち味を出し、
全力投球をしているオールスター・ゲームのような迫力あ
る素晴らしいおせちでした。謹賀新年！！

お食事が始まってすぐ華園のオーナーに新年のご挨拶電話
（のフリをして）を携帯に入れて〜今！美味しい鮑と豚舌
の薬膳煮をいただいているところなのよ〜〜♬ と言って
驚かせたことは申し上げるまでもありません。

お飲物のトップ・ランナーはラベルに福沢諭吉の文明論之
概略第六章よりとられた ’智徳’ と書かれた純米大吟醸〜♬
年間６００本しか作られないという貴重な純米酒で山形県
舞岡市大山にある加藤嘉八郎酒造（株）製〜山田錦を原料
米とし、山形酵母で丁寧に醸し一年以上寝かせて熟成させ
ます。慶応大学鶴岡キャンパスで開発された世界最先端の
バイオ研究室の分析器による分析の結果、智徳はギャバと
オルニチンが通常の２倍近く多く含まれているということ
がわかりました。ギャバはトマトやカボチャに、オルニチ
ンはシジミやダダ茶豆に多く含まれる成分です。

口当たりが円やかで、トロッとしていて〜ちょっと甘口の
ワインのような感じがしないでもありません。男性群は全
員！慶応ボーイで〜母校に義理立てをしつつ、美味しくて
珍しいお酒をしっかりみつけて来てくるのですネ！華園を
みつけるくらいですから相当鼻が利くのでしょう〜〜♬

和のおせちをいただくと後で喉が乾くことがよくあります
が、華園のおせちは全く喉が乾くことがなく、重くなく、
優しい薬膳（ 義理のお兄様は CP も素晴らしいと何回も
おっしゃって！）です。所謂、定番中華おせちではない優
しいお味の薬膳おせちに出会ってみたい方〜ぜひ！華園の
手作りおせちをお試しあれ〜〜♬ お店の場所も近いです
が、華園と終夜灯のおせちの相性は最高で〜私は来年も和
と華の響宴で元旦を愉しみたくなってしまいました。

（２０１２年６月）

元麻布で２１年、旧テレ朝通りの現在地に移って１２年、
３３年間！一貫して MSG（化学調味料）を一切使用しな
い寧波（ニンポー）伝統の味を今日まで伝える華園は寧波
ご出身のお父様が経営されていた寧波レストラン華園の秘
伝のお味と屋号を引き継がれた美しい奥様と心優しい日本
男児のご主人〜ご夫婦お二人で切り盛りされている大変に
居心地のよい ’癒し系’ レストランです。六本木ヒルズのけ
やき坂を上り切った信号から僅か数１０メートル・・ビル
の１Fにあるのですが、本当にひっそりと存在しています
ので！！うっかり通り過ぎてしまうかもしれません。

ご夫婦のテイストが見事に反映された個性的なお店には〜
お父様の時代からと思われるチェストや置物があるかと思
えば壁にはモダン・アート〜♬ お花の活け方ひとつをとっ
ても〜どこかひと味違う華園の演出・・手作りの照明が素
敵なニュアンスを映し出して〜レストランというよりも、
お食事ができるミニ・ギャラリーといった雰囲気を醸し出
しています。ランチに森美術館の方々（常連様）がお見え
になるそうですが、そうでしょう〜！！という感じです。

実に！不思議な空間で〜秘伝の味付けと全品に共通する優
しいお味もさることながら〜照明から間仕切りに至るまで
手作り感満載のインテリア、置物、器のすべてにご夫妻の
こだわりが感じられ、厨房担当は穏やかなご主人、接客は
上品な奥様という２名体制であるのにも関わらず！ディナ
ー・メニューのアイテムの多さには本当に驚かされます。

当初はチャップスティック（寧波では長いお箸をちゃんと
縦に置きます！）というネーミングも候補にあったとのお
話ですが、先代から引き継いだ同じ屋号、華園に落ち着き
・・元麻布の時代は業界人で賑わう隠れ家レストランのパ
イオニアでもいらっしゃいました。私はご主人とは共通の
友人を介して４０年近いお付き合いになりまして〜いつも
シェフが用意してくださる赤ワインで〜♬ お薦めのお料
理をお任せコースでいただいて参りました。

そして今日も〜シェフお薦めの腸詰めとほうれん草のサラ
ダ（この腸詰めは奥様が台湾の方から作り方を伝授されて
→ご主人へ！）でディナーが始まりました。腸詰めがしっ
かりしていて大変に美味！初夏らしい一品で〜青森から届
いた１歳のホタテは本当に可愛らしいベイビーで貝殻もま
だ小さくてピカピカです。でも可愛らしい姿からは想像し
得ない発酵チーズのような香りとお味でなんというサプラ
イズ！！続く筍と海老珠子炒めはエビの卵がプチプチとお
口の中で弾けて〜空豆と筍の季節の味わいと食感に楽しい
アクセントをつけてくれる逸品でございました。豚バラ肉
とキューリの炒め物も本当に優しいお味でバラ肉は２時間
煮詰めて作りますが、お水は一滴も入っていません。キュ
ーリがしんなりと豚バラ肉になじんで〜いくらでもいただ
けてしまいそうです。〆はチャーシューとネギの入麺〜こ
れがまた身体に溶け込むような優しさと美味しさです。　

絶妙な塩加減、単なるニンニク醤油ではない直伝ならでは
の優しいお味に身体も心も癒されて BGM にはボサノヴァ
が流れて・・今日も寧波のお料理で上質な大人の時間を愉
しませていただきました。医食同源は美しい奥様をひと目
見れば納得〜☆どこか懐かしく優しいお味で親しいお友達
（私は実際にお友達ですが、そうでない方も！）のお家に
招かれたような寛ぎ感がいつもあって〜♬ アット・ホー
ムな雰囲気でプロが作る寧波家庭料理を堪能できるレスト
ランは東京広しと言えども！そうそうないと思います。

お決まりのチャイニーズとは違う食の体験をなさってみた
い方は〜ぜひ一度！華園の寧波をお試しになってみてくだ
さいませ。また、お料理教室も平日の４pm からや土曜日
の午後開かれています。中にはフード・コーディネーター
の方もいらっしゃるそうですが、もちろん！誰でも参加
できます！！祭日のクラスもおありだそうですので時間、
内容など・・ご興味がおありの方はお問い合わせになって
みたらいかがでしょう？