確かなバックグラウンドが垣間見える洋食 : L'EAU

外出自粛が求められる中、LEAUが始めたのは洋食のテイクアウト。

ネットで注文して配達も可能なのが便利です。

ここのシェフは、洋食屋さんのセビアンの息子が開いたお店ということで今回出すのも洋食。

普段食べられない料理をこの機会に食べられるという試みはとても楽しいですね。

フレンチに生まれ変わったローで、セビアンの味を再び味わえるとなる長らくファンだった方にはたまらないでしょうね。

洋食屋さんの息子がフレンチを開くと言って話題なるとは相当いいお店だったんだなぁと思ったり。

今回注文したのは、カレーとビーフシチュー。


カレーの方は相当量の香味野菜を原型がなくなるまでとろっとろに、時間をかけて煮込んだのがわかるペースト状。

それだけ野菜の甘味が凝縮されていて奥深いあじ。

その甘さの中に緩やかに主張してくるスパイスの香りや辛味が絶妙な塩梅で確かにこれは普通のカレーとは違った美味しいカレーだなぁと思う。

具材のチキンの方も、めちゃくちゃ柔らかくてそれでいて旨味は詰まっていて美味しかったな。

白ワインでつけたのかなっていう風味

違うかもしれないけど下味はついてると思う。


ビーフシチューの方は、お肉の方はナイフがいらないくらいトロットロに煮込まれていて、まずその食感がたまらない。

ソースの方は、同様に野菜やお肉の旨味が凝縮してるのですが、トマトの風味がやや強く出てるかも。

奥深い旨味の中にトマトの風味、柔らかい酸味が加わることでマイルドな後味になっている。

でも全体としてはコクがすごくあるので、パンやご飯が止まらない味。


いつものコースとはだいぶ違った内容と言えど、その根幹にある確かな技術と経験に裏付けられた洋食に触れて、そのキャリアを感じることができました。

外苑前4a出口から徒歩3分ほどのフレンチ、LEAU。

オープンして半年も経ってない新店です。

しかし多くの方が絶賛されているので予約が取りやすいうちに行っておこうとのことで訪問。

東長崎のセビアンの息子であるシェフが腕をふるいます。

父の店ではそのやり方に従ってきたが、これからは自分のやりたい料理をとのこと。

2日前にネット予約して平日のランチに訪れました。

以外にも他のお客さんはいませんでした。

店内は黒を基調としたモダンナチュラルでシックな雰囲気。

ランチは￥5000のおまかせコースのみ。

ドリンクをきかれてお水でというとガス入りかガスなしかきかれました。

サービス料に含まれているのかと思いましたが、¥900 のサンペレグリーノでした。


<木 葉 石>

このお店のことを調べるとまず話題になるこちらのアミューズ。

・水

蛤の殻に蛤の出汁のジュレ、柚子、あそさのり、いくら。

・木

じゃがいもを薄くのばした生地に、アンチョビバターとハーブ。

・石

ホロホロ鳥のリエットと、ポルト酒のジュレををカカオバターでコーティング。

かわいいイラストの説明書きが渡されます。


<パン>

自家製で見た目はパンドカンパーニュですが、酸味がなくとても食べやすいです。

そのはカリッとなかはふんわりもっちりとした食感で、甘みがあります。

持ち帰りたいぐらい美味。

ホイップバターで。


<サーモン 菜の花>

信州産のサーモンを低温でコンフィし、正方形に切ったもの。

塩気やねっとり感がちょうどよく自然な味わい。

上に菜の花を散らし、菜の花のピューレ。

さらに菜の花を練りこんだカリカリの生地をトッピングというように菜の花を巧みに様々な形状で使用。

間には菜の花と同化するように不思議な色のイクラが。

これは自然な色でイワナの卵。

優しい塩味です。

かなり上流の方に生息する淡水魚のイワナの卵は、酒にしっかり漬け込み、臭みを抜くことで美味しくいただけるようです。

これがいいアクセント。

季節の移ろい、春の気配をちらつかせる一品。


<白子 牡蠣 菊芋>

金色の卵型の器で供されます。

蓋をあけると白い煙が。

燻製にした桜のチップスが添えてあります。

海のミルクと呼ばれる牡蠣と白子を合わせた濃厚な組み合わせ。

菊芋のフリット、ピューレ、青のりを使ったソースは、ベジャメルソースのように濃厚。


<鰆 ホタルイカ>

鰆は、ポワレで中はしっとりふっくら。

皮はパリパリと。

添えはホタルイカの身、ホワイトアスパラ、菜花。

ホタルイカのエスプーマと、その濃厚なソースで。


<蝦夷鹿 春野菜>

メインは蝦夷鹿。

うちもも肉をシンプルにローストでいただきます。

脂が少なく淡白なだけでなく旨味がすごいです。

しっとりして柔らかく、塩加減も絶妙。

テリーヌにしたものも添えられていて、こちらはクセがなく、クミンが効いています。

ソースは赤ワインとマデラ酒のとろみのある濃厚で甘みのあるソース。

また、そらまめのピューレ、玉ねぎのピューレ。

ガルニは春野菜ですがとても立体的で美しい盛り付け。

芽キャベツのほか、ほくほくとした苦味のある野菜もありました。


<苺 マスカルポーネ>

飴で包んだマスカルポーネにイチゴの果実や、いちごのソルベなどを添えた一皿。


<プティフール>

・ジャンドゥーヤのどんぐり

本当に見た目は本物のドングリのよう。

・笹のマカロン

柏餅のような風味。

・落ち葉

落ち葉の中に一つだけ食べられるものが。

アマゾンカカオで作られています。


四季の移ろいを感じるような旬の食材を盛り込んだ料理によって春が近づいてきていることを告げられたようです。

セルヴールさんの接客も評価されていましたが、説明はしっかりとしていましたが、淡々としていて特に熱意は感じず、表情も乏しかったです。

自然物に見せかけたような遊びごごろのある品々は魅力的。

三次元的な盛り付けでも目を楽しませてくれる。

しかしながら、根幹にしっかりとしたクラシックフレンチがあるため、独創性はありながらもしっかりとまとまっていて、奇抜すぎない。

食材の組み合わせ、キュイソンも抜群です。

また違う季節に。