【野菜の魅力を、引き出したお皿の数々。夫婦の幸せな雰囲気に満ちているお店】 : プレヴナンス

【プレヴナンス】の言葉の通り、「心遣い・食を中心とした楽しい時間を過ごしていただきたい」。オーナーシェフ静井氏のこだわりは国産食材とのこと。茨城の自家農園からの食材を主にくりひろげられたお料理は壮観。

お昼コース。アペリティフ・アミューズ・アミューズ・メイン・デザート・小菓子。
（同席者の希望でお肉をお魚に変更していただきました）

【ドリンク】
【りんごのコンブチャ】
発酵・熟成させた発酵飲料「KOMBUCHA」にリンゴを加えたもの。☆「昆布茶」とは別物。

【アミューズ・ブーシェ】
「鶏レバームースパテ入りエクレア」「リ・スフレ（お米）のチップ」「青さのりのチップ」「グリーンピースのムース」が、木の箱のうえで競演。

「鶏レバームースパテ入りエクレア」レバー特有のくせとか生臭みのない、食べやすく、しかもとても濃厚。
さすがさすが！
「青さのりのチップ」あおさのりのコクと、カリカリとした表面に彩られたごまの香ばしさ。スプーンにちょこんとのった「グリーンピースのムース」にはラルドとナスタチューム（きんめんか）がのせてあります。鮮やかな緑、色が変わらない仕込みに感動。

【アミューズ】
「玉葱としらすのフラン」
シェフの茨城の畑でとれたお野菜・玉ねぎとシラス入りのフラン、が下に、上には蕪のスープをかけた二層仕立て。器の上には、カリカリバゲットの上にも繊細な旨味シラスと蕪のみじん切りをのせています。蕪の甘み、優しいスープにフランの二つが混ざり合って中間の味わいになるのではなく、互いが主張しつつ二度美味しいもの。

【アミューズ２】
【ホワイトアスパラガスのオランデーズソース】
ロワール産ホワイトアスパラガスに、スパイスでマリネしたホタルイカ、デコポン、イカ墨のチュイールとシトロンのコンフィをのせています。プリッと可愛い季節のホタルイカとシャキッとした極太の旬の食材ホワイトアスパラガス。ソースはオランデーズソース（主に卵黄とレモン）ということですが、さらにきめ細かい上品なムースリーヌというソースに近いと思いました。

【パン】
【ブリオッシュ】
自家製。焼き込んだバターの芳醇な香りに包みこまれる。サクッとした食感にクラムの強い弾力。

『パン・ド・カンパーニュ』
よく発酵させフワフワ。クラストがカラメリゼに近く生地の味がじんわり。大阪岸辺駅ブーランジュリー「ル シュクレ クール」のもの。
☆「レフェルヴェソンス」「フグレントウキョウ」とコラボレーション六本木「ブリコラージュ ブレッド＆カンパニー」のものではなく、わざわざ大阪からとのこと。

【メイン・魚】
【やまうどのうなぎ巻き】
旬の山菜・やまうどをうなぎで巻きあげ、オレンジの香り漬けをした一品。下に敷かれたのは、酸味を付けた山うどのピュレ。上には可憐な「しゃく」の花で飾っています。和食でいう牛蒡を芯にしてウナギや穴子を巻いて焼いた“八幡巻き”に似たもの。レパートリーの広さ、手腕をも発揮、研ぎ澄まされた味わいで愉しめました。

【メイン・魚】
「天然イシダイのポワレ 白ワインソース」
長崎・五島列島からの天然いし鯛は、皮目がカリッと香ばしく、身はしっとりと焼き上げられた仕上がり。下には、自家農園からのなばなのピュレ。ソースは伝統的なブールブラン。このなばなのピュレの旨味とすこしの苦味が、キリッと引き締め、いいコントラストになっていました。。

【デザート】
『バニラのムースと、タイムとヨーグルトのシャーベット』
チョコレートでつくったチュイールで囲ったバニラのムースの上には、たっぷりの真っ赤なブラッドオレンジ、このうえにタイムとヨーグルトのソルベ。そして、スタッフによって、上から温かいチョコレートのソースをとろーりと覆います。
白と赤と茶色の濃密なグラデーション、パーツごとにいただくと、細かな芸が現れます。甘く強い味わいのチョコと甘酸っぱいブラッドオレンジが好相性。爽やかさ、優しさも隠されています。ミルキーなムースも特筆ものでなめらかでふっくらとしたふくよかさがあります。

【飲み物】
「ホットコーヒー」

【ミニャルディーズ】
「抹茶のフィナンシェ、カシスのギモーヴ」
デザートは全て、シェフの奥様が担当されているそうですが、素材を魅力的に印象的な味わいで楽しませてくれました。

自家農園をお持ちのシェフは、さすがにどれも素材を上手に活かしていて、美しくとても美味しい。サーブのタイミングも、テンポよく、距離感がいい。ベテランのセルヴールさんの作り出す空間とは、行き届いた温かなサービスが受けられ、まさにプレヴナンス・「心づかい」すべてにおいて余裕を感じさせ安心して寛ぐことができます。
白を基調にした気品ある内装が、とても好みで居心地の素晴らしさだけでも、また伺いたいと思えるほど。見えなくなるまで見送ってくださったシェフの優しい笑顔も印象的でした。