人生最高のお茶 : 櫻井焙茶研究所

前回美味しかったので、
もう一度訪問。

スタンディングで、
普通蒸し前茶と深蒸し前茶、和紅茶を頂きました。

スッキリとしてフレッシュな普通蒸し前茶と比べると、深蒸し前茶は甘みとコクが強く出ていて、繊維が溶けているそうでとろみがあります。

日本紅茶は、ダージリンやアールグレイと比べると、華やかさや強い香りはありませんが、茶葉の甘みがしっかりと感じられて、エグミや渋みがな区飲みやすい印象です。


茶聖の手揉み茶と玉露用の急須を購入しました。

前回頂いたコースの玉露と比べると、スタンディングの茶葉はアミノ酸量やインパクトにかけるため、コースをおすすめします。

表参道の靴磨き屋さんで、お茶のいいお店があると聞いたので、行ってみることに。Te Hongという店でしたが、残念なことに休業日。

近場で調べるとこちらのお店がヒットしたので、本当にたまたま訪問しましたが、大当たりでした。


Spiralビルの5Fにあり、店内は銅板などを使った高級感のある内装で、コの字型のバーカウンターを囲むように客席が配置していて、素敵な作りです。

せっかくなのでお茶菓子付きで前茶から抹茶まで楽しめる7000円のコースにすることに。


まず初めに頂いたのが埼玉入間の手もみ茶を、30度のお湯で抽出したもの。

こちらのお茶は農水省の金賞を受賞したもので、生産者は埼玉県の比留間園。農園のご主人は茶聖の称号をお持ちだそうです。

先日、下北沢の由縁別邸で頂いたお茶も茶師十段位のものでしたが、比留間氏も茶師十段位をお持ちとのこと。十段位は全国で15人しかいないという、選りすぐりの実力者です。

「茶聖」と聞いて将棋の「棋聖」を思い出します。家に帰ってから調べると、「永世茶聖」というものがあるらしく、茶聖を5回取ると得られる称号で、全国で初めてお取りになられたという、文字通り最高位の方でした。余談ですが、将棋の棋聖も5回タイトルを取ると永世棋聖が名乗れるので、共通点が面白いなと感じました。


お茶を口にしてみると、なんだこれは！と思うほどの衝撃。昆布茶のような凄まじく濃厚なアミノ酸の旨味があります。調べてみると、茶のアミノ酸は6種類ぐらいあり、昆布に含まれるグルタミン酸も入っているそうです。

甘みも強く、苦味はなく渋みはほんのりとあります。

口当たりはとろみがあり、コーヒーで言うコクのようなものがあります。成分的には何なのか気になりましたが、いまいちハマる答えは頂けませんでした。答えは後々分かることになります。

今まで飲んだことのないくらい衝撃的なお茶で、本当に美味しい。

2煎目、3煎目になるにつれて、旨味や甘みが抜けて、とろみがなくなり、苦味が出てきます。


付け合せで頂いたのは、州浜というお菓子、自家製味噌漬けカマンベールチーズ、おひたしです。


次に頂いたのが、福岡県八女市のほうじ茶、つゆひかり。八女市も茶師十段の一人が経営されているお茶屋があり、機会があれば行きたいのでブックマークしております。

ほうじ茶なのに、強い旨味と甘味が感じられます。ほうじ茶によくあるエグミがなく、焦げ感はかすかに感じるような気もしますが、くどい臭いがなくとても美味しいです。

次に頂いた3年番茶は銘柄がどこか忘れましたが、懐かしさのある、木々の香りがします。


最後にお菓子が出てくるのですが、「ここのつ」というお店のものと、「ひがしや」というお店の商品を扱っているようです。食べログを見る限りかなりの人気店なようなので、興味津々でした。

5つの中から選んで下さいとのこと。全部頼めますか？と聞くと、単品注文での追加なら大丈夫とのことでしたので、お願いしました。

「ここのつ」
○ひのろどうふ
寒天の中に豆腐、食べる時に何か一瞬生臭いような気がします。甘味がないので、餡蜜があれば美味しそうだなぁと感じました。

○最中
最中の皮は、噛むとバリバリッと音を立てて、最高の食感。アンコのしっけを吸って湿っていることもなく、エグミがありません。

あんこはかなり甘さ控えめで、時間差でゆっくりと味わえるコクのある甘さ。冷蔵保存の影響か、清涼感があります。

いやーこれはめちゃくちゃ旨い。銀座空也の甘ったるいあんこと、水を吸った皮で作られたまずい最中を最近食べていたので、比較対象があってより美味しさがわかります。

小豆の良し悪しは知識がなく、ちょっとわからないですが間違いなく人生で一番旨い最中。


「ひがしや」
○桜の道明寺羊羹
　ちょっと甘味が強く、しつこい。中に硬めのもち米が入っています。桜の香りはしっかり。

○夏目バター　自然な甘さと、バターのコクが相性良く、美味しいです。

○かしわ餅　モチモチでコシがありますが、固くはない面白い生地。生地にあつみがあります。あんこも甘さ控えめで丁寧に濾されていて、うまいです。

お店に行ったら最中とかしわ餅はぜひ食べて見てください。


抹茶を頂き、その後で白湯を頂きました。お湯にまろやかさがあり、普通の水じゃないことがはっきりわかります。

聞くと温泉水を使っていて、鹿児島の「寿鶴」という銘柄だそうです。鹿児島の温泉水は一通り飲んでますが、寿鶴は飲んだことなかったなぁ。

PHは9.4。普段飲んでる温泉水99はPH9.9なので、若干酸性よりです。多分アルカリ性で口腔内の粘膜（タンパク質）が溶けるので、まろやかさを感じるんでしょうね。

お湯を沸かしている鉄鍋も、水を柔らかくすると言われているとユーチューブ動画で解説していました。

珈琲店は水にこだわる店がほとんどない中で、素晴らしいです。鹿児島の温泉水は日本一うまいですね。


退店したあともお茶の余韻が残り、最高でした。


ただ、他の口コミにもあるように、接客が残念。男性店員さんは知識もあり丁寧に説明してくださっていい感じでしたが、女性店員さんの一人は説明も簡素で、こちらから聞きに行かないと解説なし。

「最中は冷蔵保存ですか？」と聞くと「はい」とだけ答えられ、冷蔵による温度変化が嗅覚や甘味に与える影響など微塵も気にしていない様子で、忙しそうでそれ以上は聞けませんでした。

また、お茶とお酒をブレンドしたものを提供しているそうなのですが、お酒の尖り方などどんな特徴があるのか聞いても返しが釈然としませんし、なぜ緑茶と酒を合わせるのか、そこにどんな思いがあるのかなどの説明もありません。

多分お茶もお酒も対して好きじゃないんだろうなぁ。ちょっと苦手なタイプの女性でした。

外国人や若い子が多く、常に忙しそうでしたので、僕のような面倒くさい客は相手にしたくなかっただろうなぁとは思います。

お茶菓子を飲んでゆったりとした時間を過ごすというな空気の店ではないです。


お茶は最高でしたし、お土産としてお店の一番高級な茶葉を購入して帰りました。

ユーチューブのインタビュー動画を見ると、内装や空間設計を非常にこだわっていて、きちんとした哲学の上でお店を経営されているのが分かります。お酒とお茶を組み合わせた理由も分かりました。

コーヒーと比べるとお茶の店は少なく、人気も下火ですが、お茶も中々いい店がありますね。