アフタヌーンティーも始めたって！！ : I・K・U 青山

コールドプレスジュース
デトックス 生姜、ゆず、和梨
土
ビューティー 葉野菜 で小松菜
、カーボロネロ、りんご、みかん。
パワーチャージ、ビーツ、人参、みかん、土の香りがする。

卵とキノコ フランスではやる。
56度のスチーム、しいたけ、エリンギ、舞茸、しめじ、ドライ玉ねぎの甘さ、レッドマスタード、

愛農ナチュラルポークのグリル
バジルのニョッキ、蕪のマッシュ、ケールのパウダー。肉の火の通りが抜群、しっかりと火が通っているのに、柔らかく、赤身の旨さはもちろんのこと、脂身の甘さが素晴らしい。

ショソンオポムのリンゴではなく、さつまいもバージョン。それにアイスクリーム、添え。

それから、プティガトーは香り高い抹茶のフィナンシェ、フランボワーズのギモーヴが良かった。

ここはナチュラルな味わいのフレンチだけど、デザートもなかなか良くて、焼菓子を褒めた時にお店の方から教えていただいたのだけど、実はアフタヌーンティーをやり始めたらしく、それが好評らしい。

なるほど、わかる！
この焼菓子や様々、詰め込んだアフタヌーンティーセットはさぞかしいいだろう。

今度、ぜひ、アフタヌーンティーにも来てみたいな！

素晴らしい料理だった。
自然農法の野菜に、フレッシュコールドプレスジュース。体に優しい料理。

と、ここまではイク青山の今までのコンセプトと全く変わらない。しかしながら今回の料理は全く趣きを異にするものだった。

平坦にさえ思える料理のシークエンスで少し最近は足が遠のいてい他のかもしれない。
久しぶりに味わうのだが、
コールドプレスの次の前菜の皿から少し
何かが違う気がした。
味のインプレッションが柔らかさの中にも強さを感じさせる立体的な味わいなのだ。

「お、ん？美味しいなっ、この前菜。」
いままでよりも、野菜使いが格段に優れている。変化する野菜の調理法を楽しませてくれるのだ。そう、皿の中に音楽が流れているような感覚。しかも、しっかりと聞こえる音で、それぞれの素材が主張しながら。

メインの皿はこれがまた素晴らしい一皿だった。しっかりと流れの中で音量を最大にして、しかも特徴のある主張をする美しいメロディー。
メロディーが感じられた。
もちろん、ボリュームの事を言っているわけではない。

量もそこそこある皿ではあったが、
カモをソースに絡めていただいた時のソースの主張が抜群の香りのカモと素晴らしいハーモニーを奏でるのだ。
ビーツもその中で、まさにビーツ独特の優しい香りが、ソースの酸味のある凝縮された旨味と抜群の相性。


デザートも爽やかで上品ながら完成度の高いもの。夏らしいマスカットも織り交ぜた氷、ゼリー。

以前のシフト変わり新しいシェフは中岡シェフ。「小島シェフには大変お世話になり、本当に勉強になりました。」と言う。
ベージュアランデュカスの小島シェフの下で腕を振っていたそうだ。

スーパーナチュラルジュース3種が最初に出て来た。これは以前からのスタイルである。
全体のコース仕立ては以前のままなのだがなぜかどことなくセンスが良い。味の完成度が高いのだ。

スーパーナチュラルジュースはデトックス、ビューティー、パワーチャージの3種類。

コールドプレスは3tの力で行うらしい。

最初の1つ目は大豆、生姜、カラマンダリンオレンジ、トンカ豆、りんごが入ったもの。
2つ目はカーリーケール、ベルデケール、愛媛レモン、大根。
3つ目はビーツ、千葉の人参、日向夏、紅芯大根。

これがどれもうまい。味はそれぞれ特徴があるが生姜が効いていたりオレンジの香りがしたりはたまた泥臭かったり（笑）いや、冗談ではなく、素材の味わい香りとして、これがまたいいのだ。

2皿目は夏野菜とサーモンのテリーヌ、アンディーブとマイクロリーフを添えて。
いんげん、ズッキーニ、ポロネギ、ベビーコーン、オクラ、大葉、みょうが。
なかなか味のセンスの良いテリーヌだ。
つけ添えてあるマイクロリーフは栄養価抜群なだけではなく、香りも抜群だ。

3皿目は愛農ナチュラルポークのロティこれが素晴らしくうまいのだ。

後からシェフに聞いたら、200度のオーブンで20回も温めたり休ませたりのかなりの作業を通してこの柔らかく優しいポークロティができあがるらしい。

印象的なのは脂の口どけと甘みだ。
それから、この肉、豚肉の強い匂いは全くせず、キメも細かく、柔らかくも、上質な印象。
ソースも優しい味わいに仕立ててあるのに、しっかりとぼやけることなく、決まっている。

デザートとしてはほうじ茶のブランマンジェと塩味のソルベ出てきた。
柔らかくしあがっていて、塩味が効いてほうじ茶のブランマンジェと混然一体となる。

ハーブティーと一緒にプチフールが出てきた、焼き菓子以外にもギモーブがおいしかったー。

結果としてみると、コースは極めてヘルシーな仕上がり。

全て自然栽培の野菜でチョイスしているレストランだけの事はある。

シンプルで大人なコース料理だった。

素晴らしいこだわりの素材を丁寧に調理した
繊細な自然派フレンチ。

僕が「大人な味」と言うには大きな理由がある。
さまざまなレストランに日々行くとふと
疲れた感覚に陥ることがある。

疲れたからと言って食べないわけというわけではない。

フレンチの凝ったソースや
オリーヴオイルまみれになる皿ではなく
素材のシンプルさを味わい、
自然の滋味を体に受けたい日があるものだ。

ＩＫＵ青山の料理はレカンにいた甲斐シェフが作る。
脂やバター、クリームなどはほとんど使わず
胃に優しい翌日にもたれない体にすーっと入ってくる素直なコース料理が特徴。

素材も厳選されている。
その厳選素材自体を上手に楽しんでもらおうという
自然調和型のレストランだとお見受けした。

フレンチのシェフが上手に和の技法も織り交ぜ
素材の実力をしっかりと味わえるコース料理を提供する。

そういった料理はさまざまな料理を食べつくした結果、辿り着く素材が主役のテイスト。
コースは以下の通り。

◎コールドプレスジュース
期待値が盛り上がるいい仕掛けだと思う。
右から順にいただくが、それぞれ効能があるということ。
コールドプレスなので、栄養価の残存率も高くかなりパワフルな吸収力らしく
これがイントロダクションなのは期待感が膨らむところ。

○マイクロリーフサラダ
マイクロリーフは通常の野菜の4倍もの栄養価。抜群に体に効くサラダ。
絹のように柔らかいマイクロリーフの野菜をじっくり味わいながらゆっくり食べて自分の身に取り込む。
体が「おいしい！」と言っている！！

◎雑煮
完全なフレンチのセットで出てくる。
アゴ出汁と昆布出汁、シイタケと聞いたが、臭みなくコンソメのように仕上がっており抜群。
これからのコースへの期待値 も自ずと上がる。

○ラビオリ
ちぢみホウレン草とベーコンはファミレスのホウレン草とベーコンのソテーを彷彿とさせるところもあるが
ホウレン草の味は濃く、エスプーマとラビオリの食感が絡み旨い。
日常的な組み合わせでも素材を厳選すると素晴らしい。
もう少し香りか味にアクセントを付けたほうが分かりやすい料理になるかもしれない。
例えばこれにタイムなどホウレン草と相性の良いハーブの香りか相性の良いスパイスがあればもっと面白いかもしれない。

○フグのフリット
白身のフグの素晴らしさがダイレクトに伝わってくる。
その柔らかさ、上品さがいいサッパリとレモンソースだけで食べる。
和の雰囲気が出ていて面白い。どうせなら山椒などを香らせるとより僕の好みになる。

◎近江牛のフィレ
さすが甲斐シェフレカンの出身者。
火入れも抜群。ハーブを使った味付けに香りも素晴らしく肉自体の甘みも引き出し、最高ランクの仕上がり。
この近江牛の一皿の料理を食べに来るだけでも価値がある。
とにかくその仕上がりに度肝を抜いた。

◎愛農ポークのカツカレー風
高校生が愛情持って育てたストレスフリーの愛農ポーク。
甲斐シェフやはり火入れが群を抜いて良い。
米で作った硬い衣も面白く食感も良い。
カレーソースも良い。欲を言うとクミンが立っているほうが
最近のはやりのフレンチっぽくなる…。
いいや…流行りを負う必要ないか…うん、このままがいい。
塩のバランスも良くさすがの仕上がりだ。

○ディセール　
屋上にお客さんが入っていない時間だったので、オーナーのご厚意で屋上で頂いた。
寒い日だったがコートを着込んで、ストーブに当たりながらの別世界。
この大人のロケーションの素晴らしさは感動もの。
女の子とくるとデートに最適なフィナーレ。
グループで来ても異次元体験に感動すること間違いなし。

カトラリーはすべてクリストフルのシルバープレート。
あの分厚い40ミクロンの銀メッキがステンレス製と違って
重みすら違ってくる。

食器、内装驚くほど大人なこだわりが満ちている。
大満足できる素晴らしいレストランだと思う。