スマートなグランメゾン : レフェルヴェソンス

食べログでは、昔から御殿山の『カンテサンス』と食べログ東京フレンチ部門のトップを競って来た、ミシュラン２つ星フレンチです。
本日は私の誕生日祝いという事で、ツレにおねだりして連れてきてもらいました。
昨年の私の誕生日は銀座の『ロオジエ』だったので、今年は帝国ホテルの『レセゾン』と迷いましたが、久しぶりにこちらに行ってみることに。
口コミにあげてはおりませんが、4年前にランチで1回、3年前にツレの誕生日祝いで来ており、今回で3回目の訪問になります。
当時の印象ですが、言わずと知れた都内屈指のグランメゾンで、味、サービス、雰囲気すべて申し分なし。
しかし私も都内のフレンチを120件以上食べ歩き、より重たいよりクラッシック、よりヲタクな味、複雑な味を好むようになってしまい、優等生的なテイストの印象の当店を再訪する意欲がなかなか湧かず今日に至ります。
コロナの影響でメニューもリニューアルされたとの事で期待しての訪問です。

■店内の様子
なんでも1番乗りの大好きな私は、日曜日の開店11時半の5分前に到着。
受付、検温、消毒を済ますとまずはメインダイニングとは逆のウェイティングルームに案内されます。
一息入れてメインダイニングへ。
3年前なのであんまり覚えてませんが、席数を減らして間隔を広げたでしょうか。内装は変えてないとの事。
全面ガラス張りで中庭を望むような配置です。
ロオジエ、レセゾン、アピシウスのようなゴテゴテ感は無く、シンプルな高級感で肩こりする雰囲気は無く疲れません。
BGMは、やめたとのこと。

■感想
期待以上の満足感でした。
当店は味よりも雰囲気のお店と勝手にレッテルを貼っていた私ですが、本日の感想は味も全て満足のいく物でした。
特に魚料理では、ホエイ（乳清）に漬け込んだ甘鯛の味に感動し、更に肉料理の鴨も想像を超える旨さ。
共にガツンと舌と頭に記憶が残る力強い味わいで、やっぱりメインがしっかりしていると印象に残ります。
また何よりも演出がいいですね〜。
ロオジエなどは王道の雰囲気とサービスでゴリゴリ押してくる感じですが、レフェルヴェソンスは、他店では見られない独自の演出、構成、プレゼンテーション。
とにかくとても斬新でスマートでありこれは響きました。
また女性は100%萌えるでしょう。
ツレもその演出に大喜びであり、私の誕生日祝いでしたが、当店なら一緒に楽しんでもらえるだろうと言う私のは目論見はまんまと的中しました。
コースメニューが3年前に比べて上がりましたが、それを上回る満足感でした。
一方でサービスに一言。
料理提供時にもう少し熱意ある説明が，欲しいところ。私は各お料理の説明を聞いてイマジネーションを膨らませて食べるのが大好きであり、淡々と提供されるだけのサービスにはイマイチ萌えません。
ベテランサービスマン以外は、服装はバチッとしてますが中身はアルバイトのお兄さんレベルに感じましたね。
カンテサンスに比べれば比較的予約は取りやすいレフェルヴェソンス。
今年の9月で丸10年を迎え、日本フレンチ界で独自の道を突き進んでいるフレンチだと思います。

■本日のコース内容

※目の前でハーブ？をすり潰して、食前酒が提供されるのですが、これがべらぼうに美味い

❶野菜のクリスプ
これが癖になる旨さ。
要は野菜のポテチのような物でいきなり揚げ物から始まりますが、野菜の甘味が全面に出ていて、正直美味いです。
更に、豆腐サワークリームをつけるともう止まりません。ポテチ好きにはハマるでしょう。
食前酒と併せて、私のテンションは上がっていきます（笑）

❷フグ白子、白トリュフ、貝柱のリゾット
アミューズは無く、いきなり目の前のワゴンで、ホタテ貝の上でリゾットがグツグツ言ってます。
仕上げに黒トリュフをフリフリして食べます。
これはまあ想像通りの味わいです。中に入っていたタマネギを煮詰めた物は美味かった。、

※ジャガイモ入フォカッチャ、古代小麦入パン
美味いんだけど、フォカッチャが油で手がベトヘドになりますので、ご注意を。

❸アルチザン野菜
最近よく遭遇する野菜のフレッシュや、焼いたり、茹でたり、フリットしたりの組み合わせサラダ。
しかしその種類がさすがはレフェルヴェソンス。
50種類くらいあるとの事で、説明抜きで別紙（写真参照）を渡されます。
日本各地の拘りの生産者から集めたサラダで，当然１つ１つ野菜としては美味いのですが、混ぜ合わせて食べた時のハーモニーみたいなものが、私的には欲しかったでしょうか。
神楽坂『ラトューエル』のメリメロサラダや、9月いっぱいで閉店してしまった白金台のイタリアン『リストランテセンソ』のスペシャリテのオルトのような。

❹カブのロースト
当店の開店以来10年間変えていないとゆうスペシャリテ。
過去2回は正直そんなに感動しなかったのですが、今回はその物凄いみずみずしさとカブの甘味に感動してしまいました。
季節によって味が変わるとの事で過去2回は真夏と3月だったのでこの時期が当たりなのか？それとも私のコンディション？（笑）

❺甘鯛
ホエイ（乳清）に漬け込んだと言う甘鯛は、プルンプルンな歯応えと何よりもその旨味甘味が強烈。
更に骨から出汁を取ったスープも素晴らしくこれは唸りました。
枝豆、山椒の組み合わせもいい。

❻京都産鴨ロースト
メニューの鴨の文字を見てそんなに期待していなかったのですが、食べるとこれが想像を超える旨さでした。
聞くとエトフェ（窒息鴨）との事でしたが、そんなに血の味はしなくて、噛み締める度に肉と皮から強烈な旨味が溢れて来ます。
また赤ワインソースも素晴らしい。
大食いの私には、全くボリュームが足りず、ツレの鴨を半分くらいをもらいましたが、もう2人分くらい食べたかった一皿でした（笑）

❼タリヤンインブロード
鴨肉のパスタのスープ仕立て。〆のパスタと言う事であえてアッサリ仕立ててあるかもですが、最近、池ノ上の『ぺぺロッソ』や『パッソアパッソ』でパンチ力のあるなパスタに慣れてしまった私には、これは物足りなく1番普通だったでしょうか。
この時点でお腹いっぱいにならなかった私ですが、胃袋の叫び声が漏れてしまったのかサービスの方がおかわりを勧めて来たので乗っかります。2杯目を食べてなんとか落ち着きます（笑）

❽チーズ
実はチーズの苦手な私ですが、癖のないチーズ5種類で美味かったです。

❾デセール
ココアのシューに、モンブランクリーム、味甘、小豆のペースト。
普通に美味い。

➓カフェ

11.お茶菓子
最後に女子の心を鷲掴みするような、種類の多さと小さくて可愛らしいミナャルディーズ。
味も全てちゃんと美味い。

※最後に定番の抹茶を目の前で点てていただき、落花生のジュースでフィニッシュ。

いや〜大満足でした。
レフェルヴェソンスやっぱり流石でした。
これは昔通っていた、日本橋の姉妹店『ラボンヌターブル』や、広尾に7月にオープした系列店のビストロ『ネモ』にも行きたくなりましたね。
それにしても本日の客層ですが、ほとんどが20代〜30代のカップル。アラフィフは私達だけであり、そんな雰囲気の中での誕生日祝いのプレートが出て来た時は、正直かなり小っ恥ずかしい私でした（笑）