歴代店長(西谷→吉田→森貞→大谷)の力量に支えられ "開店10周年" を迎えた bar il primario : バール イルプリマリオ

【ゾクゾク感が背筋から首筋に走り脳に到達するシリーズ Vol.1 】


本当においしいものをいただいた時に起こる予期せぬ身体の反応は、口に含む前からその香りによって引き起こされ、味蕾を刺激した後、ゾクゾク感が背筋から首筋に走り脳に到達し、その余韻を楽しむまでの数十秒間続きます。私の場合、途中で目を瞑ってしまうので相手に知られてしまいます。

例えば、

・ハモン・デ・ベジョータ イベリコ(Jamón de bellota ibérico)https://tabelog.com/imgview/original?id=r7353277300066
・Prosciutto crudo e melon https://tabelog.com/imgview/original?id=r8302986825385
・チーズ　https://tabelog.com/imgview/original?id=r4928181077894
・粥　https://tabelog.com/imgview/original?id=r5673363007930
・マカロン　https://tabelog.com/imgview/original?id=r6651083333782
・etc.

ですが、

青山通りに面した AOビル B1F にある「バール イルプリマリオ」の ”リストレット” もそのひとつです。(写真無し)

歴代店長(西谷→吉田→森貞→大谷)各氏の力量と研鑽によって多くのファンを惹き付け、めでたく "開店10周年" を迎えました。
代替わりし、店を任された店長の重圧といったらその笑顔からは計り知れないほど強烈なものであろうと想像することは容易いです。

半年ほど前、大谷店長になってから初めてのオーダー。

「何か得意なカフェを入れていただければ結構です。」

と、相手を探るような意地悪な注文をしました。「はい。」と返事をして、出されたカフェは、”ristoretto” でした。
（むむっ、オヌシやるじゃないか）

「oggeti様には、これを飲んでいただきたかったのです。」

私は彼女の心意気に敬服しました。が、出来栄えは前任の森貞さんに及びませんでした。

その後、大谷店長には何度もリストレットを淹れてもらい、都度、「うん、おいしいね！」と80点から90点の出来にも関わらずニッコリ笑って忍耐強く待ちました。

リストレットは、豆の量がエスプレッソとほとんど同じであるにも関わらず、抽出量が小匙一杯程度であるため、バリスタの力量が試されます。豆のグラインディング、仕込み量、タンパーの押し具合、バルブの開き方(これが一番難しい)、抽出量、姿など各人各様であり、その変化が面白味でもありますが、香り、味、姿に関しては客の好みを把握して対処することが求められます。


この日、大谷店長が淹れてくれたリストレットは、百点満点の出来でした。おいしい！！！！！

"開店10周年" おめでとうございます。

【２回目の口コミ】

愛知県安城市にある「ジェラートラ」 http://tabelog.com/rvwr/000667874/rvwdtl/55152558/ を紹介していただいたレビューに触発されて、Bar il Primarioのブリオッシュ・ジェラート(Brioche con gelato)の写真を撮ってきました。

少し小振りですが、暖かいブリオッシュと冷たいジェラートの対比が新鮮な歓びを与えてくれます。

＊＊＊

私がイタリアで初めてこれを食べたのは、2009年11月のシチリアです。
「明日の朝食は、ホテルで食べないでバールへ行きましょう。」と田舎町に住むイタリア人に誘われ、連れ立って近くのバールへ行きました。

イタリアの一般家庭の朝食は、とても簡素です。
昼食と夕食は、ゆっくり食べて、たくさん喋って、ドルチェやディジェスティーボまで楽しみますが、朝は、ビスコットとカフェだけです。

外国人も宿泊するホテル(200~1000EUR/泊)では、世界共通のスタイルで供されますが、ローカルなホテル(60~150EUR/泊)では、給仕がカフェだけをテーブルに置き、ブッフェには甘いお菓子とパン、フルーツ、ヨーグルト、ハムだけしか置いていない場合もあります。B&B(35~70EUR/泊)だともっと簡素でパック詰めされたビスコットかパンだけが用意され、自分でコーヒーメーカーを使います。

ホテルに食堂がない場合は、指定されたバールへ行ってドルチェとカフェをいただくというスタイルもあり、これは美味しいです。
出勤前、家では何も食べずバールで朝食を済ませる人が多く何処も賑わっています。焼き立てのクロワッサンとエスプレッソ若しくはカプチーノを頼んでいる人が多いですが、最近増えてきたのがブリオッシュ・ジェラート(Brioche con gelato)を頼んでいる人です。
今ではイタリア中のバールで食べることができますが、熱々に焼かれたブリオッシュに冷たいジェラートをたくさん挟んだ味覚が妙であります。一番人気のあるジェラートはバニラですが、チョコレートやレモンソルベを挟んでもらっている人もいます。大きなハンバーガー程度の大きさがあり、十分なカロリーが摂取できます。ブドウ糖は直接脳細胞を活性させますので、これで元気になったイタリア人は、午前中に一仕事を終えます。

本場のブリオッシュ・ジェラート(Brioche con gelato)を食べてみてください。嵌りますよ〜。彼らは、馴染み客と朝の挨拶を交わし、店のバリスタやお嬢さんをひやかして、頬っぺたをくっ付けて互いの健康を気遣います。こんなコミュニケーションをとるためにバールへ行くイタリア人は幸せです。


【１回目の口コミ】

他の店でこんなに美味しいエスプレッソは飲めないです。
イタリアで味わうエスプレッソと同じです。
車でなければ、アペロールの香り高いスピリッツも飲みたくなります。

勿論、リストレット、マキャート、カプチーノも本場そのものの味を出しています。　最高!!
イタリアでエスプレッソを飲むと、１.５～３EUR/杯 ですから、350円/杯は、ほぼ同じ価格です。

本場BARの店主は馴染みの客との会話を楽しみますが、ここ il Primario の格好いいマスター（初代の西谷さん）も気軽に話をしてくれます。チョットした会話を楽しみながら、３口でエスプレッソを飲み干すのがイタリア風の飲み方です。

アルコール類や生ジュースも楽しそうに作りながらテキパキとこなし、イタリア式の飲み方にも詳しいです。
紀ノ国屋の地階にあるハンディを吹き飛ばすお店ですが、青山通りに面した路面店であればもっと楽しいのになぁ。

他のコーヒー専門店で満足できない方、ぜひ、お試しください。
今までお連れした三人のイタリア人も大絶賛です。