かつぎやが再開するまでのつもりが…美味し過ぎです : 希須林 青山

8月下旬に移転のため閉店した神田のかつぎやですが、11月上旬の開店が予想通りかなりずれ込んでおり、今のところ11月末くらいの新装オープンになりそうです。

この前近くで飲んでいたので、帰りがけに寄ってみたら夜にも関わらず内装工事の真っ最中。
入口には縦に「かつぎや神田小川町」と書かれた看板がはまっていました。
工事作業中の兄ちゃんに声掛けてあとどれくらいかかりそう？と聞いたら（仕事の邪魔するなよ）、あと10日くらいかなぁ…とのこと。機材と食材を搬入してオペレーションを確認して段取り整えたらどんなに急いでも11月末ですね。
あと少しの辛抱です。待ち遠しいなぁ（笑）。

※ 現段階では12月3日開店予定の線が有力だそうですよ。

ここから本題。
ということで、京橋の頤和園と赤坂の希須林と銀座のはしご（はしごはだんだんめんですけど）で担々麺をいただいております。
いろいろと行ってみると、どちらのお店の担々麺も味わいが違って（当たり前だ）それぞれとても美味しく、それはそれで充実した担々麺生活を送っております。

で、本日は担々麺専門店じゃないほうの希須林にやって来ました。
かつぎやのお二人の修行先です。
表参道の交差点からすぐの路地を入った2階なんですが、こんなところにお店があるの？という雰囲気です。「希須林」の看板も知らなきゃ読めないし（笑）。
ちょっと寂しい階段を上がって久しぶりに来てみたら、週末のせいか開店時間の17時半にはほぼ満席でした。やっぱり人気店です。週末は予約必須ですね。念のため電話しておいて良かった。

テーブル席に通されて早速ビールをいただきつつメニューを眺めます。
最近ご無沙汰で味の記憶も薄れているので、却って新鮮な感じ。良いですね。
確かサラダが美味しかった記憶があるんですが…久しぶりですから口水鶏と搾菜、焼餃子という無難なスタートにしました。
ビールを飲みながら途中で卓球セットを買ったので来週末にでも自宅で対決しようなんて雑談することしばし、口水鶏と搾菜が来ました。
ワイフは元卓球部のエースですから敵うはずもないんですけど（笑）まあいいか。
それにしても最近の卓球では世界一の中国選手を次々と撃破して優勝しちゃったりするのでびっくりです。日本の卓球レベルは飛躍的に向上しているんですね。
私は中華料理を撃破することにします。

で、口水鶏は一口含んだだけで辛味噌が得も言われぬ美味しさ、早速記憶が蘇ってきました。
そうだここの料理は素材が良くて調理方法がシンプル＆丁寧で美味しかったんだって。
どうも私は脳ではなくて舌に長期記憶が蓄積されるようです（笑）。
搾菜はパリッとしていて食感が大変心地良いです。
塩分も上手に抜けていて美味しいのに塩っぱくないのが良いですね。
これは中国の搾菜ではないです。自家製なのかな。
ビールが空いたので紹興酒を温めてもらって搾菜をアテにしましたが、中華料理ってこんなに上品な味わいだったっけ（失礼）と思うくらいです。

焼餃子は意外にも普通でした。
普通って言っても美味しいんですが、特に強い印象は残りませんでした。
ただ、口水鶏の辛味噌を残しておきましたので、これで焼餃子をいただくととっても美味しい。
つまり辛味噌が美味しいんですね。調味料として売って欲しいレベルです（ちなみにお会計の時に売っているか聞いたらNGでした）。

実力のほどを舌が思い出しましたので、早速料理の追加。
本日のスペシャリテにあった海老と春雨の蝦黄醬（シャーホワジャン）炒めと春巻、それにレバニラをお願いしました。
美味しいじゃんシャーホワジャン。これじゃあ井之頭五郎の独白じゃん。
ダジャレ言ってる場合じゃなくて、この海老味噌炒め本当に美味しいんですよ。
あっさりしているのにコクと香りがあってあとからジワジワ旨味が広がります。調味料で食べさせるのではなくて素材の味をきっちり引き出していますね。
味を加えるのではなくてそのまま素材の味の良さで勝負しています。素晴らしい。
春巻は一転してはっきりした味付けで、何もつけずにそのまま紹興酒のアテでした。
餡がトロトロで濃厚なのに表面はパリッと揚がっていますから一度に違った食感が楽しめます。
結構大きくてアツアツなので猫舌さんは少し待ってから食べましょう。
レバニラはマイギネスを軽〜く超えました。こんな美味しいレバニラ食べたことない。
しかもレバーとニラは別々に火を加えられていて味付けも微妙に違います。それがお皿の上で一緒に盛り付けられてレバニラになってます。これはすごいです。
美味しい美味しいとあっという間に食べて、紹興酒も4合のお燗が空です。
美味しいものをいただくとお酒もスイスイ入ってしまいますね。

かなりお腹は膨れましたが、美味しいものって後引きなので欲望も膨らんだまま（笑）。
ということで担々麺は赤坂でいただいていますからスペシャリテからもう一品頼んでみました。
牡蠣と農園きのこの豆豉炒めは、メニューにあったら絶対食べたほうがいいです。
牡蠣はプックプク、きのこはシャキシャキで火入れの具合も絶妙でした。
オイスターソースで味をまとめているだけで、飽きのこないシンプルな味わいですから、紹興酒でもご飯でも合いますねきっと。

どのお皿も良質な素材をあまり弄らずにシンプルに調理してあり、盛り付けと器の美しさが美味しさを引き立てる演出ですね。
ヌーベルシノワほど凝っていないのも良いです。あくまでシンプルに美味しくって感じがよく伝わってきました。

中国茶をいただいて口もさっぱり。満足です。
かつぎやが再開するまでこちらでお世話になろうと軽い気持ちで伺いましたが、そんな失礼な考えが吹き飛んで、これからも美味しいものいただきに伺おうと思い直しました。

ご馳走様でした！！