辣油の辛味が際立ちながらもバランスが緻密に計算された精巧極まる清湯つけ麺。 : らぁ麺やまぐち

2023年12月7日（木）

昨夜は名古屋から来たラ女子の希望で2軒目にこちらの店を訪問です。

ラ女子が住む名古屋では「紫陽花」と言う店が大人気であり、故にそちらの店主が嘗て修行されたこちらの店にも興味を抱いた様です（笑）

16時46分に到着すると、早めの時間である事から先客は僅か2名のみの状況です。

私は「辛つけそば」、ラ女子は看板メニューである「鶏そば」の食券を購入し、着席して食券を渡すと7分ほどで待望のつけ麺が到着です。

昆布水に浸された細麺は整然と揃えられていて、上にはチャーシュー、メンマ、芽ネギが乗っています。

一方、醤油の色味を濃いめに帯びたスープには辣油と共に唐辛子の粉末、胡麻、刻みネギが浮いています。

先ずは緩めに粘度を帯びた昆布水をレンゲで掬いつつ飲んでみると、さり気なく効いた塩味と共に濃密な昆布のコクが舌に鮮明に伝わります。

次に麺を食べてみると、多加水寄りの細麺が適度な硬さに茹でられていて、噛み締めると靱やかなコシと共に瑞々しい小麦の甘味を感じます。

一方、スープを飲んでみると、僅かに強めな醤油の風味や塩味と共に、唐辛子の鮮烈な辛味や酢で与えたと思しき酸味が口の中に広がります。

出汁は「鶏そば」と同じく鶏や豚の動物系に昆布と思われますが、強い辛味に遮られて出汁の素性を明確に判別するのは最早困難な状況です（汗）

そして、麺にスープを漬けて食べてみると、辛味が適度に和らぐと共に昆布や胡麻のコクが加わる事で味わいに飛躍的な膨らみが生まれます。

スープだけを飲んでも些か良さが分かり難い印象ではあったものの、麺を漬けて味わうと緻密に計算された構成である事が漸く理解出来ます。

次にチャーシューを食べてみると、豚肩ロースの焼豚と低温チャーシューが何れも適度な厚みに切られています。

焼豚は微かなレア感と共に肉々しい弾力を保っていて、尚且つ軽めに味付けされている事から肉質に凝縮された旨味が舌に素直に伝わります。

ただ、吊るし焼きで仕上げられている割には薫香が微弱である事から、恐らく炭火ではなくガスを使って焼き上げられている様な気がします。

一方、低温チャーシューはまるでコンフィの様な仕上がりであり、軽めに帯びた塩味と共に赤身の旨味や脂身の甘味が舌に存分に伝わります。

食べ終えた感想ですが、唐辛子の辛味が存分に際立ちながらも麺とのコンビネーションで味わいに膨らみを与える精巧極まりない一杯でした。

ただ、1軒目で既に腹パン間近であった事から、残念ながら最後のスープ割まで堪能する事は出来ず終いでした（涙）

改めて訪れる機会があれば、次回こそは万全のコンディションで同じメニューを存分に堪能してみたいと思います。

ご馳走さまでした。

2022年10月25日（火）

一昨夜は「渡なべ」を出てから2軒目にこちらの店を訪問です。

こちらも都内では有数の名店ではあるものの、昨年「たかはし」を運営する「ヒカリッチアソシエイツ」に買収された様です。

ただ、店主の「山口裕史」氏は総料理長に就任している事から、この買収は両社協議の上で友好的に進められた様子が伺えます。

そして、先月こちらのメニューがリニューアルされたと聞いて、一新された味わいを確かめるべく約2年振りに訪れてみました。

19時50分に到着すると、店内の席は概ね3割程度が埋まっている状況です。

先ずは「鶏そば」の食券を購入し、席に着いて食券を渡すと待つ事4分ほどで待望のラーメンが到着です。

透明な醤油スープには鶏油が煌びやかに浮いていて、シルキーな中細麺の上にはチャーシュー、メンマ、芽ネギが乗っています。

先ずはスープを飲んでみると、極めて膨よかな醤油の風味と共に、重厚でいて丸みを帯びた出汁の味わいが口の中に広がります。

出汁は鶏に昆布との事ですが、鶏が圧倒的に味わいを占めながらも昆布が自らを主張する事なく旨味を底上げしている印象です。

以前に比べてエキスの濃度が一段と増してはいているものの、臭味や雑味を一切伴う事なく旨味だけが緻密に抽出されています。

一方、タレには3種の醤油が使われている様ですが、火入れによる芳香よりも醤油のコクや旨味が強調されている様に感じます。

ただ、私個人的にはスープが下地となって鮮明に浮かび上がった鶏油のコクや香りが味わいの主軸を担っている様な気がします。

次に麺を食べてみると、多加水寄りの中細麺が適度な硬さに茹でられていて、噛み締めると靭やかなコシと共に濃密な小麦の風味を感じます。

そして、麺にはスープや鶏油が潤沢に絡み込み、啜り上げると小麦の甘味と鶏油のコクが混ざる事で味わいに更なる膨らみが生み出されます。

次にチャーシューを食べてみると、豚肩ロースの煮豚と焼豚が何れも適度な厚みにスライスされています。

煮豚には脂身が些か多めに乗っていて、噛み締めると柔らかな弾力を感じると共に、上質な赤身の旨味や脂身の甘味が舌に素直に伝わります。

一方、焼豚には脂身が概ね皆無であり、噛み締めると靭やかな弾力を感じると共に、薫香を帯びた肉質の旨味が舌に極めて鮮明に伝わります。

食べ終えた感想ですが、私個人的にはリニューアル前に比べて味わいが大幅に向上されている様に感じます。

出汁の濃度と醤油感が見事に両立されていて、尚且つ香りから湧き上がる期待を一切裏切る事のない素晴らしい味わいに仕上げられています。

こうなると俄然他のメニューも気になる事から、次回は食券を購入する際に少々選択に悩んだ「鶏つけそば」を是非試してみたいと思います。

ご馳走さまでした。

2020年10月2日（金）

本日は仕事帰りにこちらの店を約1年ぶりに訪問しました。

ニボOLから行きたいと言われたものの、最新のラーメンWalkerで総合2位に入賞していたので、直近の混み具合を確認する為に偵察がてら訪れてみました。

18時12分に到着すると、予想に反して店の前に待ち客は見当たらず、店内には若干ながら空席が目に付く状況です。

先ずは「鶏そば」の食券を購入し、カウンター席に着いて店員さんに食券を渡すと待つ事6分ほどでラーメンが到着です。

透き通った醤油スープの上には鶏油が煌めく様に浮いていて、ストレート中細麺の上にはチャーシュー、メンマ、カイワレが乗っています。

先ずはスープを飲んでみると、生醤油、鶏出汁、鶏油が三位一体となって生み出された上品でいてキレのある味わいが口の中に広がります。

私が味わう限りでは、以前に食べた時に比べて生醤油の香ばしさ、鶏油のコク、鶏出汁の風味の全てが一段と厚みを増している様な気がします。

次に麺を食べてみると、多加水寄りの中細麺が柔らかめに茹でられていて、小麦粉の風味には若干欠けるものの艶やかな麺肌が滑らかな喉越しや啜り心地を与えます。

そして、柔らかめに茹でた麺にはスープと共に鶏油が強く絡み込む為、麺を啜り込むと共に舌の上で鶏油が濃縮される事で味わいに一段とコクが増します。

次にチャーシューを食べてみると、低温調理で微かにレア気味に仕上げた豚肩ロースと豚腿肉が若干薄めにスライスされています。

肉薄である為に噛み応えにはやや欠けるものの、肉質に旨味が凝縮されている為に噛み締めると赤身の濃密な旨味に加えて脂身のコクや甘味が舌に余す所無く伝わります。

食べ終えた感想ですが、流石名店と謳われるに相応しい素晴らしい味わいでしたが、私的には若干味が上品に纏まり過ぎていてパンチ力に僅かに欠ける印象を受けました。

私個人的には先日札幌で食べた「Lab Q」の方が僅かに上を行っている様な気がします。

あと、デフォルトのラーメンだと950円もする割には具材が貧相である印象が正直否めません。

と言う訳で、次回ニボOLと訪れる際には、是非「特製鶏そば」を食べてみたいと思います。

ご馳走さまでした。

今夜は台風の影響で風が強い中、こちらの店を初訪問。

17時頃に到着すると、晩御飯には未だ早い時間とあり、店内には先客が僅か二名の状況です。

早速「特製鶏そば」の食券を購入して店員さんに渡し、席に着いて待つ事5分ほどでラーメンが到着です。

澄んだ醤油スープの上には色鮮やかに鶏油が浮いていて、平打ちストレート中細麺の上にはチャーシュー、ワンタン、メンマ、味玉、カイワレが乗っています。

先ずはスープを飲んでみると、醤油の香ばしい風味と共に、雑味のない鶏のクリアな旨味が舌と鼻腔を直撃します！

醤油の輪郭がクッキリと際立ちつつも、塩分や酸味は実に穏やかで、醤油の風味が軽やかな分、鶏を中心とした動物出汁の旨味がストレートに伝わります。

次に麺を食べてみると、加水率がやや高めの平打ち麺が若干柔らかめに茹でられていて、多加水麺とは思えないほど小麦粉の甘味を強く感じます。

そして、麺に薄らと纏った鶏油のコクのある旨味が麺の小麦粉の甘味と絶妙に絡み合う事で、実に芳醇な味わいを生み出しています。

次にチャーシューを食べてみると、低温調理で仕上げた鶏胸肉と肩ロースのレアチャーシューです。

鶏胸肉の味付けは極軽めである為、素材の旨味が素直に味わえる反面、何処か旨味に乏しくて物足りない味わいです。

一方、肩ロースは比較的強めに味付けされていて、噛み締めると豚肉の野趣味溢れる味わいと共に、脂身のコクのある甘味が口の中にジワリと広がります。

そしてワンタンを食べてみると、鶏挽肉の餡には柚子胡椒が効かせてあるものの、味付け自体は軽めに抑えられている為、些か食べ応えに欠ける味わいです。

食べ終えた感想ですが、醤油の使い方が実に素晴らしく、麺とスープの相性も抜群に良くて、極めて完成度の高いラーメンだったと思います。

ただ、全体的には味わいがあまりにも上品過ぎる為、満足感には些か欠ける印象を受けました。

次はもっと食べ応えのありそうな「辣式」の「麻婆まぜそば」に挑戦したいと思います。

ご馳走さまでした。