[池袋のヤヴァいほうｗ]寡黙な店主が作る一本筋の通ったフレンチ : 仏蘭西料理 やおら料理店

池袋でワイフと買い物です。
ファミリーセールとやらで安く購入できるとあって、ワイフは朝から臨戦態勢ｗ
私は関心がないので、荷物持ちとして後ろに付き従います。
それにしても7割引だなんて、もともとの値付けはどうなっているんでしょうか。
定価で購入した人が可愛そうだよねぇ。

ということで、歩き疲れたワイフがお腹減ったとｗそりゃそうだ。
ワイフの戦利品は購入価格で10万円弱、上代にすると30万円を超えているそうですからお得だお得だと疲れている割には元気です。
女性って本当に買物好きだよねぇ・・・

では池袋でBMしている数少ない店のうちの一軒に電話。
お、本日は空きがあるとのことで、これからすぐに向かいますとお伝えし、池袋駅を挟んで反対のエリアへ。
この界隈はいつ来ても既に日本じゃない感がありますし、夜暗くなったらちょっと怖いよねｗ
でも美味しいものを出す店もあるので、楽しいエリアでもあるんですけど。

店は雑居ビルの2階、外階段を登って店に向かいます。
お隣は寿司屋かぁ、こちらも何だか看板に気合が入った印象を受けます。
店内に入って名前を告げると奥の丸テーブルに案内されました。
4〜5人座れる厨房前のカウンター席とテーブルが2つ、ボックスシートが1つの小さい店です。
池袋にありそうなイメージはないですね、って池袋にどんな印象持ってるんだｗ

メニューは頻繁に変わるのか手書きですが、ワインリストは印刷したものが別に用意されています。
店主ともう一人若い娘さんがホール担当です。
先ずは泡をもらってメニューを眺めることにしましょう。
どの店に入っても、この瞬間が好きです。
浮き立つような気分です。

金髪のお姉さん（ホール担当）がアミューズ代わりのカップスープを持って来てくれました。
桃のスープだそうです、へえ、それはいいねぇ。
コンソメがしっかり立っていますが桃の果汁と身が溶け込んで円やか。
甘さは少し感じる程度で黒胡椒が効いています。
これは美味しい、出足好調です。

では、数少ないフランスワインの知識を動員してｗアルザスのリースリングいただくことに。
フランスのワインって種類が多すぎて体系的に覚えないと（つまりお勉強しないと）知見として身に付かないんだよね。
ただ飲んででいるだけだと、これ美味しいあれ美味しいこれも美味しいという感想しか残りません。
まあそれでも楽しいから良いんですけど。

腹ぺこワイフが厳選して、前菜に旬の野菜の盛り合わせとパテ・ド・カンパーニュ、鴨のパテ、梭子魚の炙りを注文。
野菜の盛り合わせが最初に出て来ました。
金髪のお姉さんが野菜の説明をしてくれましたが、見れば全部分かりますｗ
素麺南瓜もおおまさりも蔓紫も自宅でよくいただきますし。
それにしても味の濃い美味しい野菜ばかりです。
有機無農薬の野菜を取り寄せているそうですよ。

実山椒が練り込まれた鴨のパテは香りがいいです。
和を感じる味わいなので、ちょっとお醤油が欲しくなりますｗ
粗く刻まれた肉の食感も楽しめてなかなか完成度が高いです。
これは美味しいねぇ。
付け添えのロート・クラウトの酸味も食欲を唆ります。

パテ・ド・カンパーニュは正統派の味わい。
特に何か特徴があるわけではありませんが、丁寧に作り込んだパテカンらしい肉々しさです。
塩味（しおあじだよ）は控えめで好みです。
マスタードと胡椒が良いアクセントになっています。

梭子魚の炙りには旬のみずこぶが乗っていました。
秋田でたくさんいただいてその食感と美味しさに感激しました。
ただ肝心の梭子魚が水っぽくて味わいが弱いです。
梭子魚は一夜干しにして身を締めて焼いたほうが好みです。

では、ワインをブルゴーニュのピノ・ノワールにしてメインをいただきます。
お、猪肉入りのブーダン・ノワールがあるからこれ一択ですね。
ワインを飲みながら待つこと暫し、ブーダン登場しましたが吃驚。
ウフ・オー・プラにメレンゲが4つ乗ってドミグラスソースが掛かっています。
これは見たことのない皿ですね。

早速半熟の目玉焼きを割ってドミグラスソースと合わせ、ブーダン・ノワールとメレンゲと一緒に一気に頬張ります。
あら、案外美味いじゃんｗ
卵と味の濃いブーダン＆ドゥミが合うイメージはこれまでありませんでしたが、卵が円やかに全部を包む感じです。
意外な組み合わせってないようであるものなんだねぇ・・・

食後にチーズとマール酒をいただき、マドレーヌと珈琲でフィン。
マドレーヌの用意があるのはとても嬉しいです。
食後にデザートを食べてリキュールを飲むのは、食べ物の組み合わせで体調を整えるためだとか。
理に適った食事の構成なんですね。

ということで本日の食事は池袋とは思えないｗ落ち着いたビストロメニューを楽しむことができました。
特にパテと野菜とミネラル感たっぷりのリースリングの組み合わせは素晴らしかった。
ブーダン・ノワールも猪肉が入っていて野趣あふれる味わいをウフが上手にまとめてくれましたし。
食後にシェフにその旨聞いてみると、偶々猪肉が手に入ったのでブーダンに入れてみただけと素っ気ない返事ｗ

寡黙ですが、丁寧に美味しいものを作ってくれる優しい雰囲気のあるシェフでした。
もともと六本木で深夜まで営業するビストロに居たそうですが、独立して池袋に移転したんだとか。
当時から仕事を終えた料理人が数多く立ち寄る店で、その縁でたくさんのお仲間がいるようです。
夜が深まると一杯飲りに集うんでしょうね。

池袋にやっと落ち着いて食事ができる店を発見しました。
これから池袋に来る時はこちらがきっと拠点です。
ご馳走様でした！！