焦がしネギ黒醤油のパンチ力に心地よく打ちのめされた : 麺屋 六感堂

この口コミは、シィチースン1977さんが訪問した当時の主観的なご意見・ご感想です。

最新の情報とは異なる可能性がありますので、お店の方にご確認ください。 詳しくはこちら

3.5

¥1,000~¥1,9991人
  • 料理・味3.6
  • サービス3.1
  • 雰囲気3.3
  • CP3.5
  • 酒・ドリンク4.0
2019/06訪問1回目

3.5

  • 料理・味3.6
  • サービス3.1
  • 雰囲気3.3
  • CP3.5
  • 酒・ドリンク4.0
¥1,000~¥1,9991人

焦がしネギ黒醤油のパンチ力に心地よく打ちのめされた

――なんだかよくわからんが、気になる。

「きっと、こいつとは前世で何かあったんだな……」

などと、アホなことを思い浮かべてしまうような店。

そういう場所には何かがある。

池袋からちょっと要町方面に歩いた場所。
そこに、果たして気になる店があった。
「六感堂」
なんだかよくわからんが、
スピリチュアルなネーミングであった。

空きッ腹に背を押されて入店する。

すると、カウンターのみの狭い店内の光景があった。
狭いが、行き届いている。
小ぎれいなカウンター。
厨房の奥では店主とおぼしき人が、
必死にバーナーでチャーシューを炙っていた。
そのチャーシューが割とエライ数なのであった。
しかも念入りに焦がしを入れているのであった。
これは大変だぞと思わず唾をのんだ。

だが、その大変な労を惜しまずやっているのだ。
うむ――なんだかよくわからんが、気に入った。

ラーメンは「白」と「黒」との二種類がベース。
鶏ガラや煮干しなどのまろやかトリプルスープが白、
焦がしネギに醤油が利いたパンチのあるのが黒、
ということであるらしい。

とりあえず黒の食券を購入すると、店員から声がかかった。
「奥の座席にお願いできますか~?」
なるほど。
入り口付近は込み合っている。
さらには、食券機も近いことを考えればリーズナブルな話だ。
勧められるままに座って食券を出した。

すると、
「手もみ麺と細麺のどちらにしますか?」
などと聞かれたのであった。
「え、麺を選べるの?」
よくわからん趣旨であったので――
「どちらがおススメですか?」
と聞いたがどちらもおススメなのであった。
どちらかというと好みの問題という補足もあった。

モチモチした麺が好みなら手もみ、
ブツっとした食感が好みなら細麺、
といったような選択肢と覚えればいい。

身体がモチモチを欲していたので、
「手もみ」をお願いし、しばし待つ。

この「待ち」の時間。
これこそが、初めて足を踏み入れた店の醍醐味だ。
五感すべてで、その店から発せられるすべてを感じるのである。

一番最初に刺激を受けたのは聴覚。
ジブジブジュウウ……!
店主が手にしたガスバーナーで、
チャーシューを炙っている音であった。

次に刺激を受けたのが嗅覚。
炙ったチャーシューの香ばしい脂くささと、
隣の客に提供されたラーメンとが醸しだす、
たまらない旨そうエッセンスが鼻腔にからみついてくる。

うんうん。
食欲が発狂レベルに達する、よろしい趣向だ。
となると、これはまァ、イケるんではないですか?
などと上から目線でカウンターを見渡した瞬間であった。

驚くべき違和感。
カウンターの隅に置いてある瓶。
そこに、ラーメン屋にあるまじき酒があったのだ。

え、電気ブラン!?
ら、ラーメン屋に!?

本当によくわからん……。
しかもメニューにないじゃないか。
値段がわからんじゃないですか。
いったいどういうことなんだ。
この店はよくわからんことばかりだ。

ミニチュアカーと一緒に並べられている――
と……いうことは、電気ブランは飾りなのか?
――いや、待て。
一緒に並んでいる瓶を見ろ。
ウイスキーのREDとトリスのブラックだ。
あの、高くもない割に酒好きを刺激する瓶までが、
ただの飾りだとしたらあまりにマニアックすぎる……!

電気ブランは売り物なのか?
……いや売り物であってほしい!
一握の希望とともにバイトさんらしき方に聞いた。

「すいません……その、電気ブランは売り物ですか?」
バイトさんはご存じなかったので、店主に話が投げられた。
「そうですよ。一杯500円になります」
「飲めるんですか! 嬉しいなあ……お願いします」
「飲み方はどうしましょう?」
「甘い酒なんで、ロックでお願いします」
といったやりとりがなされたのであった。

そうして、ちょうどラーメンとともに電気ブランが供された。
電気ブランが注がれたのは、ビール用の小さいコップ。
「こんな器しかなくて……すいません」
などと謝られたが、いやいや、必要十分。

「黒」は確かに見てくれも黒いラーメンだ。
スープを飲んだ。
ネギの香りがふわっと拡がる。
アブラの旨味と濃厚なコクの醤油味。
うん、「黒」のイメージどおりの味だ。
パンチ力が口の中で暴れまわっている。

このスープなら、手もみ麺を選んで正解だ。
細麺だったら、アブラが絡みすぎていただろう。
麺もすする。んまい。
この味で、この場所で、680円――。
たまに行列ができているその理由が、
のど越しよい麺とともに飲みこめた。

しかも、そのラーメンの美味さだけでは終わらない。
電気ブランのロックまで飲めちゃう。
この甘くて苦くて薬草みたいな風味が、
アクの強いラーメンの味とたいへんよく合う。

しかし、つまみらしいつまみもないのに、
こんなおもろい酒を置いてくれているとは、
やっぱりよくわからん……わからんが、楽しい店だ!

メニューをよく見てみると、ソフトドリンク欄には、
はちみつレモンの他に、なぜかプラッシーまである。
お米屋さんで売ってるジュース、プラッシー。
そんなものまで置いてしまうのか。
お前はいったいどこに行こうとしているのか?
そんな問いがアルコール臭い吐息とともに漏れてしまいそうになった。

――なんだかよくわからんが気に入った。
正直、直感に従って入店し、良かったと思う。

だが、物足りない。
次に来た時は一番奥の座席に陣取り、
ラーメンをトッピング満載で頼んだうえ、
麺を先に全部ズルルルッ!とやっつけてから、
残されたスープまみれのトッピングをつまみに、
ダラダラと昼間酒を呑んだくれてやろう――。

そんな野望に脳裏を満たしつつ、店を後にした。

そうとも、気に入ったのだ。
気に入ったからこそおススメしておきたい。

もし、何か感じるところがあったなら、
ぜひともこの店を訪れてみてください。

――願わくは、あなたに幸せな味との出会いがありますよう。

  • 麺屋 六感堂 - ラーメンと電気ブラン。まさかの組み合わせが実現した。

    ラーメンと電気ブラン。まさかの組み合わせが実現した。

  • {"count_target":".js-result-Review-102762554 .js-count","target":".js-like-button-Review-102762554","content_type":"Review","content_id":102762554,"voted_flag":null,"count":24,"user_status":"","blocked":false}

口コミが参考になったらフォローしよう

シィチースン1977

利用規約に違反している口コミは、右のリンクから報告することができます。問題のある口コミを連絡する

シィチースン1977さんの他のお店の口コミ

シィチースン1977さんの口コミ一覧(52件)を見る

店舗情報(詳細)

「みんなで作るグルメサイト」という性質上、店舗情報の正確性は保証されませんので、必ず事前にご確認の上ご利用ください。 詳しくはこちら

店舗基本情報

店名
閉店 麺屋 六感堂

このお店は現在閉店しております。店舗の掲載情報に関して

ジャンル ラーメン
住所

東京都豊島区東池袋2-57-2 コスモ東池袋 101

交通手段

池袋駅東口徒7分

池袋駅から724m

営業時間
  • ■営業時間
    終日11:30~15:00
    17:30〜21:00 L.O(売切次第終了)
    臨時休業や限定麺などの情報は

    Twitter 麺屋六感堂オフィシャルアカウント @Rockan_Do

    でご確認ください。


    ■定休日
    火曜日

営業時間・定休日は変更となる場合がございますので、ご来店前に店舗にご確認ください。

予算

~¥999

~¥999

予算(口コミ集計)
支払い方法

カード不可

電子マネー不可

席・設備

席数

9席

個室

貸切

不可

禁煙・喫煙

全席禁煙

駐車場

近くにコインパーキングあり

空間・設備

カウンター席あり

メニュー

ドリンク

日本酒あり

料理

健康・美容メニューあり

特徴・関連情報

利用シーン

家族・子供と 一人で入りやすい 知人・友人と

こんな時によく使われます。

お子様連れ

子供可

オープン日

2014年4月23日

初投稿者

邦正邦正(3)

最近の編集者

編集履歴を詳しく見る

ブログに店舗情報を貼る

食べログの会員になるとレストラン情報を編集する事ができます!この機会に是非ご登録ください!

従来の問い合わせフォームから問い合わせる レストラン情報編集のガイドライン

周辺のお店ランキング

池袋×ラーメンのランキング(点数の高いお店)です。

食べログ限定企画

店舗運営者の方へ