【★3.3】小籠包より皮と米【1963】 : ジョーズ シャンハイ ニューヨーク 池袋店

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NY発モダンチャイニーズレストラン、JOE'S SHANGHAI New Yorkの日本1号店。
世界三大小籠包に数えられる（らしい）スペシャリテ「Joe's蟹肉と蟹ミソ入り小籠包」など、
上海料理（お店のインスタでは広東料理をベースとした中華料理と謳います）を味わえます。

同店（3.63）サンシャイン60の59階にお店を構えており眺望抜群。
ディナータイムは夜景目当てのカップル客ばかり（基本的に窓側テーブル席へのご案内）。
但し素敵な雰囲気の代償としてサービス料10％を上乗せしてきます。

飲みやすくて美味しかったですが紹興酒1合（180ml）2,100円（＋サ）。
スペシャリテの小籠包4個1,050円（＋サ）、海老マヨ1皿2,380円（＋サ）。
大都会の池袋かつ眺望の良い高層階ならでは、家賃の高さがモロに反映されているような気もします。

純粋にCPを求めると割高感を否めなくなってしまうのですが付加価値も大きいです。
上品な味わいで万人ウケしそうな上海料理を楽しめることは間違い無いので、
デート利用など用途次第では3.5以上の満足感となるでしょう。

紹興酒 カラフェ（180ml 2,100円）
JOE’S 特製蟹肉入り小籠包＆豚肉小籠包（各2個ずつ 1,050円）
本日のシェフお薦め前菜3種盛り合わせ（2,980円）
自家製釜焼き北京ダック（1/4サイズ 4,000円）
海老の香港式マヨネーズ和え サラダ仕立て（2,380円）
牛リブロースとマコモ茸の炒め ブラックビーンズソース（2,750円）
海鮮五目あんかけつゆそば（1,680円）
アサリとザーサイのスパイシーチャーハン（1,380円）
濃厚！！ パンナコッタ仕立ての杏仁豆腐（800円）
フレッシュマンゴープリン Joeʼsスタイル（880円）

食べた料理の寸評は以下の通り、【】内は個別の採点、表示価格は内税ですが、ディナータイムは別途サービス料10％加算

【3.3】JOE’S 特製蟹肉入り小籠包＆豚肉小籠包（各2個ずつ 1,050円）

Joe's蟹肉と蟹ミソ入り小籠包（同店のスペシャリテ）と豚肉小籠包のセットメニュー。
モチモチした生地の中にアツアツのスープがタプンタプン入っており、
サービス料を含めると1個あたり約300円となりますが大振りサイズ。

一口でハフハフ頬張るには大き過ぎるので専用の取り皿（スープが溢れ出ないお椀型）に入れて、
スープを吸いながら出来るだけ全て一緒に味わえるよう食べておりました。
焼き小籠包がスペシャリテな食べログ3.57の某台湾料理店より美味しい小籠包。

しかし約300円の割には蟹も豚も存在感が薄いように思いました。
銀座の高級中華で食べた陽澄湖の上海蟹、新大久保の韓国料理店で食べたカンジャンケジャン、
鳥取県で食べた親蟹（雌のズワイガニ）といった究極的に美味しい蟹味噌と比べてしまうと、
わざわざ蟹を使う意義が分からなかったです（お値段の桁が違うので当たり前とも言えます）。

またスープたっぷりの功罪かモチモチした生地との親和性は弱いように感じてしまって、
個人的には西川口（かつての風俗街が廃れ今やリアルチャイナタウン）の上海料理店で食べた、
1個100円チョットの焼き小籠包のほうが全体のバランス良くて好みでした。
この辺りは各人好みの分かれるところかも知れません。

・本日のシェフお薦め前菜3種盛り合わせ（2,980円）
【3.2】蒸し鶏の冷製 青葱生姜ソース（単品価格 1,880円）
【3.0】特選クラゲの醤油和え（単品価格 1,880円）
【3.5】台湾松花のピータン クリーミー2層ゼリー（単品価格 600円）

蒸し鶏（モモ肉を使用）の青葱生姜ソースは上品ながら生姜の風味が効いて美味しいのですが、
お肉に火を入れ過ぎているのが気になりました、鶏モモ肉のプリプリ感が失われています。
クラゲは弾力弱めなソフト食感で酸味強めな味付け。
この味付けが好みと外れてしまって単品1,880円と言われると微妙です。
同価格帯のクラゲであればウェステインホテル東京の龍天門（3.79）を推したいところ。

前菜で一番気に入ったのは「煮凝り」のように再構築されたピータン。
台湾の松花皮蛋を使っていることもあって臭みや癖が少なくて食べやすかったです。
ピータン嫌いな人の入門にも良いかも知れません。

【3.4】自家製釜焼き北京ダック（1/4サイズ 4,000円）

餅皮（カオヤーピン）に包むのではなく中華パオに挟んで食べる北京ダック。
えびせんに乗ったダックの皮、胡瓜に乗ったダックの肉、蒸し器に入った中華パオ、
そして刻んだ白髪ネギと甜麺醤、4皿にセパレートされて出てきました。
1/4とのことですがアヒルの姿は全く見えません（最初から皮と肉に切り分けられています）。

中華パオに全て挟んで貪ったり、皮だけ肉だけ個別に味わってみましたが、
この上品な甘さの甜麺醤と組み合わせたダックの皮の美味しさを単体で採点すれば3.9評価。
パリッと焼き上げた火入れも良くてスペシャリテの小籠包より好印象。
（ついでに後述するチャーハンのパラパラ感もスペシャリテの小籠包より好印象でした。）

中華料理店（美味しいお店に限る）の北京ダック（アヒルの皮）。
フレンチで食べた花悠仔豚の皮。
お店で丸から捌いている焼鳥屋で食べた比内地鶏の皮。
筆者にとっての三大皮料理。

【3.0】海老の香港式マヨネーズ和え サラダ仕立て（2,380円）

衣フワフワで海老のプリプリ感を活かしているのですがマヨネーズ強いのが気になりました。
高級中華であればマヨネーズもっと穏やかで良いと思います。
（そういえばクラゲの酸味も高級中華にしては強かったです。）
普通に美味しい海老マヨですが1皿2,380円（＋サ）も取るのであれば感動的な何かを求めたい。

【2.9】牛リブロースとマコモ茸の炒め ブラックビーンズソース（2,750円）

イネ科の真菰（マコモ）を何故「茸」と表現するのか（食感の似ている「筍」ならまだしも）、
9月～11月が収穫期となる真菰を何故7月に出せるのか疑問を抱いたのですが、
ブラックビーンズソース（トウチ醤）が気になり注文してしまいました。

リブロースにしては脂くどくない牛肉は厚切りで食べ応えあって悪くないのですが、
1皿2,750円（＋サ）と言われると力不足に思ってしまいます。
真菰もこの時期なので保存用に加工したモノを使っているのか食感イマイチでした。

期待したブラックビーンズソースは生姜を効かせトウチの旨味も感じるのですが、
（そういえば前菜の蒸し鶏も生姜ソース、卓上に刻み生姜まで置いてあって同店は生姜を好む模様）
ホテル中華出身の某日本人シェフが作ったトウチ醤ほど複雑玄妙さを感じられず単調。
1皿2,750円（＋サ）取るのでソースに求めるレベルも高くなります。

【3.4】海鮮五目あんかけつゆそば（1,680円）

豚バラ肉、剥き海老、帆立の貝柱、白菜、人参、筍といった具材を使っており八宝菜のような装い。
やわらかく茹でた中華麺の食感だけ好みと外れましたが湯（タン）のレベルは高くて、
高級中華ならではの麺料理といった味わいに思いました。

【3.6】アサリとザーサイのスパイシーチャーハン（1,380円）

担々麺を思わせるスパイシーな挽き肉、剥き身のアサリ、コリコリした刻みザーサイ。
これらをお米と一緒にパラリ炒めてあって全体のバランスとお米の食感が非常に良いです。
あんかけつゆそばを注文していたので転用して「あんかけチャーハン」にしてもまた美味。
焼き飯タイプのシットリしたチャーハンよりパラパラしたチャーハンを好む人にオススメ。

【3.4】濃厚！！ パンナコッタ仕立ての杏仁豆腐（800円）
【3.4】フレッシュマンゴープリン Joeʼsスタイル（880円）

いずれも濃厚な味わいでトロトロ食感、好みにバッチリ合って非常に美味しいのですが、
シンプルな構成のスイーツでサイズも小さいのに1,000円近い高値。
もっと凝った百名店のケーキでも500円～600円ぐらいなことを考えるとCPで評価を下げます。