24時間営業の典型的な企業系ラーメン店 : 壱角堂 池袋西口店

この日はホワイトデーのお菓子の調達のため久しぶりに池袋に行くことになりました。
そして、せっかく池袋まで来たのですから、ランチやベーカリー巡りでも数多ある池袋界隈のお店を攻略しようと考えるのは自然の流れ。
ただ、この日は午後早い時間から所用があり、ランチも含めて池袋での用事は早めの時間に済ませる必要があったため、11時より前に営業しているお店を探さないといけない制約がありました。

それで、半ば消去法的にリストアップされたのが池袋西口にある当店です。

当店の運営会社は、株式会社ガーデン。
2015年(平成27年)12月に設立されたまだ歴史の新しい外食企業ですが、ここまでの発展経緯を見てみると、設立後半年程度でガーデン社を持ち株会社として、その後、M&Aを盛んに仕掛けて業容の拡大を行っているのが目につきます。
色んな業態を傘下に収めつつ、他方で不振業態からは撤退したりフランチャイズ化も推進しながら、企業体質の筋肉質化を図る戦略はなかなか見事なものがありますね。
2018年3月にはそれらの事業の仕上げということでしょうか、グループ会社12社を吸収合併してガーデン社に統合しています。

ガーデン社が運営している店舗は、2023年3月1日現在で203店舗（うちフランチャイズ店45店舗を含む）に上っています（同社のHPより引用）。
ブランドについては、家系ラーメンの「壱角家」（直営91店、FC18店）を基幹ブランドとして、うどんの「山下本気うどん」（直営9店）、「肉寿司」＆「シン・ニクズシマン」（直営13店、FC23店）、株式会社アントワークスの「伝説のすた丼屋」のパクリとも言われている「情熱のすためしどんどん」(直営12店)、など21ブランドを展開しています。
その中には1店１ブランドのお店もあり、当店＝壱角堂もそのうちの一つです。
基幹ブランドが壱角家なので、派生ブランドのような感じではありますけどね。

当店は池袋駅西口の飲食店街で営業している24時間営業のお店です。
なので、営業時間を気にする必要がないのはいいのですが、この日、10時半を少し回った頃伺ったら、店内はかなり混雑していました。
と言うのも、店内は、カウンター席が2か所9席、テーブル席が18席の計27席のキャパなのですが、奥の方のテーブル席＆カウンター席は、7～8人の団体客が占拠しており、しかもその人たちは徹夜組と思しき面々でした。
池袋の午前中は、こういう客も混ざってくることを覚悟しないといけないのかもしれません。

お店は外国人女性3名くらいで切り盛りされており、私はカウンター席への着席を指示されました。
当店は、券売機スタイルではなく、客席で注文するシステムです。
メニューは、とんこつラーメンの他、台湾ラーメン、味噌ラーメン、油そば、つけ麺と幅広いラインナップで、加えて、姉妹店メニューとも思われる「すためし」まであります。
早めのランチで軽くとるつもりだったので、注文は、こってりとんこつらぁ麺＠850円にしました。メニューでは＠950円となっていましたが、このメニューはまだ深夜料金のものが置かれたままだったためです。（0時～9時が深夜料金適用らしい。）
麺の固さを聞かれますので、バリカタでお願いしました。
バリカタなのであっという間に出来るかと思っていたら、スープの調製に時間を要したのか、予想外に待たされ、待つこと12分ほど掛かって、ようやくこってりとんこつらぁ麺が出来上がってきました。

乳白色のとんこつスープの中には、博多ラーメン風の少加水ストレート麺が入り、チャーシュー1枚とメンマ、青ネギがトッピングされています。
麺はバリカタ注文だったのですが、かなり茹で上がってしまっており、柔らかいです。
提供時間から考えて、恐らく、スープの調製時間を読み切れずに見込みで麺を茹でて茹で過ぎたためと思われますが、これをシレっと出すあたりはいけませんね。
外国人女性3名に任せているようですが、経営サイドのガバナンスに支障を来しているのが見え見えです。

乳白色スープの表面には背脂が浮いています。
ちょっと珍しいタイプのスープで、スープ自体はまろやかなのですが、かなり脂分は強いと思います。
具のチャーシューは極薄ですし、メンマや青ネギも特徴と言えるほどの個性が無く、どちらかと言うと貧弱。
なので、これで＠850円は割高感が強く、深夜料金（@950円）だと何をか言わんやですね。
他店がやっていない時間帯に〆ラーメンに入るような人たちは、酔っ払っていたりで金銭感覚がマヒしていることが多いので、それでも何とか商売になるのでしょうか。

一応替え玉＠110円もバリカタで試してみましたが、こちらはものの1分もかからずに提供され、今回は正真正銘のバリカタでした。
この日は、前記の徹夜組は予定外の来客で、そのせいでスープに不足を来して私の待ち時間になったというめぐり合わせの悪さがあったのかもしれませんが、それを差し引いても、この内容で1,000円近くを払わされてコスパがいいとは到底言えなかったです。

この日は時間の制約のために已む無く利用ということだったので仕方ないですが、やはりお店はしっかり吟味してから選ばなければならないということを改めて痛感しました。