魔法を使っている感じ : TAPiR

2016.01 牡蠣と緑のスウプ

1月の料理をいただきに。

　　どちらも酸味のあるダルスープ、バスマティライス、自家製パンが付く。
　　ライスは少な目でお願いした。

　　■牡蠣とサグのスープ仕立て　1800円
　　　里芋とゆり根のサラダ付

　　　緑の海に浸る牡蠣。
　　　牡蠣は葛のような透明の衣を纏っていた。
　　　牡蠣特有の食感を感じるための工夫とか。ぷるぷる増幅。
　　　ひと粒づつ味わい、緑のスープで飯を進める。
　　　ほうれん草の茎の甘みを感じながら。
　　　サラダはネットリした里芋の中にゆり根の歯触りが混ざる。
　　　テーブルの片側では酸味を効かせたダルとパンの“食事”が進行。
　　　表面に歯応えがあり、中がもちっカリッとした自家製パンが旨い。

　　■冬のマトンカレー　　1200円
　
　　　カレーにはひと掬いの白い里芋ピュレがのっている。
　　　中辛でお願いしたルーは、マトンとよく馴染んでいる。
　　　マトンの肉片はゴロリと４つも。
　
最初、飯もパンも付くのかと思ったが、食べてみるとパンのクッションが良い感じ。
４組入れば満席なので、時に待つ。

※点数から一部の項目を無評価に変えた

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2016.01 粥を噛む

2015年に訪れた店の中で、料理が大きく印象に残った店。
本年も都合がつくときはなるべく出掛けたい。

　　■七草粥　　777円　辛さはマイルドなもの選択
　　　キャベツ、大根、白菜、カスリメティ、ルッコラ、カレーリーフ、月桂樹の七草。
　　　具としてはほかに紫玉ねぎ、しめじ、小さな豆などもあった。
　　　配膳時に牛蒡の油をかけてくれる。これにもスパイスの粒が。
　　　油の香味のなか、アツアツをいただいた。
　　　小さな豆が噛める食感で、粥とはいえ噛む。

　　■ほうれん草とクリームチーズとゆずのケークサレ　300円
　　　　 ディルクリーム添え
　　■オレンジとクローブのミルクティー　　　　　　　500円

　　　ほうれん草の青さ、ゆず、オレンジの風味から古い館の園が出現した感じ。
　　　ローマの春かもしれない。
　　　なにか魔法入っている？
　　　外で飲んだミルクティーでは近年最も美味しいものだった。


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2015.11　おでん旨し

※月ごとに営業日/予約要不要/金額等のご案内有り。HPでご確認ください。
　11月は前半のみのよう。

特に良かったものは★印

　　■おでん(3つ選ぶ)　1250円　　　
　　　つゆ…ベジorノンベジ★
　　　　　　ベジはかなりあっさり。ノンベジ
　　　味噌…トマト味噌★orみそ味噌orゆず味噌
　　　辛さ…3段階
　　　バスマティライス…普通、大盛り
　　　
　　　具…ベジつゆ　　　豚軟骨★★★、自家製ちくわぶ、大根★
　　　　　ノンベジつゆ　イカげそキーマ★★、福袋★、トマト
　　　　　　　　　　　　具は他にも有り。

　　　　スパイシー、やや酸味も感じるスープが旨い。
　　　　ノンベジで中辛が好き。
　　　　後半はライスにつゆをかけてお茶漬け風。

満足した。
自宅でも真似してみよう。

※個性的な小さなお店なので、やや好みがあるかも。
　1～2人訪問向き。
　独創的な料理だけれど、親しみ難い味ではない。
　ちょっと変わったものが食べたいけど大冒険はしにくい人におススメ。

※評価を上げた。

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2015.9 目にはさやかに見えねども口に来た

以前からの上位BM店。
先日ソルマリを訪ね、山手線沿線であるし、アクセスの良さを実感。
こちらの９月メニューに予約を入れた。

■さんまカレーのディナー　　3800円 要予約

　　スープ、サラダ、カレー、デザート、マサラティーという内容。
　　アレルギーがある場合、メール予約の際に伝えておく。
　　

　　スープ
　　さつま芋のポタージュ、ジロール茸でとったスープにさつま芋、
　　葡萄とそのジュレを加えた凝った一品目。
　　とろりとした口あたりの中で香ばしい焼きトウモロコシのような粒。
　　冷製なのに味の底に広がりがあり、この先楽しみ。

　　サラダ
　　火の通った さんまの半身に洋梨、和梨、そうめん南瓜を添え、
　　レモンソースを敷いたもの。
　　さんまに果物を合わせたものは初めて。
　　果肉の柔らかい洋梨がさんまの身に添うけれど、和梨のシャキッと感は
　　薄ら大根おろしを彷彿とさせる合い方。
　　個人的にはここは濃度の無いソースかと思ったが、これが店主の引き出しなのだろう。

　　カレー
　　低温で揚げたさんま に辛口(やや抑えに調整)のカレー。
　　ずっとBGMのように油の鍋の音がしていたのはこれだった。
　　揚げたことでカレーとの馴染が良い。
　　頭と骨は残したけれど、私にしてはペロリと綺麗にいただけた。

　　ダルスープはラッサムのような酸味に豆が沈んでいる。
　　過不足の無い酸味の底にスパイス感が潜んでいて、これはすごい。
　　この晩で最も印象に残ったのはこのスープ。
　　店主「さんまカレーがもそもそなので、スープはストレートな感じ」
　　そういう説明良いね。
　　ライスはミント他で炊いたもの、ミョウガのアチャール添え。
　　この３点、絶対合うに決まっている。

　　さんまの身を大きくほぐし、カレー、飯、ミョウガと口に入れ、ダルをすくう。
　　ああ、秋の口福よ。

　　デザート
　　いちじくを練りこんだチーズクリーム、いちじくに飴色のジュレはメープル？
　　ビーツを用いたピンクのソース。食後では結構ボリュームあるもの。
　　黒ゴマのアクセントが見た目にも味にも効いている。
　　チュイーユのような焼き菓子はギーを使っていてほろり。甘みのないもの。

　　マサラティー(ホット)
　　いただいていたら体が温かくなったミルクティー。
　　かなり満腹なのでここはストレートのスパイスティーでも良いか。


いずれも店主の力量を感じさせる料理たち。
店主はひとにものを食わせるという面白さが判っている感じ。
月で決めて、バランスを取ったコース、またはセット。
月によって金額も変わるのだが、こういうのいいな。
折々にまた訪ねたい良店。