【全面喫煙可】炉端＆熱燗で暑気払い　アジフライはマイギネス！ : 燗アガリ

今日は新宿で仕事が終わり、偶然都庁に手続きに行っていたワイフと待ち合わせて一杯飲むことにしました。
私は最近新宿との相性があまり良くないので（笑）、ワイフが兼ねてより目をつけていた日本酒と炉端焼きの店に行くことに。
この蒸し暑いのに炉端焼きとは・・・はいわかりました、黙ってついて行きます。
久しぶりに小滝橋通りを歩きましたが、相変わらずらーめん屋だらけですね。
元祖らーめんストリート健在です。
この辺りにはよくブートを買いに来たものですが、まだその手の店はあるのでしょうか。

ということでビルの3階にあるこちらに伺うと、ワンフロアぶち抜きで大きなカウンターが設置してあり、カウンター内の炉では炭火がすでにガンガンに熾てます。すごい輻射熱だ。
カウンター奥では炊飯用のガス釜が5〜6台セットしてあってこちらも火にかけてあります。
暑いです（笑）。これはエアコン効かないだろうなぁ。
炉端シチュエーションですから当たり前ですけど。

案内された席はまさしく炉の端。さすが炉端だ。
注文したものが目の前で美味しく焼けていく様を眺める特等席ではありますが、この季節、考えようによっては護摩行のようでもあります。
まあお酒いただきながら天国に行けるんであればこんなに良いことはありませんけど。
あ、目の前に赤星がこれでもかと入った水槽に氷が放り込んでありますよ！ゴクリ。

これはまず赤星お願いするしかないでしょう。
え、氷入れたばかりでまだ冷えてない？あらそうですか・・・
今から氷を足して急速に冷やします？ありがとう。じゃあ後で冷えてからいただきます。
ということで、まずはハイボールをいただいて身体を冷やすことにしました。
仕事終わりの酒ってどうしてこんなに美味しいんでしょうね。開放感のなせる技でしょうか。

お通しは刺身の盛り合わせです。お通しとしてはかなり豪華な感じ。
平政、鯛、鮪、ソイ、白身魚の煮凍りの5種類です。
しかも18時までに入店するとのどぐろの炙り刺しがサービスでついてくる！
これだけで結構なお酒飲めちゃいますよね。
でもいくらサービスだからって炉端なのにガスバーナーで炙るのは興醒めです。
コストかけられないのはわかるけどさ（笑）。

ハイボールは早々に切り上げて、早速いずみ橋のぬる燗をいただくことにします。
お燗は目の前で湯煎して温度管理しつつ仕上げてくれます。
これはなかなか良いサービスですね。
もうちょっと温度上げてとか下げてとか自由にお願いできますし。

さて、では炉端で焼いてもらう前にいくつか軽いお摘みをお願いします。
泉州の水茄子、葉生姜は最強の暑気払いアイテムですよね。
それと豚のあたりめってなんだろう・・・わからないから頼んでみよう。

ということで、炉端で焼き物が焼けていくのを見ながらゆるゆるとぬる燗を呑んで、水茄子と生姜を齧ります。
夏の味ですね〜。夏は暑いですから嫌いですが、夏に旬を迎える食材は美味しくて爽やかなものが多くて好きです。
いずみ橋の夏ヤゴは度数を13度に下げてあるのでぬる燗にぴったり。
あっさりした軽い口当たりなのにコクもそれなりにあって余韻があります。
これ、水茄子とベストマッチですね。美味しいです。

豚のあたりめは自家製のポークジャーキーでした。
手で割いてお店で作っているんだそうです。ふんわりしていて味わいも濃すぎず薄すぎず、これはビールにも合いますね。
うちに持って帰ってウイスキーのアテにしたい味です。
もちろんぬる燗にも合います。豚のあたりめとはなかなか良いネーミングです。

ではそろそろ炉端焼きを。
今日はのどぐろ一本焼きがお勧めだそうですが、ワイフの大好物のほっけが干物ではなくて生であるそうなので、それを焼いてもらうことにしました。生のなんて北海道でも食べたことがありません。
それと玉ねぎ丸ごと焼き、名物らしい冬茹焼と蓮根焼きも美味しそうです。

これまで目の前でどういう風に焼かれていくのか眺めていましたが、自分たちの注文が炭火に乗るとなんだか一層楽しみです（単純）。
ほっけが串打ちされて炉端に掛けられ（ほっけって魚へんに花って書くんですね）、かなり大きい玉ねぎが網の上に無造作に置かれ、出汁に浸してあった蓮根も炭火に乗ります。冬茹は他の客の注文と合わせてまとめて焼くようですね。

最初に手元に届いたのは玉ねぎです。
目の前でこんがり焼けた玉ねぎを四つ切りにして、脇に藻塩を乗せてから大きなしゃもじに乗せて焼き場の職人さんから直接供されます。
このプレゼンは楽しいですね。焼き場から直接手元に熱々のまま届くのが炉端焼きの醍醐味です。

玉ねぎはまずそのまま食べてくださいとのことです。
甘みたっぷりですね。焼いてありますが玉ねぎの水分で蒸されている状態です。
とろみもあって香りも良くて、魚の前にいただくにはとても良い一品です。
藻塩を少し乗せて普段なら食べない外側の茶色い薄皮まで食べちゃいました。
それくらい美味しいです。これは自宅ではできないなぁ。

お次は蓮根。これももちろん美味しいですが玉ねぎのようなインパクトはありませんでした。
芋のような食感とサクサク割ける感じが楽しい箸休めです、
でも蓮根は焼くより炊いたほうが好みなんでした。

しばらくしてようやくの登場。ほっけってこんな顔してるんだ。
普段は開いて干物になったお腹側しか目にしませんから、丸ごと焼いて泳いでいるような置き方でしゃもじに乗って手元にやって来ると、初めて食べるような新鮮さがあります。
お腹には包丁も入っていて、身がほぐしやすくて食べやすいです。
ごく軽く醤油をかけていただきましたが、干物のより数段美味しいですね。
味はお馴染みのほっけなんですが、身のふっくら加減がまるで違います。
上品な味で干物とはまた違った美味しさが楽しめました。
やっぱり炉端にして正解です。ワイフの言う通りにして良かった（笑）。

冬茹椎茸は網の上にまとめて10本ほど、傘を下にして軸付きのまま炭の上でじっくり炙ります。
しばらくして火が入ってくると、職人さんが遠くからお出汁をピューっとボトルチューブからかけ入れるパフォーマンス。灰が一気に舞い上って店内が煤けます。これも味のうちでしょうか。
結構面白いぞ。
いつの間にかいずみ橋から十旭日に代わってぬる燗も熱燗になりましたが、呑みながら眺めて焼き上がりを待つのは楽しいものです。
案外しっかり焼けて出てきた冬茹は鰹出汁がしみ込んでいてジューシーかつ鉄板の美味しさ。
これに文句つける人はしいたけが嫌いな人以外誰もいないだろうと思うくらいの上出来な味でした。
ここまで全く外れなし。なかなかどうして大した炉端焼きです。

お腹も膨れていい塩梅になってきたのですが、目の前で次々と炊き上がっては他の席に運ばれていく美味しそうな釜炊きごはんを目が欲しがっているので、おかずにお新香と蛸の酢味噌和え、それにアジフライをお願いして締めのご飯を注文。
いい歳して相変わらずよく食べる夫婦です（笑）。

お新香と蛸ぬたでまた熱燗をちびり。
ご飯が炊きあがるまでに30分はかかるとのことですから、食べる気満々の人は、初めに頼んでおくと良いと思います。
我々は炊き上がりをのんびり待ちながら、いつの間にか満員になっている店内で汗を拭き拭き熱燗を楽しみました。

人熱と炭火で店内は結構な暑さですが、エアコンはこんな状況ですから予想通り効きません。
ということで、満を辞してキンキンに冷えた赤星をいただくことにしました。
瓶に触れるととても良い具合に冷えています。
同じくキンキンに冷えたグラスに注いで喉に流し込んだ赤星の旨さったらないですね。
これ以上贅沢な夏の飲み物は考えられません。
私は断然キリン派ですが、今はただサッポロに感謝しかないです。

さて、ご飯が炊きあがる前にアジフライが出てきました。
炉端の奥の厨房で別の料理人が担当しています。
ここのアジフライは少々変わっていて、頭を落とさずに3枚におろして身をフライにし、頭を含めて骨を素揚げて一緒に盛り付けて出てきました。
鯵はそのまま刺身にできる鮮度のものを揚げているのだそうで、やばいくらいふっくらサクサクです。
見慣れたアジフライとは少々違いますが、こんなに美味しいのは食べたことがありません。
西伊豆でも熱海でも八丈島でもなく、新宿でアジフライのマイギネスが更新されるとは。
しかも揚物屋じゃなくて炉端焼きでアジフライのマイギネス更新とは思ってもみませんでした。
意外過ぎる場所ですけど、美味しいんだから文句なし。

アジフライってビールと合いますよね。感動的な美味しさです。
しかも素揚げにした骨と頭がまた美味しくて、すべて胃の中に収めてしまいました。
鯵を頭から尻尾まで丸ごと食べたのは初めてかも（笑）。

ということでご飯が炊き上がってきた時にはおかずは全て食べてしまっており、ワイフは梅干し、私は海苔の佃煮をもらって締めのご飯をいただくことに。
でも、このご飯、全くのおかずいらずでした。
美味しすぎておかずなんて要りません。
炊きたてツヤツヤで歯を押し返すような弾力と、表面がツルツルしているのがわかるくらい主張する一粒一粒のお米が堪らなく美味しいです。
群馬県水上産のこしひかりだそうですが、素材だけでなく炊き方が上手なんでしょうね。
こんなに美味しい釜炊きご飯は越後湯沢の貝掛温泉以来です。
あっという間に完食してしまいました。

もうお腹いっぱい。ちょっと腹ごなしに一駅二駅歩かないと（笑）。
帰りがけにホールのお姉さんと焼き場の職人さんにお礼を言って出ました。
これで店内禁煙だったら足しげく通うのになぁ・・・
9月に東京都受動喫煙防止条例のうち店頭表示義務化が施行されるのを待ってます。

ご馳走様でした！