夜は肉酒場のランチタイムは、汁なし担々麺専門店だった♪ : 肉酒場 とろっと 西新宿店

一度利用した飲食店を、それと気づかずに利用してしまうことがある。今回は提供する料理が違っていたので、料理に引き寄せられた。

ランチタイムを終え職場に戻る途中、担々麺を謳うポップがあった。近々利用することにしよう。

店内に入ると、見覚えある内観だ。以前利用したときは、担々麺は提供せず、オムライスを口にしたことを思い出した。夜は肉を提供するバルと決まっているから、ランチタイムは色々模索しているのだろう。

店内すぐの左手は、オープンな調理場になっている。店主らしき50代初めくらいの男性、そして女性のふたり体制だ。
女性スタッフに、右手のカウンター席を促された。ちなみにカウンター席は壁と向き合う形なので、息苦しさを感じるのは否めない。
店内奥には数卓テーブル席があり、女性ふたり組が既に料理を楽しんでいた。

カウンターにあるメニューから、“ねぎ増し増し汁なし担々麺”に決めた。全ての料理には、食べ終えた後に料理に投入する、“〆のダイブ飯”と“温泉卵”が付いた。

カウンターから調理場の男性に、料理の写真の許可を確認した。少しばかり、返答までに間があった。どうやら今まで、写真撮影の許可を聞かれたことがないのかも知れない。

それほどに待たされるることなく、料理の乗ったトレーがカウンターへと提供された。
料理は赤くマグマのようで、オイリーな色合いだ。ひき肉、長ねぎがたっぷり乗っていた。トレーには他にライス、温泉卵、そして漬物がある。

先ずは温泉卵を料理に移し、よくかき混ぜで汁が飛び跳ねないように啜った。辛さは程よく、痺れはしっかりした。
ただ…

料理はなかなか美味しいのだが、ただ一点、決定的にいただけない箇所があった。汁はかなりの塩気で、食べるのが厳しい。追い飯前提なのかも知れないが、追い飯に辿（たど）り着くまでが厳しかった。追い飯にせず料理とライスを交互に口にしたが、それでも厳しい塩加減だった。
味は良いので、残すことはしなかった。
最後の手段で、コップの水を料理の器に入れた。

塩辛い味は好みだが、今回だけは手に負えなかった。
料理は水でヒタヒタになったが、何とか残さずに食べきった。
会計の際に店主に確認しようと思ったが…ヤメにした。気になるので、しばらく間を開けてから、利用してみよう。塩分調整の事故かも知れないから…

朝の散歩コースで、欧風煮込みのレストランがオープンしたのを知った。
ランチも提供していることを確認できたので、寄らせて貰った。
場所は小滝橋通りから、ちょっとばかり入った角の建物の一階。
建物の前には、タカマル鮮魚店 2号館がある。

外から覗くと、広くとられた窓から中の様子がわかった。
お昼どきをまわった時間帯、店内は満席に近いようだった。
入口脇は4人ほどのカウンター、奥には何席かテーブルがあった。
カウンターに2人ほど空いていたので、その一つに座った。
食事をしている客の、肩が触れ合うほどのスペースだった。
カウンター前は、狭いスペースのオープンキッチンとなっている。

こちらは、欧風煮込みに特化したレストランのようだったが、ランチの3種は煮込みには関係なかった。
カレーライスを勧められたが、隣の客が口にしているオムライスに惹かれ、それにした。
サービスで大盛りがあったから、そうしたのは言うまでもない。

調理場には見るからに優しそうな若いシェフ、ホールには若い女性スタッフ、そして店を統括しているシェフよりちょっとばかり年上に見える男性との3人だった。

シェフの手際の良い調理を眺めながら、メニューを見た。
料理の品数は多くはないものの、トリッパなど惹かれるものばかりが載っている。
ワインも、手頃な価格で揃った。

シェフは調理をしながら、ボクへ来店の感謝を告げた。
ボクもシェフに、訪店を楽しみにしていたことを伝えた。

シェフは池袋のホテルで10年ほど、イタリアンの料理人をしていたそうだ。
今回機会があって、店を任されたようだった。
先程の男性が、呼んでくれたそうだ。

注文から料理の提供まで、待ちのストレスを感じることはなかった。

サラダ葉物のもので、箸休めにはちょうど良い感じだ。
オムライスは大盛りだったが、量はそれ程ではない。
ふわとろタイプで、デミグラスソース風味のライスを、スプーンで掬（すく）って口に運ぶ。
非常に味わい深い、料理だと感じた。
よくある洋食屋さんの味ではなく、イタリアンのシェフが創る（欧風と言って良いのか？）味が伝わる。
食べ終わってみると、少ないと思った量はヴォリュームも意外に満足できた。

欲を言えば、価格を多少あげてもスープ、食後のドリンクがあれば、さらに良いかもしれない。
スタッフの問題もあろうが、ランチメニューもあと二品はほしいところだった。

オープン当初のため、若いスタッフの接客の硬さを感じた。
しかし、若いシェフ、スタッフの明るい接客が、この店の雰囲気を明るいものにした。
メニュー内容からランチ料理は、本来この店の持つ良さを伝えていないかもしれない。
どの駅からもちょっと離れていて、場所柄決して有利とは言えない。
それでも夜ぜひ使ってみたい、そう思わせてくれる雰囲気がこのレストランにはあった。