通し営業がありがたい街中華 : 中華料理 五十番

雨の中、自転車にまたがり買い出し。

ついでに、アジアハンター小林さんが緊急事態宣言下の中、
ネパール料理屋の新店舗情報を上げていたのを思い出し、
どうなっているかチェック。

工事も途中？？　昼なのに真っ暗で営業している感じはなかった。

また、夜、改めて行ってみたい。

某緑のおばさんによって、名指しで危険地帯に指定されたためか、一時期戻りつつあった人通りはまた少なくなったような。

あの夜の街があぶないみたいな言い方はおかしい。

昼も夜もリスクは同じ。

三密、マスク、手洗い、その辺を怠った人が集まる場所が危険なだけで、事実、じじい、ばばあの巣窟である昼カラで何度も集団感染をしているわけで。

毎日の感染者数に一喜一憂していても仕方ない。

昨日ゼロでも、明日二百人でも、コロ助はどこにいるかわからないし、かかる時はかかるし、かからない時はかからない。

出来うる対策をしつつ、日常生活をするだけ。

そんな中、この店は変わらずに眠らない街で通し営業。

変わらずといっても、周りの店が元気がないので、絶対営業的に打撃はあるはずだけど。

午後3時過ぎの遅いブランチ。

チャーハンに後髪を惹かれつつ、初めて定食を頼んでみた。

ナス味噌炒め¥650。

ラーメンスープ、小皿に肉団子と小さな卵焼き、ライス、ナスの味噌炒めという布陣。

ライスは少ないなぁ。まあ、これから買い出し&仕込みだから満腹にならない方がいい。

熱々のナスはとろみのあるタレをまとい、噛むとジュースが噴射で火傷注意。

言わずもがな、白飯との相性よし。

あっという間にペロリ。

お会計時にチラッと厨房を見たら、お父さんではなく、息子さんかな。若い人がやっていた。
若いといっても、40〜50歳のあいだだけど。

後継者がいてよかった。

すぐ近くの飲める街中華、「ラーメン王」がいつのまにか閉店。

貴重なお店だったのになぁ。コロナのせいかな。

区役所通りを一本新大久保側に入ったところにあった街中華もアパホテルにあわせてなのか、コインランドリーに1、2年前になったこともあり、界隈の街中華としては一番古株が唯一生き残っているというアイロニー。

次の日は「lil-kidが気まぐれにインド風カレーを振る舞う会」が都内某所で行われるため、買い出しに行かねばならないのだが、雨が僕の外出する気力を奪うのだった。

ようやく動き出した時には１５時過ぎていた。

当然朝から何も食べていないので腹が減っている。
不思議とこんな時は何だか日式町中華が食べたくなるのだった。
しかし、このようなお店は今や随分少なくなって歩いていると見つかるってことが中々ない。
そういえば、歌舞伎町に「ラーメン王」という、それらしき店があったなと向かっていたが、不意にこの店が目に飛び込んで来た。
こんな店、あったようななかったような。
風景に馴染みすぎてて気づかなかった。
「十八番」、「五十番」、数字を店名に冠した中華はけっこう多いような。暖簾わけかな。「山久」とか日本橋の方の「大勝軒」的な。

日に焼けまくって、原型をとどめない食品サンプルをじっくり観察した後、入店。

左手に暗闇へと繋がる階段。住居だろうか。貞子が這いつくばって来そう。そしたら、顔面に餡掛けぶっかけて逃げるだろう。

「いらっしゃいませ」と大きな声でおばちゃんが迎え入れてくれた。
タクシーの運転手さんらしきおじさんと、多分、その辺の呼び込みらしきおじさん。客層は歌舞伎町らしい。

休日の街中華のブランチには瓶ビールに決めている。

決めているのに理由はない、あったとしても忘れてしまった©︎ムササビヒンソー。

もしあるとすれば、休日に昼から酒をやる贅沢とがっつり食事を楽しむには何杯もお酒を飲むのではなく、瓶ビールをチビチビ飲みながら、その一本とどう向き合うかというペース配分を楽しむのが独り身男子の悲しい遊びだからだ。

餃子、唐揚げ、五目炒飯を頼んだ。

おばちゃんがこちらから中を伺えない厨房へとオーダーを通した。このおばちゃん、動きも機敏だし、声も大きく清々しい。

すぐさま、アサヒのグラス、キリンビールの中瓶が来た。ほぼ朝から何も飲み食いしてない胃にビールが注がれる。効くぅぅぅぅ。

続いて、餃子登場。おばちゃんが皿を手に持ち、こちらに近づいてくる時点でニンニクの匂い。
ちょいと焼きが甘いけど、カリッとしていて濃ゆい味がビールに合うなぁ。

厨房の様子は見えずとも調理音が聞こえる。唐揚げが油の中で爆ぜる音が聞こえ、着丼。

思ってたのと違う。色が薄い。食べてみると、ほぉ。
胸肉なのね。あっさり。ちょっとパサパサ。そのパサパサ感を補うようにケチャップ&からしのソース。
とはいえ、モモ肉の方が好きだな。

今度は鉄鍋が音を立て始めた。

五目炒飯。

若干、小盛りながら明らかに美味そうなオーラを放っている。エビ、筍、しいたけ、焼豚、玉子、ねぎ、グリンピース、五目の名前にふさわしい具沢山ぶり。
しいたけが中々珍しいが存在感がある具材。旨みが強くなる。
シットリとしたタイプ。

付属のスープも鶏ガラと生姜の爽やかなしょうゆ味。
ラーメンも間違いなさそうだと教えてくれる。

しかし、このような店が全国にあとどれだけあって、20年後にどれだけ残るのだろうか。

悲しいなぁ。