家族に還暦祝いをやってもらいました : ニューヨーク・グリル

無事、還暦を迎えることが出来ました。
実際に自分がそうなってみると、私が若い頃に抱いていた60歳の人のイメージとは随分違うなと思います。

新入社員の頃は、40代の人たちがずいぶんなおっさんに見えましたし、いわんや60近い人たちとなれば、それこそおじいさんみたいな印象を持ちながら眺めていました。
それがいざ自分がその立場になってみると、少なくとも自分ではそんなイメージではないぞと思えちゃうから不思議です。
もっとも他人から見たらおじいさんなのかもしれませんが。

そんなことで、家族が還暦祝いの会食をセットしてくれることになりました。
事前に希望を聞かれましたので、私からは、雅叙園や八芳園、椿山荘などのプランは嫌だよとだけ伝えておきました。
格好を気にしないと言うと聞こえは良いですが、要は普段から食べログでもコスパ命と言っているように、余計なところに要らぬお金をかけるのは本意では無いということです。

それで家内がチョイスしてくれたのが、こちらでのランチでした。

当店は、1994年に開業したパークハイアット東京のメインダイニングで、2019年に開業四半世紀を迎えたところです。

パークハイアットホテルと言えば、米資本のハイアット ホテルズ アンド リゾーツ（Hyatt Hotels and Resorts）グループが手掛けるホテルチェーンで、こちらパークハイアット東京は、新宿新都心の高層ビル街区の南端に位置する丹下健三設計による「新宿パークタワー」の39階から52階に入居する小規模最高級ホテルで、当店はその最上階で営業しています。

とある経済誌で当店のことを語っている識者の記事を見かけたことがあるのですが、ホテルのレストランの大きな転換点として位置付けられるお店として極めて高く評価されていたのが印象に残っています。
それによれば、52階からの眺望の素晴らしさは言わずもがな、大きなオープンキッチンを抱えていることや高層階なのに吹き抜けで現代アートのある壮大な空間を備えていること、そして、外国人シェフらによるグリルとエキゾティズムをアクセントにした先進的料理は、まさにニューヨークそのものを体現したレストランと最大限の賛辞を送っていたように思います。

もちろん、ネットでの情報が溢れている現代ですから、ネガティブな評価も無いわけではありませんが、私個人的には、やはり高級ホテルのレストランについては、安心感を抱けるものと認識しており、不安感はほとんどありませんでした。

この日は12時からの席を予約してくれていました。

しかし、当店、たどり着くまでが一苦労です。
まず新宿パークタワービルに入ってパークハイアット東京のフロントのある41階へ辿り着くのが簡単ではありません。
ビルの入口から入って1階の奥の方にあるパークハイアット東京のデリカテッセンショップへと歩を進めます。
同店の店内に2階への階段があってそれを上がるとペストリーブティックショップに出てそこを抜けると41階へ上がるエレベーターがあります。
ホテルフロント階の41階へ出ると、今度はかなり離れたところにある別のエレベーターに乗り換えてようやく52階に到着しました。

エレベーターを降りたところに当店の店員さんが待機しており、予約の確認をして荷物等を預かってくれます。
その後、席まで案内してくれました。
天井の高い開放感のある空間は聞いていた通り。
あいにくの天気だったので眺望の方は残念でしたが、恐らく晴れていれば素晴らしい景色が眼前に広がったと思います。

案内されたテーブルに着くとランチコースのメニューを一人１枚持って来てくれました。
このランチコース、税サ別で@7,500円ですが、食前酒、アペタイザーブッフェ、メインディッシュ、デザートブッフェ、ドリンクが付きます。
まずはメインディッシュをチョイスしますが、主賓の私は好きなものをと言われましたので、追加料金6,200円の熊本県産プレミアム和王サーロインを注文させてもらいました。

アペタイザーブッフェはとても充実しています。
種類が多いので、2度に分けて全種類制覇しようと試みます。

最初の一皿は、大体次のような内容
① サステナブルアトランティックサーモン
② 鰹のタタキ イエローペッパーソース すだち
③ ローストビートルート ヤギのチーズ
④ ミックスグレインサラダ ドライトマトパセリ
⑤ サツマイモのロースト スモークパプリカ サワークリーム
⑥ エビのスチーム スパイシーヨーグルトソース
⑦ きのこのコンフィ ブラックガーリックソース
⑧ チーズ三種（オランダ産ゴーダチーズ、フンラス産コンテ10か月、フランス産カマンベール ヴューボルシュ
⑨ フレッシュサラダ
いずれも一工夫ある料理でとても美味しい。
これまで食べたブッフェ料理の中では文句なく一番です。

次のプレートは最初に取り切れなかった次の料理を盛りました。
① カリフラワーのロースト
② 大山鶏モモ肉のコンフィ オレンジ ローズマリー
③ タコとイカのグリル レモンオイルマリネ
④ 牛肩ロースの西京焼き ジンジャーソース
⑤ 宮城県産赤豚ジャンボンハム
⑥ 自家製ベイクドリコッタチーズ 北海道産菩提樹はちみつかけ
こちらもいずれも甲乙つけがたい味でしたが、個人的には好みのリコッタチーズを食べていた時が一番幸せな気持ちになりました。

メインやデザートが控えているので、アペタイザーの量は抑えようというつもりだったのですが、ついつい欲張って食べ過ぎてしまうのはいつものことです・・

メイディッシュは、注文から40分ほどで提供されました。
恐らくアペタイザーブッフェの料理の食べ具合を見極めて調理時間を調整してくれたものと思われます。
私の熊本県産プレミアム和王サーロインはミディアムでお願いしました。
熊本県経済連が2007年に商標登録し発表したブランドですが、それこそとろけるような味わいで、さすがプレミアムの名前に恥じないものです。
脂分もそれほどしつこくないので、くどさはまったく感じなかったです。
さすがに私ひとり占めするのも心苦しかったので、家族に多少切り分けましたが、皆絶賛していました。
その家族は、US産ブラックアンガス牛サーロインだったのですが、こちらもみなペロッと完食していました。

メインをいただいた後は、席を替えて、ラウンジ席に案内してくれましたが、ここで還暦祝いのサプライズプレートと花が用意されており、感動のひと時。
記念撮影後は、デザートブッフェから思い思いにスイーツを取りに行きます。
この日のデザートブッフェのラインナップはおよそ次の通りでした。
① 洋梨のタルト
② ストロベリーパンナコッタ
③ チョコレートアイスクリーム
④ ストロベリーソルベ
⑤ ストロベリータルト
⑥ キャラメルチェスナッツケーキ
⑦ ふじ林檎のパイ
⑧ 和栗のロールケーキ
⑨ ピーカンナッツタルト
⑩ パンプキンチーズケーキ
⑪ ベイクドチョコレートケーキ
⑫ コーヒーチョコレートパンナコッタ

到底、全種類食べられる量ではありません。

私は、和栗のロールケーキ、ピーカンナッツタルト、キャラメルチェスナッツケーキをいただきましたが、これでほぼ一杯一杯。
コーヒーの力を借りて何とか完食しました。
それでもどのケーキも洗練された味で贅沢に素材が使われており、とても美味しかったです。
しかし、スイーツとなると女性陣はパワーを発揮しますね。
参考までに長女と次女のプレートだけ写真をアップしておきますが（家内のは武士の情けでカット（笑））、それぞれ楽々と平らげていました。
さすがトントンマンの血を受け継ぐ娘たちです。

所要2時間ほどで大満足のランチタイムは終了となりました。
眺望がイマイチだったのは残念でしたが、料理はやはり期待通りの内容で、記念の席にはふさわしかったです。

この日の内容で、一人12,000円程度で済んだのはランチだから。
当店、ディナーは、絶景の夜景が望めるとあって、料金の方もランチの比ではありません。
コースは、税サ別で18,000円と21,000円の二種類。
税サ入れてお酒を飲んだらすぐに一人3万円は超えてしまいそうで、なかなか手は出ないですね。
そんなことで、分相応なランチでの還暦祝いでしたが、私としてはすべてにおいて大満足のランチになりました。