ミシュランガイド紹介店 : 新宿割烹 中嶋

ミシュランで紹介されているお店ということで、さぞ洗練されたお店の雰囲気づくりと接客に触れられ、感動的な食事ができることとと胸躍らせながら結婚記念日のお祝いに利用させていただきました。

ディナータイム使用、３コースあるうち一番高い１万３千円コースを２人で。
ドリンク類メニューには値段が書かれていませんが、酒２杯、ジンジャエール１杯を追加で頼んで計３万２千ちょっと。

入店して最初に目につくのはカウンター。中には２０代前半くらいの若い子が１人。
厨房内もちらっと見たら、ほとんど全員そのくらいの歳で若い。
想像していたのと違ってちょっと不安になる。

席はカウンターを予約。少し高い椅子で、お店の人が椅子を引いてくれるでも押してくれるでもないので、ちょっと座りにくい。加えて、座面が斜めになっていて背もたれに寄りかかりやすい形になっている。
一般のテーブルマナーとして、背もたれに背を付けるのはためらわれます。

普通、割烹というとお品書きがテーブルの上に置いてあるものですがここはなし。
そういうのを見るのも楽しみなんですが、無いと次何が来るかわからない不安があります。
料理の内容は運んでくると同時に丁寧に説明はしてくれます。

内容は
先付け：三種盛り。タコのあぶり、甘い唐辛子とタコを柔らかく煮たもの、野菜のマヨネーズ和え

椀物：割烹の場合、椀がおいしいかどうかでその店のレベルが決まると言われています。ダシの取り方は基本なんでね。今回は枝豆（そら豆だったかも）のすり流し。すりつぶした豆を煮こんでサラサラのスープにしてあるのですが、味があまりしない！ダシの風味もそうですが、塩加減が弱すぎで味がぼやけています。さらに、すりつぶされた粒が飲んだ時に喉に張り付いて喉が苦しい＆むせる。もう少し葛か何かでとろみをつけて粒子が喉に残らないようにするか、しっかり越して粒を取り除くかした方が絶対いいと思う。

向付：４種。マグロ、鯛、ウニ寿司、イカ。　すべて２ｃｍくらいの長さで本当小さい。マグロは青森産だそうですが、大トロではなく中落だったのかな。どのネタも、さほど新鮮とは思えず質が高いとは思えない。

煮物：角煮。米粕とおからで余分な脂を落としているそうです。

焼き物：鮎とアワビ、３種ほどの焼き野菜。アユは中まで火が通り過ぎ。もっと油を残してふっくら焼き上げたらいいのに。小さすぎて元から油がないのでしょうか。野菜はトマトに塩コショウをかけたもの、しし唐、自然薯を揚げたものが付きました。
自然薯のポテトフライは自宅でもよくやるのですが、こちらのは中まで火を通しすぎでシオシオになっていた。うまく上げたら、もっとホクホク・ふんわりに揚がるはず。作り置きしておいたものを揚げ直した時の触感と似ている。しかも、塩コショウのつけすぎで辛すぎ。舌がマヒして、唇がジンジン。

揚げ物：アボカド、白身魚などをおオカキを粉砕したものを衣にして揚げていました。発想は面白い。

箸休め：酢の物。

食事：茶漬けと香の物２種。カラフルなぶぶあられがきれい。ゴマダレが乗っているのですが、これがダシの繊細な風味を消してしまっていて本当残念。

水物：そら豆のアイス、オレンジ。豆なので、仕方ないと思いますがザラザラ感が気になるアイス。口の中でとろけるアイスと違って、ジェラートという感じかな。

お品書きがないので、覚書です。

外食した際にお支払する料金は料理に対してだけではないと考えています。
やはり人の手を煩わせることへの対価なので、
お支払する料金のうち、料理５～６割＆店内使用料（雰囲気、設備とか）２～３割＆接客２～３割程度と考えています。

料理への値段として、４・５千くらいならまだ納得。
残りのお値段を、心地よい接客・空間づくりを味わわせることで取り戻してほしいところなのですが、
まず冒頭にも書いた用に椅子が好みではない。
加えて料理と料理の間が空きすぎ。もっと客の食事ペースを把握してタイミングを合わせないと。
２名で来客した際、一人が食べているのに食べ終わったもう一人の皿を下げるのもマナー違反。
カウンターならではかもしれませんが、大将が若い衆を叱責する声が大きすぎてツレとの会話が聞こえないことが多かった。ゆったり落ち着いて食事を楽しめるという雰囲気では全くありませんでした。


入口にハイアットパークのパンフレットが置いてありました。もしや大将はハイアット系列から独立した方でしょうか？
ハイアットパーク、リージェンシーは好きでよく利用させていただいており、接客も料理も申し分なく、５・６万出したとしても十分に「お得」と思える食事をさせてくれます。
目先の値段が高い低いではなく、値段に見合ったサービス・料理を提供してくれる店を利用したいと考えております。