全粒粉のさらに上をいくふすまパン : フスボン 代官山本店

この日の代官山での食べ歩きの〆は、珍しいふすまパンの専門店である当店を利用することにしました。
小麦のふすまとは、漢字では「麬」と書き、小麦から小麦粉を精製する際に出る副産物のこと。
より詳しく言うと、小麦から小麦粉の原料である胚乳を除いた外皮と胚芽部分のことで、一般には家畜の餌としての用途が中心でした。
近年、含有される食物繊維や鉄分、ビタミンＢ１の効用など健康志向面で食用としての価値が見直されてきており、アサヒグループ食品のヒット商品「クリーム玄米ブラン」やナチュラルローソンのブランパンシリーズなどはこのふすまを利用した代表的な商品です。

パンの業界では、小麦を胚乳も含めひきぐるみした「全粒粉」を使用したパンは日常的に見かけるようになりましたが、ふすまだけで作ったパンは珍しいと思います。
当店は、小麦ふすまとオーツ麦ふすまを使ったふすまパンの専門店なんです。

当店を運営しているのは、㈱コレットという大阪の会社。
ただし、店舗はこちら代官山にしかなく、あとは公式オンラインショップ、食べログお取り寄せ等から購入することができます。

当店の場所は、代官山駅入口の交差点際にあるブーランジェリー「シェ・リュイ」の脇の道を入り、一本目を左折したところです。
とてもこじんまりしたお店で、普通のベーカリーのようにパンの現物が置いてあってそれをピックアップするのではなく、現物は置いてあるものの、それは見本で、購入すると冷凍された商品をシングルパックされた状態で別途渡されます。
ズラッとベーグルのような形状のパンが並んでいますが、どの商品も価格はかなり高めで中心価格帯は＠300円～400円といったところです。
ふすまは、農薬を直接浴びる外皮を使用しているため、オーガニックの小麦（熊本県産）を使用していること（オーツ麦は輸入と思われますが・・）、ふすま加工は、契約農家にて有機認証の焙煎機を使用した焙煎殺菌を行っていること、希少糖を使用していることなどのコストアップ要因があるためなんだと思われます。

アイテム数は40種類内外はありそうで、一品一品とても丁寧な商品説明が付されています。
また見栄えは決して良くは無いのですが、なかなか工夫されたバリエーションがあり、例えば、いちぢくクリームチーズwithくるみ、アサイークリームチーズwithキヌア、カカオwithアーモンドなど。
やはり健康志向を前面に出していることが伺えます。

今回は、以下の２点を購入しました。
・ブラックペッパースモークチーズ＠442円
・ラムレーズンクリームチーズwith有機ココナッツ＠390円
合計832円

前記の通り冷凍状態のものを渡され、中には保冷剤を入れてくれます。

朝食用パンにこれだけの対価を支払ったのは、恐らく三軒茶屋のシニフィアン・シニフィエ以来ではないかと思われます。

持ち帰って自然解凍し、翌日の朝食でいただきました。

ブラックペッパースモークチーズは、レンジで20秒チンした後、600Wのオーブンで4分間リベイクしていただきました。
スモークチーズにブラックペッパーをまぶしてふすまパン「フスボン」で包み、ゴーダチーズをトッピングして焼き上げたパンです。
カロリーは263.1kcalと思ったほど低くはありません。
味の方は、決して美味しくはありませんが、ふすまパンということで覚悟していた臭いなどはそれほど気になりません。
かなり噛み応えが強いのはグルテンを添加してあるからでしょう。

ラムレーズンクリームチーズwith有機ココナッツは、有機レーズンをラム酒に漬け込み、クリームチーズとともにフスボンを包んだパンで、表面には有機ココナッツをエリスリトール（ゼロカロリーの糖質で希少糖の一種）でトッピングしてあります。
こちらもカロリーは272.8kcal。結局２つ合わせて530kcal少々ですから、普段の惣菜パン＋菓子パンとあまり変わりません。
ただ、糖質はかなり抑えられているものと思います。
とても優しい甘味が特徴で、それだけにラムレーズンの甘さが際立ちます。
こちらも噛み応えがあり、噛んでいるうちに甘さがジワッと感じられるパンです。
やはり美味しいかと言われると普通と答えざるを得ませんが、菓子パンとしては十分に楽しめる味ではあります。

今回の２品の率直な感想は上記の通り。
価格、美味しさ、健康志向のバランスはどうでしょうか？
個人的にはかなり懐疑的で、また利用したいとは思えませんでしたが、やはり糖尿病の方など特定の用途に向けた商品としてはとても優れた商品なのでしょうね。
でも、これを食べ続けると思うと・・・やはり健康には気を付けたいものです。