その16【2061】 : マダム・トキ

2,608文字★

タイトル候補：雄弁は銀 沈黙は金

Menu C（18,150円、税サ込）滞在時間：約2時間20分

1978年オープンという老舗フレンチ（3.92）、店名の由来はマダムのお名前だそうです。
ドラマ『王様のレストラン』のロケ地としても知られています。
代官山エリア（住所は渋谷区鉢山町）ということで肉や魚のボリュームは控え目ですが、
5種類のパンと10種類のワゴンデセールがお腹を満たしてくれます。

料理に関しては（パンとデセールによる底上げもあって）都内のフレンチでは上位と感じるも、
サービスに関して同席者が怒りを覚えており高級レストランとしては失格。
（フレンチに求められるのは美味しさだけでは無いのです。）

キャリア40年を超えるマダムの天真爛漫さはそれに惹かれるファンもいらっしゃると思います。
問題なのは男性スタッフの無駄口が目立ったこと（コソコソ喋っていても聞こえるのです）。
お客様への批判とも捉えられるような発言は慎むべきでしょう。

料理やワインを説明するときは雄弁であって然りですが裏に控えているときは沈黙が金です。
（サービスの責任者がビシッと据わっているお店であれば殴られるか叱られていると思います。）
シェフが美味しい料理を作ってもサービスマンがそれを台無しにしてしまってはシェフにも失礼。
平日でも満席に近い客入りでしたが人気店特有の傲りや緩みは正したほうが良いのではないでしょうか。

By The Glass（Half Glass 8杯 10,450円）

01.ダニエル デュモン シャンパーニュ ブリュット グラン レゼルヴ NV
02.カール ローウェン リースリング マクシミン ヘレンベルク 1896 エアステ ラーゲ アルテ レーベン 2019 ドイツ 白
03.ル ミュイ モンソジョネ ピノノワール フュ ド シェーヌ I.G.P ド ラ オート マルヌ 2010 赤
04.マルセル セルヴァン ラタフィア ド シャブリ（シャルドネジュースとブランデーのブレンド）
05.ローラン ピヨ ピュリニー モンラッシェ ノワイエ ブル 2018 白
06.ドメーヌ リーフレ ピノグリ グラン クリュ スタイナート 2017 アルザス 白
07.クロス ドュ マルキ 2013 サン ジュリアン 赤
08.シャトー ヴィラン ヴァン キュイ NV 赤 甘口

Menu C（18,150円）

01.アミューズブッシュ
02.パン
03.季筋のプティオードヴル
04.神奈川県松輪の鯖のマリネ フレッシュのリンゴと新芽のサラダ
05.フォアグラコンフィ フロマージュブランとソーテルヌのムース 根セロリとドライアプリコットのレムラード
06.本日のお魚料理
07.鹿児島産車エビ 黒トリュフのジュとウニのソースレジェで
08.和牛ヒレ肉A4 シンプルなスタイルで
09.季節のプティデセール
10.マダム・トキ ワゴンデセール
11.コーヒーor紅茶orハーブティー
12.プティフール

・アミューズブッシュ

浅利とレフォールのムース、サーモンのムース、トマトやパプリカなど野菜のジュレ、三層仕立て。

・パン

ローズマリーのフォカッチャ、赤ワインとベリーのパン、全粒粉のパン、
ミルクパン、豆乳と蜂蜜のパン、計5種類のパン食べ放題。
甘い口当たりながら塩をしっかり感じるバターも美味しい。
バターを薄くスライスし凍らせてから重ねることで薔薇を象っているようです。

・季筋のプティオードヴル

森のキノコのヴルーテ。
セップ茸をベースにしたキノコの（ポタージュに近い）スープ。
帆立貝とズワイ蟹のフランが入っておりカプチーノ仕立ての泡で覆っていました。

・神奈川県松輪の鯖のマリネ フレッシュのリンゴと新芽のサラダ

ブランド「松輪の鯖」を浅く酢〆（マリネ）して2切れ。
林檎、洋梨、レモンクリーム、エディブルフラワーの新芽、カラスミパウダー。
筆者の理想より少し酸味が強い味付けですが鯖の素材力と酢〆は良いです。

・フォアグラコンフィ フロマージュブランとソーテルヌのムース 根セロリとドライアプリコットのレムラード

コンフィにしたフォアグラがテリーヌのように変質しています。
この料理に合うからとピスタチオのパンも出てきました。
（フォアグラが小振りなので粉でボリュームを補足するという手法でしょうか。）
僅かに癖あるもテリーヌ化したフォアグラは臭み抜けており旨味も凝縮しているように感じます。
付け合わせは佐渡の黒いちじく、上に紅しぐれという赤大根も乗ります。

・本日のお魚料理

甘鯛の鱗焼き。
スープドポワソン（ブイヤベースのような魚介の旨味が効いたソース）。
付け合わせは米茄子のローストと芽キャベツのエチュベ。

サクサクした食感に変質した鱗ごと味わえる甘鯛が美味しいです。
甘鯛はどちらかと言えば淡泊な白身魚なのでスープドポワソンもっと濃厚であれば更に理想的。

・鹿児島産車エビ 黒トリュフのジュとウニのソースレジェで

レアーに火を入れた車海老の食感が独特ですがプリプリ感は失われており良し悪し。
海老をこういう火入れで楽しむのであればラングスティーヌのほうが活きると思います。
ジャガイモのピュレも添えられていました。

・和牛ヒレ肉A4 シンプルなスタイルで

A4かつヒレ肉ということで和牛にしては赤身メインな肉質ですが、
レアーな火入れでポワレしてあってオーソドックスながら確実に美味しい。
お皿に添えられた濃厚なマルテーズソース（オランデーズソース）で味変しても良し。
付け合わせはセップ茸のソテーと赤蕪。

・季節のプティデセール

モンブラン。
栗をエスプーマでムースにしてバニラアイスクリームとエスプレッソを合わせて。
お皿の縁にはマロンクリーム、焼いたメレンゲ、チュイル。

・マダム・トキ ワゴンデセール

苺のショートケーキ、プラリネ、モンブラン、オレンジのグレナデンコンポート、タルトタタン、
ヨーグルトとグラッパのムース、滑らかプリン、レモン香るパウンドケーキ、キャラメルムース、
チーズケーキ、計10種類から好きなように選べます（全種類を少しずつも可能）。

・プティフール

ミント味のギモーヴ、生キャラメル、ドラジェ、2種類のパートドフリュイ。