巨匠の流れを汲んだベカス : ラ メゾン フィニステール

夜再訪

今回は事前に料理を組んでもらいました。

内容は以下

・本日の小さなアミューズ
写真右から蝦夷鹿のテリーヌ、テットドフロマージュ、ゴルゴンゾーラのサブレ

・香ばしくグリエしたタスマニアサーモンのマリネとお野菜のモザイク仕立て
グリエされたサーモンの食感と香りが良い感じ。形成も綺麗でレギュームもコンソメジュレの芳香も良いです。下にはレモンと合わせたオリーブオイルで柑橘の香りも。これは凄く美味しかった。

・フォアグラのテリーヌ バニュルスのレディクション セミドライイチヂク添え
ねっとり食感のフォアグラ。添えられたのはパンデピスとレーズンパン、胡桃といんげんのサラダ。口変わりが色々楽しめて○。いんげんのサラダが単体でも食いたいくらい美味い。

・こんがりムニエルした白子と牡蠣 寒じめホウレン草のソテー トリュフたっぷりペリグーソース
動物系のダシや油脂と相性の良い素材で構成。ペリグーは旨味香りが強く白子や牡蠣に絡めて食べるともう堪らない。


・本日の鮮魚 本日の調理法で
この日はナメタカレイのヴァプール ベルモットソース。少しスープっぽい仕立てにしたベルモットのソースにはセルフィユやディルの香草
こちらのシェフは調理法としてあまりポワレはやらないとの事。これも良かった。

・ベキャス サルミソース
店に来てから10日ほどの物。コルヴェールなどに関してはフレッシュで使う事も多いらしいがベカスなんで少し寝かせたとの事。血の入らないアバとコニャックのサルミ。ガルニが白菜だったのでおっ！と思ってたらこちらのシェフの師匠を通じて某巨匠に辿り着く。どうりで。なるほど。
身の味わいと香りは強め。皮の薄いベカスは直に火を当てないのかこういう白っぽい色味の表面が多いですね。
美味かったなぁ。今年あんま食べれなかったですがベカスの個性が出てたという点で上位で良かったと思います。

・本日の小さなデザート
ココナッツのブランマンジェ イチゴのソース

・安納芋とラムレーズンのバトン マロンアイス添え
今回はデセールも面白い。パリパリ食感の生地の中には安納芋のペーストとラムレーズン。キャラメルのクレームパティシエールとマロンアイスと共に頂く。

感想
トラディショナルな印象は変わらないですが一個一個の精度が高いと思います。ソースも良いし特に今回レギュームの下処理の丁寧さとかガルニでの主素材の引き立て方とかに強い印象を残しました。
ワインはイタリアやニュージーランドの物で合わせ。料理の内容からすれば結構挑戦的なペアリングであるかと思うがそういうところもこちらの個性としての魅力があるかと思います。
オススメです。
是非どうぞ
ご馳走様でした

夜利用

以前某店に行く途中で偶然見つけメニュー内容が非常にツボったので行ってきました。

テーブル3卓くらいでしょうか。カウンターもありますが状況的に稼働はしてないのかも？

頂いた料理は以下

・本日の小さなアミューズ
タコとカンパチのスモーク バルサミコのヴィネグレット
アミューズですけど美味しい。好きです。


・ スペイン産仔ウサギのパテアンクルート　トリュフの香りを添えて
個人的に白肉ファルスのパテ・アンクルートは好まないのだがこれは良かった。白肉だと赤肉のような重厚感が出ず、パートとのアンバランスさを感じる事が多いのだがフォアグラの脂感とかジュレやトリュフの芳香が良くて物足りなさは感じなかった。

・ セップ茸とフォアグラを詰めたウナギのバロティーヌ ハーブのサラダと根セロリの泡　マトローソース
バロティーヌを形成して一度蒸して最後に少し焼きを入れた物。鰻の骨から取ったフォンに赤ワインを足して詰めたソース。通常のマトロートだと鰻の泥臭さが抜けてなかったりするがこれは美味い。評判の良い料理との事だが納得。

・ 本日の鮮魚のお料理
萩の甘鯛の鱗焼き 柚子風味のヴァンブランソース
蕪のリゾットと共に。ポーション大きめ。
シェフが萩の物に拘り他の産地は使わないという。最近フレンチでの甘鯛松笠焼き率の高さに辟易するのだがこれは身の質の良さがしっかり感じとれて良かった。ソースの適度な酸の感じも心地よい


・メイン
じっくり赤ワインで煮込んだ国産牛ホホ肉 フランス　シャラン産鴨胸肉のロースト　山椒風味のジュ 蝦夷鹿のポワレ　黒胡椒を効かせたソース 国産牛ロース肉のポワレ　エシャロット入り赤ワインソースの選択の中からシャラン産鴨を。
解禁されてからは初で実に2年ぶりくらいか。皮下の脂の感じはさすが。キュイソンは深めでしたが柔らかい。山椒の効いたジュのソースは軽いが風味が強くてかなり美味しい。アセゾネの攻め具合も好みでした。ビュルゴーも手に入れば使いたいとの事。


・ なめらかなフォンダンショコラとピスタチオのアイスクリーム
個人的にショコラの甘さが足りなかったですけど王道の組み合わせで外しがない。もっと遊んでも良いかも。


となります。
トラディショナルな料理が多いですが単純に古いというわけではなくシェフ独自の感性も盛り込まれてるのかなと。
シェフご自身もソムリエの資格も持っておりワインに合う料理という事で比較的ソースのしっかりした料理がベースになってると思う。
コースはだいたい月替わりくらいとの事。皿数、量感、値段とのバランスが良くちょうど良い具合で通いやすい感じ。
L.Oが22時と遅めでなかなか早い時間に余裕がない人にも使いやすいと思います。
ワインはフランスの物中心にイタリア、ドイツなども扱う。良い物があれば産地に拘りなく取り入れてるようだ。サービスのソムリエさんはシェフと同時期にマクシヴァンにいらっしゃった方らしい。気心知れた者同士で展開される料理、ワイン、サービスの一体感が客を楽しませてくれるだろう。
また必ず伺います。
ごちそうさまでした～