「ロブションのディナー」という一種のエンターテイメント : ガストロノミー ジョエル・ロブション

【まとめ】
ミシュラン三つ星。著名度もすこぶる高いフレンチ。
豪華絢爛な内装と選び放題のワゴンが連発される非日常感は他との圧倒的な違い。

【感想】
機会があれば是非再訪したい
☆×3.8

言わずと知れたミシュラン三つ星の恵比寿ロブション。
一階のラターブルではなく二階のガストロノミーの方。

日本のレストランの中でも最高級に位置するフレンチですが、最近はここよりも全然高いお店も増えている中で、1度は経験すべきかと思い初訪問。
事前のリコンファームでディナーでは最もお手頃な25000円のコースをオーダー。
電話応対の丁寧さなどはさすが。

18時半に入店して、その時点で6割ぐらいの入り。
言わずもがな最終的には全席が埋まり、食べるのがすこぶる早い私たちは18時組を全員追い抜いて1番最初に帰りました笑

入ると豪華極まりないシャンデリアとシャンパンゴールドの壁面がお出迎え。
客層は何かしらの記念日の家族連れか夫婦。
もしくは関係性が不明瞭な男女ペアという感じ。
このご時世なので外国の方はあまりいらっしゃらない感じでした。

前菜2品、メイン1品、デザート1品をプリフィクスで選択し、海老のゴーフレットとキャビアインペリアルの定番アミューズ2品とチーズワゴン、デザートワゴン、ミニャルディーズワゴンとカフェという構成。
パンも全8種類ぐらいから食べ放題。
一番安いコースですが問答無用でお腹いっぱいになります。

今回のメニューはこちら。

■海老のゴーフレット
海老の旨味を閉じ込めたホットサンド。
想像以上に普通。

■キャビアインペリアル　カリフラワーのムース
これぞロブション。
キャビア、蟹にカリフラワーのムースを載せた甲殻類のジュレの組み合わせ。
コンソメが流石の旨味と透き通るような淡い口溶け。
とはいえ想像を超えるとまではいかない感じ。

■パンワゴン
全粒粉のパンとバゲットは問答無用で1個提供。
その他好きなものを選べますが、ミルクパンとバターデニッシュをセレクト。
ミルクパンは特にミルク感を感じず普通のロールパンという感じ。
バターデニッシュはコクたっぷりで流石に美味しい。
惣菜系は同伴者がいただきましたが、ベーコンエピとチーズのパンが美味しかったとのこと。

■フォアグラ　とうもろこしのヴルーテ
ピリッと辛みを感じる滑らかなとうもろこしのスープ。
ラトリエでもかぼちゃのヴルーテを食べましたが、それも辛みがあって、甘いヴルーテに辛みを加えるのがロブション共通で得意なのかな。
個人的にはそんなに合わない気がするのは置いておいて、、、
ちょうど3日前にロオジエで同じようなとうもろこしのヴルーテをいただきましたが圧倒的にロオジエの方が美味しかったかな。

■サラダ菜　バスクのラビオリ
これもスープ。だってスープ好きなんだもん。
こちらはしっかりと野菜の甘味が引き出されていて、複雑な味の組み合わせもなく純粋に美味しい。
そしてチーズとマッシュポテトを包んだラビオリもグッド。

■イベリコプルマ　香ばしくキャラメリゼにして
メイン。
薄切りにした豚肉を醤油を煮詰めたソースで濃い目にキャラメリゼして火入れされてます。
予想どおりの味でしたが、付け合わせの野菜たちが甘く、別添えで提供されるロブションといえばのマッシュポテトはボウル一杯で食べたいほどの美味しさ。

■スフェール　巨峰のソルベとフロマージュブランのムース
球体状に整形された外観が美しい。
味はまあまあ。

とここまでは期待以上の品は特になく不穏な空気が漂ったんですが、最後にかけてのワゴン3種類で満足度が急上昇。
全10種ほどのチーズと、それに合わせる果物やナッツを選ぶことから始まり、一つ目のワゴンは他のお店ではメインデセール級のものが一体何種類あるのかわからんぐらいでワゴンで運ばれてきます。

追加料金が発生するロブションのスペシャリテのクレームブリュレは死ぬほど普通で期待外れでしたが、チェリーのクラフティ、バニラアイス、ミルフィーユ、パリブレストなんて、普通にケーキ屋さんで売ってたら絶賛してリピするレベルの品。ミルフィーユ凄かった、、、
あまりにも食べすぎで心配されるレベルの数をオーダー【8種類くらい頼みました笑】しましたが全部美味しくいただけたのは僕が大食いだからというだけではなく明らかにケーキのレベルが抜群に高いからかと。

二つのワゴンのミニャルディーズも、カヌレやフィナンシェ、マスカットのタルトなど、他店で小菓子として出てきたら感動レベルのものが選び放題で食べ放題というまさに「天国」。
これも10種類近く食べて大満足。

2人で飲み物一杯ずつ、追加料金のクレームブリュレで65000円くらい。
グラスワインは一杯4500円でした。
安くは全然ないですが、最後の3種類のワゴンの満足度は他のお店にはない唯一無二のエンターテイメントという感じ。

コースの料理でおったまげる一品がなかったのがちょっと残念でしたが、年1くらいはお伺いして「もう無理」というまでワゴンサービスを楽しみに伺ってもいいなぁと思いました。
ごちそうさまでした。