念願のトンカレー : こづち

明日やる検査を今日だと勘違いされ、出るはずの朝食が配膳されず。
そのまま、「用意します」とかなくもなく、放置プレーとはこれ如何に。

まあ、それならそれでいいさ。

10:30openの「こづち」まで歩いて向かう。

一番乗り。

「カツカレー、ライス半分、目玉焼き」をお願いした。

厨房内に仕込みの痕がまだ見える中、徐々に稼働し始める。

一番乗りだったけど、続々と人が入ってくる。11時前には7割ほど埋まっていた。
この人達、何の仕事してるんだか。

更に慌ただしく熱を帯び始めた厨房の様子を見て、何だかんだSL機関車の炉を連想する。
真っ赤な炉の中にがんがん石炭をシャベルで打ち込むと、機関車が汽笛を鳴らしてシュポシュポと徐々にスピードを上げ、走り始める。
あのイメージ。

もし、自分がこの中に入ったら、手と足も出ないで右往左往して邪魔になるだけだろう。

現に厨房の20代前半、下手したら10代後半のとっぽいあんちゃんに気弱そうな30半ば〜の青年が圧力をかけられていた。

さて、カツカレーというか、こちらではとんかつカレー、略してトンカレーと呼ばれている、この一皿。

ご飯半分で頼んだがそれでも普通の店の大盛りくらいは優にある。
そこに豚バラ、にんじん、玉ねぎのルーカレー。更に揚げおきしてあったものを注文後にラードで揚げたロースカツがドーンと載った、ヘビー級の代物。

カレーのルーはシャビシャビ。
乳製品の香りが強い。牛乳で伸ばしてるかも。
懐かしいけど、その記憶の中の懐かしのカレーより格段に美味い。
とんかつは噛むとサクッと音を立て、ラードの香りが広がる。
主張し過ぎない肉もいい。
カツカレーのとんかつとして正解のとんかつ。
辛味は一切ないので途中で七味＝ジャパニーズガラムマサラを加えてスパイスチャージ。

デフォで福神漬け、卓上に壺漬け、レッドジンジャルピクルス＝紅生姜が味変アイテムとしてあるが、
松屋のせいか、紅生姜が一番しっくりくる。

軽い気持ちでトッピング要員として目玉焼きを頼んだら、キャベ千、ポテサラ付きの二子玉焼き。

これがまた白身の縁は焦げて香ばしく、黄身はトロリでベストコンディションな目玉焼きで、この感じのハムエッグに瓶ビールは非常にありよりのありと思う。

げふっ。

こりゃ宿の昼ごはんはキャンセルだ、食えるわけない。

明日の午後一には釈放されます。

長かった。

血圧が200オーバーということで、いえろーかーどをもらいまして、
朝一で日赤病院に行ったけど、まあ待たされること。

2時間半待って、診察５分くらい。

そのあと、追加で検査でまた待たされる。

つくづく、不健康というのは時間とお金の無駄になると実感。

6本くらい血を抜かれたので、エネルギー補給の為に、前から行きたいと思っていたこちらへ。

何せ平日の17時過ぎには閉まってしまうので週末の夜に飲みに誘われて出てくる時しか恵比寿に来ない身としては、中々縁がないお店なのだ。

オシャレタウン恵比寿に全力で抗う、the昭和な食堂。

中も渋い。コの字型カウンターのみ。２時過ぎだがほぼ満席で調理場はガシャンガシャンと鉄鍋をふるう音がこだまし、戦場のようだ。

迷いつつ、頼んだのは炒飯の大￥700なり。

牛丼を入れるような大きな丼に魔法の白い粉をふりかけ、そのうえから寸胴で大量生産された中華スープが注がれた。
これに中華麺をいれたら、街中華のラーメンが出来上がるだろう。
このスープで胃を温めつつ、しばし待っていると推定Eカップはあろう、ボリウミーな炒飯が着丼した。

見た目からしてパラパラではなく、しっとり。
僕はパラパラ至上主義ではなく、どっちもいけるので問題なし。
刻んだナルト、ネギ、タマゴ、それと肉片が申し訳程度に。
味はかなり薄味だ。塩、コショウ、油という感じで醤油もあまり感じない。
なので、後半は量があるだけに少し飽きてくる。飽きてくるけど、卓上にはソースと醤油しか調味料がない。粗挽きの黒コショウが欲しいところ。

取り放題のレッドジンジャルアチャール＝紅ショウガにどれだけ助けられただろうか。

尚、周りを見ると、炒飯普通盛と、オカズ単品を発注し、炒飯を白飯代わりに食べている人がいた。なるほど、その場合は味の濃そうなおかずの良き相棒になりそうだ。

しかし、このお店で食べるべきものは生姜焼きやその他の定食系のようだ。

是非とも生姜焼きリベンジしたい。

いや、土曜日の昼に瓶ビールとから揚げと、ハムエッグか。

場所柄アパレル関係ぽいお洒落男女や、サイドかりあげの恵比寿リーマンもいれば、ガテン系もいるという不思議なお店だった。

地位や名誉、職業、性別関係なく、「お腹一杯食べたい」という純粋な欲求のもとに人が集まるのは何だか居心地のいい空間だと思った。