がっつり派には不向きか。女性に向け特化した牛かつ店。 : 牛かつあおな 渋谷3丁目店

■店内

カフェ風の内装、高級感は感じられないですが、
入りやすさからか女性客が多いです。

8名掛けの相席テーブルに案内されましたが、正面の男性2人組との距離が大衆酒場レベルに近い、しかも特に仕切りも無い。
酒の席ならアリですが、ランチでこれはちょっと。
女性なら尚更ではないでしょうか。
カウンターか2名掛けのテーブルが良かった。


■注文

こちらの大きな特徴は、肉の種類が選べること。
・NZ産オーシャンビーフ
・黒毛和牛
・霜降り黒毛和牛
当然、下にいくほど価格は上がります。

壁には黒毛和牛の産地と個体識別番号が記入されており、こだわりを感じました。

アジア系観光客に人気がある有名牛カツチェーン店の、
“おいしくお召し上がりいただく為に牛脂を加えております”と記載がある肉と違って、
個人的に安心感があります。

肉の量は通常で100g、もちろん追加可能。

加えてひとつ、
最もリーズナブルなNZオーシャンビーフに限り、
メインの『牛かつセット』 1150円（税抜）の他にもう1種類、
値段が230円安くなる『あおなセット』920円（税抜）が選べます。

『牛かつセット』との違いは1つだけ、付け合わせの野菜が変わります。

『牛かつ』はデフォルトのグリーンサラダ、
『あおな』はキャベツの千切り。

前者はサニーレタス、グリーンカール、サラダほうれん草のミックスに、
ビーツ、紅芯大根、人参のスライスが乗ります。
後者のキャベツですが、
レッドキャベツの千切りがあしらわれており、彩りは決して悪くありません。

注文したのは、
牛かつセット NZ産オーシャンビーフ 150g 1450円+Tax

ご飯が白米か十六穀米から選べます。
さらにご飯と汁物はお替り無料です。


■食事

提供時に食べ方の説明などがありません。
あると親切だったかと。
（「ご飯と味噌汁はお替りできますので」などもあればぐっと好印象でした。）

ゆえに2種類あるタレをまず探る必要があります。
一方は醤油、
もう一方は、オイルに茶色い粒子が入ったタレ。
醤油の顆粒のような、かすかにガーリックが香るような、なんとも説明のしようがないもの。
ネットでは“油塩”などと呼ばれているよう。

別添えのさらっとして白濁した液体はドレッシングでした。

卓上にはピンク岩塩とソース。

特筆すべきはわさび。
外食で一般的に使われるチューブ入りのもさもさした濃い緑色のわさびではなく、
淡い緑が綺麗でとてもみずみずしく口当たりの良いもの。
これは前者よりグレードの高い冷凍品ではないでしょうか。
（常温品よりも冷凍の方が高級なのです。）
HPにはやはり本わさび入りとの記載が。
こだわりを感じました。

味噌汁はかき玉。
十六穀米はよくある色だけの申し訳程度ではなく、多様な穀物がしっかり入っていてリッチな印象です。

さて肝心の牛かつ。
ニュージーの赤身なので大変あっさりした食べ味。
ベリーレアの揚げ加減なので温度はほぼ常温くらい、硬さは全く気になりません。

わさび醤油で頂くと、マグロの赤身を食べているような気分に。
比較すると、オイルのタレの方がご飯は進みます。

量的には150gで十分満足感あり。


■食後感・総括

個人的な感想としては、
もっとパンチの効いたタレが欲しかった。

もし脂の多い“霜降り黒毛和牛”を注文していれば、醤油と塩でさっぱりいただける事に何の問題もありません。

しかし庶民の私はNZビーフ。
あっさり赤身にわさび醤油をつけて更にあっさりさせても、
という印象で物足りませんでした。
『油塩』も悪くはないのですが、如何せん何だか良く分からず。

赤身肉で米を食べさせるなら、
ステーキソースのようなコクのある甘辛い醤油ダレがやはり分かりやすい気がします。
マグロだったらヅケとかマグロユッケみたいなイメージ。
赤身に塩なんて論外、脂の強い肉（＝霜降り黒毛和牛）にこそ塩&わさびだと思います。

衣も薄くって軽くって、全くもってもたれない印象。
これぞ牛カツというしつらえでしたが、それは霜降り黒毛和牛にこそベストマッチ。
このあっさり赤身肉だったら、もっともたれたい。
多少衣厚めにして油のコクを付与していただきたい。
ザクザクガリガリいただきたい。
もたれさせてください。

そんな食後感でした。
要するに、肉の種類が変わればその他の部分も変える必要があるということではないでしょうか。
衣はともかく、タレが選べたりしたら文句ありません。

しかし考えれば、
店内から野菜から十六穀米からこの牛かつまで、
一貫して女性を意識した仕様になっているように思います。

そもそもこんなおっさんターゲットじゃない、と言われてしまえばはいそれまで。

牛かつ店のなかでも、特に女性におすすめできるチェーンではないでしょうか。

ご馳走さまでした。