冬のくろ﨑は至高の美味しさ : くろ﨑

冬のくろ﨑を堪能してきました。
12月上旬の早い回に1人で訪問。運良く客層も問題なく、最後まで料理に集中できました。
今回も大将の目の前に座らせて頂き、切り付けから盛り付けに至るまで、妥協のない丁寧な仕事を見れて楽しかったです。

この日頂いた料理は以下の通り。

夜おまかせ 40,650円 2時間45分
白子擦り流し ◎
鰆 ◎
鰹 ◎
九絵の味噌漬け ◎
かわはぎ ◎
いくら
虎河豚とからすみの唐揚げ
赤貝ひも ◎
小肌
車海老 ◎
茶碗蒸し
赤なまこ
青柳の干物 ◎
河豚の煮凝り
赤貝 ☆
大トロ ☆
赤身 ☆
中トロ ◎
馬糞雲丹(根室) ◎
車海老の頭
穴子 ◎
干瓢巻き ◎
お椀
(以下追加)
赤身
大トロ
墨烏賊 ◎
お茶のみ
※特に美味しかった料理(☆→◎)

個人的には秋のメニューより格段に好みで、つまみも握りも全てが美味しかったです。

やはり最も美味しかったのは鮪。くろ﨑の鮪は本当に美味しいですね。
初貫の大トロは八丈島の水揚げ。口に入れた瞬間、上品な大トロの香りが漬け地に乗って放たれ、柔らかい身がとろけてシャリと一体化。さらりとした脂は甘くて飲み込みたくない美味しさ。
赤身だけは戸井の水揚げ。赤身らしい鮪の香りとほのかな脂がバランス抜群。
中トロは大トロ寄りの身質で、口に入れたときの幸福感がすごいです。大トロの時より若干脂がもたつきましたが、美味しい中トロであることは間違いありません。
鮪は今回も大トロが感動的でした。他では味わえない旨さです。

鮪に並んで驚いたのは赤貝の握り。
思わず溺れそうになる身の大きさで、噛み締めるごとに赤貝の香りと甘さが際立ちます。味の濃さとぷりぷり感が堪らなかったです。つまみの紐もさっぱりして美味しかった。

そして雲丹や穴子も相変わらず美味しいですね。
根室の馬糞雲丹はすっきりとした甘みで好みの味わい。あと海苔がめちゃくちゃ美味しい。
温度の低い穴子はほろほろとした口どけ。シャリと合わさった後に、上品な穴子の香りに満たされます。

前回は印象に残らなかった車海老ですが、今回は甘さが強くて美味しかったです。あと少しだけ火が通っていた方が好みですが、半生ならではの食感も楽しくて良い。

つまみは前半の鰆、鰹、九絵が圧巻。冬の魚の旨さをこれでもかというほど堪能できました。
いずれもシンプルな料理ですが、タレや薬味など随所に独自の仕事が光っていて素晴らしかったです。

次回は新店舗に伺えるので超楽しみ。

2021年7月から鮨の沼にハマり、10軒目となる今回は渋谷の「くろ﨑」へ。
訪問2日前にたまたまOMAKASEで1人枠が出ていたので一瞬で確保しました。

10月上旬、17時30分〜の回を予約し、3分前に到着。大将の目の前に座らせてもらい、早くも期待が膨らみます。
ただ先に残念な点を言うと、カウンターの席間が狭かったです。10席が一列に並んでいて、隣の人の真横って感じですかね。
でも大将と他のお客さんの会話を一緒に楽しく聴けるのでまあいいかな。居心地は悪くないです。

全員が揃ったらコース開始。
つまみと握りが交互に出る流れです。

夜おまかせ 40,920円、3時間
白子ポン酢
太刀魚の酒蒸し ◎
目光の焼物
鮑の酒蒸し
シブダイ ◎
新いくら
鰻蒲焼き
小肌
車海老
松茸の茶碗蒸し
新烏賊の下足焼き ◎
皮剥 ◎
秋刀魚
新烏賊 ☆
大トロ ☆
赤身漬け ☆
中トロ ◎
由良の赤雲丹 ◎
車海老の頭
穴子 ◎
干瓢巻き
ミル貝出汁
新烏賊(追加)
赤身漬け(追加)
玉子焼き
冷茶のみ
※特に美味しかった料理(☆→◎)

つまみで特に美味しかったのは、太刀魚の酒蒸しと新烏賊の下足焼き。
太刀魚はとろとろでもはやジュースでした。身が甘くてふわふわで文句なし。
新烏賊の下足焼きはちょこっと一品ですが、ぷりっぷりで思わず笑みがこぼれました。

握りはとにかく鮪3貫が美味しすぎました。鮨屋巡りはまだ10軒だけですが、余裕で1位にランクイン。
やま幸の鮪は色んなお店で食べられますが、くろ﨑に入っている鮪は多分かなり良いものな気がします。

まず鮪初貫の大トロがめちゃくちゃ美味しくて衝撃。大間の延縄。
鮪の香りと脂のバランスが抜群。決してくどくない甘い脂と柔らかい身、そして鮪の上品な香りが鼻に抜けて余韻も最高。
その後の赤身、中トロはまた別の個体の一本釣り。鮪の香りと旨味が、極上の漬け地に乗って押し寄せます。
やっぱり鮪が美味しい鮨屋はいいですね。冬に向けて今から楽しみです。

鮪に並んで美味しかったのは、新烏賊の握り。もう終わりかけの新烏賊ということで、身が大きく、頬張った時の充実感は格別。
個人的に好みの酢橘と塩で食べる握りで、ぷりぷりの甘い烏賊を楽しめました。ほのかな烏賊の香りもいい。

他にも由良の赤雲丹は濃厚だけどすっきりした味わいで美味しかったし、穴子もふわふわで繊維が超きめ細かかったです。穴子の骨を微塵も感じず不思議でした。香りのある穴子でまた食べたい。

一方でいまひとつだったのは、車海老。
身が小さめでぷりぷり感も控えめ。茹で加減なのか、若干水っぽく甘みも感じられなかったです。数日前に食べた、らんまるの車海老の方が美味しかった。
あと小肌も甘めの酢で締めてあるので少し臭みを感じました。個人的にはしっかり締めてある方が好み。
でもそんなことどうでもいいほど、鮪が美味しかった。

初めてのくろ﨑は、後半の追い上げが凄まじく定期訪問確定の満足感でした。
本当に鮪と烏賊が美味しくて、お腹いっぱいなのにおかわりしちゃいました。他のお客さんが頼んでいたトロタク巻きも美味しそうだった、、。

大将の話ぶりから、魚の仕入れ、仕込み、お店の内装など、妥協を一切しないこだわりを強く感じました。
移転先の店舗についても、どうしても頼みたい左官屋さんがあり、その仕上がり時期によっていつ開店するか未定とのこと。来年1月頃かなと仰っていました。
くろ﨑をオープンして7年が経ち、良い魚が入るようになったから今後はできるだけシンプルを追求するようです。「膝から崩れ落ちるような鮨を出したい」という言葉は印象的でしたね。

1人で伺いましたが居心地も良く、とても美味しい鮨を堪能できました。
次は12月に予約したので、冬の鮪が楽しみで仕方ありません。