想像していた以上に美味くてチーズ好きには堪らない : CCC~Cheese Cheers Cafe～ Shibuya

渋谷でラクレットチーズをはじめとしたチーズ料理を愉しむにはどこが良いか物色していたところ、YouTubeで和かに対応する女性店員と豪快に掛けてくれるラクレットチーズの映像が目に焼き付き、こちらに決めた！

チーズチーズカフェ渋谷(以降:CCC)はチーズ好きによるチーズ好きのためのこだわりチーズ専門店として渋谷でもSNSでも名を馳せている様で、当方もYouTubeでやられ、中にはインスタ映えしたトロけるラクレットチーズの画像にやられた御仁もおられるであろう。

昭和の匂いのする総合雑居ビル内の４階に降り立つと、山小屋風のウッディ感を漂わせたCCCは秘密の扉の如し佇まい。
扉を開けると鼻に向かってラクレットチーズの香ばしく焼ける匂いが自然に鼻穴に入ってくる。
席は個室では無いが、店舗入って右奥の前後の客が見えない４人掛けのシートにアサインして頂けたおかげで落ち着いた場所。
椅子や背もたれのクッションも当方好みの硬さで柔らか過ぎずに腰が痛くならず、ソファなんかも有って肘付いたりとゆったり気分。
左右には客席が無く片方は外の景色を眺められ、片方はホールとなった寛ぎの空間造りが施されている。
早目に予約をして使うシーンを伝えたので色々と配慮してくれたみたいだ。感謝！

NINE元住のラクレットチーズ食べ放題でもうしばらくはラクレットチーズをはじめとするチーズは見たくも食べたくもないとなったはずであるが、こんな感じで入店すると「そんなの関係ねぇー！」と小島よしおバリにシフトチェンジ。

店員は女子率がかなり高く、皆和かで嫌な感じは全く無くフレンドリー。
もちろん男性サービス陣も和かでテキパキと対応して頂き満足。
しかしCCCでは女性スタッフが主役と観た！

先ずはじめにドリンクを決め、料理をアラカルトでチョイス。
先付がホエイドリンクとは珍しい。
思ったより癖が抑えられ、程良く爽やかな酸味が胃腸を整えてくれそう。

次に６時30分から始まるリゾットタイム
基本調理はキッチンで行うのだが、仕上げは客の目の前で参加型のタイプ。
特大ホールでくり抜かれたグラナパダーノチーズに洋酒を掛けてフランベし、香り付けされた周辺のチーズの壁を削って熱々のリゾットを合わせてチーズと絡めていく。
仕上げは熱せられたスキレット風の鉄板鍋にジュワッと白煙を立ててリゾットを盛り付ける。
香りも音も最大のご馳走だ。
もちろん一口目から軽く焦げたチーズの風味が口全体に広がり、クリーミィーなチーズリゾットの芳醇な美味しさに打ちひしがれる(笑)
米への火入れも想像以上に的確で、ボソボソでは無く滑らかでパッツンとした出来上がりにちょっと感心した。

ラクレットは思っていた期待通りの伸びとトロけ具合。
もっと掛けられたら嬉しかったけど、値段的にもまぁこんなものか。
肉系は全く期待していなかったのだが、ここの極太ソーセージはナイフを入れるとブリッとした弾力で跳ね返していき、皮が破れて肉汁がビュッと溢れ出る。
そこにチーズのコクをプラスして旨味の重ね合わせを愉しむ。
ベーコンも良いのだが、極太ソーセージにラクレットチーズも良いなぁとこちらも大満足。
細かく切れ目を入れた外側がカリッカリのハッセルバックポテトも良し、適度な火入れで甘くなったズッキーニ、茄子、赤黄パプリカ等野菜達も名バイプレイヤー！
これは良いですなぁ。

グリュイエールチーズとキャベツのマリネは酸味が強過ぎずにグリュイエールが適度な円やかさを演出して、口直しに最適！
最後まで良い働きをしてくれた。

ベーコンとアスパラガスのグリーンサラダはベーコンとアスパラガスが香ばしく火入れされている温かさと葉野菜の冷とのコントラストも面白い。
フワリと焼きの香りが漂うアスパラガスの力強さをパルミジャーノで迎え撃つ。
もちろん温泉卵のトロ～りとした黄身の濃厚さとチーズが美味さの邪魔をせずに寄り添う形で美味さを添加。

丸ごとカマンベールのアヒージョはカマンベールがトロトロに柔らかくなり、バケットに付けて食べると絶品！

〆のパスタはカルボナーラにしたのだが、これがまた仕上げの段階ではお客の目の前で作業するのだ。
メロンの様な器の大きな塊のチーズが登場した。
こちらはミモレットというフランスのハードタイプチーズで鮮やかなオレンジ色で、これまたメロン色。
何故このチーズを使われるのかをうかがったところ、旨味があるのに癖やしつこさが無く、皆から好かれるタイプのチーズなので〆料理でカルボナーラとしてのパスタ料理に最適なチーズですというお答え。

リゾットを作る際も、パスタを仕上げる際もそうだがこちらの女性スタッフは、他店によくある「えーと、わからないのでちょっと聞いてきます。」といった具合のシーンは一度もなく、全て彼女達がその場で答えられていた。
多少セオリー通りの回答なのだろうが、自分でしっかりと覚えられ、仕事を通じて意味を認識して咀嚼された回答をされているのだなと当方的に理解した。
失礼な言い方をするが、こういった渋谷系のどこにでもある系でアルバイトなのだろうが、CCCではそこは一味も二味も違うということがわかった。

ミモレットボールの表面を観たところ、粉ダニによる穴やかじられたチーズの粉はまだ少な目なので幾分若いチーズと観たが、説明書きには１８ヶ月以上熟成させたものとの記載があった。
メーカーから出荷され、調達したあとの温度管理が適切に為されていないと大事な粉ダニ君(微生物)達が死んでしまうので、微生物が活動できる環境を整えられているかどうかも勝負、即ち味の鍵となる。
カルボナーラはパスタの茹で加減も申し分無かったし、クリームソースの味付けも、〆に食べるのを考慮してかアッサリ目に調味しておき、ミモレットのコクで美味しさアップしていた。


料理もサービスも含めて渋谷の街の騒がしい見た目だけの料理屋と思って全く期待していなかったのだが、良い意味で大いに裏切られて嬉しい限り。
想定以上に美味しかったし、素材の取り合わせも悪くなかった。
ウリであるチーズ自体の品質や保存状態も悪くなく手頃に美味しく楽しく戴くのに最適な店である。
連れも喜んでいたので再訪も十分に有る。