久しぶりに伺って、また感心 感動 : ミネバル

久しぶりに伺いました。
食べログのネット予約が出来るコースの内、ボリュームの少ない方をお願いしてありました。

待っていてくれた様な地下の空間、懐かしいシェフ。
奥の席に案内されました。
若い女性のソムリエさん。
ソムリエバッジを、誇らしく胸に輝かせて。

その方と相談して、シェリーも頂き、ミネラル感の有る軽めの赤ワインをお供に決定。お料理に合いました。
グラスの白ワインや、食後のオルホ(蒸留酒)まで堪能しました。

丸いクッキーサンドのような おつまみ。長四角の石板に 三枚載せて出されました。
口にすると、パリンと割れて、中にはジューシーで香り良いフォアグラのテリーヌ。
上下の固さを破って、冷たく柔らかく、甘くはないけれど、甘く感じるフォアグラの出現。
驚きました。
感心しました。
そして安心しました。
また、向上していらっしゃる。
伺って良かった・・・

次は、前菜がいくつか 丸いお盆に載せられて来ました。
小さなグラスに入ったガスパチョ。
スプーンで頂くと、巧妙に作られた野菜のムースのよう。 スペイン風の味をつけられて。

上手に味をつけた羊のミンチの入ったパイ。
これの大きいのは、軽食として あちらには有りますが、パイ皮も薄めに、ひと口ふた口のサイズにして、見事な前菜に仕立てられていていました。

その他、硬めのポテトに載せられたイワシ
等々、どれも美しく 美味しく、素敵な前菜。

シェフのお得意の、手造りのシャルキュトリーも、また魅力を増していました。
黄色(粒ﾏｽﾀｰﾄﾞ)、茶色、黒、オレンジのソースをアクセントのように従えて数種類。
こんなに美味しいハムもソーセージも、買おうとしても有りません。
こちらの名物です。
それぞれ味の違うソースで変化をつけて楽しみました。

このようにお料理は、進み、どれも これも美味しくて、嬉しくなりました。

メニューに｢米｣とだけ書かれたパエリア。
本場では、もっと ずっと油っこく、すごい量のオリーブ油が使われていますが、こちらの物は、出汁の美味しさが際だっていました。
具の海老やムール貝、アサリも、たくさん。

素材だけを、ポツリポツリと載せた 言葉足らずのメニューが来ていましたが、それぞれのお料理の発想の素のように感じました。
その素から、試行錯誤を経て創造されたお料理。
留まる事無く、常に進歩しているお料理。
久しぶりに伺って、また感心 感動しました。
本当に、ごちそうさまでした。

毎年何回か伺うようになって三年経ちました。
初めての時と、メニューは、あまり大きく変わってはいません。
けれど、また同じような感じかなと思うと、違うのです。
お料理の味が進化しています。


＊りんごとアンディーブ　スペイン産チーズのサラダ
これは、初めて伺った時から有るサラダですが、切り方がサイコロ切りになり、チーズも、3種類、焼いた物も加えてあります。
味も歯触りも、より一層複雑な旨みを加えて美味しくなりました。
さわやかなドレッシングと、具材の調和が抜群です。

＊サーモンのムース　テリーヌ仕立て　車海老とホタテのタルタル添え
サーモンムースがよりよい一層なめらかになり、添えられた野菜ともしっとりと合います。

＊和牛　千本筋のシェリー酒煮込み
柔らかさのみでなく、味自体も、旨み豊富でとろける味。

魚介のパエリアは、安定した安心の美味しさ。
やはり、パエリアは欠かせません。

伺うごとに美味しくなります。
必ず満足させて頂いています。
この先も、楽しみなお店です。

2016年5月
いつも 美味しく頂いていますが、今回は、初めてお肉のタパス盛り合わせ(2800円)を頂きました。

｢市販の品を切って出すだけのような事はしたくない。｣との心意気。
スペインでしか作れない生ハムやチョリソー等は吟味されたスペイン製の輸入品ですが、シェフの作られたハム等も、それをも上回る程の出来です。

盛り合わせとして出されたどれもが、これまでに頂いた事が無いほど、美味しいものでした。
シェフの腕前と見極めの確かさに重ねて感心しまた。

もちろん、この日もその他のお料理も充分堪能させて頂きました。
ごちそうさま。


2015年7月

今回は、あまり間を置かずに伺いました。
必ず満足させて頂けるので、通いたいお店になっています。

初めて、イカスミのパエジャを頂きました。
イカスミは、口が黒くなるので、ちょっと敬遠していましたが、どうしても頂いてみたくなりました。
この日は、この前には前菜二皿に押さえて、このパエジャを楽しみたいと思いました。
ムール貝を使ったシンプルなパエジャですが、イカスミの味が決して生臭さを感じさせずに、自然な旨みとなってパエジャ全体にまわり、何とも言えない美味しさです。
頂いて良かった。ナフキンと、おしぼりは汚したけれど、敬遠していたなんて、愚かでした(笑)

鱧とキノコのフリットはパエジャの後で、お腹が満ちてきていたので、頂けるかなと少し心配しました。
ところが、クリアな油で揚げられ、爽やかささえ感じられる、完璧な揚げ具合で、鱧もキノコも、それぞれの美味しさが際立っていて驚きました。
しっとりした鱧を、ふわっと仕上げ、細身のキノコは、かき揚げ風にサクッと。
夏を感じさせる鱧のフリットなんて、日本ならではの一品。
ベタついた重さがないので、もちろん完食出来ました。

デザートの桃のコンポートも、桃を生のままよりずっと魅力的にしてあり、香りも、味も、美しさも堪能しました。
素顔の綺麗な少女にお化粧して、さらに美しくするなんて、難しい仕事です。そういう感じ。

今回も、どの一皿も、また頂きたい魅力的なお料理でした。
心から、ごちそうさま。

2015年5月

前に伺ってから、一年近く経ってしまいましたが、久しぶりに参りました。
全てのお料理が、また美味しくなっている事に感動しました。
｢さらにクオリティの高いお料理をを目指す｣
と おっしゃっていた事を実現されています。
良い物を選び、センスと腕で美味しいお料理に仕立てていらっしゃいます。

素材の取り合わせも良く、美味しいだけでなく、美しいお料理。

スペイン料理の枠を越え、フレンチに近いような手の込んだお料理です。
フランス料理には、ご飯やパスタのような 湿ったでんぷん質の物が無いので、私には苦手と言うか、物足りなく、後でラーメンやお茶漬けなどが頂きたくなります。
けれど、こちらには、パエジャ、メロッソ、フィデウアが有りますので、嬉しい限り。

前菜２種と、お肉料理、お米料理のコース5200円を頂きました。
量が多くて、頂ききれないかなと、思っていましたが、美味しさに導かれ、完食しました。
パエジャは、本場の物より油を抑え、さっぱりとしていました。
これだけのボリュームのお料理の最後に頂くのには、ふさわしく感じました。
全て満たされるお料理です。
本当に、ご馳走さまでした。

日曜日にランチを始められたそうです。
お休みの日に、お昼から ゆっくりワインとお食事を楽しんで頂きたいとの事。
｢ランチもやってみたくなったんです｣
とおっしゃるご主人。
ランチのコースを用意なさっているとの事。
また新しい挑戦をなさるのでしょう。
ディナーより抑えた価格のコースに、どのような工夫をなさっているのか、頂いてみたいと思います。

今ある｢ここ｣に留まらず、常に向上心を持たれる 上等の調理人。
その心意気に感服します。


2014年6月

ミネバルが、5月に お引っ越ししました。
前のお店から近いのですが、今度は、旧山手通りのすぐ裏手です。
地下になり、客席も厨房も広く、ゆったりした感じが有ります。

この日は、コースで頂きましたが、やはり、一皿一皿に、工夫が有り、丁寧に作られていて、楽しめるお料理でした。
例えば、前菜の焼いたホワイトアスパラガスには、パプリカのソースとチーズがのせられ、味のハーモニーが素晴らしいと思いました。

新しいお店では、さらにクオリティの高いお料理を目指すとの事。
今以上の物を探求される姿勢には、感心します。
そして、楽しみ。
応援したい お店です。(2014年6月)


5014年4月

日曜も、24時までの営業は、嬉しい事です。

先ずは、サングリアを相手に、じっくりメニューを拝見。
このサングリア、すっきりとした、大人の味。
つきだしに、マッシュルームの冷たいポタージュ、スペインオムレツ、自家製チーズパンが、ほんの少しずつですが、出て来ます。
この味で、こちらのお料理に期待が持てるとわかり、嬉しくなりました。

そして、この日のチョイス。

前菜は、冷製を二種。

リンゴとアンディーブとブルーチーズのサラダ。
リンゴの香りと甘さ、アンディーブの新鮮な歯触り かすかな苦味、ブルーチーズの個性と深み、つぶの赤胡椒の刺激･･･素晴らしい組合せの妙。

小イカのトマト煮、アボガドの冷製。
小イカは、中に詰め物をしてあります。揚げてから、煮て冷やされ、生トマトから作られたらしく、味に細やかさとこくの有るトマトソースに浸っています。味を含めながら。
原生種に近いルッコラの粗みじん切りがアクセント。
絶妙の熟れ具合のアボカドが合います。


メインには、岩中豚というブランド豚の骨付きを焼いて、自家製ソーセージを添えた お料理を選びました。

豚肉は、驚くほど柔らかく、骨から スッと離れます。
表面がカリッと北京ダックの皮の様に香ばしいのに、中の肉は、しっとり ホロホロと口の中でほころび、豚肉の美味しさを伝えます。
この豚は、煮込んだ後で焼いたそうです。
表面がカリッとしているのは、豚自体の脂で揚げられた様に焼かれるからとの事。
添えられた自家製ソーセージも、素晴らしい。

魚介のパエジャは、取り分けて頂きまししたが、極わずかに芯を残す炊き上がりが、また 魅力的。
白いご飯とは違う、味の楽しみ。
ムール貝、アサリ、海老等も新鮮で質が良く、魚介から出る旨味が、お米にしっかりまわっています。


デザートは、妥協しない、手作りで、大人の味。

良い素材を求め、その組み合わせと、料理法を選ぶセンス、
調理の腕、
手間を省かない熱心さ、
これらを持たれたシェフ。

深みの有る味。
こちらには、スペイン料理の枠を越えた美味しさが有ります。

接客も、親切で、有り難うございました。
5月連休明けには、近所の新店舗に越され、厨房も大きくなるそうです。

その頃、また、伺います。