サルデーニャの料理とワインが楽しめる佳店です : タロス

年末にサルデーニャ再訪を計画中なので、この店だったら情報（何か美味しいものとか他に美味しいものとか特に美味しいものとかの）があるのではないかと思いやってきました。
サルデーニャの情報ってあるようでなかなかなくて、地域ごとの特徴などを断片的に知るにつけ、何か行動しないと！とは常々思っていたのですが、実はサルデーニャ各地域の料理写真を見ていて何か食べたくなっただけなんじゃないの？と言われると返す言葉はありません。

タロスってかつてフェニキア人が築いたサルデーニャ西部に位置する交易の中心地で、カブラス近くに遺跡があるそうです。
今回はそのフェニキア人がタロス陥落後に多数身を寄せたと言われるオリスタノという街にも行くつもりで、もちろんタロスにもカブラスにも行く気満々でいろいろと調べてみたりして関心は高まっているんですが、事前調査としては手っ取り早く食べ物に気持ちが向くわけです。

店は鳥竹の手前の路地を入った右側にありました。
タロス遺跡っぽくはないです。当たり前ですけど。
さて、早速店内に入ると週末で出足が良いのかほぼ満席ですね。奥のテーブル席に通されました。
まずはスプマンテを飲みながらメニューを見ると…お、今月のワインはSANTADIです！
サルデーニャには大小合わせて350くらいのカンティーナがあるそうですが、歴史が浅い割に土着品種での生産が他にない味わいを産んでいて注目されており、サルデーニャ南西部のスルチス地方で生産されるサンタディ社のワインは、前回カリアリで飲んでとても美味しかったので今度は行ってみようと思っていたら行かずとも渋谷にあったと（笑）。
どちらのワイナリーも白はヴェルメンティーノ、赤はカンノナウ・ディ・サルデーニャが主体ですが、サンタディはカリニャーノの造り手として知られています、って知ってる人少ないけど。

ということで、ワインが決まったのでそれに合わせて料理をチョイス。
あ、プンタレッレもある！これはローマの冬の風物詩です。
アッチューゲのドレッシングで和えたものをいただくのですが、これを食べに冬のローマに行くと言っても過言ではないので即注文、こちらは千葉産です。
ほかアンティパストは数で少量ずつお願いできるので、5種お任せでお願いしました。

プンタレッレが最初に来たので早速ガツガツいただきましたが、明らかにローマの冬の風物詩とは別物でした。まあ日本だからね。
これがププンタレッレかぁなんて思わないで下さいね。是非ローマで本物を召し上がって下さい。
もっともっと野趣溢れた美味しい野菜です。

で、5種のアンティパストです。こちらは量が少ないのを除けばなかなかサルデーニャっぽいです。
サルデーニャっぽいというのは盛り合わせないで各々別の皿に盛り付けて出てくるお食べ地獄風（笑）プレゼンのことです。
サルデーニャに限らずシチリアでもプーリアでも南イタリアでこの方式で出してくる店は結構豪快系です。
このオーバルのお皿がまた良いんだよなぁ。
これでワインが一本空いてしまいます。

で元気の良いカメリエーラに、これからサルデーニャ一周してくるんだけど何か街の情報とかないかなと聞いてみたら、なんと私行ったばかりなんです！とのこと。大当たりだ（笑）。
こちらのお店は複数店舗経営されていて会社組織になっているそうで、勤続満2年でめでたくサルデーニャ旅行（研修ってことらしいです）に行けるんだとか。いいなぁ（笑）。
いろいろ聞いて鮮度の良い情報を得ることができました。秋田美人のとても可愛いお嬢さん、ありがとうございました。
こちらを手伝っているワインの個人輸入商のお兄さんにもお話が聞けました。勉強になりました。

さて、プリミは軽くして（旅行前は炭水化物をなるべく控えるようにしています）ニョッケッティを一皿、すぐにメインのお肉をお願いしました。
私は牛、ワイフは馬です。サルデーニャは牛も豚も羊も馬も満遍なく食べるそうなので、きっと美味しい肉がいただけるんだろうとイメージしつつ、渋谷で予行練習です（笑）。関係ないか。

牛スネ肉はカンノナウで軽く煮て風味付けしてあり、適度なアグロドルチェ感があってとても食べやすいです。インパクトはありませんが、スイスイお腹に収まって重くなりません。優しい味ですね。
馬肉は熟成させて使っているそうで、驚くほど柔らかく、ディジェスティーボのミルト酒の香りをほんのり纏って上品な味わいです。
こちらも特にインパクトはありません。アレンジしたサルデーニャ料理という印象を受けました。
もうちょっとポーションが欲しいけどなぁ（笑）。
昨年カリアリで3日過ごした（だけ）経験では、サルデーニャの食事はもっと素材の味をドーンと押し出すインパクトのあるものが多いんですが、こちらは頑張ってはいるものの、もっと頑張りましょうっていうか、客がサルデーニャを知らなければこんなもんかぁと思ってしまうかなと。
サルデーニャの味を日本に伝えたいのか、それともサルデーニャで修行してきたことを売りにしたいだけなのか、で随分違ってきますよね。

ということでサルデーニャの事前調査終了。
サルデーニャは美味しいってこと、改めて認識しました。
わざわざ確かめるまでもありませんけど（笑）。

ご馳走様でした！！

その後、サルデーニャを一周して無事帰国しましたが、ワインもチーズも肉もパンも野菜も魚介も何もかもが豊かで、景色が良くて人が親切で、独自の文化が大切に守られていて素晴らしいところでした。
ローマに行ったら、カリアリにもアルゲーロにもオルビアにもフィウミチーノ空港から1時間で行けますので、是非一度足を伸ばしてみて下さい。
この店でサルデーニャに関心を持った方の度肝を抜く美味しいものがてんこ盛りで待ち受けてますよ（笑）。