大きくてプリプリのアサリ : ビストロ ポンレヴェック

2019年9月
　がっつりランチがだんだん辛くなってきた。もちろん「のんきや」も「スパゲティのパンチョ」も食べようと思えば大盛りを平らげることは可能だが、食べ終えるとお腹がきつすぎる。内臓脂肪のせいであることは間違いなく、ひとまず食を細くして内臓脂肪を落とすことにする。世の大食いの人々は総じて痩せている。それは脂肪があると胃や横隔膜の伸縮を邪魔するからである。などと言いつつも、ときどき狂ったように大食いをしてしまい、そのたびに微妙に反省をする今日このごろなのだ。
　そんな訳で今回は反省モードのランチということで、量もバランスもいいこちらへ。サラダは相変わらず色とりどりで鮮やか。ドレッシングは酸味が効いていて食欲が湧く。本日のパスタはアサリとパプリカ。大ぶりのアサリはプリプリして、コハク酸の旨味がいっぱいである。パスタの茹で加減とオイルの量は毎度ながら丁度いい。あっという間に食べ終えてしまって、大盛りにしとけばよかったと思った。
　しかしパスタは炭水化物だから中性脂肪のもとである。糖に変わって脳の栄養になるのはいいが、余った分が中性脂肪になると聞いた。内臓に付けば内臓脂肪である。かといって炭水化物抜きの生活は当方には不可能なので、少し減らすくらいしかできそうにない。とりあえず大盛りはやめてゆっくり食べることにしよう。美味しかったのに反省してしまうランチであった。今回もご馳走さまでした。

2019年8月
　頻繁に利用している気がしても1ヶ月ぶりである。渋谷は店が多いから評価を高くつけた店を順に回ってもそれくらいになる。サラダ→パスタ→デセール→コーヒーという組合せは満足感が高いのだが、如何せん満席率も高いので複数名のランチでは訪問を躊躇ってしまう。
　今回は手作りサルシッチャのパスタ。サルシッチャは自宅でも試行錯誤しながら結構作っている。ハーブはオールスパイスやタイム、ナツメグ、パセリなどを適当に入れれば大丈夫だが、難しいのは塩加減だ。少ないと固まりにくいし、多すぎるとしょっぱくなりすぎる。
　こちらのサルシッチャはちょうどいい塩梅。流石にプロである。

2019年7月
　ビーツのポタージュはビーツの甘みがあっていい感じ。豚肉とキャベツのトマトソースパスタはトマトの酸味と香りがとてもよくて美味しい。あっという間に食べ終えてしまった。クリームチーズのムースは少し甘すぎたが、無糖のアイスコーヒーには合う。
　パスタにサラダとデザートとドリンクが付いて1,000円というコスパのよさは相変わらずで、13時を過ぎても女性客で満席なのは頷ける。今回も少し待ってから入店した。人気がないのも困るが、人気がありすぎて入店できないのも困ったものである。食べログレビュアーのあるあるかもしれない。

2019年2月
　さつまいもが入ったサラダは初めていただいた。甘さも食感も香りもアクセントになってなかなかいい。自分でもやってみよう。
　パスタの茹で加減はいつもながら最高である。渋谷のランチパスタの中でも一番美味しいパスタのひとつだと思う。タイミングの料理だから、茹でる時間とお湯の量と塩の量と温度がちょうどよくて、しかも火加減も注意しなければならない。茹でている間にオイルソースを乳化させる必要もある。パスタは簡単な料理に思えるが、素人には意外に難しい料理なのである。
　ゴマのパンナコッタにゴマが飾られて、サラダとパスタとデセールのバリエーションがとても楽しい。今回も充実したランチをいただけた。ご馳走様でした。

2018年12月
　こちらのパスタはいまのところハズレがない。それどころか今回のパスタは大当たりだった。スープは茸と玉葱のコンソメ。茸の香りがいい。初冬の山のひんやりした空気を爽やかに伝えてくれるようだ。そしてパスタ。トマトとバジルとモッツァレラ。ピッツァで言えばマルゲリータである。この組み合わせはやはり王道で、とにかく美味しい。小さなコンカッセ（角切り）のモッツァレラは熱々のフェデリーニに溶けて、微妙に糸を引く。新鮮なチーズの匂いが通ってきて、とてもいい。
　デザートはアールグレイのパンナコッタ。少し前は栗のパンナコッタだったから、デザートはパンナコッタに決めているのかもしれない。基本はクリームと砂糖とゼラチンだから、忙しいランチタイムには適している。コーヒーも付いて1,000円なのだから、コスパ的に何も言うことがない。今回もご馳走様でした。

2018年11月
　気に入ったので再訪。13時を過ぎても満席で、少し待ってから入店した。前回はトマト系のパスタをいただいたので今回はオイル系を選択。それに前回はサラダだったので今回はスープにした。スープはクリームと青菜とベーコンかな。塩味がちょうどよくて、香りもいい。
　パスタ自体は多分前回と同じフェデリーニだと思う。茹で加減は前回と同じくやや固めのアルデンテだ。オイル系のパスタは茹で汁とオリーブオイルの乳化が難しい。自分でもときどき挑戦するが、うまくいくときといかないときがある。うまくいくとオイル臭さが消えていい感じに食べられる。こちらはプロだから乳化も完璧。とても美味しいパスタだった。
　デセールとコーヒーは前回と同じだったが、この季節は栗の甘味が定番である。秋だから飽きないのだ。

2018年11月
　渋谷もここまで来ると、駅前とはかなり違うイメージになる。所謂ガキんちょがいなくて、どの店も落ち着いて食事ができる。
　横丁に入った目立たないビルの３階にあるこちらは、当方のように未訪の店を探してうろついている人か、偶々通りかかって小さな看板を見つけた人にしか知られないような店である。しかし13時過ぎに入店すると、そこそこ混んでいる。目立たないのに混んでいるのはそれなりの理由があるからで、期待できそうだ。
　例によってメニューの最初にあるものを注文。パスタにサラダとデザート（orパン）とコーヒーが付いて1,000円である。かなり安いが大丈夫なのだろうか、などと思いつつ、5分後に提供されたサラダを見ると、ありがちなキャベツの千切りではなく、レタスベースにトマトやハーブがあしらわれた、結構ちゃんとしたサラダだ。味も食感もいい。
　パスタはフェデリーニくらいの細さで、表面が滑らかなアルデンテである。ゆで加減は見事だ。トマトの酸味にオリーブオイルのいい匂いがして、ペペロンチーノのかすかな辛味が全体を引き締めている。レベルの高いパスタである。
　デザートは栗のパンナコッタかババロア。どちらか忘れてしまった。甘さがちょうどよくて美味しい。コーヒーは表面に泡があるタイプで、1杯ずつ抽出するから美味しい。
　どれもこれもちゃんとしているし、店内は静かで雰囲気もいい。接客も丁寧で言うことなし。ひとりまたは少人数での静かなランチに最適である。