春のラブランシュがすんごい件について : ラ・ブランシュ

公式

お店の営業情報は店舗関係者によって公開されています。

フレンチTOKYO百名店2023選出店

食べログ フレンチ TOKYO 百名店 2023 選出店

この口コミは、野良パンダムさんが訪問した当時の主観的なご意見・ご感想です。

最新の情報とは異なる可能性がありますので、お店の方にご確認ください。 詳しくはこちら

4.0

¥20,000~¥29,9991人
  • 料理・味-
  • サービス-
  • 雰囲気-
  • CP-
  • 酒・ドリンク-

4.0

¥15,000~¥19,9991人
  • 料理・味-
  • サービス-
  • 雰囲気-
  • CP-
  • 酒・ドリンク-
2024/03訪問8回目

4.0

  • 料理・味-
  • サービス-
  • 雰囲気-
  • CP-
  • 酒・ドリンク-
¥20,000~¥29,9991人

春のラブランシュがすんごい件について

再訪。 青学前にある仏料理店。
日本フレンチ界を牽引する巨匠4人のうちの1人 田代和久シェフのお店です。ちな、他3人の巨匠は『北島亭』の北島素幸シェフ、『ル・マンジュ・トゥー』谷昇シェフ、『コート・ドール』斉須政雄シェフと言われてます。 4人ともまだまだ現役でお店の厨房に立たれています。
ル・マンジュ・トゥーは特殊な営業スタイルになってしまい一般人は行けなくなってしまいましたが、ラブランシュは誰にでも門を開いてくれてます。


そんなラブランシュには季節ごとに様々なスペシャリテが存在。今回の私は冬~春限定のスペシャリテを食べたくて行ってきました。
夜に2人で訪問。
ディナーコースはお値段違いで3種存在。どれもシェフおまかせコースで、値段上がると皿数が増えます。
田代シェフのお料理たくさん食べたい我々は当然のよに最高値コースで。


シェフおまかせコース(16000円)
デザート追加(1000円)
別途消費税&サービス料10%
ドリンクはグラスで泡やらワインやらソーテルヌやらを。
おまかせコースだけど肉料理とデザートは複数の選択肢アリ。 デザートに選択肢あるのはスゲー嬉しい。


アミューズ:玉ねぎソルベ&苺(とちおとめ)。
玉ねぎソルベは定番ね。これも好きなんだけど昔やってた玉ねぎタルトも久しぶりに食べたいなぁ。 苺は素材そのままだが、その素材が極上で軽くビビる。もちろんシャンパンとの相性も最高。


パン&リエット:お楽しみその①
このリエットが食いたくて来てる私。
かなり滑らか仕立てのリエットがとにかく旨い。お土産で持って帰ってセイジアサクラのバケットに山盛り乗せて食べる贅沢食いやりたーい!


ヤリイカのトマトソース:お楽しみその② これが食いたくてこの時期に来てる私。
軽く火入れしたヤリイカの中にはジュリエンヌにしたズッキーニ。ヤリイカの上に乗ってるのは丸々1把のほうれん草。ソースはトマトソース。
イカの身の甘さ旨さをトマトソースが引き立てます。詰めてあるズッキーニは生なんですが、その食感がヤリイカの柔らか食感と良い対比。
乗せてあるほうれん草も味の濃い昔ながらのヤツ。根本ごと乗せてあるのはソコが特に旨いからです。
トマトソースはたぶん火入れしてないいわばトマトのタルタル的なソースなんですが、このソースがこの料理のキモなんでしょな。
ラブランシュの数あるスペシャリテの中でも最も古くから存在する料理ですが、古臭さなぞ微塵も感じさせない旨さなのはホントに凄い。


イワシとジャガイモの重ね焼き:お楽しみ③
説明不要、永久不滅、永遠偉大なスペシャリテ。 
これを食べれば「食材に貴賤無し」という言葉の意味が明確に理解できます。


甘鯛の鱗焼き 蕪のソース:魚料理のよに見えますがいちお〜前菜です。
絶妙な火入れで鱗焼きにした甘鯛の旨さもさることながら、甘鯛以上に存在感発揮する蕪があっぱれ過ぎます。
3種の蕪(赤蕪、黄蕪、白蕪)を茎つきのまま焼いただけ…らしいが、それでここまで蕪の甘さが引き出せるモノなのか?
茎までスゲー旨いのマジで不思議です。


タケノコとフォアグラのロースト:お楽しみ④
未食だったコレを食べたくてこの時期に来たんです。
ローストしたタケノコとフォアグラの上に乗っているのは生の田芹。フ、フレンチで芹だ…と!?
が、これがビックリの美味しさよ。
濃厚なフォアグラの味にたっぷりのセリの薫りがベストマッチ。タケノコも歯応えを残しつつ甘みすら感じるベストな火入れでこれは素晴らしい。
セリとタケノコの提供期間が重なるごく短い時期だけのスペシャリテなんですが、これは食えて幸運でしたわ。


ヒラメのキャベツソース:お楽しみ⑤
これが食いたくてこの時期に来てる私。
皮目をカリカリに中はしっとり焼き上げたヒラメの上にはキャベツ葉っぱ1枚がドーン。 ソースはバターソースにキャベツを混ぜ込んだモノ。
ふざけたよな盛り付けに相変わらず笑いそになってしまいますが、いざ食べるとやはり唸ってしまう。
ヒラメの火入れの見事さったら!!
キャベツの甘さったら!!
特にキャベツはマジ不思議。芯の部分も葉先も甘みを引き出してあるのに色や食感は抜けてないのですから。
どーゆー火入れしてるのやら?


千代幻豚のロースト:メインです。数種の選択肢がありましたが大好きな食材の豚肉で決定。
魚料理同様に表面カリカリに焼くのが田代シェフ流。これだけ表面をクリスピーの仕上げながら中の肉汁は失ってません。かなり独特な火入れですがこーゆーのもなかなか良いですね。特に脂身のトコの旨さがたまらんッス。


ブランマンジェ:お楽しみ⑥
このブランマンジェを久しぶりに食いたかったんですよ。
ド王道のブランマンジェなんですが妙に旨いのホント不思議。テクスチャのギリギリの緩さや添えてあるキャラメルアイスのドキっとするほどの苦さに萌えます。
これでビジュアルがも少し華やかだったら(苦笑)


軍鶏有精卵のプリン:お楽しみ⑦
この子も食べたかったので掟破りのデザート追加攻撃(笑)
カスタードが濃ゆい♪ かと言ってテクスチャは固すぎる事もなく(固いだけのプリンとかちっとも萌えんわ)プルプル震えるプリンらしい食味。
ブランマンジェ同様にド王道なんだが妙に旨いんですよ。やはり素材と技術の差なんでしょうね。


珈琲&小菓子:いつものメンツ。アニスのグラニテが私のお気に入り。対しポルチーニのクレームブリュレはあまり好きくない(爆)
まあ食べるけどね。


今回も凄く楽しめました。
しっかりと素材の力を感じるお料理の数々。どの季節に来ても美味しい料理出てくる店ですが、冬の食材と春の食材が交差するこの時期の破壊力は特にすごかったです。
来年もこの時期に来れたら良いなぁ。

  • ラ・ブランシュ - ヤリイカのトマトソース

    ヤリイカのトマトソース

  • ラ・ブランシュ - イワシとジャガイモの重ね焼き

    イワシとジャガイモの重ね焼き

  • ラ・ブランシュ - 甘鯛鱗焼きに3種蕪のロースト

    甘鯛鱗焼きに3種蕪のロースト

  • ラ・ブランシュ - タケノコとフォアグラのロースト

    タケノコとフォアグラのロースト

  • ラ・ブランシュ - ヒラメのキャベツソース

    ヒラメのキャベツソース

  • ラ・ブランシュ - 千代幻豚のロースト

    千代幻豚のロースト

  • ラ・ブランシュ - キャラメルアイスを添えたブランマンジェ

    キャラメルアイスを添えたブランマンジェ

  • ラ・ブランシュ - 軍鶏の有精卵を使ったプリン

    軍鶏の有精卵を使ったプリン

  • ラ・ブランシュ - 珈琲&小菓子

    珈琲&小菓子

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2022/07訪問7回目

4.0

  • 料理・味-
  • サービス-
  • 雰囲気-
  • CP-
  • 酒・ドリンク-
¥20,000~¥29,9991人

桃李成蹊

再訪。
青学前にある仏料理店。
この地で35年もの刻を紡いできた老舗でわあるが、そのお料理からは古さというモノは全く感じない。
クラシカルフレンチの代表のよに言われる事が多い店だが、実際はかなり独自色の強いお料理を提供しているので私個人的意見としては むしろモダンフレンチ。
素材本来の味や香りを真っ直ぐに引き出したお料理を食べてると、まるで和食を食べてるよな感覚に陥るほどだ。

田代シェフの夏のお料理目当てにディナー訪問してきました。
ディナーコースは価格違いで二種類あるが どちらもシェフおまかせコース。値段上がると前菜の皿数が増えて、肉料理の選択肢も多くなる。我々は田代シェフのお料理を色々と食べたいので高いほうのコースでお願いしました。


二人で訪問。
おまかせコース(14000円)×2
グラス泡(1500円)×1
グラス白(1400円)×1
グラス赤(1400円)×1
ミネラルウォーター(900円)×1
別途消費税&サービス料
会計 40170円(二人分)

相変わらず見事な間合いで接客する支配人の軽妙なトークで気分も和み、楽しく食事が進行していく。ラ ブランシュ一筋で勤務されてきた彼の接客もラ ブランシュの魅力のひとつ。


アミューズ:タマネギアイス 紅くるり大根 柑橘(名前失念)食用ホウズキ 林檎と胡瓜のジュレ。 タマネギアイスはコチラの定番。柑橘はシャンパンに良く合う。林檎と胡瓜のジュレの爽やかな酸味に胃袋が活性化する。


パン&リエット:パンにはバターではなく豚のリエットを。このリエットが秀逸で、思わずパンをパクパク食べてしまう。もちろんパンはお代わり。


前菜:鱧。骨切りした鱧の表面を強めに炙って、ブイヨンで泳がせるよに提供。豪州産黒トリュフを添えて。鱧の炙り具合なんかはコチラらしいなぁ。

前菜:ラブランシュ風ガスパチョ。今回の目当てのお料理のひとつ。ガスパチョと言ってるが主役はスープでわなくお野菜でわなかろうか?夏野菜とアサリの旨味が溶けこんだガスパチョをソースにして 茄子やタマネギを食べていくのが なんとも旨い。タマネギは生なんだが、この辛味がガスパチョと合うんだなぁ。お野菜ひとつひとつの味がとてもくっきりしている事に毎回 驚かされる。


前菜:天然鮎。7月なのでもしかしたら…と少し期待していた鮎が登場。天然鮎の香りを活かすべく火入れは穏やかに。香りを存分に楽しめるのは凄く良いのですが、反面 頭は固くて食べるのに難儀するので「石かわ」のように頭は別調理のが良いかもしれません。


前菜:ジャガイモと鰯の重ね焼き。説明不要超絶有名スペシャリテ。ジャガイモ 鰯 ベーコンとありふれた食材を記憶に残る味覚に仕上げる田代シェフの手腕にただただ陶酔。


魚料理:甘鯛鱗焼き 胡瓜ソース。鱗は究極のパリパリ具合、身はぷっくり膨れた素晴らしい焼き上がり。コチラのお魚の火入れが大好きです。ソースは夏のラ ブランシュさん定番の胡瓜ソース。他では まず見ないソースですが、これが白身魚と良く合うんですよ。
乗っているのは韮のベニエ。


肉料理:仏産子羊のロースト。肉料理の選択肢に大好物の子羊がありましたので迷わず子羊で。部位は聞き忘れたが おそらくジゴ。
魚料理同様に火入れに物凄く特徴あり。まるで揚げたかのよに表面がパリッパリとクリスピーに仕上がっているのですが、中にはちゃんと優しく火が入った状態。一度コンフィにでもしたのかと思いましたが、フライパンだけでローストしてこの仕上がりになるんだとか。フライパンだけでコノ火入れが出来るというのが不思議不思議。これがレジェンドシェフの技なのでしょう。
子羊肉はわりとミッチリとしたテクスチャ。表面を強く焼き固めてあるために 香りや旨味がしかと封じこめられています。
ミッチリした肉を咀嚼していく事で、より子羊の香りが強くなるよな感じがします。おそらく それを狙ってこうした仕立てにしているのかと。仏産子羊特有の香りの良さがより強調されて美味しいですね。
反面、ハーブやソースの主張は控えめなのでクセの少ない子羊が好きな人には合わない仕立てかもしれません。
私は香りがしっかりある子羊が好きなので、このお料理はツボでした。


メイン(嘘):桃のコンポート。今回 最大の目的がコレ。田代シェフの出身県 福島県の あかつき という品種の桃。その中でも有機栽培した古木から収穫された果実しか用いないんだとか。
その厳選された桃を大胆に丸々一個、しかも種付きのままコンポートに。桃コンポートでよく添えられるバニラアイスなぞは無しで、桃と桃グラニテ(というか 多分コンポート溶液のグラニテ)とミントだけというシンプル極まりない構成で提供されます。
デセールにしては正直 寂しい盛り付けに食べる前はテンション下がるのですが、いざ口に入れてみると一気にテンション急上昇!

旨い❗️
呆れるほどに旨い。
デセールとしての構成云々以前に、単純に桃がバカ旨なのです。丸々一個の形状を保ったまま出てくるので「もしや固い?」などと疑ってしまうのですが、これがもう蕩けるよな果肉の柔らかさ&甘さ。目の前にあるのは固体なのに、口に入れた瞬間に液体になったか?と錯覚するほどの滑らかな果肉に ただただ驚愕。
そして蕩けた果肉の持つ香りの良さと上質な甘さに陶酔するばかり。中国の神話に登場する仙桃は もしかしたらこんな甘さだったのでわなかろうか?なんて思えるぐらい素晴らしい桃コンポートです。

ちな、こんなレビュー書いといてアレなんだけど、私が食べた時には既に あかつきの入荷はストップしていたので、今年は もうコレを食べる事は出来ません(違う品種の桃コンを出すそうです)。食べたい人は、来年の夏にチャレンジしましょう。当然私も来年 再びコレを狙いますよ。

カフェ&小菓子:すまん、桃コンポートに意識を持ってかれて小菓子の記憶がにゃい(爆) かろうじてアニスのグラニテだけ覚えてる(ドヤ)

食後、コーヒーを飲んでいると田代シェフが挨拶しに出てきてくれた。コース開始前とコース終了後には必ずこうして全てのゲストに姿を見せてくれるのだ。そこには常連も一見も全く差別しない謙虚なシェフの人となりがみえてくる。グランシェフと呼ばれる年齢になっても素材への敬意と 客への感謝と 自らの仕事を見直す姿勢を忘れない田代シェフを見ていたら ある言葉が私の脳裏に浮かんだ。

「桃李成蹊」
桃李言わざれども下自ずから蹊を成す…という言葉です。
徳がある人物には、その人を慕って自然と人が集まるという意味だと解釈されてます。
「蹊」は狭い道、小道という意味。
語源は、桃の花は美しく実はおいしいために自然と人が集まり道が出来るということから産まれた言葉なんだとか。

まさに、田代シェフを評するにふさわしい言葉でわないかと。
ミシュランガイドの星は無い。
ホームページもSNSもやってない。
アクセスも良くない。
そんな店なのに、この日も満席でした。
何故か?
その答えとしてふさわしい言葉が桃李成蹊かもしれませんね。

もちろん、桃コンポートに群がる客…という意味も含むで(笑)


  • ラ・ブランシュ - アミューズ

    アミューズ

  • ラ・ブランシュ - 鱧  黒トリュフ  ブイヨン

    鱧 黒トリュフ ブイヨン

  • ラ・ブランシュ - ラ ブランシュ風ガスパチョ

    ラ ブランシュ風ガスパチョ

  • ラ・ブランシュ - 天然鮎

    天然鮎

  • ラ・ブランシュ - ジャガイモと鰯の重ね焼き

    ジャガイモと鰯の重ね焼き

  • ラ・ブランシュ - 甘鯛鱗焼き  胡瓜ソース

    甘鯛鱗焼き 胡瓜ソース

  • ラ・ブランシュ - 仏産子羊のロースト

    仏産子羊のロースト

  • ラ・ブランシュ - 桃のコンポート

    桃のコンポート

  • ラ・ブランシュ - カフェ&小菓子

    カフェ&小菓子

  • ラ・ブランシュ - パンにはバターでわなくリエットを。

    パンにはバターでわなくリエットを。

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2022/01訪問6回目

4.0

  • 料理・味-
  • サービス-
  • 雰囲気-
  • CP-
  • 酒・ドリンク-
¥20,000~¥29,9991人

伝統と革新

再訪。
青学前で30年以上営業している老舗フランス料理店。シェフの田代氏は70歳をこえても未だに厨房という最前線に立ち続ける。それだけのベテランシェフでありながら、新しい食材や調理法を積極的に取り入れるアグレッシブさと 全てのお客さんに等しく挨拶に出てくる謙虚さを併せ持つ。


今回の私は この時期限定のあるスペシャリテが目当て。
なんだが、コース決定時にベテランサービスマンから目当てのヤリイカが無いと告げられる。
ガーン( ̄▽ ̄;)
なんでも今年は例年より遅いんだとか。さういや「しみづ」でも同じ事を言われたっけ。これは清水親方の言葉を忘れていた私のミスだな。
けどまぁ、ヤリイカ無くても他のスペシャリテ……牡蠣やヒラメはあるみたいで一安心。

て事で13000円(税 サ別)のおまかせコースをオーダーです。


リエット&パン:突き出し的に出されるリエット。これが旨いんだよね♪これとシャンパンだけで良い気分になれます。 パンは無くなるとドンドン新しいのを持ってきてくれます。

アミューズ:玉葱ソルベ 紅くるり大根 はつ恋ぐりん(青林檎) はつ恋ぐりんのジュレ。玉葱ソルベはコチラを代表する料理のひとつ。 驚いたのが青林檎のジュレ。これ凄く美味しい(^_^) 青林檎特有の酸っぱさと香りはそのままに 甘さもしかと存在する。はつ恋ぐりんをそのまま食べるのも旨いんだが、ジュレは更に旨い。 初めて聞いた品種だが だうやら2014年ぐらいから流通しだした新しい品種のようだ。 こうした新品種を積極的に取り入れるあたり、やはりラ ブランシュは ただ伝統にしがみついてるだけの老舗とは一味違う。


前菜:牡蠣の真っ黒焼き。冗談かと思うほど 真っ黒に焼かれた牡蠣。実はこれも田代氏を代表するお料理のひとつ。要は牡蠣のムニエルなんだが、ここまで焼く店は他にはないよなぁ。しかも何故かコレが旨いんだよね。


前菜:鰆。軽く薫製香を付与してある鰆は火入れで余分な水分を抜いて旨味を凝縮。かなり薄切りなんだが、素材の持ち味は失っておらず どころか目が覚めるほどの旨さに仕上げてあるんだから凄い。まさにココでしか食べれない味。添えてあるのは鰆にタルタル。しっかり火入れした鰆と生の鰆の味の対比が楽しい一皿。


前菜:蕪のロースト。ソースも蕪。甘鯛の鱗焼きも乗っているが この皿の主役はあくまでも蕪。ローストした蕪の甘さたるや。 蕪が最も甘さを蓄える時期でわあるが、だとしてもこの甘さは尋常でわない。蕪ってこんなに甘いのか! 後で挨拶に出てきた田代氏に聞いてみたら、やはり特別栽培された蕪だった。とはいえ 良い素材ってだけでこれほどの料理になるワケがない。良い素材を田代氏が料理するから こんなに旨い料理になるのだ。蕪の茎や葉っぱで美味しく頂けます。
蕪が横たわってる盛り付けはちょいとアレだけど(苦笑)


前菜:鰯とジャガイモの重ね焼き。説明不要 永遠不滅のラ ブランシュを代表する料理。何度 食べても旨さにシビれます。


魚料理:ヒラメのポワレ キャベツソース。本日の目当ての料理のひとつ。キャベツが甘味を増す真冬限定の料理です。
ヒラメはラ ブランシュ特有の皮を超パリパリに焼いた仕上がり。なんだけど、身のほうは決してパサつく事なく されど旨味の凝縮は最大限に……という見事な焼き上がり。 この魚の焼き方、むっちゃ好きです。
バターソースにキャベツを加えたキャベツソースがヒラメの味を更に膨らましてくれています。マジ、うめぇぇぇわ(#^.^#)
キャベツの葉っぱがドンって乗ってるだけのナメた盛り付けは 相変わらずどうかとおもうが(苦笑)


肉料理:鹿肉のロースト 赤ワインソース。肉料理は いくつか選択肢あり。コチラでわ食べた事の無い鹿肉を選んでみました。
が……
う~ん………これは あまり好きぢゃあないな。豚や軍鶏を選ぶべきでした。


デザート:タルトポム。これも本日の目当ての料理(笑)
デザートも複数の選択肢がありますが、田代氏の林檎のデザートを食べたかった私は迷わずコレで。
写真だとわからないけど、一番下は焼きたての薄いパイ生地。そこに薄切り林檎をたっぷり重ねて焼いたタルトです。
この林檎、凄く美味しい(*^^*) 薄切りのシャクシャクした食感と林檎ならではの甘酸っぱさが同居しています。食感と味を両立させる絶妙なバランスの火入れですね。たぶん林檎そのものも良い品を使ってんだらうな。バターがふわっと香るパイ生地もグッド。
添えがバニラアイスクリームなのも わかってるぅぅ♪だし、アイスクリームが適度に緩くしてあるのも流石やね。


デザート(追加 800円課金):軍鶏有精卵のプリン。デザートの選択肢の中にあったコレを食べてみたくて思わず追加しちゃいました。以前はデザートの選択肢にプリンなんて無かったと思うのですが……まさか新作?
このプリンも良かったですね。てっきり しっかりテクスチャのクラシカルプリンかと思いきや、クラシカルではあるが そこまでしっかりしたテクスチャでわありません。ちょい緩めテクスチャのプリンからはタマゴの味が濃密に感じられます。それに負けぬよにカラメルも 濃く。
これ、めちゃくちゃ好みの味のプリンですわ。


カフェ&小菓子:食後の飲み物は珈琲を頂きました。お茶菓子はショコラブラウニー アニスのグラニテ グリンピースのクレームブリュレ。 グリンピースのクレームも初めてだな。ホント、ちょくちょく新ネタを披露してくれる店だなぁ。


今回も良かったです。特に野菜と魚介類の扱いについては かなり独自でありながらも、きちんと旨い料理として確立されています。デザートもビジュアルに難あるが 味はとても美味しい。
接客に関しては大ベテランのサービスマンの 超自然体とでも言うよな接客で 非常にリラックスして食事を楽しめます。
クラシックフレンチというと、伝統を守るのが大事と思いがちですが それだけではなく新しいけど良いモノを積極的に取り入れる柔軟さも併せ持った名店。それがラ ブランシュ。

また違う季節に、田代氏のお料理を食べに行きたくなりました。

  • ラ・ブランシュ - アミューズ:玉葱ソルベ、マリネした紅くるり大根、青リンゴ(はつ恋ぐりん)、はつ恋ぐりんのジュレ

    アミューズ:玉葱ソルベ、マリネした紅くるり大根、青リンゴ(はつ恋ぐりん)、はつ恋ぐりんのジュレ

  • ラ・ブランシュ - 牡蠣の真っ黒焼き   牡蠣のフラン。田代シェフの大好物「牡蠣フライ」のテイストをフレンチ流に再現したそうです。

    牡蠣の真っ黒焼き 牡蠣のフラン。田代シェフの大好物「牡蠣フライ」のテイストをフレンチ流に再現したそうです。

  • ラ・ブランシュ - 火入れした鰆に鰆のタルタル   ビーツとトマトのソースが良く合います。鰆自体もかなり上質。

    火入れした鰆に鰆のタルタル ビーツとトマトのソースが良く合います。鰆自体もかなり上質。

  • ラ・ブランシュ - 蕪のローストに蕪のソース。鱗焼きした甘鯛も添えてあります。甘鯛の焼き方が見事でとても美味しいのですが、それより凄かったのが蕪。蕪が蓄えた甘さが尋常でわない。

    蕪のローストに蕪のソース。鱗焼きした甘鯛も添えてあります。甘鯛の焼き方が見事でとても美味しいのですが、それより凄かったのが蕪。蕪が蓄えた甘さが尋常でわない。

  • ラ・ブランシュ - お馴染みのジャガイモとイワシの重ね焼き

    お馴染みのジャガイモとイワシの重ね焼き

  • ラ・ブランシュ - ヒラメのキャベツソース。これ目当てで行きました。皮目パリパリに焼かれたヒラメも 寒さの中で甘さを増したキャベツも 抜群に美味しい。田代シェフの野菜使いは卓越してます。

    ヒラメのキャベツソース。これ目当てで行きました。皮目パリパリに焼かれたヒラメも 寒さの中で甘さを増したキャベツも 抜群に美味しい。田代シェフの野菜使いは卓越してます。

  • ラ・ブランシュ - 肉料理:鹿肉のロースト。赤ワインソース。これは正直 好みに合わず。

    肉料理:鹿肉のロースト。赤ワインソース。これは正直 好みに合わず。

  • ラ・ブランシュ - デザート:タルトポム。焼きたてサクサクのパイ生地はバターを豊かに感じてグッド。そこに軽く火入れしたスライス林檎をたっぷりと。この林檎がむっちゃ旨いのよ(#^.^#)  こりゃ良いデザートですね。

    デザート:タルトポム。焼きたてサクサクのパイ生地はバターを豊かに感じてグッド。そこに軽く火入れしたスライス林檎をたっぷりと。この林檎がむっちゃ旨いのよ(#^.^#) こりゃ良いデザートですね。

  • ラ・ブランシュ - デザート追加(笑):プリンです。軍鶏の有精卵を用いたというだけあり、プリン本体はタマゴの風味が凄く濃い。カラメルも濃く甘いのですが、それがプリンに合っていて凄く美味しいプリンになってました。

    デザート追加(笑):プリンです。軍鶏の有精卵を用いたというだけあり、プリン本体はタマゴの風味が凄く濃い。カラメルも濃く甘いのですが、それがプリンに合っていて凄く美味しいプリンになってました。

  • ラ・ブランシュ - 珈琲&小菓子。クレームブリュレはいつものポルチーニかと思いきや、今回はグリンピースのクレームブリュレ。古くからある店でありながら、こうしてどんどん新しい事にも挑戦するのがラ ブランシュの良さ。

    珈琲&小菓子。クレームブリュレはいつものポルチーニかと思いきや、今回はグリンピースのクレームブリュレ。古くからある店でありながら、こうしてどんどん新しい事にも挑戦するのがラ ブランシュの良さ。

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2021/08訪問5回目

4.0

  • 料理・味-
  • サービス-
  • 雰囲気-
  • CP-
  • 酒・ドリンク-
¥20,000~¥29,9991人

料理は人 店も人。

再訪。
青学前で35年の歴史を刻んできた老舗フレンチレストラン。大ベテランシェフ田代氏のお料理は氏の人柄を表すかのよな、素直に食材の良さを引き出した実直なお料理。かなり古くから存在するスペシャリテをいくつも持っている店だが、今だに自身のレシピに改良を加える田代氏の飽くなき探求心がある限りラ ブランシュのスペシャリテは色褪せる事なく輝き続ける。


夏の料理を食べたくなったので久しぶりに訪問。本音を言えば、ラフな服装では行きにくい店(イタリアンとかフレンチ)は真夏には近寄りたくないのだが 真夏にしか食べれないある料理のために頑張って行ってきた。

我々の事を覚えてくれたベテランサービスマンの「究極の自然体」とでも言うべき流麗な接客のおかげで気分よく食事が進む。

ディナーコースは10000円と13000円の二種存在。ボリュームは同程度で前菜の数が異なるとの事。田代氏のお料理をあれこれ食べたい我々は 迷う事なく13000円のコースでお願いしました。コース内容は基本的にシェフおまかせとなるが、肉料理は4種からの選択なので 未食だった豚肉をチョイス。同時にサービスマンから 私の目当ての食材が用意できてる…との嬉しい報告も。


ディナーコース(13000円×2)
葡萄ソーダ×1(私)
白葡萄ジュース×2(私)
赤葡萄ジュース×1(私)
濃い葡萄ジュース×1(私)
ミネラルウォーター×1(同行者)
別途 消費税&サービス料
会計41000円ほど。
私には普通にタップを注いでくれました。ありがてぇ。


まずは挨拶的に豚リエットが提供されます。このリエットが旨いんですよ。後で提供される自家製パンに乗せて食べると手が止まらなくなります。

アミューズ:ムール マルニエールとタマネギのポタージュ。
は?これ前菜だろ❗️って思ってしまいますが、アミューズらしい(笑) 今シーズン初のモンサンミッシェル産ムール貝は やっぱり旨い。小粒だけど身の味が濃いのよね。当然のよに オツユまで飲み干します。タマネギポタージュもタマネギの優しい甘さで美味しいです。


冷前菜:ガスパチョ。野菜がてんこ盛りになったスタイルのガスパチョですが、この野菜達が妙に旨いのが ラ ブランシュの料理の特徴。野菜ごとの香りや味を濃密に感じられるのはシェフの技量の高さあってこそ。ガスパチョをソースにして野菜を食うと 野菜だけの料理なのに思わず笑顔に。聞くとガスパチョにはアサリ出汁を加えているとか。なる、旨く感じる秘訣はそこか?


温前菜:フォアグラと桃のソテー。本日 お目当ての食材である「桃」が早くも登場。もちろん この後のデザートで使われるのと同じ福島県産あかつき。フォアグラの焼き方が私の好みドンピシャで思わず笑ってしまいます。今までフォアグラの焼き方ベストと思っていたのが銀座 ラ フィナージュなんですが、それに匹敵する見事な焼き。キャラメリゼしたかのよに香ばしく焼かれた表面に歯が食い込むと、中から旨い脂がトロ~~っと溢れる様はなんとも官能的。桃ローストの微かに酸味を含んだ上質な甘さという極上ドレスを纏ったフォアグラのエロチックな旨さたるや(о´∀`о)


温前菜:鮎ムニエル。コース提供前に 焼く前の鮎を見せに来てくれたので、てっきり魚料理として出てくるかと思いきや まさかの前菜でした。30分かけて じっくり焼いたとの事ですが、それだけ火入れしたのに天然鮎ならではの身の香気が失われてないのが凄い。ナイフを入れた瞬間に 鮎の香気が鼻を包み込みます。身にはしっとりと火入れされていて 白身魚のムニエルとしてのニュアンスが強く、苦味を全面に出す和食屋とは違うアプローチの鮎料理ですが 旨いですね。ただ、頭や骨の香ばしさは欲しいかな。


温前菜:鰯とジャガイモの重ね焼き トリュフ風味。もはや説明不要、ラ ブランシュを代表するスペシャリテ。スペシャリテと言いつつ、実は以前とは違う仕立てになって常に人を魅了し続けているあたりは田代氏の探求心の賜物。


魚料理:甘鯛の鱗焼き 胡瓜ソース。出ました、田代氏 お得意の胡瓜ソース! 他では見た事のないソースなんですが、このソースが白身魚の旨さを120%引き出します。おっと、旨さを引き出すのは火入れ技術も…でしたね。ココの魚の焼き方は かなり独特なんですが、私はめちゃくちゃ好き。しれっと、魚自体も上質なモノを使っています。付け合わせは別皿で蕪のロースト。この蕪も かなりの旨さです。


肉料理:千代幻豚のロースト 牛蒡とトリュフのソース。一時間かけて焼いたという豚肉は、表面のカリカリ具合と脂身の蕩け具合が猛烈に印象に残ります。かなり脂身多めなのに重さを全く感じないのは ひとえに火入れが巧みだから。ココまで脂身の甘さを引き出すためには一時間という時間が必要なのでしょう。強めの塩が 更に脂身の甘さを際立たせます。惜しむらくはソース。個人的に豚×トリュフという組み合わせは あまり好きでわないのよね……


デザート:桃のコンポート。本日のお目当てがコレ(笑)。知らない人には「え?デザート??」と笑われるでしょうが、食べた事がある人なら理解してくれるハズ! そんぐらい旨い桃コンポートなのです。
コンポートにした桃 コンポート溶液 コンポート溶液のグラニテ と拍子抜けするほどシンプルな構成なんですが、食べるとコレが滅法旨い❗️もうね、ただ単純にコンポートにした桃そのものが旨いのですよ。
味の秘訣は厳選した桃。田代氏の出身県である福島県産の あかつき という品種。更に有機栽培の古木から収穫される実をベストコンディションの時だけ用いるから、これほど旨いのでしょう。そして桃の魅力を余すことなく引き出している煮方も見事。
反面、どうしても提供期間が短くなってしまい 今年はレビュー書いてる時点で既に終了(他の桃を用いたデザートを出す予定との事)。 ありつくには運も必要となります。今年も 食べる事ができてホントに嬉しかったですわ(о´∀`о)


カフェ&小菓子:小菓子は いつものメンツ……と思いきや、クレームブリュレが玉蜀黍のクレームブリュレになってました。食後の飲み物は珈琲を頂きました。


この日は かなり盛況だったのですが、常連客にも 初見らしき客にも分け隔てなく自然体の接客で対応するサービスマン&全ての客に等しく挨拶しに出てくる田代氏の姿に、良い人がいるからこそ良い店なんだということを改めて思い知らされました。
ラ ブランシュさんのお料理はもちろん素晴らしいのですが、それ以上に 田代さんと岡部さん(支配人さん)のベテランコンビが紡ぎ出す空気こそが ラ ブランシュ最大の魅力かもしれません。

  • ラ・ブランシュ - いつもの美味しい豚リエット。

    いつもの美味しい豚リエット。

  • ラ・ブランシュ - ムール マルニエール。どう見ても前菜なんだが、一応 アミューズらしい(笑)

    ムール マルニエール。どう見ても前菜なんだが、一応 アミューズらしい(笑)

  • ラ・ブランシュ - タマネギのポタージュ。アミューズに必ずタマネギを用いた品を出すのも特徴。

    タマネギのポタージュ。アミューズに必ずタマネギを用いた品を出すのも特徴。

  • ラ・ブランシュ - ラ ブランシュ風ガスパチョ

    ラ ブランシュ風ガスパチョ

  • ラ・ブランシュ - フォアグラと桃のロースト

    フォアグラと桃のロースト

  • ラ・ブランシュ - 島根県産天然鮎のムニエル。ビンビンに香ります♪

    島根県産天然鮎のムニエル。ビンビンに香ります♪

  • ラ・ブランシュ - 鰯とジャガイモの重ね焼き

    鰯とジャガイモの重ね焼き

  • ラ・ブランシュ - 甘鯛のポワレ  胡瓜ソース。

    甘鯛のポワレ 胡瓜ソース。

  • ラ・ブランシュ - 甘鯛の付け合わせは 蕪。

    甘鯛の付け合わせは 蕪。

  • ラ・ブランシュ - 千代幻豚のロースト

    千代幻豚のロースト

  • ラ・ブランシュ - 桃のコンポート。桃まるまる一個がド~ンと提供されますwww
      相変わらずビジュアルはイケてないが味は極上。

    桃のコンポート。桃まるまる一個がド~ンと提供されますwww 相変わらずビジュアルはイケてないが味は極上。

  • ラ・ブランシュ - 珈琲   玉蜀黍のクレームブリュレ    アニスのグラニテ    ヘーゼルナッツムラング    ショコラブラウニー

    珈琲 玉蜀黍のクレームブリュレ アニスのグラニテ ヘーゼルナッツムラング ショコラブラウニー

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2021/02訪問4回目

4.0

  • 料理・味-
  • サービス-
  • 雰囲気-
  • CP-
  • 酒・ドリンク-
¥15,000~¥19,9991人

カッコイイとは、こういうことさ

再訪。
青学の前で35年の歴史を刻んできた 老舗フレンチレストラン。大ベテランシェフ田代さんの作るお料理は、王道フレンチともモダンフレンチとも明確に異なる 正にラ ブランシュでしか食べられないお料理。 長い歴史のある店なだけに 数々のスペシャリテが存在するのだが、その中でも寒さの厳しい時期のみ提供している二つのスペシャリテが今回の目的。

かなり歴史のある店なのだが、ホール内は手入れが行き届いており 場末感は全く無い。 店と同じ数の年輪を刻んできたベテランサービスマンの 良い意味で適度に脱力した出迎えを受けて席へつく。 良い。非常に良い空間だ。この空間だけ時間の流れが緩やかになっているかのように錯覚するぐらいだ。


ランチコースは6000円と10000円の二種。どちらもシェフおまかせコースだが、目当ての料理が上のコースに入っていると聞いた我々は 一切の迷い無しに10000円コースをお願いする。
否、迷い無しは多少 誇張した。肉料理の選択肢が 鴨 軍鶏 牛 とあり、その選択で迷う。結局、これまた田代シェフのスペシャリテである軍鶏に決定。 意図しなかった事だが、結果的に この日のランチは田代シェフスペシャリテコースとなった。


この日の目当てのひとつ目が 前菜のヤリイカ。実は私、以前に このヤリイカを食べ逃がした経験がある。まだランチがプリフィクスだった頃、前菜にこれを選んだところ……まさかの完売品切れと言われて軽く泣いたものだ。 今回 ようやく雪辱を果たせたワケだが、味のほうはそれは見事なモノだった。
軽く火入れしたヤリイカ胴体に細切りにしたズッキーニを詰めて トマトソースをかけただけの料理なんだが、ズッキーニの食感の良さとトマトのフレッシュ感に驚く。 ズッキーニは ほぼ生に近い状態、トマトソースは火入れされてないのでトマトソースというよりは トマトのタルタルとかに近いかな?これら野菜のフレッシュな味や食感が、ヤリイカの身の甘さや食感を見事に引き立てている。 こりゃあ旨い!
なんでも 一番古くからあるスペシャリテだとの事だが、古臭さなぞ全く感じない。むしろ 永い年月研ぎ続けてきた日本刀のような凄みすら感じる。 上に乗っているのは茹でほうれん草。品質が良いのか茹でただけにしては妙に旨いのだが……まるまる1把だと 食べにくいので盛り付けは変えて欲しいかな。


もう1つの目当てが魚料理、ヒラメのキャベツソース。これは かなり有名な料理なのでご存知の方も多いだらうが、実は私にとっても非常に思い入れの強い料理。
私が初めてラ ブランシュに訪問した時の魚料理が このヒラメのキャベツソースだったのだ。キャベツの葉が一枚まるまる乗ってるだけのトボけた盛り付けに軽くイラっとした私だったが、料理を口にした瞬間 グゥの音も出なくなったのは今でも良く覚えている。
今回、この料理を初めて目にした同行者も 提供された瞬間はキョトンとしたツラを晒していたが いざ料理を口にしたら 目を丸くして驚いていた。かつての私と全く同じ反応に 思わず吹き出しさうになる(笑)
キモは何と言ってもキャベツの旨さだらう。葉っぱ一枚まるまるのキャベツの 先端部分も芯の部分も どこを食べても甘く美味しいのだ。特に芯の旨さは驚愕モノ。普通に茹でただけでは こうは仕上がらないハズなのだが 一体だうやって?
ヒラメ自体もいつもながら見事な焼き具合だが、やはり印象に残るのはキャベツだらう。

冬のスペシャリテ二品の見事な仕上がり具合に感激した旨を 挨拶に出てきた田代シェフに伝えるが、シェフからの言葉は「今のヤリイカが旨いだけ」とか「キャベツが良いだけで、私は茹でただけ」と なんとも飄々とした返答。 無論、それだけで あんなに旨い料理になるワケがない…というのは食べた人なら即座に理解できる。 他のスペシャリテ、ジャガイモの重ね焼きだって、カリフラワーのムースだって、川俣軍鶏の黒米詰めだって、あそこまでの味になるまでには どれ程の研磨を重ねてきたのか? 事実、この日 頂いたカリフラワームースは 夏場に食べた時より更に旨く感じて連れと顔を見合せていたのだが、そこに現れたサービスマンいわく「最近 レシピを少し変えた」との言葉。


正直、シビれた。 70歳を越えた大ベテランシェフが 己のスペシャリテに更に磨きをかけ続けている。なのに、そうした努力をひけらかす事はなく 客の前では飄々と振る舞う。
カッコ良すぎですよ、この爺さん!
己の仕事は言葉で語るのではない。
料理が語ればそれで良い。
「目は口ほどに物を言う」という言葉があるが、さしずめ ラブランシュの場合は「料理は口ほどに物を言う」と いったトコか。
田代シェフのお料理を あとどのくらい食べられるかはわからない。だが、できる限り通ってその味を自分の想い出に加えていきたい。


ランチおまかせコース(10000円 税 サ別)

パン&リエット:豚リエットとパン
アミューズ:玉葱アイス 紅くるり大根 オレンジ
前菜:トピナンプールのポタージュ フォアグラロースト入り
前菜:カリフラワーのムース トマトのジュレ
前菜:ズッキーニを詰めたヤリイカ フレッシュトマトのソース
前菜:鰯とジャガイモの重ね焼き
魚料理:ヒラメのキャベツソース
肉料理:川俣軍鶏の黒米包み 牛蒡とトリュフのソース
デザート:バナナのパルフェグラッセ(デザートは三種からのチョイス)
カフェ&ミニャルディーズ

ドリンクは
グラスシャンパン(1500円)
グラス白(1400円)
グラス赤(1400円)
を頂いた。

コースの説明を聞いた時は前菜三品と聞いたハズだが……何故か四品ありますね(笑)


  • ラ・ブランシュ - いつもの美味しい豚リエット。パンには バターよりリエットを添えてくれるほが私は好き。

    いつもの美味しい豚リエット。パンには バターよりリエットを添えてくれるほが私は好き。

  • ラ・ブランシュ - アミューズ:玉葱アイス   紅くるり大根    オレンジ   。   ここは まあ平凡か

    アミューズ:玉葱アイス 紅くるり大根 オレンジ 。 ここは まあ平凡か

  • ラ・ブランシュ - トピナンプールのポタージュ。中に入っているフォアグラの焼き方は ロブション系の店よりコチラのが好き。

    トピナンプールのポタージュ。中に入っているフォアグラの焼き方は ロブション系の店よりコチラのが好き。

  • ラ・ブランシュ - カリフラワーのムース。カリフラワーを丸かじりするよりカリフラワーを楽しめるムース。ムースの滑らかさも一級品。

    カリフラワーのムース。カリフラワーを丸かじりするよりカリフラワーを楽しめるムース。ムースの滑らかさも一級品。

  • ラ・ブランシュ - 冬のスペシャリテ、ヤリイカのトマトソース。ヤリイカの身が柔らかな今の時期だけ提供しているそうな。

    冬のスペシャリテ、ヤリイカのトマトソース。ヤリイカの身が柔らかな今の時期だけ提供しているそうな。

  • ラ・ブランシュ - お馴染みのスペシャリテ、鰯とジャガイモの重ね焼き。

    お馴染みのスペシャリテ、鰯とジャガイモの重ね焼き。

  • ラ・ブランシュ - これも冬のスペシャリテ、ヒラメのキャベツソース。キャベツが甘さを増す冬だけしか作らない料理。

    これも冬のスペシャリテ、ヒラメのキャベツソース。キャベツが甘さを増す冬だけしか作らない料理。

  • ラ・ブランシュ - これも有名なスペシャリテ、川俣軍鶏の黒米包み。この料理の詳細は私の過去レビュー参照願います。

    これも有名なスペシャリテ、川俣軍鶏の黒米包み。この料理の詳細は私の過去レビュー参照願います。

  • ラ・ブランシュ - バナナのパルフェグラッセ。連れがショコラムースをオーダーしたので、バナナとショコラを交換して自力チョコバナナパフェが完成❤️

    バナナのパルフェグラッセ。連れがショコラムースをオーダーしたので、バナナとショコラを交換して自力チョコバナナパフェが完成❤️

  • ラ・ブランシュ - カフェ&ミニャルディーズ。この辺が少し弱いかな。

    カフェ&ミニャルディーズ。この辺が少し弱いかな。

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2020/08訪問3回目

4.0

  • 料理・味-
  • サービス-
  • 雰囲気-
  • CP-
  • 酒・ドリンク-
¥20,000~¥29,9991人

熟練

再訪。
真夏は服装&アクセスの問題でフレンチは敬遠しちゃう私だが、今日のラ ブランシュは例外。
というのも とあるマイレビさんがアップしていたラ ブランシュレビュー内の、とある料理が気になったから。完全に季節モノの料理なので、食べ損なわないために即予約!と 同時にその料理と メインに子羊をリクエストしておいてからの訪問となった。

訪問日、リクエストした子羊が用意出来たとの事なので コースは子羊を含んだおまかせコースにサクッと決定。後は 酒を頼むだけ……なのだが、暑かったので一杯目はビールと考えていたのに なんとコチラはビール無いんですと(>_<) ちょっと落ち込むも代打起用のシャンパンが かなり美味しくてテンション↑ 我ながら単純だ……


ディナー シェフおまかせコース(13000円 税サ別)

まずは挨拶がわりの豚リエット。個人的には パンにはバターよりリエット添えてくれるほが好き。

アミューズ:玉ねぎアイスクリーム 紫蘇のジュレ シャインマスカット。玉ねぎアイスクリームはコチラの定番料理。紫蘇ジュレの限界ギリギリまで攻めた緩さに萌える。シャインマスカットは思いもよらず シャンパンの最高のパートナーとなってくれました。

前菜:夏野菜ゼリー寄せ。味を含ませた茄子 パプリカ ズッキーニ トマト をコンソメジュレで固めたお料理。前回訪問時とは盛り付けが変化してます。ジュレの儚いまでの緩さと 中の夏野菜達の力強い味の対比が印象的。

前菜:鰯とジャガイモの重ね焼き。これを外されちゃあ困ります!って ぐらいのスペシャリテ。鰯 ジャガイモ ベーコン と 食べなれた食材ばかり用いてる。それなのに 食べた人の心に残るからこそスペシャリテ。

前菜:カリフラワーのムース トマトのジュレ。カリフラワームースは いろんな店で食べる機会がありますが、ラ ブランシュさんのは カリフラワー風味が明確に濃い。どうも茹で方に秘訣があるんだとか……添えてあるポテトチップスに乗せて食べると たいへん美味。ムースは濃厚ですが透明なトマトジュレの酸味が 全体を引き締めてます。


前菜:牛丼?と言ってよいかしら? 蕎麦の実のリゾットの上に 松坂牛。そのまま頂くとサシが重く感じる事がある松坂牛ですが、脂を蕎麦の実に含ませる事で 肉もリゾットも美味しく変化。緑色のはピーマン。なんと生のピーマンですが シャッキリした歯ごたえと 微かな苦味が口中の脂を綺麗に切ってくれます。


魚料理:ヤガラのロースト 胡瓜ソース。ラ ブランシュさんに来ると魚料理が楽しみなんですが、今回も期待に応えてくれる内容。希少なヤガラをレジェンドシェフならではの独特な火入れで最高の状態に仕上げてくれてます。お得意の野菜ソースは 夏らしく胡瓜ソース。胡瓜とサフランの香りが 白身魚の風味に華やかさを付与してます。あまりに旨くて、思わず手掴みで骨までしゃぶってしまいましたが……ちょっとお行儀悪でしたね。でも旨いから抗えませんよ。


肉料理:仏産子羊のロースト。リクエストしておいた子羊登場。部位はジゴ(腿)脂分が少なく 引き締まった肉のジゴは ローストするとどうしてもパサつきがちのため多くの店では煮込み等にする。 が、この日食べたジゴは パサつきなぞ無縁の仕上がり。また表面は パリパリに焼かれているので、てっきり一度コンフィにしてから焼いたのかと思いきや 単なるローストなんだとか。単なるローストでジゴをこの仕上がりにできるという事に驚愕。
ジゴなのでキャレ(背中)やセル(鞍下)のような柔らかさはないが、肉の繊維を噛み締める事で肉の香りや旨味がより膨らむように思えた。噛み締める事に意味がある。そのために あえてジゴを使ったのでわなかろうか。
添えてある野菜達は 焼き野菜やマリネにした野菜等。素材により最適解と思える仕事を施してある。たかが付け合わせ…でも手間を惜しまない姿勢に乾杯。


デセール:桃のコンポート。リクエストしておいた桃登場。前日にキノシタで頂いた桃コンポートに比べたら シンプルな仕立て。だが、これが滅法旨い。ただ単純に桃そのものが旨いのだ。絶対に普通の桃ぢゃあないだろ?と 思いながら食べていたのだが挨拶に出てきた田代シェフが種明かししてくれた。
無農薬で長期間育てた古木の桃。しかも福島県産の特定品種しか使わない。その桃がベストコンディションの時にしか作らないデザートだから旨いのだ。反面、当然のように提供される期間は短い。毎年 わずか2~3週間ほどしか提供していないとの事。この日 頂けたのは まさに幸運であった。

小菓子&カフェ:ブラウニー アニスのグラニテ セップ茸のクレームブリュレ。お馴染みの面子。アニスグラニテを頂き、前日のキノシタのとの味の違いを噛み締める。

お料理の味も好みだが、ベテランサービスマンならではの絶妙な間合いでの接客もコチラの魅力のひとつ。あの良い意味での脱力具合は 田代シェフの火入れと並ぶ熟練の技。
田代シェフの年齢的に あとどれだけラ ブランシュの料理が頂けるかはわからない。だが、出来るだけ訪問してラ ブランシュの味を記憶に刻みこみたい。その価値のある店と料理だと思うから。

  • ラ・ブランシュ - アミューズ

    アミューズ

  • ラ・ブランシュ - 夏野菜のコンソメジュレ寄せ

    夏野菜のコンソメジュレ寄せ

  • ラ・ブランシュ - 鰯とジャガイモの重ね焼き

    鰯とジャガイモの重ね焼き

  • ラ・ブランシュ - カリフラワーのムース。トップには豪州産黒トリュフ。添えてあるポテトチップスに乗せて頂きます。

    カリフラワーのムース。トップには豪州産黒トリュフ。添えてあるポテトチップスに乗せて頂きます。

  • ラ・ブランシュ - 松坂牛  蕎麦の実リゾット   ピーマン

    松坂牛 蕎麦の実リゾット ピーマン

  • ラ・ブランシュ - ヤガラのポワレ。胡瓜ソース。

    ヤガラのポワレ。胡瓜ソース。

  • ラ・ブランシュ - 仏産子羊腿肉のロースト

    仏産子羊腿肉のロースト

  • ラ・ブランシュ - 桃のコンポート。桃は田代シェフの出身県「福島県」産。

    桃のコンポート。桃は田代シェフの出身県「福島県」産。

  • ラ・ブランシュ - カフェ&小菓子

    カフェ&小菓子

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2020/06訪問2回目

4.0

  • 料理・味-
  • サービス-
  • 雰囲気-
  • CP-
  • 酒・ドリンク-
¥15,000~¥19,9991人

「……旨いよなぁ」と、私は思わず呟いた。

ホント、タイトル通りのお料理&お店。
食べた瞬間に雷に打たれるとか、全身にビリビリくるとかでわない。咀嚼を重ねる度に、良さが滲み出てくる。そんな お料理。

再訪。ずっと来たかったラ ブランシュさん。というのも前回訪問時、かなりフラストレーションが溜まったからだ。勘違いされると困るのだが、決してお料理の出来が悪かったからでわない。いやむしろ、たいへん美味しいお料理達でした。が、前菜二皿のプリフィクスコースを食べるつもりで行ったのに その日は前菜一皿のコースのみ かつ選択肢もかなり少なかったのだ。 正直がっかりしたのは今でも よく覚えている。その日 頂いた料理が美味しかっただけに、もっと食いたかった…という思いが残ってしまった。が、挨拶に出てきた田代シェフに「厨房に欠員出てしまったけど、料理のクオリティは絶対に落としたくないからコースは一本で料理の数を絞ってます」なんて言われたら、返す言葉なぞ あるワケも無し。

ならば、厨房が落ちついた頃に再訪し、その時には腹がパンパンになるまで田代シェフのお料理を食らってやらう…と心に誓い店を出たのだ。

それから一年と数ヶ月経過、今年の春にラチュレで食事した後に ラ ブランシュの店頭を見ると コースが二種類になっている! よーし、食べに行くぞぉ と思ったのだが 嗚呼無情。コロナの猛威で訪問を諦める羽目に。

6月になり 外食産業が再始動し始めた頃に店に電話し、営業している事を確認。当然、そのまま予約をお願いした。

訪問日、連れと二人での晩飯。入店時の検温 手指消毒 席数間引き と 感染対策に気を配っての営業でした。

ディナーメニューは10000円と13000円の二種類。どちらもシェフお任せコース。内容の違いを聞いてみると、コース全体のボリュームは同じだが 高いほうが品数が多い&肉料理の選択肢が多い との事。前回訪問時の悔しい思いがある私は迷わず 品数多いほうで。肉料理の選択肢は 豚ロースト 鴨パイ包み 軍鶏 子羊の4種類。子羊と軍鶏とで悩み、連れと相談しようとするも 連れは あまりに悩ましいチョイスに完全に頭がフリーズ(笑) 結局、チョイスは私に委ねられ スペシャリテである「川俣軍鶏の黒米包み」で決定。

感想:来て良かったなぁ……って言葉が食後に自然と出てくる。そんな素晴らしいディナーとなりました。もうね、お料理の味が私の好みにドンピシャなんだもん。珍しい食材の組み合わせとか、斬新な調理&調味とは無縁。が、クラシカルな料理をベースにしつつ 田代シェフのアレンジを加えた料理に ただただ酔いしれる。
お料理の見た目は地味。いや むしろ正直ダサい(すいません!)でも、口に入れ咀嚼するとタイトルの言葉が出ちゃう。特に前菜なんかは、普段から食べなれたような食材を用いているのに いざ食べてみると食べ慣れたハズの食材に 更なる魅力があった事に気付かされる。 前菜ひとつ目のカリフラワームースなんて、カリフラワーそのまま食うよりカリフラワー感がある。
お馴染みの 鰯とジャガイモにしろ、前菜四皿目の夏野菜ゼリー寄せにしろ、料理名を聞いた時に予想する味と 実際の味で ここまでギャップがあるのが凄い。もちろん良い意味で…だ。
カリフラワーって こんなに旨いんだ♪
ジャガイモって こんなに旨いんだ♪
夏野菜達って こんなに旨いんだ♪
おそらくは 素材自体をかなり吟味されているのだらう。でも、近頃の店みたく それをドヤ顔でアピールしたりはしない。それを物足りなく思う客もいるだらうが、私としては 目の前の料理が旨ければ 素材の素性等 わりとどーでもよい。料理が雄弁であれば、言葉なぞ無くとも料理の良さは客が感じとれるはず。そして田代シェフのお料理は 間違いなく雄弁だ。

魚料理の旨さも凄い。個人的に魚料理の旨いフレンチって数少ないと思っているのだが、ラ ブランシュさんは その数少ない魚料理が旨いフレンチのひとつだ。おそらく かなりアナログな火入れをしていると思うのだが、魚の身の水分量コントロールは見事と言うしかない。否、添えてある蕪の水分量コントロールも的確か。蕪がドーンと乗ってるだけの盛り付けは 相変わらずどうかとおもうが。

接客も良い。ベテランサービスマンの絶妙な距離感での接客はさすがと言うしかない。我々の盛り上がりにあわせて 少しずつ饒舌になるあたり巧みである。

コース全体のボリュームはどちらのコースも同程度と言うサービスマンの言葉は 少し疑わしい。前菜三皿程度と予想したのだが、まさかの四皿。しかも それぞれのポーションは決して少なくない。が、前述のように この日は腹パンパンにするつもりで来たので むしろウェルカム。でも…‐次は10000円のコースでいいかも。 最後は ちょっと苦しかった(苦笑)

ディナー シェフお任せコース(13000円 税 サ別)
豚リエット&パン ド カンパーニュ:美味しいリエットが挨拶代わり。パンは 無くなると 温かいのを持ってきてくれるので ついついリエットと共に食べてしまいます。これとシャンパーニュだけで 早くも良い気分。

アミューズ:玉ねぎソルベ 赤紫蘇ジュレ ニューサマーオレンジ。 デセールみたいなビジュアルですがアミューズです。玉ねぎソルベは定番のようですね。

冷前菜:カリフラワーのムース トマトのジュレ。カリフラワーそのまま食べるよりカリフラワー味がするムース。添えてあるポテトチップスに乗せて食べると更に旨い。も少し 見た目の華麗さがあれば…皿の冷やし具合なんかはさすがですね。

温前菜:ホワイトアスパラ茹で上げ オランデーズソース。こちらはアツアツの皿。アスパラは適度に食感を残した茹で上げで 好みのヤツ。オランデーズソースが妙に旨いと会話してたら、なんとバター不使用のオランデーズソースなんだとか。トリュフは この時期にしては香ったけど、ぶっちゃけ無くても良かったかな。しかし またしても地味なルックス…

温前菜:鰯とジャガイモの重ね焼き。説明不要。ジャガイモって マジで旨いよな。 って また地味な皿(苦笑)


冷前菜:夏野菜のゼリー寄せとグリーンアスパラガス。おお、やっと華やかな皿が♪ 夏野菜がゼリー寄せになってますが、野菜達はしっかり味がついてます。ラタトゥイユを冷やしてゼリー寄せにしたようです。野菜への味の含ませ方が絶妙&添えてあるフルーツトマトが とんでもなく美味しい。野菜だけで こんなに美味しいお料理になるなんて。

魚料理:甘鯛鱗焼き。鱗のクリスピーな食感と、身のプリプリ食感の対比が凄い!甘鯛の身の甘さ 旨味が 見事に凝縮されてます。ソースは ラ ブランシュさんお得意の野菜のソース。今日は蕪ソース。

肉料理:川俣軍鶏の黒米包み。田代シェフの出身県「福島県」の特産品 川俣軍鶏のモモ肉で 黒米をくるみ 更に全体をベーコンで覆って、表面カリカリに中をしっとりジューシーに焼き上げてあります。ソースは 独特の牛蒡ソース。鶏 米 牛蒡と あたかも鳥おこわのような組み合わせは日本人には馴染みやすい組み合わせ。でも 味は どっしりクラシカルフレンチに仕上がってます。スペシャリテと言われるだけありますね。お肉の旨さはもちろんですが、肉汁吸った米がまた♪ 付け合わせのハツ&レバーもグッド。でも まるまる一把のホウレン草は……いや食うと旨いのですが、見た目とか食べやすさとか…ね。

デセール:ブランマンジェ キャラメルアイス。しっかり甘く 儚く蕩ける滑らかさのブランマンジェに ドキっとするほどビターなキャラメルアイスは良いコンビ。ビジュアル以外は文句無し。

カフェ&ミニャルディーズ:魚の後にグラニテ出ないな?と思ってたら ここで出ました お馴染みアニスのグラニテ。

ランチも良かったですが、ディナーのフルコースは 質も量も破壊力抜群で 良かったですわ。厨房も落ちついてきたとの事ですので、また行って田代シェフのお料理をどんどん頂きたいですね。

評価ですが、お料理の味だけならめちゃくちゃ好みなので4.5としたいトコですが……あまりお料理のビジュアルを気にしない私でも 寂しく見えるビジュアルなので少し減点してこの評価となります。

  • ラ・ブランシュ - アミューズ。左から、玉ねぎソルベ   紫蘇ジュレ  ニューサマーオレンジ

    アミューズ。左から、玉ねぎソルベ 紫蘇ジュレ ニューサマーオレンジ

  • ラ・ブランシュ - カリフラワーのムース。これもスペシャリテのひとつだった模様。

    カリフラワーのムース。これもスペシャリテのひとつだった模様。

  • ラ・ブランシュ - ホワイトアスパラ茹で上げ。オランデーズソース。

    ホワイトアスパラ茹で上げ。オランデーズソース。

  • ラ・ブランシュ - スペシャリテ、鰯とジャガイモの重ね焼き。

    スペシャリテ、鰯とジャガイモの重ね焼き。

  • ラ・ブランシュ - 夏野菜のゼリー寄せとグリーンアスパラガス

    夏野菜のゼリー寄せとグリーンアスパラガス

  • ラ・ブランシュ - 甘鯛鱗焼き  蕪のソース

    甘鯛鱗焼き 蕪のソース

  • ラ・ブランシュ - 川俣軍鶏の黒米包み焼き

    川俣軍鶏の黒米包み焼き

  • ラ・ブランシュ - ブランマンジェ  キャラメルアイス

    ブランマンジェ キャラメルアイス

  • ラ・ブランシュ - ミニャルディーズ

    ミニャルディーズ

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2018/11訪問1回目

4.0

  • 料理・味-
  • サービス-
  • 雰囲気-
  • CP-
  • 酒・ドリンク-

老兵の凄み

久しぶりの訪問。
何度か訪問を試みるも満席で断念してたのだ。
今回は気合い入れて三週間前に予約。これでも第一希望日と第二希望日は満席で第三希望日でようやく予約が取れた。ほんとに人気ですね。ミシュランの星なんか無くても、ホームページなんかなくても旨い料理を作り続けてきた実績はみんな知ってるって事ですね。

前回は渋谷駅から徒歩で来たが、今回は渋谷駅東口近くから出ているハチ公バスを利用。青学西門前で下車すれば店はすぐ近くだ。

今回、少し残念だったのがメニュー体系が変わっていて 6000円のコース一本になってしまっていた事。前菜とメインの選択肢も少なくなっていた。前菜二つ食べる気まんまんだったのだが……とはいえメインの選択肢に食べたかったパイ包みがあるのは良かった。

テーブルはやや狭いが、セッティングはきっちり。小さな花も飾られてるし 私の名前が書かれたカードが置いてあるのも嬉しい。クリストフルのカトラリーの使い込み具合からも店の年季が伺える。

前述のようにコースは一つだけなので 前菜 肉料理 デザート(これはメインの後に選ぶ)の選択のみ。私も連れも前菜にジャガイモテリーヌ。メインに鴨パイ包み。デザートにショコラムースを選びランチスタート。飲み物は私はグラスで白を。連れは水。普通の水が普通に出てきた。

アミューズは例によって玉葱タルトと玉葱アイス。玉葱は好きな食材だが、コチラのは玉葱の旨さを本当に良く引き出してると感じる。逆に言うと玉葱キライな方には無理かも。

パンは自家製。バターの代わりに豚のリエットが出るが、このリエットが地味ながら旨い。メインまでにリエットを全て食べてしまいました。

前菜のジャガイモテリーヌは今更 私なんかが語る必要なんかないぐらい有名なスペシャリテ。ジャガイモ 鰯 ベーコン といった素朴な食材を見事なまでに旨い料理に仕上げる腕に 老兵田代シェフの凄みを感じる。老いてますます盛んといったところか。トリュフはさすがにオイルのようだが、真冬の黒トリュフを使ったバージョンとか一度でいいから食べてみたいかも。

魚料理は ハタと甘鯛の盛り合わせ。ソースは赤ピーマン。まず魚の身質の良さ。更になんと言っても火入れの見事さよ! どちらも水分が多く、ポワレにするには難しい魚だが 綺麗に焼かれている。水分量のコントロールも完璧で ハタ 甘鯛 共に旨味が最大限に活性化している。
旨い。やはり魚料理はこうでなくっちゃ。生っぽいポワレとか 旨くないと思うのだが出してくる店がけっこうあるのには閉口する。鮪や鮭なんかはミキュイにしても旨いとは思うが、鰆 甘鯛 金目鯛 真名鰹 ハタ あたりはしっかり水分抜いて欲しいですね。コチラは 私の好みドンピシャの魚料理を出してくれるのが嬉しい。ただ、あまりに火入れが見事なため身がプリップリでクリストフルだと切り難いんですよね。今日もハタの身が潰れちゃった(。>д<) もう少し切れるナイフが欲しいかな。

グラニテはいつものアニス。さっぱりして良いよね。他ではまず見ないけど。


肉料理のパイ包みは鴨をいったんコンフィにしてからパイ包みにした変わり種。通常のパイ包みでは入っているフォアグラは入っていない。が、パサつきなんかは一切なく 肉はしっとりと旨味をたたえていて たいへん美味しい。ソースは赤ワインソースに胡椒等で辛味を付けたもの。辛味がけっこう鮮やかで驚かされたが、濃厚なパイ包みとの相性はすこぶる良い。パイ包みには玉葱も入っているため甘味もあるので 余計にソースが引き立つ。ソースの量が少なくて まるで足りない事は不満だが。

デザートのショコラムースもしっかり美味しいのだが……さすがにデザートはも少し萌えるビジュアルにして欲しいかな。茶色一色のデザートはちと寂しい。旨いけど。

久しぶりに来ましたが、お料理はやはりとても美味しい。盛り付けのセンスなんかはだいぶアレですが味が良いので許せます。お料理がいつも同じではありますが、逆に言えば「アレが食いたい!」ってなった時には間違いない店なわけで。しかも、食べたくなるようなスペシャリテがいくつもある。良い店ですね。

ちなみにコース一本になったのは、厨房メンバーで欠員が出たためだそうです。お料理のクオリティは絶対に落としたくないので、お料理の数を絞った との事。しばらくすれば以前のメニュー体系に戻す予定だとか。成る程、今日はお料理の提供が遅かったのですが そんな事情でしたら仕方ありませんね。
最後は そんな厨房事情にもかかわらず 田代シェフ自らに見送っていただき 満足して店を出ました。また旨い魚料理が食べたくなったら お邪魔させてもらいます。

  • ラ・ブランシュ -
  • ラ・ブランシュ -
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野良パンダム

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店舗情報(詳細)

店舗基本情報

店名
ラ・ブランシュ
受賞・選出歴
2023年Bronze受賞店

The Tabelog Award 2023 Bronze 受賞店

2022年Bronze受賞店

The Tabelog Award 2022 Bronze 受賞店

2021年Bronze受賞店

The Tabelog Award 2021 Bronze 受賞店

2020年Bronze受賞店

The Tabelog Award 2020 Bronze 受賞店

2019年Bronze受賞店

The Tabelog Award 2019 Bronze 受賞店

2018年Bronze受賞店

The Tabelog Award 2018 Bronze 受賞店

2017年Bronze受賞店

The Tabelog Award 2017 Bronze 受賞店

フレンチ 百名店 2023 選出店

食べログ フレンチ TOKYO 百名店 2023 選出店

フレンチ 百名店 2021 選出店

食べログ フレンチ TOKYO 百名店 2021 選出店

ジャンル フレンチ
予約・
お問い合わせ

03-3499-0824

予約可否

予約可

住所

東京都渋谷区渋谷2-3-1 青山ポニーハイム 2F

交通手段

表参道駅から徒歩約10分
渋谷駅から徒歩約15分

表参道駅から673m

営業時間
  • 月・木・金・土・日

    • 12:00 - 14:00

      L.O. 13:30

    • 18:00 - 21:00

      L.O. 20:00

  • 火・水

    • 定休日
予算(口コミ集計)
¥15,000~¥19,999 ¥15,000~¥19,999

利用金額分布を見る

支払い方法

カード可

(VISA、Master、JCB、AMEX、Diners)

サービス料・
チャージ

サービス料10%

席・設備

席数

18席

個室

禁煙・喫煙

全席禁煙

駐車場

空間・設備

落ち着いた空間、席が広い

メニュー

ドリンク

ワインあり

料理

野菜料理にこだわる、魚料理にこだわる

特徴・関連情報

利用シーン

知人・友人と

こんな時によく使われます。

サービス

お祝い・サプライズ可

オープン日

1986年2月

備考

アメックスが使えます(情報提供元:アメックス)

初投稿者

横川潤横川潤(20)

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