: ももふく

ランチの鳥重、美味い！


人形町の行列ランチといえば、甘酒横丁交差点のTの親子丼が有名だが、SのビフカツレツやSのカキフライ、Nの黒天丼など、ジモティによる路地裏の行列も多数存在する。
しかし、この辺りの二本足文化を考慮すると、私のオススメは、焼鳥を素材にした重・丼が一押しである。

こちらのお店は、最近できた東北観を軸とした焼き鳥屋さん。夜はお邪魔させていただいたが、ランチに供している鳥重が気になっていた。というのも、激戦区であえて鳥重であることと、この辺では珍しい鶏そぼろを使っているからである。

ということで家内と2人で来訪。昼の部は11:30開店ということで3分前に一番客として到着。ランチメニューは鳥重だけということで２つをオーダー。ご飯に乗せる焼鳥はオーダーが入ってから炭火で焼く。だから、即着丼という感じではない。焼きの風景を眺めていると、私たちに続いて女性二人組、男性4人組が入り、直ぐにお店は八割入りに。

と、鳥重が、鶏スープ、香の物と盆にセットされて到着！重の蓋をあけると彩り鮮やか、上品な感じの鳥重のビジュアルが目に飛び込んできた！
早速、箸でそぼろ部分から一口と思ったがとりづらい。盆にセットされた小さめの匙ですくって食べてみる。美味い！固めに炊かれたご飯に、甘辛いが決して濃すぎはしない味の鶏そぼろがベストマッチ。この味は、万人の日本人が絶対に好きなやつである。
焼鳥は、だんごに、サビ焼、ネギを挟んだタレ焼の3種。卓上の山椒を軽く振って、そぼろが混ざったご飯とともに、一種ずつ食べてみる。
団子は、表面が香ばしく適度な歯応えでご飯に合う。サビ焼は、割としっかりした火入れで歯応えがあるが、ワサビの香りと辛さが爽やかで良い。タレ焼は濃厚、白飯に合わないわけはない。鳥肉とネギとそぼろ、固めのご飯による複雑な食感が満足度を高める。

食べてみてわかるが、ご飯の量はかなり軽め。女性にちょうど良い感じかも知れない。綺麗な見た目含めて上品な佇まいは量も影響しているようだ。他店はご飯の増量は無料なところが多く、100円で鳥肉を増量できるところもある。この特長がどのように受け入れられるかが気になる点ではある。
但し、新興店としては実力を感じる鳥重である。人形町の新しい行列ランチになるのは間違いないと思う。ご利用は、是非お早めに。

美味い！毎日でも行きたい新しい焼鳥屋さん！


地元の隠れた天ぷらの名店Mのあとにできたこと、すぐそばに焼鳥の名店Tがありながら出店したことから、早くから来訪したかったのだが、いつも満席で入れなかった。しかし、本日は家内と二人で18時過ぎにイン！ラッキーでした。

二階席もあるようだが、一階はカウンター7席ほどに4人のボックス席１つとM時代と同じキャパシティである。雰囲気も似ていて、こざっぱりした小料理屋という感じ。高級感を感じる。
メニューをみると福島のお酒やイカニンジンに伊達地鶏と、東北観満載。福島由来の焼鳥屋さんのようだ。こざっぱりした店内の雰囲気と比較すると値段はかなりリーズナブル、というのがメニューをみての第一印象！

まずは、ビールを頼み、イカニンジン、トマトのお浸し、とりわさをオーダー。焼鳥は迷った挙句、トライアルとしてお任せ5本を2人前。
白レバーを食べたくて、お任せに入っているかを聞いたところ、お任せに入れてくれるとのこと。有難し。

小鉢が順次到着！イカニンジン美味し。かなりシャキシャキしたニンジンとしっかりした歯応えの昆布とイカが細切りに揃いながらそれぞれの食感を主張する。ご飯のお供に間違いないが、酒のアテにも最高である。私見だが、これは一人一鉢をお勧めしたい。
トマトのお浸しは、夏を早どりした冷たさと色合い、ほんのりした味付けがトマトの素材の風味を強調して美味い！
特筆したいのはとりわさ。こちらのはすり山葵でなく、山葵漬けに近い味の刻んだ山葵の茎を調理したものを使用しているため、食感と味が違う。見た目はとりわさだが、食べてみると別な料理？でもとりわさである。こちらも複雑な食感を計算したこだわりを感じる。

いよいよお任せが始まる。ここで、私は特製レモンサワー、家内は赤ワインにチェンジ。レモンサワーは、皮を剥いたレモンを使用しているのに、独特の苦味が美味い。レモンを食べながらもいける！
一本目は、もも肉と紹介された「まる」。私の大好きなソリレスに近いものと教わったが、食感はまさにソリレス。もも肉の中でも、歯応えがあるのに柔らかく、しっかりした脂がいい感じ。
2本目のぼんじりに続いて膝軟骨。これ、美味い！ここで気づいたのだが、こちらは、塩、タレのみならず醤油を焼きに使っていると思う。軟骨の香ばしさが醤油の香りと相まっている。素材に合わせて味付けを変える強い拘りに好感を感じる。
このあと、白レバーが出て、最後は金針菜。この２つのメニューは、本格感を感じさせる。

この後、追加で、まる、皮、まるはつ、つなぎ、ちょうちんをオーダー。食べ過ぎかとも思ったが、まるは早速リピートしてしまった。絶妙な焼き加減と塩加減も相まって、間違いのない美味さである。他もどれも美味いが、まるはつ、つなぎの独特の食感と、小さいながらも口の中で黄身が弾けてトロリと広がるちょうちんはおススメ。焼鳥の醍醐味をしかと感じられる。以上で、1万円いかないのだから、どこまで良心的なのか。外観・店内の雰囲気とのギャップが凄く嬉しい！

この辺は、二本足文化が歴史的に根付いていることから、鶏料理の激戦区である。江戸前の鶏料理店のみならず、鶏肉販売専門店、卸までひしめくエリアである。その中にあって、良心的な味とサービスを売りにした、ハイパーコスパの福島の焼鳥屋さん。毎日通いたい一軒として、着実にポジションを確保し、寧ろ特徴化するのではないだろうか？応援します！