すぎた親方の至福の握りに愛弟子との阿吽の呼吸が育む絶妙な間合いから生まれる至高の一貫に癒されるひと時を頂く : 日本橋蛎殻町 すぎた

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2024年Gold受賞店

The Tabelog Award 2024 Gold 受賞店

寿司TOKYO百名店2022選出店

食べログ 寿司 TOKYO 百名店 2022 選出店

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5.0

¥40,000~¥49,9991人
  • 料理・味5.0
  • サービス5.0
  • 雰囲気5.0
  • CP5.0
  • 酒・ドリンク4.8

5.0

¥60,000~¥79,9991人
  • 料理・味5.0
  • サービス5.0
  • 雰囲気5.0
  • CP5.0
  • 酒・ドリンク4.8
2023/10訪問14回目

5.0

  • 料理・味5.0
  • サービス5.0
  • 雰囲気5.0
  • CP5.0
  • 酒・ドリンク4.8
¥40,000~¥49,9991人

すぎた親方の至福の握りに愛弟子との阿吽の呼吸が育む絶妙な間合いから生まれる至高の一貫に癒されるひと時を頂く

■訪問日 2023.10.22(日)17時半〜21時半

■お料理 お任せ¥36,300税込
お酒追加含むお会計¥税込48,900

■予約 ご常連様のお席にて

■本日は少し特別な会にて大変和めるひと時を
頂き楽しく活気に満ちたカウンターでの味覚を
楽しく頂きました。

■今後のご活躍に期待

本日は大変貴重なお席を常連様のお席にて
ご同席する誉を頂き光栄に存じます。
周りの方々が都寿司時代からのご常連様が
多い中、私如きも和やかな雰囲気に包まれ
楽しく過ごさせて頂く機会を貰いました。

すぎた親方の全ての一挙手一投足迄頭の中に
入っており見事な阿吽の呼吸にてお摘みから
握りへの繋ぎまで寸分の狂いもなくネタ達を
投じる愛弟子のお姿と親方とのツーショット
眼前で蹴り広げられる見応えのあるショーは
ビジネスモデルの様なお姿として写ります。

大変惜しいことに本日は今まで脇を固められ
すぎた大将の愛弟子とも言える射場様の姿を
見れる最終日にて今後の期待値も含めまして
大将-射場コンビの摘みと握りを堪能させて
頂きました。

❶銀杏 素焼き

お通しは素焼きされた銀杏が殻付きで
饗されます。
噛むとしんなり歯を鎮め少しシコシコ
食感が潔く伸びて振られた塩味と実の
甘味が良く伸びて来てお口慣らし最適。
舌にも歯にも小気味良く響く食感から
フッと自然に薄味の塩味が素敵な余韻
其の儘何事も無かったかの様に消える

❷皮剥 大分豊後:肝醤油

付け台に置かれた皮剥一枚の透明感
見るも鮮やかな光沢に目が釘付けに

小鉢にポチャッとご用意の肝醤油で
白銀に輝く皮剥の切り身でクルリと
包み折り畳んでからお口の中に含む
咀嚼を重ねれば皮剥の身はシコシコ
艶やかに優しくしなる身の肉肌との
触れ合いに感激して仕舞う。

肝と和えられコク深さが入り混じり
紛う事なき絶品の色合いを見せつつ
口内調理が気持ち良く進む皮剥との
お付き合いに舌がうっとりとしてる

皮剥の淡白な旨味と肝醤油の珍味が
見事にハーモナイズして咀嚼の度に
完成度が高まる極上の珍味に頷く

咀嚼し終わると皮剥一枚から鮮烈な
余韻が後を引きその味わいを残して
暫し口内を探りながら余韻に浸って
心地良い後味を満喫しておりました。

❸松皮鰈 厚岸:ポン酢

すぎたさんの白身のレベルの高さには
ホトホトその身綺麗さと無垢な旨みの
引き出し方に感心して仕舞う。
其れは本日頂いた皮剥にも松皮鰈にも
同様に実に身質をしなやかに磨いてて
淡麗な味わいの切れの良さと弾力する
肉感の伸びる舌触り歯触りにも感嘆し
勿論仕入れるもの自体もピンの一品と
なるのでしょうがお刺身として断面の
滑らかさ舌を艶やかに舐めてくれての
シルキー感覚纏う食感の美しさに参る

これ程までに透明感優れる肉厚の身を
悉くブレないカット断面の滑らかさが
舌に抱きついて離さずと言う感覚には
驚きを持って禁じ得ないものと感じる
更に
甘みが仄かに滲む脂質がほど良く乗り
歯にシコシコと当たるのも小気味良く
響いて咀嚼を誘惑してくるのです。

この品質を日常として営んでいる事の
凄さを改めて感じて仕舞います。
故にお席を頂く価値の高さという事を
痛切に感じて仕舞います。

❹粒貝 厚岸:山葵 醤油

少し塩して下味を施して御座います。
これ程のサイズ感を有する粒貝には
中々出会さないかと思います。
見てるだけで圧巻のお姿に惚れ惚れ
咀嚼がきっと楽しいに違いないもの

鮮度抜群の粒貝は歯に当たった瞬間から
コリッコリの歯応えが活き活きとしてて
コリコリ食感が堪らず齧るのが止まらず
歯が粒貝と触れ合う度に狼狽えちゃって
益々元気良く弾む粒貝を求めちゃいます。

こ〜んなに生き生きとエネルギッシュに
爽快感が走り抜ける粒貝なんて過去には
味わった事が無い未体験領域に等しくて
この噛んだ瞬間に炸裂する食感は鮮烈で
驚きを伴うものでした。

その鮮烈な噛み心地から芽生えて来る貝の
自然な塩味と旨みが限り無く舌を唸らせて
その粒貝の妙味がゴリゴリする貝を喰らう
歯応えを感じもっと噛み続けてたいと言う
欲望を心行くまで満たしてくれました。

❺鰹 漬け 地辛子

漁として上がったのは気仙沼の港
鰹の本体を漁獲したのは襟裳岬で
鰹としての色気は申し分の無い物

その鰹の塊をすぎた親方の大きな刃が
切付けて滑らかにスライス状にカット
切り身はテカッとして色気立つ赤身が
眩いくらいに輝き鉄分旺盛な佇まいに
色気が満ち俄然欲望が渦巻いて渇きを
覚えて仕舞う。
ふと気が付くと一枚をパクッとお口に
含んでしまっており
あっ、写真撮り忘れたと気が付いても
時既に遅し、残り一枚だけのお写真と
なってしまいました。

而して絶品鰹の艶かしく横たわる切り身
その身を咀嚼するにカット断面の艶々な
舌触りには陶酔して仕舞うほどの肉肌の
滑らかさで舌を撫でて来て実にエロさが
舌に寄せて来る舌触りにうっとりです。

鰹に添えた地辛子の刺激が鰹の味わいを
キリッと深掘りさせて鰹から浮き上がる
脂質をクリアな旨みに変貌させている。

然もとっても身厚に切り付けておられて
その分厚い身に宿る赤身の濃厚な旨みが
口内にズバッと拡散して美味極まるのが
堪らなく鰹の存在を迫力あるものにして
理屈抜きに感動の味わいが訪れてました。

❻帆立の磯辺焼き 野付:山葵 板海苔

安定の帆立の磯辺焼き
コイツはお摘み軍団の中でも絶大な
信頼を勝ち得ている一品にて摘みの
〆に頂きたくなっちゃいますね。

厚みのある焼き帆立をお海苔でクルッと
包んで大将から手渡しされるのが楽しみ

有明からのお海苔がパリッのパリンで
心地良い破砕感が透き通る磯風味漂い
お海苔の後に続く帆立がムニュ〜ッと
柔らかく裂けて磯辺焼きの甘味が舌に
ストンと着地して美味しさが爆上がり

そのフワッとする焼き上がりの帆立を
噛んで磯の香りが口内に届いて芳しさ
口内に満ちて行く中でムシャムシャと
咀嚼を重ねて帆立を頂くのであります。

帆立の咀嚼を重ねる度に帆立の甘味と
磯辺風味と海苔食感が同調して来ます。
ザクッと焼き帆立の繊維感が歯を招き
食感を健やかに伸ばし絶妙な間合いで
帆立の甘味が楽しく踊ってくれます。
身も心も舌もホッと安堵する一品です。

❼雲子

この絶品雲子の味に素直に驚いている。

雲子に唇が触れると冷んやりとするので
何?冷製に仕立てて雲子を冷たい出汁で
磨きを掛けておられてる様なのです。
雲子をそっと弄ってプチンッと皮を破り
トロッと流れて来る白子を箸先で掴んで
チョットだけ舐めてみた。
最初に舌に直接訪れる冷感が雲子珍味を
鮮烈に蘇らせて来る。
この瞬間は感動モノで脳天に突き抜ける

雲子の塊をお箸で掬って咀嚼し始めると

雲子はそれ自体が無垢なうま味を佇ませ
更に雲子を磨くかの様に冷たい鰹出汁が
雲子を綺麗に磨く様に洗いを掛けて来て
其処に柚子の香りのアクセントが纏って
雲子珍味の咀嚼を自然に誘って来てます。
この絶妙な雲子への仕掛けにホント脱帽
唸るしか無い。
雲子がお口に入るとどう動くかを熟知し
全ての味覚要素を計算し尽くしている様

雲子がプチンッと弾けてお口の中で
珍味が揺れて珍味が解き放たれても
白子が一気にトロ〜ンと蕩け出して
舌一面に珍味が広がって行く事さえ
全て予測して舌が自然に迎え入れて
感動を曝け出すかの様に味の創出を
整えているのです。

冷やっとするお出汁と雲子の調和が
見事な迄に鮮やかな味わいを魅せる
プチンと弾ける食感もトロンとする
身溶けの食感も冷感が伴い際立たせ
味覚と食感が最高潮な儘で口溶けし
消えて行きました。

❽穴子の茶碗蒸し 粉山椒

定番の一番出汁で引いた玉地の茶碗蒸し
すぎたさんの蒸しは玉地も淡いお出汁が
良く馴染んでいて凡そ濃厚な玉子の地と
異なり頗る優しい仕上げとなっています。
更には玉蒸しも同様でとても淡く卵黄と
卵白の比率をコントロールされてて薄く
優しくフワッとするプルプル感が舌にも
とても嬉しくなる円やかな食感で佇む。
玉蒸しがお優しいからこそサラッとした
肉感の穴子が上手く味を整えられて調和
穴子の甘味が優しく玉地と仲良くコラボ
想像以上に玉蒸しとも一体化して穴子が
綺麗に甘味を同調して馴染み合ってます。
こう言う茶碗蒸しは中々難しく蒸し玉の
中に貝やお魚を組み込むと玉子が少しは
傷付いて蒸し玉の邪魔になる事も目立つ
然しながらすぎたさんの蒸しの仕立ては
穏やかに穴子を玉地の中に佇ませて全く
地も玉蒸しとも仲良く味を繋いで無垢な
味覚を作り上げているのです。
そう言うレベルの高い味覚をさり気無く
スッと作ってサッと出して来ちゃう。
誠に嬉しい味わいの一品に感謝なのです。

❾太刀魚の塩焼き 酢橘 おろし

太刀魚の塩焼きなのですが私如きが
絶品と言うには烏滸がましいでしょ、
と言われて仕舞う程に絶妙かつ繊細な
火入れ加減に驚いちまいます。
もう、
箸先を太刀魚に預けた瞬間にハラリと
解ける身の火の入り加減と柔らかさと
身質の嫋やかな繊細さとが同居してて
それでいてしっかりと身の肉肉しさと
ジューシィな瑞々しさが全く毀損して
居なくてフンワァと歯を招き寄せつつ
舌にサラッと着地して来ちゃうんです。
頭がどうにかなるかなと思える火入れ
皮目も身質に呼応するかの様に柔らか
かつ若々しく繊維が損なわれてない。
火入れはしっかりしているのだけれど
全然パサ付いてなくてフカフカ白身を
齧るとトロトロ〜ッと解けて行き乍ら
ジワァッと底味が舌を痺れさせる美味。
究極の火入れだな
こんなの頂いちまったら飲むしか無い
デスね。

太刀魚が終わった段階で大将より
本日の追加のご用意の紹介が有り

○穴子の白焼き
○鮟肝と陽乃鳥
○海胆の佃煮
○数の子の味噌漬け

等々のご用意のお話がありました。
お腹の調子とも相談し握りの量へも
留意して鮟肝を頂く事と致しました。

➓追加: 鮟肝 山葵 新政酒造の陽の鳥

お猪口は鮮やかに美観の整う緑の切子グラス
一杯の新政 陽乃鳥が並々と注がれ鮟肝待ち

大将より以下のお話です。

お酒をお飲みになってる方には
秋田の新政の貴醸酒 陽乃鳥を
切子の猪口にて用意されてます。
鮟肝をお口に含んで頂いてから
陽乃鳥を流し込んで頂きますと
お口が幸せになると思います、
とのお言葉を大将より頂きます。

甘く炊いた鮟肝に合わせて頂くお酒
貴醸酒の『陽乃鳥』が鮟肝に抜群の
相性を発揮して嗜んでみると意外に
すっきり味の貴醸酒陽乃鳥が鮟肝の
甘美な味覚に寄り添いお口を満たし
味覚を味わい深く運んでくれて舌が
喜んで仕舞います。

トロンとする口溶け感が膨らみつつも
清々しい余韻がフッと通り過ぎて行き
至福のペアリングの逸品を頂きました。

◉早瀬浦

■□ 此処から握り □■

陶芸家 有本空玄作の品の漆黒の付け台に
親方が最初の挨拶の一貫である小鰭の握りを
静かに佇ませて厳かに握りが始まります。

①小鰭 天草

ストレートに飾りの入った小鰭からは
スマートな潔さを感じる舎利の酸味と
完全に同期した清々しい切れ味の一貫。

誰もが認識改まるすぎた親方の名作劇場が
小鰭を皮切りに始まろうとしています。
このお摘みからアプローチが終わった直後
暫しの間合いがワクワクするひと時で満ち
意外と喉に渇きを覚えて仕舞うものです。

さて、いよいよ最初の一貫が親方の手を
離れ小鰭がフンワリ揺れ乍ら付け台へと
着地されます。

小鰭への仕込みの潔さもこのレベルに
叶うものは無いかと思える切れの良さ
小鰭の切れ味と舎利玉のエアリー感が
密接に連携されていてその一体感には
咀嚼が自然に進んで酸味旨味甘味をも
一瞬に同調させてしまう魅力が佇んで
故に陶酔する味覚が芽生えております。

小鰭のシャープな味わいと舎利との間合い
酢締め塩締めバランスの良さから来る旨味
更には身厚な小鰭の肉肉しさを重ねる肉感

その全ての味覚要素を包含した完成度高き
小鰭の一貫に舌が鮮烈の衝撃を受け震えて
この類い稀なる握りに出逢えてこそお鮨の
醍醐味を痛切に感じ入って仕舞うのです。

②鯛 明石

皮付きでこっそりと湯引きしたかの様な
皮目のしなやかな佇まいから淡い旨みが
淡く舎利にも切り身にも寄り添って来る
特筆すべきは皮も一体化した鯛のネタで
大らかに舎利玉を包み込む様に小手返し
その堂々たる立ち居振る舞いに唸り続け
皮付き鯛の握りを舌が満喫する口福との
出会いが嬉しすぎたと戯れたくなります。
すぎた親方の鯛の握りには他の鮨店との
違いを一番感じて仕舞うかもです。

美しさと気品が同居して淡麗なる旨味が
潜む至高の一貫。
咀嚼すれば舌にvividに響き渡る奥深き
美味しさが其処は彼となく舌に浸透して
舌を蠱惑の味覚へと誘い込んで来ます。

皮付きなので皮裏の脂質も甘く豊富な為
舎利の酸味が通い合い互いを邪魔せずに
酸味甘味が調和しながら舎利を巻き込み
乳化が進んで行きます。
鯛は優美に甘味を舌にゆっくりと広げて
咀嚼を重ねると鯛の皮が弾け皮下脂質が
顔を覗かせ透明感溢れる滋味を膨らませ
舌を耽美な香りで誘い込んで来る。

この辺の味わいの濃淡が如実に浮き出て
そう言う仕掛けで味を作り出す所も凄い
その仕掛けがとても自然体な振る舞いで
無意識の内に歯が鯛に吸い込まれて行く。

鯛を知り尽くした名人の捌きによる妙の
技ものこそがすぎた大将の感性と胆識が
育む至福の味わいを創り出している事と
感じました。

◉日日

③鰆 昆布締め

春のお魚と書いて鰆なのですが
旬を迎えますのは春と冬となり
特に個性的なのは寒鰆になる前
少し身質に熟成感が出て来る頃
ですが身はやや水っぽくなって
仕舞うので多少は寝かせてやり
脱水も施し元来ソフトな身質を
昆布等で旨みをキュンと締めて
上げると途端に美味しさ倍増と
なる変幻自在なのが鰆の良い所

その鰆は薫香芳しく唆り乍らも
やんわりと寝かせて旨みを整え
サラサラな身質がしっとり漂う
仕込みは鰆の身を適度に熟成感
芽生える様な寝かせ方で身質を
ソフトで滑らかな肉肌が伝わる
艶やかさを醸し出させている。

鰆の鮮度をクリアに引き出して
咀嚼が嬉しくなって仕舞う程に
エレガントな身質感を抱かせて
身肉をキュッと噛めば逆に身が
フワンと優しく舎利と一体化し
其の儘自然に解けつつ鰆らしい
旨味がサラッと浮き出る一貫。

④春子鯛 酢橘塩

春子のソフトな身質に合わせるかの様に
エアリーな握りで構成される握りを置く
其の儘の崩れない様な趣きにて大将より
手渡しが嬉しくなりますね。
舎利も少し粒間隔を変えてソフトな握り
大将曰く春子の時は舎利を握る訳で無く
軽く押すだけにしているとの事でした。
故に舎利玉のエアリー感がフワッとして
春子の高貴な身質の味わいと同調する。
咀嚼すると感じる春子鯛の肉質の美味さ
フワッとする舎利と春子とのバランスも
秀逸と感じますがそれにも増して春子の
握りを咀嚼した時に感じる膨よかな肉感
舎利のクリアーなテクスチャーとの食感
其れ等が巡り合い出逢う至福の味わいに
ひと時の幸せを頂いておりました。

⑤中トロ 血合いぎし 大間 延縄

流石は大間の冬鮪の赤身です。
血合いぎしの豊かな酸味を含んだ身質から
中トロ特有の甘味が同化し舌を陶酔させる
トーンで包み込んで来ます。

この握りを咀嚼すれば香り立ちが華やかに
鼻に抜けて行き血合いの香りで酔い知れる

肉肌は露わに真紅の美しさを輝かせて佇み
キラリ艶やかに欲を唆って来るのです。
身質の血合いから芳醇な存在感を感じつつ
咀嚼していると舎利と血合いぎしがピタリ
同調し合って来て耽美な味覚を振り撒く。
中トロから滲み出す甘味
酢飯から浮き上がる酸味
脂質がサラリと舎利に馴染んで其々が共鳴。

気品佇み甘味の深さを感じるトロの身質
直ぐに蕩けるもじっくりと味わうのには
未だ間に合ってくれる嬉しさも残しつつ
筋とか傷の様なものが一切感じられ無い
純真無垢なトロに舌が釘付けとなります。

鮪だけに限った事では無いことなのですが
日本刀の様な包丁から切り付けられる鮪は
大きな一枚で包丁が一気に振り下ろされて
一分の隙を作らず一気にトロを切り付けて
トロの断面の美しさ滑らかさが極まります。
故にトロや赤身などネタの切り身で感じる
断面の円やかさはシルキー感を伴う肉肌が
曝け出されトロが雅に艶めかしく甘美なる
味わいへと変貌を遂げていると感じます。
そして
この鮮やかな肉肌の色合いに惑わされつつ
中トロの艶やかな柔肌を咀嚼すれば官能に
満ちる味わいが舌を狼狽えさせ続けながら
陶酔感覚を呼び覚まします。

そして咀嚼した瞬間に訪れる優雅な身溶け
上質の中トロだけに許された格別な蕩け感
かつ
舌と接触した際の食感も円やかで口溶けが
抜群に伸びるもので一気に舎利と一体化し
その蕩ける甘味で舌を魅了の渦巻く世界へ
誘ってくれるのでした。

⑥白海老 富山

キャ〜!
白海老なんかが用意されにゃってるんですね
この時期に頂けるなんて感激で胸いっぱいに
なっちゃいます。

富山の白海老はシンプルに冷感と甘味を素敵に
引き出している一貫となり舌に抱きついて来る
白海老から甘美な味が舎利の一体感と共に舌に
訪れて甘くて仄かなほろ苦さが重なり合い美味。

咀嚼すれば素直に白海老の甘味がトロンとして
舎利と蕩け合い乍らお口の中で身溶けして行く
白海老が蕩けて口内に舎利と一緒に溶け込んで
ゆるりと白海老の甘味が留まり甘く余韻を残す
白海老と舎利の融合から育まれ芽生える妙味に
一目惚れして仕舞いました。

⑦大トロ 大間 延縄

一回転の中で中トロも大トロもご登場とは
すぎた親方のコースとしては珍しい事かも。
鮪に頼る鮨店の風潮が多い中で決して鮪に
偏らず常に王道の江戸前を季節に応じ最も
旬な鮨ネタをご用意頂けるお料理の構成を
心掛けておられると思います。
今回は良い鮪が入ったのだと思います。
先程の血合いぎしも舌に鮪の魅力を存分に
味わうモノでしたが此の大トロも舌が大変
狼狽えて仕舞うものでした。

フワッと付け台にすぎた親方が大トロを
そっと置かれてズシッとトロの重みから
舎利がグッと足元を踏ん張るも少し沈む
付け台に置かれた大トロの握りは直ぐに
身溶けてしまいそうな感じで佇んでます。

エイヤッと言わんばかりに大トロを摘み
お口の中に放り込んで舌に逆さ落としで
大トロから着地させて頂きます。
着地した途端にんん〜、唸りっぱなしで
咀嚼するのと同時に大トロより炸裂する
香りと脂質の鮮烈なる味わいに驚きます。

甘い香りが一気に鼻に抜けて行き
咀嚼するかしないか僅かの間隔で
艶やかな大トロの身質が身溶けし
官能的に肉肌との触れ合いが進み
悩ましく揺れ動く肌合いが蕩けて
零れる脂質の旨味に舌が弄ばされ
悶絶する味わいにうっとりとなる

斯様な大トロは舎利との間合いが
取り難いものですが其処を難なく
普通にキュッと握ってと仕上げる
然るに咀嚼の瞬間に甘味も脂質も
溢れんばかりに炸裂しつつ一気に
舎利を巻き込み零れる脂質と同化

更に咀嚼を数回重ねただけでもう
トロが屈託無く身溶け消えて行く
その解け方も大トロらしく大胆に
舌を揺さ振るも舌を艶やかに抱き
優雅に脂質が舞い踊る官能の味覚
そして咀嚼後の残香が気品のある
余韻となり暫し口内に留まりつつ
展開した完成度の高き麗しい一貫。

筆舌し難い滑らかな舌触りも
気品溢れる香りも至極の旨味も
官能的な肌触りに恍惚となる正に
舌殺しの一貫に驚愕を禁じ得ません。

⑧鯵 生姜 浅葱 富山

ううん、と唸りっぱなしの鯵なのです。
こんな凄え鯵とは想像を遥かに超えて
感動ものと言える代物に出会えました。

この鯵の握りをゆっくりと咀嚼すると
鯵の身からはプワァンと優雅な香りが
漂い歯触り感覚が初々しく進む新鮮さ
そして肉感の膨よかさと瑞々ししさが
奏でるキレの良い味わいが舌を翻弄。
その身質に塩梅良く絡む生姜の刺激と
浅葱の青みが更に鯵の旨味を引き立て
舎利の酸味と調和し乍ら一体感を形成。
咀嚼を重ねていると率直に感じるのは

全く無垢な鯵の真摯さ
鯵の嫌味や穢れの無さ
魚の臭さ等微塵も無し
澄み切った雑味の無さ
綺麗に磨かれたうま味
肉肌の滑らかな舌触り

斯様な鯵の一貫の完成度が作る驚愕の味
鯵の持ち味を悉く昇華させ極まる味わい
誇り高き鯵の握りを大切に頂きました。

⑨イクラ 軍艦

イクラが熟れ頃となり良い季節の到来です。
お出汁に浸されたイクラからはプチンッと
声も上げず薄皮の膜の欠片も感じ無い程の
美しい仕上がりでイクラを咀嚼してますと
優しい甘味エキスがジュワ〜ッと零れ出し
潤いも豊かな甘美な味わいが舎利を染めて
完全にイクラと一体化した軍艦が初々しく
乳化を進めて口内に暫し留まります。
同時に有明のパリパリ海苔から磯の風味が
フゥッと靡いて来てそよ風の如く芳しさを
漂わせてイクラ軍艦と同期を取り調和する。
この何とも表現に尽くしきれ無い味わいが
口内を満たし卵かけご飯の様な甘さに変貌
味わいの表情の変わり様にうっとりし乍ら
イクラの軍艦を満喫させて頂きました。

⑩車海老

定番中の定番の車海老。
温度感
弾力感
舎利のサイズ感

どの美味しい要素を取っても全ての
距離感が抜群にバランスが良過ぎて
車海老が元気に口内で暴れん坊将軍
その間歯がキュンと嬉しく叫び舌は
躍動感溢れるプリプリの車海老から
潔く弾力する甘味極まる味覚に舌鼓

温感がとても優しく纏う舎利に同調
車海老の温もりが舎利の温感と和む

その元気な車海老を咀嚼すれば良く
洗練された舎利との一体感が芽生え
其処から広がる躍動的肉感が口内で
プルンプルンと揺れ乍ら旨みを発散

この元気な味覚こそ車海老の醍醐味
咀嚼が進めば進むほど車海老からの
快感が押し寄せて来て更に食欲増進
口内で車海老と舎利の調理が自然に
進み甘美で小気味良い美味しさとの
ひと時を楽しませて頂きました。

⑪唐津 赤海胆

産卵前のこの時期は赤海胆シーズンも
最後の貴重なピンネタで握って頂けて
口福感が最高潮に達してしまいます。

唐津のピンネタはこれぞ赤海胆の醍醐味と言う
vividな粒感に赤海胆特有の蕩ける甘味が濃厚
流石は唐津のミネラル豊富なテングサを食べて
滋養たっぷりに大海で育まれるからでしょう。

臭みとか匂ひとか一切雑味の無い無垢な甘味
人肌で身溶けして行き乍ら広がる耽美な味は
舌をメロメロにしてしまいます。

唐津の赤海胆は単に甘いだけでは無く旨さが
控え目でやや大人しい珍味で口内を満たして
実に印象に残る味わいで口内を満たします。
其処にややキュッとして粒感のエアリー感が
涼しげな舎利が赤海胆の渦の中に巻き込まれ
赤海胆との一体感がグッと進んで咀嚼を呼び
珍味が渦を巻いて陶酔感が巻き起こって舌は
一瞬にして赤海胆の虜になって仕舞いました。

此処の段階で残りのネタは穴子と玉のみで
お腹の具合は如何でしょうか、と大将より
お話が有り追加のご用意はと続き

天草の赤雲丹
大トロ
赤身漬け
煮蛤
北寄貝
ミル貝
金目鯛

等々のご紹介が有りました。
お腹が満ぱんで追加は控えさせて頂きました。

⑫お椀

浜名湖の浅蜊が潮汁の如く膨よかさを
讃えて浅蜊のうま味が吸い地に写って
地味深き椀物が舌をホッと安堵させて
浅蜊味を広げております。
うま味と滋味深さが同居する吸い地の
奥ゆかしさに誘われ身も心もほっこり
お口に素直な癒しを頂くひと時です。

⑬穴子 塩

いつも通り塩か煮詰めかを親方より聞かれます。
今回は久し振りに塩を所望致し塩味を感じ乍ら
フワフワのカステラ穴子を堪能させて頂きます。

穴子蒸し加減がふわッフワなんですよね〜
白焼きの仕立てで腹側のモフモフの部分を
裏返して握るスタイルで鮨店でもこう言う
カタチは中々お目にかかれないお姿です。
塩で穴子の甘味をキュッと際立たせており
そと塩味と穴子の甘味がピタッと同調して
ストレートに舌に着地する仕掛けとしてて
穴子の一貫を舌に着地させると咀嚼の前に
穴子のフワフワ食感が一気に広がり甘味も
塩味も穴子の粉質感がパッと拡散するのと
同時に広がって妙味を膨らませて丁度良く
食感と味覚が整えられてフ〜ッと広がって
其の儘口内には留まらずにサラサラ〜ッと
立ち消えて行きます。
その瞬時の出来事に感無量となり満足高き
素晴らしい〆の一貫に歓喜しておりました。

⑭玉

鮫の擂り身で玉子の身を繋いで
芝海老と山芋を合わせた卵焼き
素晴らしくフワッとした食感と
ほんのり舌触りがもっちり感も
漂うカステラ質の卵焼きで終了。

  • 日本橋蛎殻町 すぎた -
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2023/08訪問13回目

5.0

  • 料理・味5.0
  • サービス5.0
  • 雰囲気5.0
  • CP5.0
  • 酒・ドリンク4.8
¥60,000~¥79,9991人

至高の一貫を無我無心の境地にて頂き至福のひと時を迎える幸せに歓喜する

■訪問日 2023.8.30(水)12時〜15時10分

■お料理 お任せ¥36,300税込
お酒追加含むお会計¥60,800税込

■予約 OMAKASEにて

■□ お摘み □■

❶枝豆

シンプルに塩茹でなのに程良い温感と
豆粒がコリッと潔良い食感を伸ばして
更に齧った瞬間に香る枝豆の甘い匂ひ
にも唆されて余計咀嚼が進みジワッと
塩気が舌に着地するのです。
その絶妙なタイミングと温感と食感が
マッチングする絶品枝豆におビールが
喉元を潤わせて夏の涼感を満喫させる。
斯様な素朴な一皿にもきちんと情熱を
捧げることが出来るのがすぎたさんの
凄さを物語っているかと感じます。

❷蒸し鮑 千葉

コトコトと黒鮑の出汁汁で蒸し上げて
鮑から滲み出る旨味で下味を施してて
鮑自身を自らのお出汁で磨いてる故に
生まれる鮮烈なうま味に染まる蒸し鮑

そして切り身から眺める面積の広さと
その身が持つしなやかに弾力する肉感
かつ
薄造りにカットされた蒸し鮑はペコン
と半分に箸先で折り畳んでお口の中へ
咀嚼するとシコシコする弾力の迫力に
舌が縺れちゃう感じに唸る良い味わい
噛めば噛むほどに鮑から旨味が放たれ
香り良く立ち上がる美味しさを堪能。

❸青森の鮃とえんがわ

鮃の切り身にえんがわが添えられて
雅なお姿で付け台佇んでおられます。

えんがわの一枚を噛み締めると身は
シナッと艶かしく捩れて口内の中へ
溶け込むように着地して甘く揺れる

えんがわを楽しんでから少しお酒を
含み流すと名残の脂質と日本酒とが
混ざり合い乙な甘味とが蘇るごとし
他愛もないお酒の嗜みが実に美味し

鮃を頂く前にかなり楽しいお時間を
頂いてしまいます。
直ぐに鮃の一枚目をお口に放り込み
咀嚼を開始するも
透明感溢れる美味しさが口内に漲り
鮃ウンメ〜となり感動しちまいます。

2枚の切り身の内1枚は山葵を盛り
クルクルッと山葵を鮃の透明な身で
包み込んでから頂きます。
その嫋やかな身質を噛み重ねますと
淡麗な甘味の鮃は山葵の辛味で少し
色濃く染まり淡い甘味が深掘りされ
美味しく頂く事が出来ます。

山葵が品の良い刺激を鮃に加えつつ
しなやか肉感で舌をおもてなしです。
食感と味覚が同期する逸品でした。

夏の鮃なのに脂がこんなにも乗って
夏にこんな旨い鮃を食べれるなんて
予想外で冬の鮃より旨いじゃん?と
自分の舌が信じられないと言ってて
右往左往しております。

◉仙禽 NATURE 2023

❺ミル舌の漬け焼き

舌品なるかなミル舌の蜜の味わい

ミル舌はいわばミル貝の足の部位ですが
卵を包含する肝の部分が肥大してる部位
なので玉とも呼ばれたりする逸品であり
この部位が非常に美味を奏でて「ミル舌」
と呼ばれ珍重されている事は良くご存知
かと思います。
まさに産卵直前の旨さが最盛期を迎えて
ミル貝の味覚が膨らんで来る時期ですが
この時期にミル舌を頂けるとは嬉しい。

ミル舌は噛みしめる程に旨味が出て来て
味わいがどんどん深まって行きます。

モフモフの部位の食感が無茶苦茶柔らか
其処から味わう甘味と旨味の豊富なのを
舌に感じ取れてビンビンに響く美味しさ

この時期のミル舌はやはり絶品で其れが
2つもご用意されちゃってあぁ幸せ〜。

そのミル舌を醤油漬けにしてサッと焼く
ワタのモフモフが実に味わい深さを誇り
美味大行進のお摘みの秀逸さに酒が進む

ここ迄のテンポの良さは流石と思う
抜群のお摘みの運び方には流石だと
想わせるすぎた流のお摘みの運び方
舌との間合い精度を押し測った様に
スムーズに流れて行きお酒がピタッ
と寄り添ってくれるのは最高です。

❻金目鯛の茶碗蒸し

定番の一番出汁で引いた玉地の茶碗蒸し
玉蒸しにはムチッとした肉感漲る金目鯛
お薬味が玉地を良く理解しているのかと
思うほど良く味に馴染んでいる。

浅葱と紅葉おろしが玉地のうま味を深め
添えられたポン酢が良く玉地を酸味へと
染めて行きうま味を際立たせていた。

揺れる玉地を掬って舐めてると美味さが
絶品なのは勿論のこと加えたポン酢より
玉地の甘味をグッと引き上げる切れ味の
良い酸味が見事なくらい玉地を盛り立て
素晴らしいハーモナイズを形成し感銘。
これまた目から鱗でした。
こんなにも酸味が合うのかとおもいきや
食べて吃驚味わってさらに驚いて仕舞い
なんと言う玉地の美味さなのかと驚いて
その味覚エレメントたちのコラボに舌が
全く追いついて来ず感嘆しっ放しでした。

更には味変を誘ってとても舌が喜んでる
浅葱の香りとチョコンと添えられている
紅葉おろしの辛味がキュッと味変を誘う
実に舌のの喜ばし方に長けておられます。

玉地のうま味に寄り添う様にして佇むは
しっかりモノの金目が玉時に付き添われ
しっぽりと舌に抱き付き肉感が忍び寄り
歯に反発しつつ玉蒸しと共に咀嚼が進み
金目鯛が揺れ動く玉蒸しの中でフワッと
その持ち味を着地させて興奮収まらずの
状態が暫く続いて絶品玉地を満喫でした。

❼蛸の柔らか煮

一眼お皿上に乗せてある蛸の純白な芯を
目に留めた瞬間にこの繊維質の美しさに
うっとりするくらい美味想像が頭を過り
恐らくは歯触りも舌触りも甘味も全部が
極めて整えられた味わいに繋がるのだと
確信を持ってしまいます。

そしていざ潔く煮蛸を口に含んで噛むと
蛸の芯まで柔らかぁく仕上がり蛸の芯の
噛み心地が安心するほど柔らかい食感を
ムニュッと伸ばし煮汁の甘味を発散させ
口内に陶酔感漂う甘美な味わいを深めて
着地して滑らかに咀嚼を進めております。

よ〜く丹念に塩揉みされた蛸の身の芯は
柔らかくて味わい深く底味が浮き上るも
ジ〜ンと舌をシビらせて甘味を引き出し
咀嚼が自然と進んでしまう煮蛸なのです。

其処に煮蛸の真ん中にチョコンと添えた
地辛子が蛸の甘味にお辞儀するかの様に
ピシッと辛味を放ち蛸の甘味をキュッと
締めて来てクリアな美味さが口内に満ち
蛸の芯の柔らか味に舌が絆されて仕舞う。

食べ残した後の名残の煮汁が美味しくて
フッと気が付けばグイッと一気に飲んで
お皿を唇へと傾けておりました。

❽鮟肝 たつぷりの山葵 新政酒造 陽の鳥
❾筋子の醤油漬け

❽+❾は定番の3点セットとなります。

お酒をお飲みになってる方には
秋田の新政の貴醸酒 陽乃鳥を
切子の猪口にて用意されてます。
鮟肝をお口に含んで頂いてから
陽乃鳥を流し込んで頂きますと
お口が幸せになると思います、
とのお言葉を大将より頂きます。

甘く炊いた鮟肝に合わせて頂くお酒
貴醸酒の『陽乃鳥』が鮟肝に抜群の
相性を発揮して嗜んでみると意外に
すっきり味の貴醸酒陽乃鳥が鮟肝の
甘美な味覚に寄り添いお口を満たし
そして筋子の甘酢っぱさと酒が別の
味覚を味わい深く運んでくれて舌が
喜んで仕舞います。

更には大盛りの山葵を頂きたっぷりと
煮汁が甘く絡んだ鮟肝の上に乗せて
頂きますが全く意に介さずと言う感じ
にて山葵が鮟肝の濃厚な甘味に溶けて
辛味が全然効かないほどの甘味に舌が
のめり込んで溺れそうとなります。
その鮟肝をお口に含んで食べたあとで
鮟肝の余韻に浸りつつ陽乃鳥を流すと
口内で鮟肝が調理されて極上珍味へと
表情が変化して行き悦びに満ちます。

トロンとする口溶け感が膨らみつつも
清々しい余韻がフッと通り過ぎて行き
至福のペアリングの逸品を頂きました。

➓太刀魚の塩焼き 酢橘 おろし

太刀魚の塩焼きとなのですが私如きが
絶品と言うには烏滸がましいでしょ、
と言われて仕舞う程に絶妙かつ繊細な
火入れ加減に驚いちまいます。
もう、
箸先を太刀魚に預けた瞬間にハラリと
解ける身の火の入り加減と柔らかさと
身質の嫋やかな繊細さとが同居してて
それでいてしっかりと身の肉肉しさと
ジューシィな瑞々しさが全く毀損して
居なくてフンワァと歯を招き寄せつつ
舌にサラッと着地して来ちゃうんです。
頭がどうにかなるかなと思える火入れ
皮目も身質に呼応するかの様に柔らか
かつ若々しく繊維が損なわれてない。
火入れはしっかりしているのだけれど
全然パサ付いてなくてフカフカ白身を
齧るとトロトロ〜ッと解けて行き乍ら
ジワァッと底味が舌を痺れさせる美味
究極の火入れだな
こんなの頂いちまったら飲むしか無い
デスね。

本当に凄い太刀魚を味わい深く頂いて
感動の味覚領域を超えてしまっており
太刀魚のポテンシャルを最大限までに
膨らませて淡い味わいを枯淡の境地へ
導く至福のひと時に招かれました。

◉勝駒

太刀魚が終わった段階で大将より
本日の追加のご用意の紹介が有り

○穴子の白焼
○海胆の佃煮
○下足の粕漬け
○帆立の磯辺焼き
○海胆の佃煮

等々のご用意のお話がありました。
お腹の調子とも相談し握りの量へも
留意して帆立の磯辺焼きを頂く事に

⓫追加:帆立の磯辺焼き 山葵

厚みのある帆立をお海苔でクルリと
包んでから大将から手渡しされます。

有明からのお海苔がパリッのパリンで
心地良い破砕感が透き通る磯風味漂い
お海苔の後に続く帆立がムニュ〜ッと
柔らかく裂けて磯辺焼きの甘味が舌に
フゥ〜ッと着地して美味しさ爆上がり

そのフワッとする焼き上がりの帆立を
噛んで磯の香りが口内に届いて芳しさ
口内に満ちて行く中でムシャムシャと
咀嚼を重ねて帆立を頂きます。
帆立の咀嚼を重ねる内に帆立の甘味と
磯辺風味と海苔食感が同調して来ます。
ザクッと焼き帆立の繊維感が歯を招き
食感を健やかに伸ばし絶妙な間合いで
帆立の甘味が楽しく踊ってくれます。
心と舌がホッと安堵する一品でした。

□ お待ちかねの握り □

陶芸家 有本空玄作の品の漆黒の付け台に
大将が最初の挨拶の一貫である小鰭の握り
小鰭を静かに佇ませ厳かに握りが始まる。

①新子 2枚付け

付け台の上に置かれた新子の一貫の美形
フォルムの形も去ること乍らバランスの
良さも工芸品の如き均衡する美観を呈す
その新子の握りから
新子の身皮がキラリと美しく輝きを放ち
一眼見ただけで俄然空腹感に見舞われて
食したい渇望が湧き上がって来ます。
何だろう、この渇望と同時に沸く高揚感
胸がときめいて期待感が膨らんで堪らん
やはり季節の走りを象徴する握りを頂き
斯様なレアな機会を頂けたと言う感慨が
高揚感を誘って来るのでしょう。

新子の咀嚼を進めますと
膨よかで芳醇な身肉から新鮮な切れ味と
引き締まった肉感が舌を捉えて来ます。
気持ちの良いフレッシュな歯応えを感じ
舌に滑らかに滑り込んでくる新子の握り
豊満にも感じられる肉厚な身が舎利との
間合いを程良く詰めており一貫としての
完成度の高さを物語っておりました。

新子って7月~8月が旬ですが同じ時期の
新烏賊は8月中旬〜9月頃に登場しますね。
従って上手く行けば両方の夏の旬のネタを
頂く事が出来るかもと有り難みを覚えます。
本日は正にその神回となってめちゃくちゃ
ラッキーな握り達を頂きました。
夏の旬であると同時に此等の幼魚のネタは
旬の走りを感じて夏の到来を告げてますね。

特に新子は出逢える機会も少なく季節の一瞬を
愛でる点に加えて淡い香りや食感からは成魚の
小鰭の姿を思い浮かべながらもジワリ穏やかな
気持ちにも浸れて感慨深さが伴う美しい味覚を
頂けると思えてこの咀嚼の一瞬を脳裏に刻んで
忘れ難いひと時を楽しませて頂きました。

②新烏賊

此れは嬉し過ぎて堪らなくなります。
何と旬の走りが贅沢にも初々しい握りを
頂けてしまってるのか感じ入って仕舞い
最初立て続けに季節の二貫を頂けるとは
感涙して仕舞いそうです。
江戸前鮨を代表するネタの小鰭の幼魚の
新子と墨烏賊の幼魚である新烏賊の二貫
こんな口福紀行に出会ってしまったのは
本当に久し振りです。
何時もは小鰭の握りからスタートですが
本日は凄いことになってしまってました。
然も後ほど小鰭まで用意されていてのは
吃驚でした。

新烏賊に舎利を合わせ握る時の小手返しを
ジッと見詰めていますと見惚れて仕舞うが
その握られた完成品から届く美味に震えて
咀嚼が自然に始まっていて新烏賊の握りは
切り身が鮮烈に口内を切れ味がビンと感じ
初々しく
瑞々しく
コリコリ感が瞬発力を漲らせ新鮮な食感を
響かせながら舎利をリードしている。
フワッと握られて舎利のエアリー感も
全て掌の中でネタとの間合いを整えて
舎利が新烏賊と共に生き生きとし息が
付ける様舎利圧を調整しておられます。

この絶妙な間合いとエアリー感の狭間で
揺れ動く新烏賊の一貫に惚れて仕舞う。

③真鯛 昆布〆

身厚な真鯛は肉感がとても嫋やかに跳ねる。
咀嚼はたっぷりと真鯛の醍醐味を放ち舌を
満足させてくれる味で口内を満たして来る。
咀嚼感がとてもスムーズに伸びて進めると
真鯛の旨味の奥の方から昆布が仄かに香り
同時に昆布の旨味もジワッと寄せて来る。

この真鯛をどう仕込まれてこれ程まで鯛の
身質をキュッと引き締まらせて身を噛むと
グッと弾力感が豊満に歯に跳ね返る状態に
持って行くのか
この不思議と思えるほどの食感のエロさに
淡白な旨味も伸びて其処に昆布のうま味が
同居して来るのであるから舎利玉が自然と
追随して行くのは当たり前と言わんばかり
ネタの鯛と舎利が一体化して握りの完成度
誇らしく美味が漂う一貫なのです。

④鰹 皮目に炙り入れて

麗しの身が嫋やかに舎利玉に抱きついて
誠に悩ましげな色艶で舌に迫り来るでは
有りませんか。
舎利におんぶしている鰹の切り身に顔が
近付くとフゥッと側面の皮目から炙りの
香りが立ち上がり其の儘スゥッと匂ひが
口内に吸い込まれその心地良さで咀嚼が
ごく自然と進んで仕舞うので有ります。
フッと気が付くと自分の咀嚼は鰹の身を
思う存分に嗜むかの如く舌で弄くり回し
鰹と舎利が目まぐるしく口内で交差して
サラッと解けていく間に鉄分漲る滋養を
放ちつつも鰹特有の格別なうま味を放ち
舌を満足させてくれました。

⑤春子鯛 昆布締め

春子の身質から歯に伝わる優雅な柔らか味
ソフトに弾力する咀嚼感がとても雅に疼く
咀嚼を踏み込めば途端に薫る麗しい昆布の
うま味が春子鯛を抱き寄せて舎利を伴侶に
引き入れ舌を蠱惑の宴へと誘なう一貫
すぎた大将の握りの中で小鰭のスマートな
切れ味に呼応する最右翼ではなかろうか。
この雅に佇む凛々しさにも舎利との距離感
そして艶かしくエアリーな舎利がソフトに
座り心地良く春子鯛を抱いて着地した時に
フッと沈む気配を見せて来るのである
この奥ゆかしく極上の美味を讃える一貫に
射込まれた大将の心意気に感謝の気持ちを
忘れまじと思い直すのである。

⑥鯵

うう、唸りっぱなしの鯵となりますよ。
こんな凄え奴とは想像を遥かに超えた。
新子と新烏賊のダブルパンチだけでも
感動ものだったのにこ鯵の美味さには
敬服の念を頂いて仕舞いました。
この鯵の握りをゆっくりと咀嚼すると
身から滲み出る優雅な香り
咀嚼が初々しく進む身質の新鮮な味覚
そして肉感の膨よかさと瑞々ししさが
奏でるキレの良い味わいが舌を翻弄。
その身質に塩梅良く絡む生姜の刺激と
浅葱の青みが更に鯵の旨味を引き立て
舎利の酸味を導きながら一体感を醸成

咀嚼してて只管舌で率直に感じるのは

鯵の嫌味や穢れの無さ
魚臭さは欠片も無くて
澄み切った雑味の無さ
綺麗に磨かれたうま味

斯様な鯵の一貫を食して抱く驚愕の味
鯵の持ち味を悉く昇華させて完成度の
高さを誇っている一貫を頂きました。

⑦中トロ

気品佇み甘味の深さを感じるトロの身質
直ぐに蕩けるもじっくりと味わうのには
未だ間に合ってくれる嬉しさも残しつつ
筋とか傷の様なものが一切感じられ無い
純真無垢な中トロに舌が釘付けとなる

すぎたさんの鮪を頂く時に感じるのは鮪
と言うお魚の特性を良く理解させて貰え
自分たちの様な素人にも分かり易い味を
体験させてくれると言う一点に尽きると
感じます。

咀嚼していると鮪本体の魅力という物に
考えさせられる時が有り鮪ほど舎利との
バランスを調整して間合いを取りネタと
向き合わなければならぬ握りだと言う事
相性が良いかどうかは食してみて初めて
分かる鮨ネタとも言える故に必ず大将は
最初の一切れを味見して確信に満ちた後
至宝の一貫を握り始めるのです。
これ程の名人でさえ握られる前に慎重を
期し目利きに間違いの無いかどうか確認
だからこそお客様から全幅の信頼を得て
安心する美味しさを追求する場が作られ
訪問されます多くの方々の舌に満足感が
芽生える事となるのでしょう。

特にすぎたさんの握りの中でも異彩を放つ
切り身のカタチの整え方に目を見張ります。
鮪だけに限った事では無いものなのですが
日本刀の様な包丁から切り出されるトロの
大きな一枚は包丁を一気に切り込みつつも
一分の隙を作らず一気にトロを撫でて行き
故に断面の円やかさがシルキー感を覚えて
余計にそのトロを雅に艶めかしく甘美なる
味わいへと高めて行きます。
そして
この鮮やかな肉肌の色合いに惑わされつつ
中トロの艶やかな柔肌を咀嚼すれば官能に
満ちる味わいが舌を狼狽えさせ続けます。

そして咀嚼した瞬間に訪れる優雅な身溶け
上質の中トロだけに許された格別な解け感
中でもやはり中トロは赤身より甘味も旺盛
かつ
舌と接触した際の食感も円やかで口溶けが
抜群に伸びるもので一気に舎利と一体化し
その蕩ける甘味で舌を魅了の渦巻く世界へ
誘います。

更には最高に印象的な余韻が残り続けつつ
最後までトロの一貫を楽しませてくれます。

上質なトロの特徴の一つにじっくり寝かせ
甘味が熟れるのに加えて芳醇な香りが立ち
食した後の残香の余韻に耽ることが出来る
喜びを楽しめる点が有ります。

その類稀な香り高き余韻を満喫してトロの
一貫を心行くまで堪能させて頂きました。

⑧小鰭

鹿子状に飾りの入った小鰭からはスマートな
潔さを感じる舎利の酸味とも完全に同期した
清々しい一貫を頂く。

本日は正に神回です。
新子〜新烏賊〜小鰭と旬の贅を尽くした
ストーリー展開となり舌を歓喜に導いて
終盤に差し掛かるに連れて高揚感が増す

スタートの2枚付けの新子に加え小鰭迄
幼魚と成魚をセットで握って頂けるとは
大将の粋な計らいに感謝なのです。

思考して中トロの直後にお口直し要素も
含めまて舌を癒してくれる流れは嬉しい
鹿子のお飾りが塩梅良くお手伝いもして
小鰭の切れ味の良い肉感と爽快な旨味が
サラッと素早く舌に着地する

小鰭はフンワリ揺れて舎利が沈みます。
小鰭への仕込みの潔さもこのレベルに
叶うものは無いかと思えるキレの良さ
小鰭の切れ味と舎利玉のエアリー感が
密接に連携されていてその一体感には
咀嚼が自然に進んで酸味旨味甘味をも
一瞬に同調させてしまう魅力が佇んで
故に陶酔する味覚が芽生えております。

小鰭のシャープな味わいと舎利との間合い
酢締め塩締めバランスの良さから来る旨味
更には身厚な小鰭の肉肉しさを重ねる肉感

その全ての味覚要素を包含した小鰭の一貫
この類い稀な握りの完成度に出逢えてこそ
お席を頂ける誉に感じ入って仕舞います。

⑨新イクラ軍艦

わぉ〜新イクラまでご用意頂いているとは!
旬を感じ季節の走りの新モノ達が駆け抜け
新子に新烏賊に新イクラ迄の品揃えは実に
素晴らしい味覚の展覧会となり夏の到来を
物語る旬を表現する展覧会の様相を呈して
来ておりました。

お出汁に浸された新イクラからはプチンと
声を上げず薄皮の膜の欠片も感じ無い程の
美しい仕上がりで新イクラを阻止役すると
優しい甘さがジュ〜ッと零れ出し潤い飛ぶ
甘美な珍味が舎利を染めて完全にイクラと
一体化した軍艦が初々しく乳化を進めます。
同時に有明のパリパリ海苔から磯の風味が
フゥッと靡いて来てそよ風の如く芳しさを
漂わせてイクラ軍艦を後方支援するのです。
この何とも表現に尽くしきれ無い味わいが
口内に留まり卵かけご飯の様な甘さに変貌
味わいの表情の変わり様にうっとりし乍ら
イクラの軍艦を満喫させて頂きました。

⑩小鰯

此れこそ本物の若々しさ漲る小鰯の匂ひかと
改めて自覚を促され印象の刻印が脳裏にまで
届いてくっきりと小鰯が刻まれた一貫

鮮度の荒々しさと若々しい香りと肉肉しい
ふてぶてしさとが同居してるのを直感する。

小鰯ってか程に美味しさが突き抜けるのか?
何と言う美味を奏でるネタなのかとその味と
初々しさ誇る旨味にほとほと舌が呆れちゃう
こんな感動が未だ待っていたかと思うと中々
素晴らしい味わいの経験に舌が震えて来ます。
小鰯から頂きます口福体験はつくづく感激に
浸るものである事を改めて記憶に留めたいと
強く感じながら小鰯を噛み締めておりました。

⑪車海老

温感がとても優しい舎利にマッチする車海老
車海老自体の温もりが舎利を和やかに迎えて
舎利もお返しに車海老と紡ぎ合うと言う感じ
とても良く洗練された一体感が醸成されてて
其処から生まれる躍動的な肉感が口内の中で
いっぱいに弾力して甘味を振り撒いて来る。
この元気な味わいこそが車海老からの醍醐味
咀嚼が進めば進むほどプリプリの車海老から
快感が押し寄せて来て更に食欲を増進させる

口内で暴れる車海老は舎利と丁度のサイズ感
見事に一口にフィットして咀嚼が大変楽しい
口内では車海老と舎利の調理が進んで甘美で
弾力感が充満する極上の美味しさの車海老を
楽しませて頂きました。

⑫蝦夷馬糞雲丹 室蘭 虎材浜

馬糞海胆は軍艦で用意される鮨店も多いが
お海苔などの余計なものに纏われる事なく
素直に蝦夷馬糞海胆と舎利と素敵な珍味の
ハーモニーを楽しむには矢張り握りですね。

目の前は海胆のオレンジ色が鮮やかに輝き
海胆の葉っぱも大きく開き粒子は乱れなく
整然と並び惚れ惚れする美しさを誇ります。

華麗なフォルムで美観を呈する馬糞の一貫
大将が握る馬糞海胆の握りの均整が取れて
可憐な姿がフワッと付け台に置かれて少し
揺れてから留まるフォルムにうっとりして
見惚れて仕舞います。
こんなに美しくて見ているだけでも喉から
欲が渦巻いて来る馬糞海胆の握りに感銘し
スゥッと指が伸びてソフトに崩れ無い様に
タッチしてお口へと向かって行きます。

馬糞海胆がゆっくり舌に着地しその瞬間に
涼感が広がると同時に人肌の温感で身溶け
トロンと蕩けて行く海胆珍味が舌を染める。

其の儘咀嚼を重ねていると海胆から珍味が
口内中にあっという間に溢れて来て舎利と
仲良く一体化して美味に満ちて行き陶酔を
誘って来るのです。
得も言われぬ珍味からの快感が突き抜けて
脳裏に馬糞海胆の美味の刻印を残して行く

この喜びに満ちる味覚の一貫は直ぐに蕩け
舎利を海胆塗れと成りながらも渦となって
口内を蹂躙し其の儘消え去って行くのです。
もっと欲しいと言う衝動が突き抜けながら
馬糞海胆の一貫が消える儚さを舌に残して
余韻に浸っておりました。

此処の段階で残りのネタは穴子と玉のみで
お腹の具合は如何でしょうか、と大将より
お話が有り追加のご用意はと続き

天草の赤雲丹
大トロ
赤身漬け
煮蛤
北寄貝
ミル貝
金目鯛

等々のご紹介が有りお腹の許す範囲内で
追加を所望させて頂きました。

⑬お椀:浅蜊汁

浜名湖の浅蜊が潮汁の如く膨よかさを
讃えて浅蜊のうま味が吸い地に写って
地味深き椀物が舌をホッと安堵させて
浅蜊味を広げております。
うま味と滋味深さが同居する吸い地の
奥ゆかしさに誘われ身も心もほっこり
お口に素直な癒しを頂くひと時です。

⑭追加 大トロ

すぎたさんの握る大トロの一貫は
ダイナミックな脂質も含みますが
トロの身質は優しくエレガントな
柔らかさが伴うもので大トロには
珍しく穏やかな脂質で佇みます。
こう言うトロは舎利との間合いが
取り難いものですが其処を難なく
普通にサクッと仕上げて握られる
でも咀嚼した瞬間に甘味も脂質も
溢れんばかりに炸裂しつつ一気に
舎利を取り込んでスッと口内調理
そして静かに落ち着きを取り戻し
サッと屈託無く蕩けて消えて行く
その解け方は大トロらしく大胆に
舌を揺さ振るが舌を円やかに撫で
優雅に脂質が舞い踊る艶やかさは
穏やかなもので大トロらしからず
爽やかに残香が口内に留まり着地。

そして、あっという間に蕩けつつ
愉悦感が舌に迸る中で至福の時を
迎えて完成度の高き麗しい一貫。

⑮追加 金目鯛:和芥子

付け台に置かれた金目のフォルムを眺め
その荒々しい肉感には惚れて仕舞う程の
美しさに目を奪われる金目の握りです。
而も
さり気無く斯様な品格と逞しさが同居し
舎利と仲良く紡ぎ合う一貫を作り上げる

ほんのりと炙られた金目の握りを咀嚼し
炙られた皮目から漂う香りと身の脂質が
見事に共鳴し気高く舞う美味に舌が唸る
そして金目の力強さと舎利のベクトルが
一致して向かうエアリー感伴う優雅さに
旨味が限り無く膨らんで咀嚼を進めます。

実に小気味良い展開に舌が唸りっぱなし
金目鯛の身肉は程良く引き締りギュッと
噛み込むと艶かしく訴えかける柔肌から
食感が膨よかに弾んで滑らかな舌触りに
惑わされうっとりして仕舞うのである。
咀嚼が進み金目の香りと肉感が嫋やかに
漲り同期して行くのは実に心地良いもの
これぞ金目の醍醐味かと舌が喜んでいる。

更に咀嚼し続けると

金目は脂質が豊満に浮かび上がり
しっとり穏やかな装いで舌を魅了
生暖かい肉肌が生き生きとしてて
官能的に浮かび肉質感が膨らんで
舎利とも一体的に寄り添いながら
完成度を高めておりました。

金目の持ち味を最大限に活かして
舎利との一体感が突き抜けて行き
その魅力が口内に満ち溢れる一貫

⑯追加:赤海胆 天草

此れも貴重品との事で所望させて頂き
本日は舌を誘惑する逸材ばかりの用意
食べる側としてはホント迷って仕舞い
ご紹介された追加が全部欲しくなる。

然し乍らお腹もそろそろ限界に近付き
ほぼ満腹となって居り〆の穴子に行く
前にもう一貫だけ贅沢を頂きました。

追加の〆にお願いしましたのは天草の
赤海胆様でこの時期に早くも赤海胆を
頂ける幸運に感謝したくなります。
海胆の中で出荷量も少なく幻の海胆と
称される貴重な逸品の握りで舌に着地

濃厚珍味が舌に着地して冷感が一面に
広がり舎利が海胆と完全に同調しつつ
打ち解けてトロ〜リ優雅に踊ります。

直ぐに赤海胆はトロンと人肌の温感で
蕩けて来て滅茶苦茶に甘美な味わいが
舌一面に広がって行きあっという間に
陶酔感が膨らみ舌を混沌の世界へ導く。
咀嚼が進み赤海胆はクリーミィに蕩け
赤海胆らしい華やかな香りを残しつつ
お口を幸せでいっぱいに満たしました。

⑰穴子

〆の定番で有り煮穴子に煮詰めと塩を
ご用意頂いているのも嬉しいサービス
何時も通り塩か煮詰めかを聞かれます。
お連れしました知人とも相談し此処は
欲張りに塩と煮詰めの両方を所望して
半貫ずつを頂く事にしました。

初めに薄味の塩の煮穴子から頂きます。
穴子は噛み心地のふっくら感が走って
身質の膨よかさが伸びる食感を楽しみ
満喫している合間にも底味がジワ〜リ
そこはかとなく浮き上らせ舌に馴染み
染み染みと底味からは煮穴子の甘味を
際立たせて来ており実に持ち味を良く
引き出して来つつ舎利と同化している。
まるで鰻の白焼きの様な活力が漲って
穴子の持つ身肉のフワフワ感と一体化
小気味良く穴子らしさを展開してます。

穴子の柔らか味も流石な仕上がりにて
天下一品の膨よかさが揺れる美味さで
舌を悩ませてくれる上に穴子の身から
甘美な佇まいが優しく伸びる味わいで
舌を楽しませてくれてます。
一度穴子を咀嚼し始めると忽ちの内に
穴子の身が軽やかに解けて来て口内は
ホロホロに穴子が舞い散る中でフワリ
穴子の粉となって口溶けしちゃいます。
その身溶け感に底味がジワッと浮いて
実に穴子の小気味良い甘味を引き立て
エレガントな美味が舞い踊ってました。

更に

もう一方の煮詰めを施した穴子の方は
柔らかく蒸され肉質感も味覚も甘さを
煮詰めを纏わせる事で整えられた一貫。

その瞬間に香る煮詰めの耽美な香りと
甘美な味わいの奥ゆかしさに誘われて
舌が呆然となりクラッとしちゃいます。
舌触りがナチュラルにサラサラと流れ
煮詰めの濃厚な甘味が優しく追いかけ
穴子の一貫を昇華して行く様子に惑い
正に締めに相応しく麗しい一貫となり
至福の余韻を残して満足を頂きました。

⑰玉

鮫の擂り身で玉子の身を繋いで
芝海老と山芋を合わせた卵焼き
素晴らしくフワッとした食感と
ほんのり舌触りがもっちり感も
漂うカステラ質の卵焼きで終了。

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2023/05訪問12回目

5.0

  • 料理・味5.0
  • サービス5.0
  • 雰囲気5.0
  • CP5.0
  • 酒・ドリンク4.8
¥60,000~¥79,9991人

美味しい+嬉しい+楽しいがマリアージュする至福の鮨空間

■訪問日 2023.5.24(水)12時〜15時

■お料理 お任せ¥36,300税込
お酒追加含むお会計¥60,900税込

■予約 OMAKASE予約

□ お摘み □

❶絹海蘊酢 青森 生姜

ズルズル〜ッと絹海蘊を勢いよく啜る
爽快感が走って繊細なヌメリを感じる
絹海蘊に土佐酢を施した酸味との調和
更にその海蘊を軽やかに踊らせる生姜
絹海蘊の淡麗なる甘味に少しピリッと
刺激を軽快に口内へ頂く
この絹海蘊酢が一気に走り抜けますと
喉越し快適に通り過ぎる滑らかさには
堪らない美味しさを感じてしまいます。

❷泥障烏賊 三重 生姜醤油

泥障烏賊の両面に細やかな飾りを入れて
粘性も甘味も口内で最大限に効果が炸裂
完璧な仕掛けを施し舌を喜ばせる技もの

お醤油が2種類のご用意です。
丸い赤いお小皿には生姜醤油の用意
もう一つの小皿には造り醤油の用意

三重の泥障烏賊は生姜醤油のお勧め
一方で鮃は山葵と一緒に山葵醤油で
とのお勧めを頂きます。
少し寝かせてる上に大将の包丁にて
烏賊が表裏一体となる肌理細やかな
舌触り感が咀嚼を嬉しく進めます。
噛んでいますと艶めかしくも粘性が
伸びてる所に生姜風味が忍んで来て
自然に蕩ける甘味と生姜の刺激とが
互いに絡み合いながら味を深めます。
実に素晴らしく泥障烏賊の持ち味を
活かし切る仕掛けが施された美味さ
感服致しました。

❸鮃 えんがわ 青森 山葵と醤油

❷と❸は同時進行のカタチを取って
付け台には仲良く両並びにてお揃い
お好きな方からお好みの薬味加えて
頂けるご用意となります。

先に泥障烏賊を咀嚼して少し口内が
粘性の富む泥障烏賊の名残が留まり
キュッと天美を煽り口内を洗います。

貴重なる鮃のえんがわからは食感が
とても清々しくコリコリッと伸びて
その潔い美味しさだけで舌は満足し
更に透明感あふれるフレッシュな鮃
その清い嫋やかさに驚かされます。

スタートダッシュで噛み始めますと
淡麗な旨味の鮃を山葵醤油で染めて
少し味の濃淡を加えて美味しく頂く
2枚の切り身の内1枚は山葵を盛り
クルクルッと山葵を鮃で包帯の様に
巻いてから頂きます。
山葵が品の良い刺激を鮃に加えつつ
しなやか肉感で舌をおもてなしです。
食感と味覚が同期する逸品でした。

◉天美 うすにごりの生原酒

鮃の透明な色気に誘われてしまい
つい、堪らず日本酒を所望。
此方の心を見透かす様に大将から
天美をご用意頂き爽やかパチンと
弾き乍ら切れ味良いお酒を楽しむ

❹目光の粕漬け 焼き

希少な深海魚さんの焼物をご用意
此れは嬉しくお酒のお供となる上
一品物の焼き物としても秀逸です。

この時期の目光は脂が乗ってて
焼き上がりがヤバイ位に脂汗が
薄っすらと表面に滲み出します。
脂質たっぷり浮き出た目光から
仄かに甘味を感じられる美味さ
皮目も仄かにパリッと食感佇み
咀嚼が楽しくて噛めば心地良い
破砕感で振動して歯を喜ばせる
更に脂質旺盛な甘味がふっくら
身質から口内に零れて舌が喜び
叫んでおりました。

❺岩牡蠣 自家製ポン酢 沖ノ島

紅葉おろしポン酢に刻み葱を添えて
プルンと揺れながら堂々と鎮座する

相当に迫力あるサイズ感の岩牡蠣が
2個お小皿上に落ち着き払い佇む。

1個目をパクッとお口へ放り込んで
生のままで頂く岩牡蠣の瑞々しさと
天に添えた紅葉おろしの辛味が絡み
岩牡蠣の旨味をクリアに際立たせて
抱腹絶倒する極上の美味が正に悶絶

もう途轍もなくクリーミィさが溢れ
感無量となる味わいに満たされます。

雪崩を打って口内にツルルンと滑り
牡蠣の身肉がプルンと揺れ乍ら歯に
躍動感を与え漲る肉感を分かち合い
紅葉おろしの刺激と香りがほんのり
香る中に牡蠣珍味溢れ出し舌は翻弄
ジューシィな旨味が繰り出され続け
口内は興奮の坩堝と化して行きます。

岩牡蠣への咀嚼を重ねてますと更に
肉欲が芽生え出して2個目を続けて
猛然とアタックしちゃいます。
食感もトロットロンに解けて来るし
ツルツル〜ンやプチュンって牡蠣の
旨味エキスが滝の如く溢れて来ます。

その悩ましげで妖艶なる肉感に舌が
頑張って奮闘しつつも着いて来れず
堪らない美味しさに脱帽ですね。

鮮烈なる食感と共に芳醇な味わいが
口内を快感で満たして行きます。

もう、歓喜に満ち溢れています。
ツルリと滑って口溶けする快感
味覚が途轍もなくピュアなのに
心を鷲掴みされて感銘しっ放し

極まる牡蠣味覚の旨味と快感が
押し寄せ得も言われぬ美味さで
舌が舞い上がり陶酔してしまう

これ程の逸品の鮮烈さに驚愕しますし
斯様に鮮烈な美味なる岩牡蠣に出逢え
喜びでいっぱいとなり大将に感謝です。

◉月山 芳醇辛口なお酒

岩牡蠣に合わせて頂く幸せな興奮度に
静かにお付き添い頂き流してくれます。

❻鰯のガリ巻き

大葉
浅葱
ガリ
を鰯巻き中心に添えて豊満な脂質と
味を中和させる整え方の絶妙な塩梅
何とも筆舌し難く至高の巻き物です。

鰯の身がキュッと引き締まってて身厚な
身肉がグッと迫り来る圧巻の旨味と甘味

鰯のガリ巻きは2個のご用意で内1個を
ポンとお口の中に放り込んだ途端に蕩け
ムシャムシャッと食い付くとシャクッと
大葉や浅葱が清々しく食感を伸ばし乍ら
鰯の身肉からゼラチン質の豊満な旨味が
ジュゥッと潤沢に口内で蕩けて来ます。
同時進行する爽やかなガリの酸味が伸び
ピシッと鰯巻き全体の背筋を伸ばす様に
味を調えていて良い仕事振りなのです。

この鰯の巻物を咀嚼して飲み込んだ後に
ゆるりと芽生えてくる鮮やかな余韻にも
浸りつつ満足感の溢れる巻物に拍手です。

❼蛍烏賊の味噌漬け

蛍烏賊を蒸したものを味噌漬けに
蛍烏賊のプルンとする柔らかみと
味噌漬けされた甘い味わいが調和
見事に春らしい味覚を引き出して
おり、この2尾の奏でる妙味にて
酒がキュ〜ッと進んじゃいますね。

❽鮟肝と奈良漬を合わせた物と陽乃鳥

お酒をお飲みになってる方には
秋田の新政の貴醸酒 陽乃鳥を
切子の猪口にて用意されてます。
鮟肝をお口に含んで頂いてから
陽乃鳥を流し込んで頂きますと
お口が幸せになると思います、
とのお言葉を大将より頂きます。

此処で私たちには何時もと違う
鮟肝料理の逸品のご用意が有り
奈良漬を鮟肝に塗したものにて
鮟肝の甘味に奈良漬けがとても
心地良く馴染んで美味を奏でる

更には大盛りの山葵を頂きたっぷりと
鮟肝奈良漬けの上に乗せて頂きますが
全く意に介さずと言う感じにて山葵が
効かないほど鮟肝の濃厚な甘味に舌が
のめり込み溺れそうとなります。
その鮟肝をお口に含んで食べたあとで
鮟肝余韻に浸りつつ陽乃鳥を流します。
すると、んん、貴醸酒の淡麗な甘味が
鮟肝の名残と素敵にマリアージュして
口内で鮟肝が調理されて極上珍味へと
表情が変化して行き悦びに満ちます。

トロンとする口溶け感が膨らみつつも
清々しい余韻がフッと通り過ぎて行き
至福のペアリング一品を頂きました。

◉新政貴醸酒 陽乃鳥

❾太刀魚の塩焼き 酢橘 おろし

箸先を太刀魚に向けて突いた瞬間に
ハラリと解けた肉片をお口に運ぶが
其の儘呆然とし絶句してしまいます。
何だこの突き抜けるような身肉から
迸るしっとり感とフワッフワな身質
そして太刀魚の身体中からジワッと
浮かび上がる底味の奥ゆかしさには
舌が圧倒されんばかりの淡味が佇む
コレは素晴らし過ぎです。
もう舌が殺されそうになる程の美味
而も見事なまでのエレガントな主張

一度箸を入れればハラリと崩れる身
皮も一緒に解けるも分離しないので
白身と一体感を持って味わえて甘い
故に皮裏のゼラチン質が豊かに甘く
淡白な憂いを含んだ純白の肉片から
浮き上がる底味と共に奥深い味覚が
共鳴し合い口内を歓喜で満たします。

感動の味覚領域を超えてしまってて
此処までに太刀魚のポテンシャルを
昇華させてしまう火入れの巧みさと
繊細さに驚愕しますよ。
ちゃんと全身に火が満遍なく通って
然もちっともパサ付かず逆に巧みに
保湿させて太刀魚の肉汁で太刀魚に
旨味を深掘りさせる磨き方で整えて
太刀魚のポテンシャルを膨らませて
味覚を崇高なレベルへと研ぎ澄まし
舌を至高の味覚へ導いてくれました。

➓追加1.数の子味噌漬け

プチプチ!ッと弾ける数の子
口内では卵がポロポロに散乱
その後にすぐ珍味が飛び交う
コリッと噛むとポロリとなり
また直ぐに次々噛みたくなり
全てを食べ尽くしたくなる
味噌漬けの甘味と数の子から
塩味が互いに卵のを纏い合い
珍味がシュ〜ッと伸びました。

⓫追加2.帆立の磯辺焼き

厚みのある帆立をお海苔でクルリと
包んで大将が手渡しされます。

温かいままのお海苔をパリパリッと
噛んで磯風味が口内に届いて芳しく
漂う中でムシャムシャと頂きます。
帆立の咀嚼を重ねる内に帆立の甘味
磯辺風味と海苔食感が同調して来る
サクッと帆立の繊維感が歯を招いて
食感を健やかに伸ばしながら舌妙な
美味さで楽しく踊ってくれます。
心と舌がホッと安堵する一品なのです。

◉辛口純米酒 文佳人

□ お待ちかねの握り □

陶芸家 有本空玄作の品の漆黒の付け台に
大将が最初の挨拶の一貫である小鰭の握り
小鰭を静かに佇ませ厳かに握りが始まる。

①小鰭

この一貫を頂く喜びは誉となるもの
お鮨と言う世界の中でも唯一無二に
等しい杉田大将の至高の一貫です。
この一貫を頂く為だけにでも此方に
訪れる価値が存在していると思える
そんなお鮨と言う食べ物の代名詞に
なってしまう一貫と感じます。

小鰭はフンワリ揺れて舎利が沈みます。
小鰭への仕込みの潔さもこのレベルに
叶うものは無いかと思えるキレの良さ
何が違うのかを確かめ乍ら慎重に咀嚼
小鰭の切れ味と舎利玉のエアリー感が
密接に連携されていてその一体感には
咀嚼が自然に進んで酸味旨味甘味をも
一瞬に同調させてしまう魅力が佇んで
故に陶酔する味覚が芽生えるのです。

小鰭の一貫はすぎた大将の名実ともに
代表作でありこれ程如実にお鮨と言う
一品の本性を曝け出している作品には
出逢えないものと感じてしまいます。
その小鰭を見事な完成度と安定度にて
絶える事無く提供し続ける匠の技には
畏敬の念を抱かざるを得ません。

小鰭のシャープな味わいと舎利との間合い
酢締め塩締めバランスの良さから来る旨味
更には身厚な小鰭の肉肉しさを重ねる妙味

その全ての味覚要素を包含した小鰭の一貫
この類い稀な握りの完成度に出逢えてこそ
お伺いする喜びを感じてしまいますね。

◉みむろ杉で合わせて

②伊佐木

とんでも無い伊佐木が来てしまった。
こんな嫋やかな伊佐木が世の中には
あるんだと改めてこの時期のお魚を
仕込んで頂いた大将の力量に平伏し
たくなります。

咀嚼感が興奮を呼び脂をしっかりと
感じる握りは舎利がきちんと同調し
夏のお魚で産卵期前の伊佐木ですね。
伊佐木が持つ天性の持ち味の美味さ
重なりあう脂質が豊満に滲み出てる
然も
軽くて爽やかな脂質感で舌を染める
伊佐木と言うお魚の性格なのだろう
身の旨味が控え目で大人しい味わい
その分酢締めの舎利の酸味が敏感に
舌まで響いて円やかな旨味を感じる
伊佐木を食べ終わってお酒をクィッ
流し込むと余韻が綺麗に残ってる故
お酒がその余韻に引っ張られつつも
キュッと飲み干し進んでしまいます。
香りも品が感じられてとても身質に
同調して美味しさを膨らまして来る
仕込みは巧みな寝かせ方を施してて
もっちり感が穏やかに伸びて美味し!
伊佐木の旨味を舎利に寄り添わせて
伊佐木とエアリーな舎利との間合い
実に絶妙で握りの洗練度の高さ誇る
一貫となってるのです。
流石にこの洗練されたネタと舎利の
バランスをここ迄完成度高い握りへ
昇華させた一貫には出逢えないかと
感無量の咀嚼が進みました。

③縞鯵

その縞鯵の握りが舌に着地すると直ぐに
フレッシュで瑞々しく艶やかに舌と触れ
しっぽりと舌を抱き込んでくれる身質が
実に悩ましく感じられます。
キレの良い酢飯にもピタリと寄り添って
見事にネタと舎利とのパワーバランスが
仲良く均衡して咀嚼すればする程握りの
一体感が進んで美味さが膨らんで来ます。
縞鯵はその身質の鮮度がその儘に躍動し
肉肌の艶かしさが浮かび上がって来てて
縞らしい旨味が生き生きとしてて咀嚼が
自然に進んでいました。

④鱒の介

季節の旬を頂く一貫のご用意に感謝です。
ずしっと重みが伝わる鱒の介の握りから
キングサーモンらしい厚みのある身肉の
甘味としなやかな身質から浮かぶ脂汗の
滑らかさが身をオブラートしてその身を
見事なまでに艶めかせて咀嚼を悩ませる
一口咀嚼すれば忽ちの内に鱒の介が舌を
官能の世界に招き寄せて抱き付いて来る
その艶やかな甘味に舎利が上手い塩梅で
同調して鱒の介が解けるのと同時に乳化
舎利と鮨ネタが三位一体となり旨味との
共演に舌が狼狽えておりました。

⑤春子鯛 酢橘塩

美しいですよね。
すぎた大将の握りの中でも群を抜いて
美観が整えられた逸品かと見惚れます。
ずっと此の儘眺めていても全然飽きが
来ないと思う。
大将の指から離れて漆黒の付け台へと
着地されると僅かに舎利がフッと揺れ
春子鯛の自重で沈む動きが垣間見える。

勿体無い感情が芽生えて口にする事を
少し躊躇する気持ちが芽生えてしまう。
其処を勇気を出して思い切ってお口に
ポンと投入してゆっくり咀嚼し始める
んん、この洗練された春子鯛と舎利の
一体感から生ずる華麗な美味を味わい
舌も心も満たされるひと時が訪れてる
そのエアリー感がフワッと言う感じで
酸味も旨味もバランス良く浮き上がり
リズミカルに咀嚼が進んでしまいます。
咀嚼が重なり陶酔感に耽って気持ちが
良くなりこの一貫の価値を改めて認識

春子鯛自身の持つ優しい身質
大将の小手返しが整える舎利
舎利とネタとの絶妙なる調和
見事に完成度が高く磨かれた
味覚を有する至高の工芸品に
拍手して止まないのです。

◉純米酒 勝駒

⑥青森 血合いぎし 中トロ

⑦中トロ 腹中のトロ

⑥の血合いぎしの方は
肉感が感じられるトロと赤身の中間地点に
位置する部位の鮪で⑦の腹中の方は春鮪に
良く見られる優しさが芳醇に香る鮪です。

すぎたさんの鮪を頂く時に感じるのは鮪
と言うお魚の特性を良く理解させて貰え
自分たちの様な素人にも分かり易い味を
体験させてくれると言う観点に有り難さ
を感じます。

咀嚼していると鮪自体の魅力という物に
考えさせられる時が有り鮪ほど舎利との
相性が良いものも珍しいかと思います。
特に酢飯の酸味との相性が良い点こそが
最大の魅力だと感じる鮨ネタで有ります。
しかも、この魚は赤身に中トロに大トロ
と部位毎に味わい深さが完全に異なる物
従って各部位で異なる表現が出来ますし
然も舎利の方でも部位に合わせて温感や
エアリー感を変えて変化する点も素敵。
更に鮪はお醤油と頂くよりも煮切りとの
お付き合いで頂いた方が確実に美味しい。
味醂やお酒と合わせて調味された醤油の
煮切りは鮪の持つ味覚特性に磨きを掛け
更に旨味を増して来ます。

舎利の酸味と煮切りを合わせる事で一層
鮪が美味くなる
それこそが鮨のマグロたる魅力だと感じ
鮪一貫を欲する事になるのかと思います。
そして、〆にへ鮨職人の丁寧なお仕事が
あってこその鮪が生きるのだという事を
分からせてくれるのが大将の握りです。

其れは

熟成と言う仕込みから始まります。

鮪は一般的にある程度寝かせないと旨味より
酸味勝ちで食感も強い身質を持ってますので
寝かせて熟成させる事により旨味が強まって
味が深くなります。
その熟成度により舎利との微妙なバランスを
作り出し一体化した時に素晴らしい味わいが
生まれて来ます。

そして包丁

大きく滑らかにス〜ッとトロの身を優しく
包丁が一気に撫で乍ら一枚の切り身を作る
大将の所作には微塵の迷いも衒いも無くて
実にスムーズに鮪をスライスします。
故に
切り付けの厚みや切断面が研ぎ澄まされて
その鋭利で滑らかな切り口だからこそ舌に
着地した時に感じるシルキー感が活きます。
上質な鮪の生死が別れる瞬間とも言えると
思います。

そして口どけ感

特にトロは赤身の部分よりも甘味が旺盛で
その分良質な鮪は食感も円やかで口溶けが
抜群に伸びるもので一気に舎利と一体化し
その蕩ける旨味で舌を魅了します。
赤身はねっちりもっちりとし
トロは甘くトロリと口溶けし
咀嚼と共に儚さを残して消滅
其処がまたトロの魅力ですね。

最後に余韻

鮪の身の魅力の大きな特徴の一つに
寝かせて深くなる鮪の旨味に加えて
酸味と鉄っぽい野生味のある香りに
あるのだと感じています。
赤身には顕著な味覚ともなりますが
上質なトロからは芳醇な香りが残り
残香の余韻に耽り食後に残った味を
楽しめます。

日本橋蛎殻町すぎたと言うお鮨の名店からは
そんなこんなを忠実に鮮やかに表現する迄の
道のりは決して日常ではない大変さが有ると
思いますがその完成度の高さにおいて優れた
鮪の一貫を頂いて何時も感謝の気持ちで満ち
感無量となる満足度を頂いてます。

⑧鯵 生姜 浅葱

私はすぎたさんの鯵がかなり好みです。
丁寧に仕込まれた鯵からは初々しい味
鮮度の良さを感じる身質の小気味良さ
この鯵の一貫を食して吃驚することは

鯵臭さが全く皆無
魚臭いものも皆無
生姜風味漂い乍ら
刻んだ浅葱が絡む
香り高き芳ばしさ

どの味覚要素もバランス良く配置され
煮切りを仄かに纏い旨味を膨らませて
鯵の持ち味をつくづく巧みに伸ばして
美味を完成させております。

口内では咀嚼の速度と鯵の解けが同期し
旨味が開放され舌に馴染み心地良く進む
実に握りのカタチとバランスが整えられ
自然と咀嚼が進んでしまい満足感に浸り
陶酔を呼ぶ一貫となっておりました。

⑨鳥貝

この鮮度、色合いに先ず見惚れます。
ギュ〜ンと聳え立つ鳥貝の畝る姿態
舌に鳥貝が着地した途端に走る衝撃
旨味甘味の詰まった身質からは迸る
甘い鳥貝のエキスをいっぱい浴びて
舌が狼狽えるほど歓喜に満ちてます。

このピチピチした活力の有るネタに
シャープにもエッジが効きフワッと
舎利がピタリと嵌っている握りには
咀嚼する前に欲望が渦巻いて仕舞い
お口にポンと入った瞬間にmogmog
楽しく咀嚼が始まり鳥貝のエキスを
貪り合って舌にダイレクトに伝わる

噛めば噛むほどグニュッと弾力膨れ
食感と同時に届く鳥貝の甘味エキス
麗しいほどの綺麗な甘味が舎利へと
溶け込んで行きながら鳥貝と一体と
化し舌と戯れてその妙味を広げます。

鮮烈な鮮度と香りの高さ舞う鳥貝の
甘味を存分に堪能しその味わいには
脱帽してしまう美味さが訪れており
舌が感嘆し切って仕舞いました。

⑩車海老

紅白の発色がとても綺麗で美観に優れた
車海老の握りです。
食欲を増進させる美しい色合いの車海老
茹でたての車海老の温感を保ち海老から
旨味とプリプリな食感がvividに舌に
届く様に殻を素早く剥いてワタは抜いて
海老味噌はそのまま留める小技で纏める
その車海老を素早く大将がキュッと握る
付け台に置かれた車海老は舎利と丁度の
サイズ感で見事にフィットしてて咀嚼が
とても楽しくなる一貫で口内は車海老と
舎利の調理が進んで甘美でプリプリ感が
口内いっぱいに広がって究極の車海老を
楽しませて頂きました。

⑪馬糞海胆

華麗なフォルムで美観を呈する馬糞の握り
大将が握る馬糞海胆の握りの均整の取れた
可憐な姿にうっとり見惚れて仕舞います。

目の前は海胆のオレンジ色が鮮やかに輝き
海胆の葉っぱも大きく開き粒子は乱れなく
整然と並び惚れ惚れする美しさを誇ります。

立派な馬糞海胆の握りの佇まいに威厳すら
感じて仕舞います。
その海胆をゆるりと掴みお口の中へポトン
逆さ落としにして馬糞海胆が先に舌に着地
途端に涼感が広がると同時に人肌の温感で
トロンと蕩けて行く海胆珍味が舌を染める
其の儘海胆の握りの咀嚼を重ねて行きます。
海胆珍味が口内中にあっという間に舎利と
仲良く一体化して充満して行きます。
得も言われぬ珍味からの快感が突き抜けて
脳裏に馬糞海胆の美味の刻印を残して行く

この愉悦する喜びに満ちた味わいが
尽きる事なく此の儘何時迄も続いて
欲しいと言う衝動が突き抜けながら
馬糞海胆の一貫が消える儚さを舌に
刻まざるを得ませんでした。

⑫お椀 浅蜊汁

浜名湖の浅蜊が潮汁の如く膨よかさを
讃えて浅蜊のうま味が吸い地に写って
地味深き椀物が舌をホッと安堵させて
浅蜊味を広げております。
うま味と滋味深さが同居する吸い地の
奥ゆかしさに誘われ身も心もほっこり
お口に素直な癒しを頂くひと時です。

⑬追加1.蝦蛄

美味しくて美味しくて此の儘終わりたくない
終わっては欲しく無い気持ちが募るも流石に
追加の全品は無理でもお腹の具合と相談して
もう数貫を所望させて頂きました。

季節柄蝦蛄は食べたい一貫です。
時にお摘みでも出される事があるネタで
蝦蛄から妙味が溢れる美味しさに加えて
シャクッと畝って来る身の捩れが舎利に
スッと馴染んで舌を蠱惑する味わいとが
交差しとても妙味を膨らませて咀嚼感を
伸ばしておりました。

⑭追加2.赤身の漬け 2枚付

すぎたさんには珍しく本日は鮪の赤身迄
ご用意されてると聞いて此れは頂かねば
と思い所望させて頂きました。

赤身は繊細な漬けの仕込みを感じるもので
鮪本来の持ち味をダイレクトに感じる握り

モッチリ身質が素直に伸びる咀嚼の潔さに
歯が招かれて赤身の肉肌にスゥッと惹かれ
吸い込まれて行きます。

赤身の酸味と旨味の調和
舎利の酸味に山葵の調和
優しい漬けの甘味と調和
見事に味の要素が調和し
全部の味覚要素が一体化
バランスの優れた味わいと香りが口内で
交錯して複雑に絡み合いながらも握りは
そのポテンシャルを全て引き出してます。
一つの完成された味わいのカタチとして
赤身の握りの解答を頂いたと感じました。

⑮追加3.金目 炙って 和芥子

ほんのりと炙られた金目の握りは
皮目から漂う香りも身肉の脂質も
見事な調和に見る火入れの巧みさ
そして金目と舎利のベクトルとが
一致して漂うエアリー感が優雅に
旨味を膨らませて咀嚼を進めます。
皮も身質も嫋やかに肉感が漲って
これぞ金目の醍醐味かと舌が喜ぶ

更に咀嚼し続ける

金目は脂質が旺盛に浮かび上がり
しっとり穏やかな装いで舌を魅了
生暖かい肉肌が生き生きとしてて
官能的に感じる肉質感が膨らんで
舎利にもピタッと寄り添いながら
完成度を高めておりました。

艶かしくしっとり優雅に舞う身質
金目の持ち味を最大限に活かして
舎利との一体感が突き抜けて行き
その魅力が口内に満ち溢れた一貫

⑯追加4.唐津 赤海胆

本日は舌を誘惑する逸材ばかりが用意
食べる側としてはホント迷って仕舞い
ご紹介された追加を全部欲しくなる。

然し乍らお腹もそろそろ限界に近くは
なって居ましたが〆の穴子に行く前に
もう一貫を贅沢な事に頂きました。

追加の〆にお願いしましたのは唐津の
赤海胆様でこの時期に早くも赤海胆を
頂ける幸運に感謝したくなります。
海胆の中で出荷量も少なく幻の海胆と
称される貴重な逸品の握りを舌に着地

濃厚珍味が舌に着地して冷感が一面に
広がり舎利が海胆と完全に同調しつつ
打ち解けてトロ〜リ優雅に踊ります。

直ぐに赤海胆はトロンと人肌の温感で
蕩けて来て滅茶苦茶に甘美な味わいが
舌一面に広がって行きあっという間に
陶酔感が膨らんでパニックに陥りそう
咀嚼が進み赤海胆はクリーミィに蕩け
赤海胆らしい華やかな香りを残しつつ
お口を幸せでいっぱいに満たしました。

⑰穴子

何時も通り塩か煮詰めかを聞かれます。
本日は2名にて訪問してますので塩と
煮詰めの仕様の両方を所望致しまして
握りのサイズを半貫ずつにしてくれて
塩と煮詰め共にご用意してくれました。

白焼の穴子に塩を施した握りは身質の
食感がサラサラとしててふっくら感が
豊かに纏う握りで穴子の脂質を上手く
宥めており底味がジンワリと浮き上り
滋味深い旨味が舞う一貫となってます。

一方で煮詰めの方は柔らかく蒸されて
肉質感も味覚も甘く整えられての一貫

穴子の蒸し加減も流石と思わせるもの
天下一品の仕上げ方ですね。
一度穴子を咀嚼し始めると忽ちの内に
穴子の身が軽やかに解けて来て口内は
ホロホロに穴子が舞い散る中でフワリ
穴子の粉となって口溶けしちゃいます。

それにしてもこの穴子の出来栄えは
流石に咀嚼が優しくて堪らなくなる。
飲んじゃっても良いですかと思える
穴子だと強く感じて仕舞います。
それくらいお口の中での解ける様が
スムーズで滑らかに流れて行きます。

その瞬間に香る煮詰めの耽美な香りと
甘美な味わいの奥ゆかしさに誘われて
舌が呆然となりクラッとしちゃいます。
舌触りがナチュラルにサラサラと流れ
煮詰めの濃厚な甘味が優しく追いかけ
穴子の一貫を昇華して行きます。

正に

締めに相応しく麗しい一貫にて
至福の余韻を残して頂きました。

⑱玉

鮫の擂り身で玉子の身を繋いで
芝海老と山芋を合わせた卵焼き
素晴らしくフワッとした食感と
ほんのり舌触りがもっちり感も
漂うカステラ質の卵焼きです。

本日も
お客様の笑顔溢れる和やかな鮨空間が佇み
至福のひと時を過ごせた事に感謝の念しか
有りません。
末長くお付き合いさせて頂きたい名店です。

  • 日本橋蛎殻町 すぎた -
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2023/04訪問11回目

5.0

  • 料理・味5.0
  • サービス5.0
  • 雰囲気5.0
  • CP5.0
  • 酒・ドリンク4.8
¥50,000~¥59,9991人

至高の摘みと至福の握りが同居して名匠が奏でる春の調べ

■訪問日 2023.4.16(日)夕餉

■お料理 お任せ¥36,300税込
お酒追加含むお会計¥52,800税込

■予約 予約受付日のお電話にて

■滞在時間 17時半〜21時

□ お摘み □

❶絹海蘊酢 青森 生姜

まぁ、乗っけから何と穏やかさの中に
爽快感が走って繊細なヌメリを感じる
絹海蘊に土佐酢を施した酸味との調和
更にその海蘊を軽やかに踊らせるのが
生姜のアクセントでこの生姜風味こそ
絹海蘊を鮮やかにコントロールしてて
春の鮮やかな味覚の彩を扱って舌まで
鮮烈にズルズル〜ッと喉越しを捉える

絹海蘊が走り抜けて行く滑らかさには
堪らない美味しさを感じてしまいます。
矢張り『日本橋蛎殻町すぎた』と言う
仕草が施す素材の作り込みレベル感は
段違いとつくづく感じてしまいます。
故に酒も最初から煽ってしまうんです。
と言う言い訳をしたくて書いてます。
てへっ(笑)

❷帆立 野付

帆立には軽く塩して有り山葵とお醤油で
頂きます。
威風堂々たる帆立が2切れ置かれてます。
その内の一つ目を頂くきますとお口では
やんわりプルンと揺れる食感に悩まされ
官能的な甘味と舌触りに陶酔してしまう。

❸泥障烏賊 佐島

少し寝かせてる上に大将の包丁にて
烏賊が表裏一体となる肌理細やかな
飾りがストレートに刻まれてます。

丸い小皿に生姜醤油をご用意されて
チョコンと浸し風味加えて頂きます。

❷と❸は同時進行のカタチを取って
付け台には仲良く両並びにてお揃い
お好きな方からお好みの薬味加えて
頂けます。

泥障烏賊を咀嚼してみますと泥障が
放つ甘味の蕩け方がレベチで違うの
こんなに艶かしくも舌を這うように
口溶けして来る泥障烏賊も珍しくて
肌理の細やかな飾り包丁も手伝って
滑らかと言うより粘性に気品が有り
とても上品に佇む甘美な味わいにて
舌がご満悦なのでした。

❹鯛の白子

紅葉おろしポン酢に刻み葱を添えて

大海の恵みを紡ぐ春の珍味とも言われ
その真鯛の白子を頂けるとは舌が喜ぶ

春先頃から旬を迎える鯛の白子は
この時期ならではの春本番を告げ
そのクリーミィさとプルンと揺れ
楽しい食感のひと時を頂けます。

嬉しさ100倍の白子珍味を広げて
温かい霙ポン酢から紅葉おろしの
酸味が豊かに舌を刺激して楽しい
鯛白子を熟知された浸し地の施し
白子のポテンシャルを最大限まで
引き出仕切ってる仕込みの丁寧さ
白子をどんな風に磨いてるのかは
想像の域を出ませんがこれ程迄に
ピュアで無垢な白子を頂けるのは
余程丁寧に白子を洗って磨いてる
としか思えません。
そんな所にも手間暇を惜しまない
仕込みの凄さも感動を呼びます。

❺穴子の白焼き 山葵

これ程喉から舌がでてしまう程迄に
ゴクリと喉を唸らせて欲を渇望する
お摘みは無いのでは無いかと思って
純白のホックホクに焼かれた穴子の
美しいお姿に見惚れながら頂きます。

皮目はパリッパリに歯応え十分
底味がジワッと静かに忍び寄り
穴子全体から浮き上がります。
何とも言えない淡い底味だけが
ジワリ舌に忍び込んで来ます。
噛み心地のふっくら感を楽しみ
身質の食感を楽しんでいる間に
塩気がそこはかとなく浮き上り
舌を染み染みと痺れさせて来る
まるで鰻の白焼きの様な活力と
穴子の持ち味のフワフワ感とが
一体化しダイナミックな旨味を
息吹かせているのです。

❻蛸の柔らか煮 粒マスタード

塩揉みとかしていない煮蛸なのに
とぉってもぷよぷよ!な食感には
歯が吃驚しちまう位の噛み心地だ
秘密の裏技が施されてるのかとも
邪推してしまいますが兎に角皮の
柔らかくて弾力感豊かに歯を招き
フワンフワンと跳ねる肉質の品格
驚きの味わいと食感なのです。
然も恐らくは優しく炊いてるかと
想像しますが蛸の皮が全く傷まず
吸盤を齧り中の芯までクッと歯を
食い込ませると自然に蛸の身肉の
中心へと誘われてしまい歯も舌も
蛸の芯に捕まってしまい初々しく
耽美な旨味に溺れてしまいました。

あと、
蛸をお出汁で炊いた名残汁が碗底に
溜まっていたのですが
コレが蛸の体液エキスの甘味を写し
とても丸い甘味が穏やかに馴染んで
グィッと飲み干し喉から食道へ流れ
一気に旨味が甘く囁いてきて香りを
漂わせながら美味を奏でてました。

❼鮟肝を甘く煮付けたものと陽乃鳥

お酒をお飲みになってる方には
秋田の新政の貴醸酒 陽乃鳥を
切子の猪口にて用意されてます。
鮟肝をお口に含んで頂いてから
陽乃鳥を流し込んで頂きますと
お口が幸せになると思います、
とのお言葉を大将より頂きます。

鮟肝はしっとりと甘味が磨かれて
甘く煮込まれた味付けでの仕込み
その身綺麗な甘美さ漂う味付けに
一瞬たじろいでしまう程なのです。
山葵を山盛りで鮟肝をお口に含む
其の儘舌にポトンと落としますと
鮟肝のしっとり感が漂いトロンと
柔らかな身質が蕩けて行くに従い
粉質感旺盛に円やかさが舌を撫で
あまぁ〜く瀞みが舌に余韻を残す。
其処に陽乃鳥の甘酸っぱさ淡麗に
舌触りを感じる綺麗な酒の味わい
スッと口溶け感を走らせながらも
清々しい余韻がフッと過ぎて行き
至福のひと時の到来を感じました。

❽蛍烏賊味噌漬け

蛍烏賊を蒸したものを味噌漬けに
蛍烏賊のプルンとする柔らかみと
味噌漬けされた甘い味わいが調和
見事に春らしい味覚を引き出して
おり、この2尾の奏でる妙味にて
酒がキュ〜ッと進んじゃいました。

❾太刀魚の塩焼き 酢橘 おろし

箸先を太刀魚に向けて突いた瞬間に
ハラリと解けた肉片をお口に運ぶが
其の儘呆然とし絶句してしまいます。
何だこの突き抜けるような身肉から
迸るしっとり感とフワッフワな身質
そして太刀魚の身体中からジワッと
浮かび上がる底味の奥ゆかしさには
舌が圧倒されんばかりの淡味が佇む
コレは素晴らし過ぎです。
もう舌が殺されそうになる程の美味
而も見事なまでにエレガントな主張

衝撃的な淡味と底味
巧みに施された脱水
身質の膨よかな旨味
皮裏のゼラチン質の
脂質が溢れ出る甘味

一度箸を入れればハラリと崩れる身
皮も一緒に解けるも分離しないので
白身と一体感を持って味わえて甘い
故に皮裏のゼラチン質が豊かに甘く
淡白な憂いを含んだ純白の肉片から
浮き上がる底味と共に奥深い味覚が
共鳴し合うのである。
感動の味覚領域を超えてしまってる
此処までに太刀魚のポテンシャルを
昇華させてしまう火入れの巧みさと
繊細さに驚愕しますよ。
ちゃんと全身に火が満遍なく通って
然もちっともパサ付かず逆に巧みに
保湿させて太刀魚の肉汁で太刀魚に
旨味を深掘りさせる磨き方で整えて
美味しさをグワッと研ぎ澄ましてる
焼き手のレベルの高さに脱帽だわ。

此処で本日お摘みの追加のご紹介です。

○帆立の磯辺焼き
○下足の粕漬け
○数の子の味噌漬け
○牡蠣の味噌漬け
○海胆の佃煮

どれもコレもお酒のアテばかりですので
うぅ〜、となり数の子と牡蠣を頂く事に
致しました。
本音は全部行きたいのですが腹具合とも
相談して此処はグッと我慢です。

➓追加 牡蠣の味噌漬け

味噌の味に勝駒純米吟醸が寄り添い
味噌漬けされた牡蠣の甘味が程良く
牡蠣に寄り添って実に渋い味わいが
口内に響き渡る

⓫追加 数の子味噌漬け

プチプチ!ッと弾ける数の子
口内では卵がポロポロに散乱
その後にすぐ珍味が飛び交う
コリッと噛むとポロリとなり
また直ぐに次々噛みたくなり
全てを食べ尽くしたくなる
味噌漬けの甘味と数の子から
塩味が互いに卵のを纏い合い
珍味がシュ〜ッと伸びました。

■すぎた大将の摘みにて感じる事

お摘みに伺える事は
どの一品に対しても
各一品のサイズ感も
箸先での掴みやすさ
唇に触れた瞬間から
舌に着地した時での
座り心地の安定感に
噛み心地の安心感と
自然体で進む咀嚼感

食べ手側の気持ちを汲み取る配慮が
優れて統一して完成された逸品たち
そのお料理に対する繊細な気配りと
仕込みの丁寧さも含めまして畏敬の
念を抱きます。
然も特別に意図的な様子を感じなく
さり気無くそう言う仕事をサラッと
軽快に整えて来ている所が凄さ感じ
日々多様な素材を扱われてる事かと
思いますがどれもこれもが安定した
味わいと品のあるクオリティを整え
毎日安定して一定量をご用意する

コレは並大抵のことでは無いと思い
高い熟練度と用意周到の成せる技に
ホトホト感嘆してしまいます。
裏方の大変さは推しはかりませんが
貴重な機会に出会えた事に対しては
感謝しか無いのです。

□ 握り □

①小鰭 2枚付け

陶芸家 有本空玄作の品の漆黒の付け台に
大将が最初の挨拶の一貫である小鰭の握り
小鰭を静かに佇ませ厳かにスタートします。
握りはフンワリと揺れて舎利が沈みます。

然も本日は何と!
光栄な事に名だたるスーパー常連様の
お客様たちを差し置いて名将すぎたの
代名詞とも言えます小鰭のスタートを
私に頂きます栄誉が訪れましてウルッ
となってしまいました。
これ程の栄誉を頂ける日が来るなんて
何と幸せなすぎた詣の1日かと感無量。

すぎた大将の人格が写されてる一貫の
至高の握りです。
小鰭への仕込みの潔さもこのレベルに
叶うものは無いかと思えるキレの良さ
何が違うのかを確かめ乍ら慎重に咀嚼
小鰭の切れ味と舎利玉のエアリー感が
密接に連携されていてその一体感には
咀嚼が自然に進んで酸味旨味甘味をも
一瞬に同調させてしまう魅力が佇んで
故に陶酔する味覚が芽生えるのです。

小鰭の一貫はすぎた大将の名実ともに
代表作でありこれ程如実にお鮨と言う
一品の本性を曝け出している作品など
無いのではと感じてしまいます。
その小鰭を見事な完成度と安定度にて
絶える事無く提供し続ける匠の技には
畏敬の念を抱かざるを得ません。

小鰭のシャープな味わいと舎利との間合い
酢締め塩締めバランスの良さから来る旨味
更には身厚な小鰭の肉肉しさを重ねる妙味

その全ての味覚要素を包含した小鰭の一貫
この類い稀な握りの完成度に出逢えてこそ
此処にきて良かったとつくづく感じました。

②真鯛 3日目

真鯛の身に添い寝する様に皮目が
分厚く残された美観を呈する真鯛

美しい気品感じ淡麗なる旨味が佇む一貫
この美味しさはやはり真鯛であればこそ
舌にvividに響き渡る奥深き美味さが
其処は彼となく漂って舌を魅了します。
更に鯛の切り身は皮目もピタリ付き添い
身と皮の両面より舎利を丸く脂質が覆う

咀嚼すれば皮裏の脂質も甘く豊富に佇み
舎利の酸味が通い合い互いを邪魔せずに
酸味甘味が調和しながら舎利を巻き込み
乳化が進んで行くので高揚感が増します。

自然にその魚体に歯が吸い込まれて行き
途端に舎利の酸味が漂い真鯛と一体化し
旨味が絶妙な快感を呼び起こし開花する
鯛は優美に甘味を舌にゆっくりと広げて
咀嚼を重ねると鯛の皮が弾け皮下脂質が
顔を覗かせ透明感溢れる滋味を膨らませ
舌を甘やかす様にしなりを魅せます。

ホッと安堵する気持ちに動悸する如く
あぁ〜美味いわぁと独り言が出ちゃい
つい、お猪口を傾けてしまいますね。

鯛の切り身を巧みに捌いて適量の厚みに
切り出され深めの飾りを入れて鯛を整え
其処に握りとしての完成度を追い求める
すぎた大将の感性と胆識が育んで至福の
味覚を作り出しているものと感嘆を禁じ
得ませんでした。

③閂 浅葱 銚子

この時期でこのサイズ感旺盛に
お口の中を暴れんばかりに展開
流石に閂だからか咀嚼がゆるく
展開して舎利も閂に合わせつつ
ゆったりと乳化が進みます。
その間にジワッと隙間を抜いて
舌に忍び込んで来る浅葱の香り
フワァンと鼻腔を突く良い匂ひ
香りと味覚が同調し合い美味が
途轍もなく膨らんでうっとり。
閂の透明感が素直に伸び淡味が
キュッと引き締まった姿態から
舌に寄せて来てご満悦でした。

④鰆 和芥子

ムチムチしててトロトロ感が品良く
漂う鰆の握りなのです。
咀嚼しているうちに鰆の旨味表情が
自然と変わって来るのに驚嘆します。
どう言う仕込みで身質を整えてるか
単に寝かせてるだけではこんな感じ
とは成らないと思いますが塩も当て
脱水させつつ熟成も進ませるのかな?

兎に角悩ましく鰆が舌を撫でて行って
トロ〜ンと舎利と同化しながら蕩ける
而して気品を感じる鰆の旨味がフワァ
浮かび上がって来て実に咀嚼が楽しい

鰆と舎利の間合いが抜群に良い感じで
鰆と舎利を上手に繋がって素晴らしい。

鰆らしい膨よかさと身のしなやかさが
同居してしっとりする味わいが口内に
広がって行き舎利の酸味も受け止める
鰆の器量の良さに感動した一貫でした。

⑤春子 酢橘塩

春子自身の持つ優しい身質と
杉田大将の小手返しが整える
舎利との絶妙なバランスとが
見事なまで調和して完成する
可憐なフォルムを纏う工芸品

小鰭も素晴らしいと感じますが
この春子鯛の一貫も天下一品と
惚れ惚れしてしまう程の芸術品

身厚な切り身に漂う気高い香味
堪らずに春子鯛の握りを掴んで
お口に入れて舌にストンと着地
フワァンと身質が静かに揺らぎ
春子鯛のふっくらとした食感が
口内を席捲して舎利が追いかけ
春子と仲睦まじく手を繋ぎ乍ら
甘味酸味を同調させて来ます。

んん、コレには参っちゃいます。
肉厚な美味さふわふわな身質に
舎利玉がピタッと寄り添うので
咀嚼が進んで堪らないのです。

この溢れんばかりの妙味の中から
フワッとする肉布団の様な優しさ
舌を巻いてしまい骨抜きにされて
仕舞いました。感謝!

⑥背トロ 小浜 定置 127kg

その一貫を咀嚼した途端に走る衝撃の
甘味旨味の揺れ方に驚嘆してしまう。
この崇高で品格を感じる背トロの身質
絶妙なバランスの上に成り立つ至福の
味わいはもっと咀嚼してしっかり味を
確かめたいと心持ち焦って仕舞います。
然し乍らその余裕を許さず咀嚼届かず
あっという間に背トロが舎利を取込み
其の儘ナチュラルにスゥッと蕩けます。

その蕩け感も実にエレガントなんです。
然も舎利感もしっかり響いて来るので
沢山噛む暇は無いですが舎利の旨さも
力強く背トロと一体化して調和が進み
この一貫の美味しさが口内に充満する
食べ切った後の余韻がまた素晴らしく
フゥ、残り香にうっとり浸り切ります。
その完成度の高さに酔い痴れてしまう
一貫でした。

⑦大トロ 小浜 定置 56kg

同じ小浜でも異なる魚体からの大トロ
本日は珍しく鮪が二貫も続いて嬉しい
それも大トロ迄頂けちゃうのはかなり
舌が喜んでます。

その大トロにも大将は丁寧に飾りを
入れています。
故に舌に着地したかと思うとすぐ様
蕩けて舎利の温感もピタリ大トロに
照準を合わせてるのでしょうか
とても自然に口溶けして行きますが
まるで舌に沈んで行くみたいな感じ
その大トロは脂質旺盛に溢れ返って
舎利も舌もジュワッと惹き込み乍ら
どんどん溶けて行ってしまいます。

そのとろけ感も半端なく美味しく
咀嚼してると舌に寄り添う甘美な
脂質が肌理細やかに肉肌から零れ
繊細な身質はシルキーな肌触りで
舌に抱きついて来て密着しながら
憂いを残して蕩け儚く消えて行く

更に

香りの高さがエレガントな余韻を
残して高貴な味わいが舌を訪れる

咀嚼感がしっかり感じ取れる身肉に
舎利の酸味とトロの甘味バランスが
抜群に伸び完成度の高さを誇る一貫。

⑧鯵 島根 浜田

どんちっちでは無いですが素晴らしく
芳しさと同時に鯵の瑞々しさが広がり
綺麗に身質が磨かれている鯵なのです。

鯵の一貫を食べてみて吃驚します。

鯵臭さが全く皆無
魚臭いものも皆無
生姜風味漂い乍ら
刻んだ浅葱が絡む
香り高き芳ばしさ
煮切り少しく纏い
鯵の持ち味伸ばし
脂汗僅かに浮かぶ

風味と味覚がベストマッチする鯵の一貫
咀嚼するとほんのりヌルッと舌を掴んで
鯵らしさが美しく潔い旨味をシャープに
運ばれて来る美味しさが口内にとどまる
口内では咀嚼の速度と鯵の解けが同期し
旨味が開放され舌に馴染み心地良く進む
実に握りのカタチとバランスが整えられ
自然と咀嚼が進んでしまい満足感に浸り
陶酔を呼ぶ一貫でした。

⑨子持ち槍烏賊

師弟の阿吽の呼吸をまざまざと
見せつけられて感嘆してしまう
見事なコンビネーションによる
子持ち槍烏賊の一貫なのです。

何しろカウンター向こうの板場で
子持ち槍烏賊を最良の状態に保ち
絶妙なタイミングにて射場さんが
スッと杉田大将に渡す所作の実に
スムーズな事!
自然な流れ作業なんですね。
息のピッタリ合う感じに見惚れて
しまいました。
然も射場さんの仕込みの繊細さにも
感動しちゃいます。

本当に器用に子持ち槍烏賊の頭と
尻尾をサクッとカットして一番に
子持ちの美味しい部位だけを並べ
整列させた子持ち槍烏賊を見ると
寸分の狂いもなく綺麗に横一線に
並んで長さも均等に揃ってるのよ。
この技ものたちを射場さんがスッ
子持ち槍烏賊を手渡した瞬間には
大将がキュッと舎利を小手返しし
まるで精密機器で測ったかの如く
舎利玉と子持ち槍烏賊がフィット
舎利が嬉しそうに子持ち槍烏賊を
背負っていらっしゃいます。

さて、
目の前に届きました子持ち槍烏賊
ほんのり酢橘パウダー?が振られ
甘い煮詰めで表面が染められます。
素直に咀嚼します。
う〜ん、こりゃやっばぁい美味さ
子持ち槍烏賊ってこんなに素直な
甘味がフワッと浮き出る素材なの?
噛み心地も抜群に柔らかく感じる
その表皮の厚みに歯がクッと入り
歯に力を加えなくても歯が自然に
キュ〜ッと沈んで皮面がくねって
甘味がフワッと伝わって来ます。

更に歯を沈めさせると子持ち卵に
当たりその卵がプチュプチュンと
弾けながらジュワンと蕩けていく
その時の繊細な甘味が口内に落ち
舎利を巻き込み抱かれて行きます。
子持ち卵も蕩け乍ら甘美な旨味が
ピタリと舎利に寄り添って同期し
咀嚼感が実にスムーズに展開する。
そして
子持ちの卵が先行して走り抜けた
すぐ後に柔らかくクニャッと弾む
子持ち槍烏賊の身質が歯に押され
潰れて行く時の食感が堪らんわ!
この魅惑的な装いには悶舌します。
噛む度に感じる柔肌のムニュッと
する柔らかな食感に舌が項垂れる

子持ち槍烏賊の握りから放たれる
プクッと膨らみを持った子持ちの
甘味と舎利が握手する美味しさは
舌一面に甘美な味わいを残し乍ら
子持ち槍烏賊の醍醐味を再認識へ
導かせた一貫でした。

⑩赤貝 閖上

閖上が戻って来ましたね。
何か懐かしくて嬉しく感じて仕舞う。
やっぱり閖上のプリンプリな赤貝の
弾力する赤貝の握りをすぎた大将の
握りで頂くと赤貝もとても嬉しそう

かなりのサイズ感が漲る赤貝ですが
お口の中を身肉のプリプリ感が徘徊
赤貝エキスが口内にジュッと零れて
甘味と共に舎利が解けて乳化し出す。

その解ける工程の合間に噛んだ時の
弾む力と歯触りが堪らない程伸びて
磯の香りと貝の甘さが口いっぱいに
広がって赤貝の旨味を満喫しました。

⑪金目鯛 和芥子

火入れが素晴らしくて舌が震える
皮目から漂う香りも身肉の脂質も
見事な調和に見る火入れの巧みさ

金目は脂質成分が豊かなお魚にて
身質が少しプヨッとしており緩い
また香りも薄い魚ですから仕込で
締めたり皮目に炙りを入れる事で
香りも身質も格段に良くなります。

その点を熟知されての火入れの技
ほんのり温められて塩締めされて
身がキュッと唸っており皮目から
フワンと良い匂ひが漂ってます。

皮も身質も嫋やかに肉感が漲って
これぞ金目の醍醐味かと舌が喜ぶ

咀嚼し続けていると

生暖かい肉肌が生き生きとしてて
妖艶とも感じる肉質感が膨らんで
舎利にもピタッと寄り添いながら
完成度を高めておりました。

艶かしくしっとりとした身質感を
残しつつ金目の持ち味を最大限に
活かし切り舎利と一体化し旨味が
口内に満ち溢れる一貫でした。

⑫車海老

すぎた大将握る一貫を頂いてると
鮨ネタ達の座り心地の良さに驚く
ネタとシャリ玉のバランスも然り
温度感から握られた米粒との距離
そのエアリーな舌触りや歯触りの
完成度の高さに唸ってしまいます。

素直に咀嚼してて感じます感激は
味覚のトーンに起承転結が生まれ
それらが巧みに作用し乍ら絶妙な
美味が芽生えて来て舎利と一緒に
噛み合いながら味わいが育まれて
そしてス〜ッと全てが消えて行く
其処に無限大の儚さと愛おしさを
感じてしまう一貫が完成されてる
そんな事をしみじみ感じて頂いた
車海老の握りでした。

車海老のプリプリ感や温感も全て
上手に調和が取れてお口の中では
スムーズに甘味と身質の潔い食感
絡み合い乍ら進む妙味を謳歌して
舌を喜ばせておりました。

⑬北紫海胆

すぎたさんのコース構成の特徴として
感じますのは軍艦のカタチが少ない、
若しくは使われない事が多い様です。
此方の北紫海胆も軍艦ではなく握りで
ご用意が有り一目見て釘付けとなる程
その美しいフォルムに見惚れて仕舞う

何かこの芸術品を壊すのかと思ったら
少し咀嚼が怯んでしまいそうになって
勇気を出して一気に北紫の握りを頂く

んん〜、コレは唸っちゃうしか無いか

トロンと人肌の温感で自然に蕩け出し
めちゃくちゃ甘美な佇まいでストンと
舌に落ちて来ます。
気品漂う甘い海胆の佇まいに感銘です。

濃厚珍味が舌に着地して冷感が一面に
広がり舎利が海胆と完全に同調しつつ
打ち解けてトロ〜リ優雅に踊ります。

海胆自体は滅茶苦茶クリーミィに蕩け
まるで生クリームのような円やかさと
舎利の乳化からの甘味とが重なり合い
お口が幸せでいっぱいになりました。

⑭お椀

浜名湖の浅蜊が潮汁の如く膨よかさを
携えて浅蜊のうま味が吸い地に写って
奥様手製の名作が舌をホッと安堵感を
広げております。
うま味と滋味深さが同居する吸い地の
奥ゆかしさに誘われてほっこりします。
お口を素直に癒してくれる嬉しい汁物。

⑮穴子 煮詰め

すぎた大将の自然なお考えによる所か
はたまた深謀遠慮なのかは計り知れず
お摘みでは穴子の白子焼きで持ち味を
目一杯堪能させて頂いた事を思い出す。
白子焼きが伏線ともなっていたのかと
この煮詰めの穴子を頂いた時には実に
頭の中で白子焼きが蘇って参りました。
白子焼きのジワリと忍び寄る底味から
この甘美に佇む煮詰めが纏う穴子まで
計算され尽くされてるのか、若しくは
自然体で穴子と言う素材を慈しんでの
コース構成となっているのかと感じる
その辺がさり気無く普通に料理として
運ばれるので食べ手側には感嘆を呼ぶ

それにしてもこの穴子の出来栄えは
流石に咀嚼が優しくて堪らんですゥ
飲んじゃって良いですかの穴子だな
と強く感じて仕舞う
それくらいお口の中での解ける様が
スムーズで滑らかに流れて行きます。

穴子の蒸し加減も流石に天下一品の
仕上がりにて一度咀嚼し始めますと
忽ちの内に穴子の身が軽やかに解け
ホロホロにお口の中でフワリと粉と
なって口溶けしちゃう故の飲む穴子

その瞬間に香る詰めの耽美な香りと
舌を甘えさせる味わいの奥ゆかしさ
舌が呆然となりクラッと揺れながら
舌触り感がサラサラと流れるのには
ホント感心して仕舞います。
穴子の優しいカステラ的身質を纏う
煮詰めの甘味の濃度とのバランスが
見事に均衡していて完全に舎利とも
一体化しており正に味覚が三位一体
咀嚼すればする程至福の余韻を残し
穴子の握りが消えて行く儚さこそが
記憶に鮮明に残る名作となりました。

⑯玉

鮫の擂り身で玉子の身を繋いで
芝海老と山芋を合わせた卵焼き
素晴らしくフワッとした食感と
ほんのり舌触りがもっちり感も
漂うカステラ質の卵焼きです。

卵焼きの皮目の狐色がとても均一にて
卵の気泡が詰まっているにも関わらず
程良いエアリー感が留まってふんわり
この完成度の高さと卵質感の品格には
驚きを禁じ得ない一品となってました。

⑰追加

カッパ
トロ鉄火
ヒモきゅう

最後はスッキリ巻物を頂いて終了。
特に赤貝のヒモと胡瓜の細巻きは
ヒモのうま味と胡瓜の瑞々しさと
ピッタリ調和し味が膨らんで美味。
この時期だけのスペシャリテだと
痛感してしまいました。

本日も
お客様の笑顔溢れる和やかな空気感が佇み
至福のひと時を過ごせた事に感謝の念しか
有りません。
末長く気長にお付き合い頂きたい名店です。

  • 日本橋蛎殻町 すぎた -
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2022/11訪問10回目

5.0

  • 料理・味5.0
  • サービス5.0
  • 雰囲気5.0
  • CP5.0
  • 酒・ドリンク4.8
¥40,000~¥49,9991人

至高のお摘みが堪らなく酒を欲し至福の握りがお酒とハーモナイズしつつ酩酊する口福感に浸る

◆2022.11.3(木)昼餉

◆お料理 お任せ¥33,000税込
お飲み物追加税サ含むお会計¥45,500

◆予約:予約受付日のお電話にて

〜〜〜お摘み〜〜〜

❶お通し:銀杏塩焼き

殻を半分剥いて塩焼きされた銀杏
程良く振られた塩味と銀杏の苦味
温かい銀杏を齧るとホクッとする
柔らかく芯が有り甘苦さと塩味が
口内で味わい深く同調してくれる
この一皿でワクワク感で高揚する

❷皮剥 肝醤油 大分

付け台に置かれた皮剥一枚の透明感
可憐に佇む美しさに見惚れてしまう。

素敵な皮剥の切り身はキラキラ輝き
小鉢にポチャッとご用意の肝醤油を
白銀に輝く皮剥の切り身でクルリと
包み折り畳んでからお口の中にポン
そいつを咀嚼すると皮剥がシコシコ
柔らかそうに優しくしなる身の肉肌
肝と和えられたコク深さ感じる醤油
口内での調理が気持ち良く進む味覚
切り身の淡白な旨味と肝醤油の珍味
其れ等の味わいがハーモナイズして
咀嚼するに従い完成して行く楽しさ
三位一体化した美味が舌を震わせる

咀嚼し終わると皮剥一枚から鮮烈な
余韻が後を引きその味わいを残して
暫し口内を探りながら余韻に浸って
心地良い後味を満喫しておりました。

❸気仙沼 鰹 漬け

鰹は塩締めしてから少し塩を抜いて
煮切醤油に漬け込んだ鰹になります。
鰹の天には浅葱を叩いて添えてます。

此の鰹は大人しそうに静かに座して
鉄分旺盛に血合いの色がテカテカと
表面を光らせて舌を欲を誘うように
艶めかしい色合いを曝け出している。

先の皮剥と合わせて❷〜❸は一緒に
カウンター上に揃えてのご用意です。
故に連チャンで舌をその官能美が伴う
旨味で舌を悩まし続け舌触りも抜群に
鰹の艶かしい味覚が口内に満ちて行く

こんな美味しい奴が連チャンで届いて
つい、堪らなくなり酒が無いと無理ぃ
となり冷たい吟醸酒を所望する羽目に
更に
mogmogを重ねますとしなやに唸って
身質が舌にピタッと抱きついて来ます。
もう堪らん感じに高揚感が湧き上がり
何と言っても鰹から滲み出る芳醇さが
口内に飛散して鼻から抜けて行きつつ
快い匂ひがフゥ〜ッと自然に流れます。

そしてじっくりと鰹の咀嚼を楽しんで
その艶めかしいお肌の肉感に溺れ乍ら
奥の方から浅葱の味がツンと突っ張り
刺激的な風味を走らせておりました。
この浅葱が鰹の旨味の輪郭をくっきり
浮かび上がらせて鰹の美味しさを更に
引き立てておりました。
舌が唸りっ放しとなった名作達でした。

❹仙鳳趾の生牡蠣 生姜おろし和え

小皿の上には二つの瑞々しくも
悩ましげにぷよぷよッと揺れて
ツルンツルンの滑り感を見せて
生姜おろしを添えて座ってます。
もう、見るからに相当な大きさ
圧巻の牡蠣の眺めでも有ります。

流石は仙鳳趾の生牡蠣かと感嘆
見るからに美味そうで凛々しく
生牡蠣が微笑みかけて来てます。

その大きなサイズの物が二つも
小皿上にご用意頂いてますので
1個目をパクンと口に放り投げ
生姜おろしと共に雪崩を打って
牡蠣が舌におり勢い良く落ちて
ツル〜ンと舌をなめらかに滑り
ムニュ〜ッと牡蠣の身肉が唸り
生姜の刺激と香りがほんのりと
香る中に牡蠣から極上の珍味が
ジューシィに繰り出され続けて
口内は興奮の坩堝と化して行く

咀嚼を進めてる内に食感全部が
ミックスアップしてトロトロ〜
ツルツル〜ンやプチュゥンって
牡蠣の旨味エキスがお汁となり
ジュワンと零れて来るのですよ。
とても新鮮で無垢な旨味エキス
鮮烈な食感と共に潤いが豊潤に
口内を快感で満たして行きます。

咀嚼感が抜群でプヨッと牡蠣の
身肉が揺れて歯をふんわり包む
此の儘牡蠣を抱き締めたくなる
身がジュッと唸り続け汁が滴る

もう、歓喜に満ち溢れています。
ツルリと滑って口溶けする快感
味覚が途轍もなくピュアなのに
心を鷲掴みされて感銘しっ放し

極まる牡蠣味覚の旨味と快感が
押し寄せ得も言われぬ美味さで
舌が舞い上がり陶酔してしまう

この逸品の鮮烈さに驚愕します。
こんなに素直に澄んだ味を放つ
牡蠣に出逢えた事に感謝です。

❺〆鯖大葉浅葱ガリの海苔巻き

此方の〆鯖の巻物だけは何時も頂きたいと
心底渇望したくなる巻物かと思います。

〆鯖の身がキュッと引き締まってて身厚な
身肉がグッと迫り来る鮮やかな巻物が二つ
綺麗に鯖の身が大葉に混じって渦を巻いて
付け台の上に佇んでおりお口を待ってます。
そいつをポンと一個目をお口に放り込んで
ムシャムシャッと食い付くんで有りますよ。
お、ウホッて感じで鯖の引き締まった肉が
キュンと爽快に伸びて来て同時進行される
食感も爽やかなガリがピシッと味を締める
香味野菜感丸出しの大葉と浅葱が心地良く
〆さばとの良好な相性を展開して来ますね。
この〆鯖の巻物を咀嚼して飲み込んだ後に
ゆっくりと芽生えてくる爽やかな余韻にも
浸りつつ満足感を十分噛み締めて居ました。

❻雲子 紅葉おろし ポン酢

鮮度抜群に頭抜けてる無洗の雲子
只管冷水で雲子に洗いを掛けてる
仕込みが凄いのかも知れませんが
全然雲子に水っぽさが感じられず
まったりでプルンプルンで大きい
かつ程良い粘質感が纏う瀞け方で
舌を蠱惑の渦に惹き込む雲子です。

咀嚼すると温和なヌメリ味に包まれ
無垢で綺麗なる味覚が極まる美味さ

温かいポン酢が紅葉おろしの辛味を
添えながら柚子の香りを被せてます。
香りが気高くフワ〜ァンと漂い乍ら
頗る小気味良い食感を響かせて来る。
お出汁の滋味深い味わいに重なって
ツルツル食感との調和が自然に伸び
無垢な雑味の無い珍味たちの全てが
味覚全体を整えて来て噛み合います。
美味さと香りと心地良い食感が齎す
陶酔するひと時を頂きました。

❼鮟肝を甘く煮付けたもの 陽乃鳥

お酒をお飲みになってる方には
秋田の新政の貴醸酒 陽乃鳥を
お猪口にてご用意されてます。
鮟肝をお口に含んで頂いてから
陽乃鳥を流し込んで頂きますと
お口が幸せになると思います
とのお言葉を大将より頂きます。

鮟肝はしっとりと甘味が磨かれて
甘く煮込まれた味付けでの仕込み
その身綺麗な甘美さ漂う味付けに
一瞬たじろいでしまう程なのです。
山葵を山盛りで鮟肝をお口に含む
其の儘舌にポトンと落としますと
鮟肝のしっとり感が漂いトロンと
柔らかな身質が蕩けて行くに従い
粉質感旺盛に円やかさが舌を撫で
あまぁ〜く瀞みが舌に余韻を残す。
其処に陽乃鳥の甘酸っぱさ淡麗に
舌触りを感じる綺麗な酒の味わい
スッと口溶け感を走らせながらも
清々しい余韻がフッと過って行き
至福のひと時の到来を感じました。

❽筋子の醤油漬け

❼〜❽をご一緒にセットでご用意
陽乃鳥でお口を濯いでネットリと
鹹味が漂う筋子が酒をまた誘って
お互いに手を繋いで共演されます。
そして酒がまた舌を筋子へと導き
この味覚ループにハマってしまい
一向に止まらなくなる魔のお摘み

此れ等珍味たちがお口の中で巡り
舌を何時迄も翻弄して隙を与えず
巧みに舌をジワジワと攻め立てて
絶え間なく魅了し続けて居ました。

❾秋カマスの幽庵焼き 胡瓜の白和え

しっかりと脂の乗った秋カマスは
皮目を炙ってジワッと脂汗が滲む
その姿が欲望唆り身質が舌を魅了

炭火でジワッと焼かれたカマスは
焼き霜風に表面パリッとして佇む

一瞬舌がたじろいでしまうほどに
幽庵地の香りの高さに戸惑いつつ
この幽庵の淡く佇む濃度の纏いに
繊細な幽庵地の味覚に現を抜かす

この幽庵地のお酒に味淋と醤油の
塩梅の均整が取れた旨味の出し方
秋カマスに浸すお時間でどれだけ
幽庵地が身質に馴染むかによって
火入れの度合いを調整しながらも
秋カマスの持ち味を引き出すかを
如実に示されております。
この幽庵地が秋カマスの身体中に
浸透しててしっぽりと地の旨味が
余計に咀嚼を唆りサクッと解ける

カマスの咀嚼を重ねて淡く旨味が
浮き出して妙味を頂いてる最中に
皮目を一緒に探ると皮に付着した
脂質がほんのりと深みのある味を
添えて旨味が軋む様に滲み出して
とても美味で甘ったるさを感じる

堪らなくて貪り尽くしたい誘惑を
抑えつつ勿体無い気持ちも芽生え
最期の一切れが惜しくなって来る
やばい秋カマスの幽庵焼きでした。

➓追加:.穴子の白焼き

白焼きの穴子のお摘みがメニューに
ある場合は個人的には食べたい中の
必須アイテムとなります。
これ程喉から舌がでてしまう程迄に
ゴクリと喉を唸らせて欲を渇望する
お摘みは無いのでは無いかと思って
純白のホックホクに焼かれた穴子の
美しいお姿に見惚れながら頂きます。

焼き穴子の純白な柔肌に
山葵をタップリ纏わせる
齧ると穴子の脂質と共に
山葵は全く利かず溶ける
更に咀嚼してると底味が
ジワリ浮き上り舌に響く
穴子小骨を一切感じない
優れた火入れの賜物かと
流石の仕込みと感じ入る

■すぎたさんの摘み

お料理全般に伺える事は
全ての一品に対して
そのサイズ感にも
箸での掴みやすさ
お口への入れ易さ
噛み心地の良さ等

食べ手側の気持ちを汲み取る配慮が
優れて統一して完成されている摘み
そのお料理に対する繊細な気配りに
感嘆の念を抱きます。
然も特別な意図的な様子が窺えない
さり気無くてそう言う事をサラッと
ご用意を整えて来ているお摘みです。
さぞや仕込みは大変なんだろうなと
お刺身も焼き物も煮物も全て同じく
どれもこれもが安定した味覚レベル
それを日々重ねてブレずに用意する
高い熟練度と訓練の結果からの実力
お摘みだけでなく握りも含めまして
チーム力を遺憾なく発揮するお料理
素晴らしい教えを頂いた気がします。

【握りの部】

①小鰭 2枚付け

陶芸家 有本空玄作の品の漆黒の付け台に
大将が最初の挨拶の一貫である小鰭の握り
小鰭を静かに佇ませ厳かにスタートします。
握りはフンワリと揺れて舎利が沈みます。

小鰭の握りはすぎた大将の代表作であり
これ程如実にお鮨と言う一品の本性まで
曝け出す作品は無いのではと感じてます。
その小鰭を見事な完成度と安定度のまま
日々提供し続ける匠の技には畏敬の念を
抱く他有りません。

小鰭のシャープな味わいと舎利との間合い
酢締め塩締めバランスの良さから来る旨味
更には身厚な小鰭の肉肉しさを重ねる妙み

その全ての味覚要素を包含した小鰭の一貫
この類い稀な握りの完成度に出逢えてこそ
此処にきて良かったとつくづく感じますね。

②墨烏賊

訳もわからないうちに自然とお口へと
咀嚼が進んでしまうすぎた大将の一貫
而してその墨烏賊はコリッと駆け抜け
食感が鋭く新鮮な儘に伸びて清々しい
鮮烈なコリコリ感が真っ先に走り抜け
潔い食感が突き抜ける舌妙の爽やかさ
この気持ちの良い咀嚼感は中々の出会
堪らないものがあります。

その潔く感じる咀嚼感に舎利が粒感を
キリッと酸味で締めて繋いで来れます。
米粒は引き締まった感じで迫って来て
舎利の静けさの中からシュッと表れて
墨烏賊の甘味がハーモナイズします。
その時に墨烏賊の甘味が咀嚼の後から
直ぐに追いかけて来るのが楽しくなる
何処迄も墨烏賊のコリッとする食感に
舎利が同調して咀嚼の心地良さを広げ
妙味を膨らませてくる素敵な一貫です。

③真鯛

美しく気品感じ淡麗なる旨味が佇む一貫
この美味しさはやはり真鯛であればこそ
舌にvividに響き渡る奥深き美味さが
其処は彼となく漂って舌を蠱惑へと誘う
更に鯛の切り身は皮目もピタリ付き添い
身と皮の両面より舎利を上品脂質が纏う

咀嚼すれば皮裏の脂質も甘く豊富に佇む
舎利の酸味が通い合い互いを邪魔せずに
酸味甘味が調和しながら舎利を巻き込み
乳化が進んで行きます。

自然にその魚体に歯が吸い込まれて行く
途端に舎利の酸味が漂い真鯛と一体化し
旨味が絶妙な快感を呼び起こし開花する
鯛は優美に甘味を舌にゆっくりと広げる
咀嚼を重ねると鯛の皮が弾け皮下膠質が
顔を覗かせ透明感溢れる滋味を膨らませ
舌を甘やかしている。

ホッと安堵する気持ちに動悸する如く
あぁ〜美味いわぁと独り言が出ちゃう

鯛の切り身を巧みに捌いて適量の厚みに
切り出され深めの飾りを入れてる握りの
完成度こそがすぎた大将の感性と胆識が
育んで来た至福の味わいなのでしょう。

④鰆

適度に身質を寝かせ柔らかく施し
藁焼きで気品溢れる香り付け施し
然も藁が大人しくて見事な匂ひで
とても奥ゆかしさを心底感じます。

鰆の身からはプリッとする食感が
ストレートに伸び脂質の膨よかな
美味しさが舌に訪れてます。
咀嚼していますと身質の上品さが
煮切りの甘味を素直に受け止めて
鰆と舎利を上手に繋いでおります。

鰆らしい膨よかさと身肉のしなやかさが
両立する味わいが口内に広がりって行き
舎利の酸味も受け止める器量の奥深さと
旨味をしっかり頂ける一貫でした。

⑤春子鯛 酢橘

杉田大将の掌から握りが離れ
可憐なフォルムが付台に佇む
身厚な切り身に漂う高き香味

堪らず春子鯛の握りを掴んで
お口に入れ舌にストンと着地
フワッと身質が静かに揺らぐ
春子鯛のふっくらとした食感
咀嚼すると舎利感が異彩放ち
肉厚なのにふわふわな身質に
舎利がピタッと寄り添い乍ら
ハラリと解けて行き旨味拡散

んん、何だろう?
この溢れんばかりの妙味の中に
ジワッと潜む肉布団の嫋やかさ
この妙味に舌を巻いて骨抜きに
されてしまう一貫でした。

⑥赤身 漬け 大間

鉄分の旺盛さをたっぷり感じる赤身は
鮪鮪しててこれぞ秋の鮪だと言ってる
舌に赤身が着地するとしっぽりと撫で
落ち着気払った肉感が舌一面に広がる
穏やかに赤身の咀嚼から酸味が程良く
口内に漂い流れて来て鉄の香り芳しく
口内を循環して鼻へと抜けて行き乍ら
余韻としての気高さを楽しめる一貫で
赤身の酸味の主張と舎利との距離間が
絶妙な迄バランスが保たれている握り

⑦中トロ 大間

脂質旺盛に溢れ返って舌を一緒に
蕩けさせてくれる中トロの仕上り
品良くトロを舎利がおんぶしてる

咀嚼してると舌に寄り添う甘美な
脂質が肌理細やかに肉肌から零れ
繊細な身質はシルキーな肌触りで
舌に抱きついて来て密着しながら
憂いを残して蕩け儚く消えて行く

香りの高さがエレガントな余韻を
残して高貴な味わいが舌を訪れる

咀嚼感がしっかり感じ取れる身肉に
舎利の酸味とトロの甘味バランスが
抜群に伸びる一貫となってました。

⑧鯵:浅葱

鯵臭さが全く皆無
魚臭い所が消える
生姜風味漂い乍ら
刻んだ浅葱が絡む
香り高き芳ばしさ
煮切り僅か忍ばせ
鯵の持ち味伸ばし
脂質豊かに浮かぶ

風味と味覚がベストマッチする鯵の握り
浅葱が鯵の旨さをグイッと引き上げてる
咀嚼するとほんのりヌルッと舌を掴んで
鯵らしさが美しく潔い旨味をシャープに
運ばれて来る美味しさが口内にとどまる
サイズ感も良くて咀嚼し易くお手頃です。
お口の中で咀嚼の速度と鯵の解けが同期
旨味が開放され舌に馴染み速度良く進む
誠に握りのバランスが整えられた美味さ
満足感に浸り暫しボウ〜ッとしてしまう
一貫なのでした。

⑨小樽の蝦蛄

蝦蛄は重厚感を携え肉厚な生身
じっくりと茹で上げられた蝦蛄
自らの煮汁でその身を洗わせて
蝦蛄の持ち味が滲む旨味を深く
掘り下げて咀嚼を重ねていると
蝦蛄自身の味が奥行きを広げて
とても興味深い味覚に伸びます。

蝦蛄を蝦蛄のエキスで幾重にも
オブラートしてるのでしょうね。

咀嚼した時の歯応えもプリンと
可愛く跳ねて少し歯に絡み乍ら
弾ける感じが進んで行き楽しい
mogmogしている時の弾力感が
独特な印象で蝦蛄がまったりと
舌を圧迫して追いかける感じで
身厚な蝦蛄の肉肌が舎利を誘い
蝦蛄の身がポロポロと弾けつつ
舎利を巻き込んで一体化してる
舎利の酸味と蝦蛄の甘味が交流
舎利の乳化が進むにつれ蝦蛄も
舎利と一緒に解けて行き最後に
フゥ〜ッと奥ゆかしくも妙味を
舌に印象付けて跡形もなく消滅
名残惜しさが綺麗な余韻となり
脳裏に刻まれて行く一貫でした。

⑩イクラ 軍艦

何時も感じていることの一つに
すぎた大将のイクラ軍艦の輝き
一際明るく煌めいてる様に思う
私の錯覚なのかも知れませんが
咀嚼すると此れも薄皮なんかの
プチンと言う弾ける事が無くて
寡黙なくらいに静かにイクラが
プチュッと柔らかく潰れてから
ジューシィにイクラのエキスが
舎利と一緒にトロ〜ンと蕩けて
来るだけなのです。
その流れがとても瑞々しい感じ
ホント舌で少し圧を加えただけ
それだけでプッチンとソフトに
潰れて甘美な液体が舎利を覆い
リゾット化して行き卵かけご飯
の様な甘さが舎利と一緒に解放
この耽美な味わいに海苔風味が
折り重なり絶妙な美味さに昇華
堪らなくイクラの美味が満ちる
軍艦に拍手したくなるのです。

⑪車海老

すぎた大将握る一貫を頂いてると
鮨ネタ達の座り心地の良さに驚く
ネタとシャリ玉のバランスも然り
温度感から握られた米粒との距離
そのエアリーな舌触りや歯触りの
完成度の高さに唸ってしまいます。

どうしてこう言うカタチを作られ
どの様に細工しておられるのかは
良く理解を出来てないと言うのが
本当の所です。

ただ、食べて素直に感じることは
味覚のトーンに起承転結が生まれ
それらが巧みに展開し乍ら旨味が
成長して行く過程の中での美味が
育まれてそしてスッと消えて行く
其処に無限大の儚さと愛おしさを
感じてしまう一貫が完成されてる
そんな事をしみじみ感じて頂いた
車海老の握りでした。

車海老のプリプリ感や温感も全て
上手に調和が取れてお口の中では
スムーズに甘味と身質の潔い食感
絡み合い乍ら進む妙味を謳歌して
舌を喜ばせておりました。

⑫蝦夷馬糞海胆

香り気高くスゥッと鼻に抜けて行き
匂ひ立つのは馬糞海胆の芳しき匂ひ
咀嚼すれば珍味に混沌とする甘味が
付き添いブワァンと畝る様に口内を
満たして広がりを見せます。

最近は何方様も海胆の仕入れが大変な中
斯様に貴重な馬糞海胆をご用意して頂く
大将の心意気に感謝の気持ちでいっぱい
になります。
馬糞雲丹の握りをストンと舌に落とす
瞬時に広がる冷感から爽快な味が拡散
甘味と馬糞海胆の珍味を満喫致します。
あっという間に舌一面に広がる珍味は
全く雑味の無い馬糞雲丹の美味しさで
蝦夷馬糞独特の香りとコク深い味わい
軍艦のお海苔が磯風味を優しく纏って
それらの味覚が全て同調しながら舌を
撫でて行き人肌温感でどんどん蕩けて
そのひと時に感じる無限大の珍味には
陶酔感が芽生え幸せ気分に浸り切って
嬉しくなり至福のひと時を頂きました。

⑬お椀

浜名湖の浅蜊から膨よかなうま味漂う椀盛
奥様手製の名作は穏やかに和みが舌に訪れ
舌を癒して止まないピュアなうま味が通う
心地良く響く香りと共に潮汁の味覚が舌に
ジンワリ染み入って来ます。
浅蜊のプックリと膨らむ身質の豊かな味わい
甘辛の塩梅が舌妙に整えられた味わいでした。

⑭穴子 詰め

飲める穴子だなぁと常々感じてます。
それくらいお口の中での解ける様が
スムーズで滑らかに流れて行きます。

その滑らかさを追いかける様にして
煮詰めの甘美な香りに釣られる舎利
柔らかく淡く蒸された穴子の身質と
蒸し穴子に最適の甘さの煮詰め仕様
質感も味覚も触覚も整え方を調和し
肌理細やかな配慮が纏う煮穴子一貫

穴子の蒸し加減も流石に天下一品の
仕上がりにて一度咀嚼し始めますと
忽ちの内に穴子の身が軽やかに解け
ホロホロにお口の中でフワリと粉と
なって口溶けしちゃう故の飲む穴子
その瞬間に香る詰めの耽美な香りと
舌を甘えさせる味わいの奥ゆかしさ
舌が呆然となりクラッと揺れながら
舌触り感がサラサラと流れて行くの
詰めの濃厚な甘味が優しく追いかけ
至福の余韻を残して消える儚さには
この一貫に願掛けしたくなる思いが
募りました。

⑮玉

卵焼きが素晴らし過ぎたのすぎたなのです。
皮目の狐色がとても均一な色合いに染まり
微塵も欠けるところ等の無い完成度の高さ
この普遍的な均一性には驚きを禁じ得ない
バランス感覚に秀でた完成品に感銘します。

名実ともに日本一の名店の玉の佇まい
すなわち王様の作った玉であります。
而してこの玉を頂いて末長く続く事を
心より願う次第でお店を跡にしました。

  • 日本橋蛎殻町 すぎた -
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2022/07訪問9回目

5.0

  • 料理・味5.0
  • サービス4.9
  • 雰囲気4.9
  • CP5.0
  • 酒・ドリンク4.8
¥40,000~¥49,9991人

一貫の精緻かつ完成度の高さに脱帽する

◆2022.7.15(金)昼餉

◆お料理 お任せ¥33,000税込
お飲み物追加税サ含むお会計¥40,500

◆予約:ご常連様にお招き頂きました。

〜〜〜お摘み〜〜〜

❶枝豆

季節に相応しいビールの似合うお摘み
本日みたいにぼんやり外気が涼しい日には
優しく温度感を添えて
塩気を穏やかに振ってやる気配りが
細やかな枝豆さんなのです。
お手元に届いた時の温感が絶妙で
お客さまが揃うお時間に合わせて
茹でていらっしゃるのでしょう。

すぎたさんのお摘みの類いは
全てが絶妙なタイミングで饗される
更に辛すぎず甘過ぎず程良い鹹味と淡味が
行き交う妙味が酒を煽りたくなるのです。

誠に罪作りなお摘みたちが
此れからご登場するのかと思いますと
ワクワクが止まらず
年寄りの心の臓を弄ばれてしまうのです。

❷蛸 佐島
❸真子鰈 えんがわ 宮城

○塩
○醤油
○山葵

お摘み2品目は
恒例通り2種類のお摘みがセットで
付け台にご用意されます。
一つ目は
佐島の蛸をシンプルに塩茹でしただけのもの
二つ目は
宮城の真子鰈です。

蛸は山葵を乗せて塩を少し振って頂くと
宜しいかと
真子鰈は塩山葵または山葵醤油のどちらでも
お好みに合わせてお召し上がり下さいとの仰せ

この茹で蛸が絶品なんだなぁ
茹で加減と言いますか
塩加減なのか
一口パクッと噛んでみますと
メチャめちゃ弾力感に優れていて
蛸の芯がプリッとしていて
吸盤周りはふわふわに揺れてるのです。
吸盤周りのプルプル感が揺れて
めちゃ楽しい食感なのです。

先ずこの食感のコントラストに
やられちゃいますね。
なので噛むとめっちゃ気持ち良くて
蛸の旨味がジュゥッと滲んできます。
その滲んでくるエキスから底味が
湧き上がるんですよ
此れは堪らんですね。
然も淡ぁく舌に染み込んでくる
蛸の身質全体から滲むんです。
普通表面ぐらいからしか
浮き上がらないのに
蛸を噛んでると芯の方からも
ジワ〜ッと底味が浮き上がります。
絶妙な美味さに舌がたじろいで仕舞いますね。
此れは天下一品の茹で蛸に感嘆致しました。

真子鰈は塩〆して寝かしてるのでしょう
程良く脱水してあり
身質がモチモチして透き通る食感が素晴らしい
真子鰈の特性を熟知してる故の
熟成感が漂い
旨味がグッと深掘りされてて
淡白な身質なのに
咀嚼しているうちに透明な旨味がジワリと
浮き上がって来るのは凄いです。
フレッシュなコリッとした若い真子鰈も
良いですが
此方のプルッとしてシコシコする身質は
大人の味覚と言う感じが致しますね。
お塩がこの熟成感に良くお似合いで
真子鰈の淡い旨味をより一層クリアに
膨らませておりました。

❹穴子の白焼き 山葵

ふっくら穴子の白焼きです。
焼き立てのホクホクです。
ピカイチの白焼き
本日の白眉かと

脂が乗ってます。
白焼きの真っ白な腹側の表面に
綺麗な脂汗が浮いてます。
その白い身質を眺めて
めちゃくちゃ食欲を唆られます。
2切れのご用意なので
一切れ目は其の儘何も付けずに
咀嚼を重ねます。
ん〜、此れは舌が唸ります。
穴子らしからぬ芳しさが口内を駆け巡り
その匂ひだけでうっとりです。
ふっくらとした身質からは
サラリとした脂質の旨味が溢れ
更にギュッと噛むと僅かに弾力して来ますが
とてもソフトに跳ねてきて
白焼きの持ち味を広げてきます。

更に
ザクッと白焼きを噛み締めると
白身の奥底から
底味がジンワリ舌に染み入って来る美味さに
驚嘆する
この底味のジワリと頂く妙味と
穴子の脂質から零れて来る旨味とが
交錯して訳が分からなくなるくらい
半端なく鮮烈な美味を演じます。

全く雑味の無いピュアな旨味に驚嘆
こんだけ綺麗に磨かれてる穴子故に
芽生える美味さと
仕込みの繊細さから来る美味さが
見事に共鳴する

而して
何処まで起承転結を奥行き深く設計してるか
知る由も有りませんが
この穴子の白焼きに対して
〆の詰めの穴子が生きて来るんです。
何と此の白焼きは〆の一貫に対する伏線と
なっているのかと一番最後に
フッと気づくんですよ。
もう脱帽ですね。

❺島根 隠岐の島 岩牡蠣
紅葉おろし ポン酢 浅葱

小鉢の底には静か乍も
凛として佇む岩牡蠣様
紅一点の鮮やかな紅葉おろしが
岩牡蠣を艶めかしく染めてる様で
欲を唆ります。

小鉢の底を箸先で掬ってやり
岩牡蠣を掴むと
其の儘お口に運びます。
冷やっとした冷感が潔く伸びて
ツルンと艶かしい肌触りが
舌を撫でて行きます。
んん、この食感の艶かしさに
呆然としちまいますね。

トロトロ〜ッと岩牡蠣がお口の中に
吸い込まれるように
ツルンツルンと滑らかに走る
咀嚼すると
プチュンと岩牡蠣の旨味エキスが
芳醇な味覚を振り撒き舌が戸惑う

すぎた特製ポン酢の酸味の纏わせ方が
とてもコク深いものにて
このポン酢を舐めてしまうと
お酒を欲してしまいます。
更には
紅葉おろしのピリッと絡んで来る刺激が
岩牡蠣の旨味にクリアな輪郭を与えており
岩牡蠣珍味がキュンと引き立つ味わい

この岩牡蠣をお口の中に含んで噛み始めると
抜群にプヨンッと牡蠣の身が震えて
歯をふんわりと抱き寄せます。
其の儘牡蠣をムギュ〜ッと抱き締めちゃうと
身がジュッと唸って旨味エキスが舌に迸る
ツルリと滑って蕩ける食感の爽快感が走る中
ピュアな牡蠣の味わいが押し寄せて
牡蠣の甘味旨味が炸裂して
得も言われぬ美味なる味わいに
陶酔仕切ってしまいます。

岩牡蠣自身の美味さにまったく雑味が無くて
牡蠣を綺麗に清らかな味わいが芽生える様
仕込まれてるのが舌で感じ取られます。
この鮮度の高さ誇る牡蠣の旨味を味わえる
機会を頂けた事に感無量。

❻平貝西京焼

西京味噌の塩辛加減が頭抜けて
激うま美味の平貝

この一品を食べたら
酒飲まずしてやってられんわ
と言う感じにしかならん。
もう、堪んないですね。
完璧に酒のアテです。
塩味
鹹味
旨味
全ての美味しいポイントが酒に
焦点を当ててしまっている
お酒飲み用の名品

❼鮟肝 陽乃鳥

秋田の新政の貴醸酒 陽乃鳥をペアリング
鮟肝をお口に含んでから
陽乃鳥を流し込んで頂くと
お口が幸せになると思います、
との教えを大将より頂きます。

鮟肝はお口に含んだ途端に
ほくっと解けて溶けて行く感じで
実に悩ましい脂質感で舌を訪れます。

陽乃鳥の甘さと鮟肝の甘味が同等のレベルで
同期して来る味わいなので
鮟肝の旨味がグッと引き立ちます。

一口鮟肝をお口に含んで
舌にポトンと落とします。
鮟肝のしっとり感と解けて行く時の
身質の円やかな質感が舌を撫でて行き
あまぁ〜い瀞みが舌を這って行き
耽美な味わいで口内を満たします。
其処に陽乃鳥の甘酸っぱく
ほんのりとフルーティで淡麗な味わいが
訪れます。

芳醇な甘さと旨味が共鳴し合う美味しさが
行き交う鮟肝と陽乃鳥との名コンビには
どんなお摘みも敵わないと思います。
名実ともに日本一の飲兵衛のお供であり
その瞬間が最高に美味しく楽しい
至福の味わいを頂きました。

❽海胆の佃煮

海胆の臭みとかが全く無くて
雑味の無さは完璧と言える佃煮
コロコロと可愛いサイズ感も素敵で
海胆の佃煮をちょびっとずつ摘んで
舌と戯れ合いながら
チビチビとお酒を嗜むのが良いんですよね。
佃煮はフワッとしてて
海胆のクリーミィな部分が残されてて
かつ
無駄な水分が飛ばされ
程良い脱水が施されて
洗練された海胆の旨味が膨らんでます。
逆に海胆っぽいベチャつき感が皆無なのが
ホントに凄い
良くもここ迄高いレベルで脱水させて
バサつかせずにしっとりした質感を保つものに
仕上げてるなと感心してしまいます。
大事に残しつつ握りが始まるまで
チビチビとお酒のアテにさせて頂きました。

❾赤睦の塩焼き おろし

参ってしまいます。
名将すぎたの焼物のレベルの高さには
ホトホト呆れてしまうと言うか
その火入れ技術の匠な技の完成度に
拍手喝采したくなるほどです。

此れぞ完璧な引き算の美学
赤睦にほんのりと塩を当てて
じっくりと火入れを施すのみ

その火入れが満遍なく全身に通ってるのが凄い
赤睦に対して火入れのムラが全く感じられず
一分の隙も無い感じに焼き上がってます。
普通、何処か偏りが生じて
部位により真鱈模様に固かったり
パサついたりする箇所が
生じるものですが
それが全く無いと言う現象に驚きます。
故に噛み応えも舌触りも
全くムラのない均一な旨味を味わえる
だから余計に美味が膨らんで
限りなく深掘りされて来る

火入れの緩急は赤睦の脂質を
何処までも無駄なく飛ばして
ジューシィな肉質感を浮き立たせ
更に適度な脱水効果で
旨味をギュッと凝縮させる
然し保水効果も維持しつつ
しっとり膨よかな身質に仕上げてる

依ってその赤睦をお口に含んだ瞬間に
身質はハラハラとナチュラルに解けて
脂質がジューシィに溢れホクホクに解ける

脂質がたっぷりに溢れているのに
嫌味のないサラッとした食感が漂う
高貴な貴婦人の如く
しゃなりしゃなりと舌に近付き
気品溢れる優雅な旨味が舞うのです。
この赤睦には耽溺してしまい
食べ切った後も綺麗な余韻に浸り
暫し呆然としておりました。

■□ 此処から握りです。□■

①小鰭

日本橋蛎殻町すぎたの代名詞 小鰭の握り
江戸前鮨の粋の良さを感じる代表作とも
言われてます。
其れもそのはず
これ程の完成度の高さ
味覚のバランスの良さを誇る一貫は
此処だけかと感じてしまいます。

大将が精魂込めて握る一貫
鮨と言う作品に対する真摯な姿勢と
熱意には畏敬の念すら抱き
その作品は既にアートの領域に
踏み込んでるものと感じます。

小鰭 光り物の代表でも有り
舎利との間合い
キュッと引き締まった肉感
浮き出る酸味 鹹味 甘味
小鰭に触れた瞬間にモチッとする食感
其れらの全ての味覚エレメントたちの
バランスの良さが至高の美味を完成させる
咀嚼を重ねてますと
肉厚な身質から芳醇な香りが押し寄せ
表面の走りに艶かしさを感じ
舎利のエアリーさと完全に一体感を
整えた小鰭の切れ味がストレートに伸びて
この一貫の潔さに感服致しまします。

そしてこの最初の一貫でグッと
すぎたワールドに惹き込まれてしまうので
有ります。

②墨烏賊 酢橘 塩

墨烏賊のコリコリ感が初々しい
外連味の無いストレートな美味さが
潔く駆け抜ける
舎利がサクッと絡み合い
墨烏賊を赤酢の酸味が纏いながら
徐々に乳化して甘味を芽生えさせる
其処に墨烏賊に添えられた酢橘塩の
アクセントが墨烏賊の甘味をクリアに
引き立てている
咀嚼を重ねていると舎利も甘味を増して来て
甘酸っぱさが後から追いかけて来て
味覚のグラデーションを楽しめる一貫でした。

③伊佐木

脂をしっかり感じる握り
夏のお魚で産卵期前の伊佐木
伊佐木が持つ天性の資質とも
重なり資質分が豊満に滲み出ている
然も
全くくどくなく爽やかな脂質感で舌を染める
伊佐木と言うお魚の性格なのか
旨味が控え目で大人しい味わい
その分赤酢の舎利の酸味が敏感に響いて
円やかな酸味を感じる
伊佐木を食べ終わってお酒を流し込むんですが
余韻が綺麗に残ってるからか
お酒が余韻に押されるように進んでしまいます。
香りが良いですね
少し寝かせてて
もっちり感が穏やかに伸びる所も好み
伊佐木の旨味を舎利に寄り添わせて
伊佐木とエアリーな舎利との間合いが抜群
握りの洗練度がめちゃ高い一貫

④真鯛

真鯛の握りを口に含んだら
舎利がフワッと膨らんで入って来た
鯛の身質もフワンと浮く感じで導入される
此れはかなり楽しい一体感です。
其の儘mogmogすると
今度はしっかり身質がしなやかさを帯びて来て
鯛の旨味が強く打ち出される
少し昆布締めされてるかの様な旨味が届く

真鯛が舎利に優しく寄り添い
舎利がピタリと付き添う
互いに相手を尊重しつつも
どんどん一体化して行き
完全に融合する
その完全体が柔らかく解けて行き
咀嚼するばするほど
淡い旨味が湧いて来て
ゴクンと飲み込んだ後の余韻が
フワァンと漂い趾を引く感じを
楽しませて頂きました。

⑤鰹 漬け 藁焼き

鰹を咀嚼すると鉄分旺盛な旨味と薫香の
マリアージュが先行
後を追いかける様に
漬けの甘味が鰹から滲み出て
舎利の酸味とハーモナイズ
薫香がさり気無く施されて
優しく燻されてるのでしょう
ほんのりと握り全体をオブラートする感じで
薫香を潜ませてる
咀嚼が進んで
今度は舎利も薫香に覆われて
舎利の酸味と薫香が調和する
更に皮目が少しザラッとして
鹹味が感じられて
其れが鰹の旨味に輪郭を与えている
メリハリが効いた旨味が泳いで
誠にめくるめく味覚の七変化に
舌が戸惑ってしまいました。

⑥真子鰈 昆布締め 酢橘

透明感に優れた淡い旨味を持つ真子鰈
その分染まりやすい性格の持ち主で
素直な身質は塩や酢で締めると
旨味が膨らむ

本日はキュッと昆布で締められており
昆布の香り鮮烈に漂い
昆布のうま味がストレートに伸びて来てる
而して
華麗に鰈が雅に舞い
素晴らしい旨味が舌を支配する

最初はしなやかな食感が先走り
後に爽やかな味わいと昆布の旨味が
ぶわんと炸裂する
かなり鮮烈な昆布の旨味が舌に浸透する

そして昆布の旨味に纏われた真子鰈は
柔らかな弾力感と身質のしなやかさが
一体感を持って広がり
艶かしい舌触りとしなる肉質感が
真子鰈の旨味の奥行きを広げて行くので
舎利との一体感も尚更高まり
精緻な味覚を作り出しているのだと感じます。

⑦中トロ

鮮烈な脂質の旨味が透き通り
舎利とのハーモニーが謳う
高貴に蕩ける味わいに感銘する一貫
その中トロは
フワッと舌に着地した途端に
お口の中でナチュラルに解けて行き
脂質が絶えず穏やかな旨味を零しつつ
ふと気がつくと舎利を脂質の渦に
巻き込んで
舎利の酸味と中トロの旨味が見事に融合
中トロの脂質の強さに合わせて
赤酢の舎利も心なしかキュッとエアリー感が
詰まって握られてる様で
この舎利との距離感の親密性に感銘しちゃう。
舎利の酸味旨味を引き出しつつ
中トロを咀嚼すると瞬く間に
舎利と馴染み合い乳化が同期して
正に味覚と
食感と
香り
が三位一体となり輪舞する
当惑する世界に惹き込まれてしまいました。

⑧どんちっち鯵 生姜 浅葱

脂質成分15%以上基準をクリアしたものだけに
与えられる「どんちっち」の称号を
冠した鯵の一貫

サッと塩締めしており
軽妙に浸透圧されてて脱水を施して
いらっしゃいます。
その分脂質感もサラリとしており
この時期に特有な脂質溢れる旨味と言う
感じではなく
舎利の酸味にさり気無く寄り添う脂質が
誠に軽やかに弾む感じで食べやすいです。
更に
此方の鯵の鮮度と言いますか
瑞々しい味わいが冴える質感で
その身綺麗で淡麗な旨味に一目惚れです。
これ程美しい洗礼を受けた鯵の味覚は
滅多に巡り会えないかなぁ
やはりすぎたさんは
全てにおいて比類なく
完成された鮮度を誇る握りを
創作し続けてます。
無垢で純真爛漫な旨味と質感が潜む一貫に
喜びの唄が聞こえて参りました。

⑨金目 炙り 和芥子

サラリとした一貫が続くのかなぁと思いきや
此処でドカンと強烈なストレートパンチを
食らいました。
この緩急の変化も素晴らしいですね。
こう言う予想を外す構成と流れが
常に飽きさせない味覚を継続させて
興奮を呼び続け満足感を高める秘訣なのでしょう

金目を咀嚼すると
脂質がジワぁ〜んと浮き上がる
金目の旨味が舌に味蕾に沁み渡る
心鷲掴みされちゃうのです
そして舎利との繊細なマッチングに溺れる
ほんのり皮目が炙られて温かみが行き交う
身質の温感が素晴らしく穏やかな甘味を
散らして来て舎利の酸味を纏う
ジュワ〜ッと滴り落ちる旨味が
舎利に浴びせかけられて
乳化がどんどん加速する
脂質旺盛な金目を諭すかの様に
天に添えられた和芥子の妙技が
程良いアクセントで旨味を刺激して
艶やかな身質の輪郭をクリアに
伸ばします。
見事な迄に荒ぶる金目の脂質を
宥めて旨味を諫めて味わいを
整えている作品で
金目のポテンシャルを引き付けた上で
ストンと舌に和やかに落とす
其れをさり気無く握られてしまう所に
凄さを感じました。

⑩車海老

海老味噌の苦味を忘れさせない
甘さとほろ苦さが同居しつつも
味わい深さと生きの良さが通い合う
車海老の一貫

穏やかな甘味と躍動感が
交錯する握りであると同時に
気品のあるプリプリ感で
お口の中を蹂躙する車海老の一貫でもあります。

プリプリンと勢いよく口内で跳ねて
やや暴れ気味なのですが
茹で具合の温感の和み方が
お行儀が良く弾む車海老です。

また、当然の如く舎利との間合いが
いい距離感で車海老と舎利が
一体感を奏でております。
不思議なくらい丁度良く舌にしっぽりと
フィットして来て
車海老の穏やかな甘味が舌に浸透しつつも
海老味噌のほろ苦さがフワッと浮き上がり
最高に食べ応え感が膨らむ一貫でした。

⑪蝦夷馬糞海胆 利尻

フォルムの美しさ
喩えようも無い美観を呈する一貫
此れぞ美術品
オレンジ色に輝く繊細な美しさ
これ程の蝦夷馬糞海胆に巡り合えるとは
何と貴重なひと時なのでしょう
味覚以上にその工芸的に完成されてるカタチに
つくづく見惚れてしまいます。
輪郭がクリアな楕円形状を作り出し
馬糞海胆と舎利のツートンカラーが
見事な配色の輝きを見せてくれます。

勇気を出して馬糞海胆の握りを
ポトンと舌に落とします。
んん、着地の途端に広がる潔い冷感
海胆の甘味が冷んやりとジワリ寄せて来ます
無茶苦茶あんま〜い
蝦夷馬糞の耽美な装いに感嘆と同時に驚愕に
値する美味さ

個性的な甘味がネットリ口溶けして
その瀞みはチーズフォンデューみたいに
トロ〜リ蕩けて
然も冷やっとした耽美な佇まいに
気絶してしまいそうです。
これ程ピュアで耽美な味覚を放つ蝦夷馬糞には
過去出会ったことが無いかもです。
兎に角
無垢で雑味の無さに驚きます。
海の色合いを全く感じないくらい
磯風味とか邪魔ものを一切排除して
海胆の甘味だけが舌に届きます。
凝縮した濃厚で気品溢れるエレガントな
甘味の至高の馬糞海胆で
素材のクオリティの高さに驚きます。
そして
その甘さが舎利にピタッと纏わりついて
咀嚼した時に蕩ける夢心地の味わいに
陶酔してしまいます。
奥床しくも謙虚な甘味に溢れる崇高な美味の
一貫に敬服致しました。

⑫お椀

浜名湖の浅蜊から膨よかなうま味が漂う
奥様手製の名品
ほっこりする潮汁が懐かしく愛着を感じる
滋味深さが同居するお椀

⑬穴子

〆の一貫となります。

今日は艶かしく滑らかに佇む穴子
質感がとても円やかに感じます。
お摘みで頂いた白焼きが目に浮かびます。

穴子の蒸し加減も流石に天下一品の仕上がり
一度咀嚼し始めますと
忽ちの内に穴子の身が軽やかに解けて
ホロホロにお口の中で崩れてるフワリ
となって口溶けしちゃいます。
その瞬間に香る詰めの耽美な香りと甘美が踊り
味わいの奥ゆかしさに誘われて
舌が呆然となりクラッと揺れてしまいます。
舌触り感がサラサラと流れて
詰めの濃厚な甘味が優しく追いかけて
来ており大満足の一貫で御座いました。

⑭玉

鮫の擂り身で繋いで
芝海老と山芋を合わせた卵焼き
素晴らしくフワッとした食感と
ほんのり舌触りがもっちり感も
漂うカステラ卵です。
皮目の狐色がとても蠱惑的な色合いで
舌を誘う美しくカタチに仕上がっております。
完成された均衡が整う食感と香りと甘味が
見事に調和する玉子焼き
日本で名実ともに一番の玉ではないでしょうか。

■--------□--------■---------□
常に高いレベルを追求し続けている真摯な
姿勢に感銘を覚えます。
故に客側の満足度は計り知れないものがあり
此処に訪問すると
一貫の精緻かつ完成度の高さに脱帽します。
この上が有るのか私如き凡人には
推し計りませんが
名人の求める所は
知り得る味覚を超えていくのでしょう。
其れがどんなものかを知りたくて
通い続けて行きたい蠱惑の衝動に
駆られてる自分も大切にしながら
通わせて頂ける誉れを頂きたいと
痛感した日でした。

  • 日本橋蛎殻町 すぎた -
  • 日本橋蛎殻町 すぎた -
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2022/06訪問8回目

5.0

  • 料理・味5.0
  • サービス4.9
  • 雰囲気4.9
  • CP5.0
  • 酒・ドリンク4.6
¥40,000~¥49,9991人

人生で至福のひと時を味わえる数少ない癒し空間

◆2022.6.23(木)昼餉

◆お料理 お任せ¥33,000税込
お飲み物追加税サ含むお会計¥44,300

◆予約:先月のお電話合戦にてGET

〜〜〜お摘み〜〜〜

❶能登の絹もずく 生姜酢

この時期に味わう絹もずくの
清涼かつ繊細な食感が堪らない
流麗に口内を泳ぐ絹もずくのヌメリ感に
舌が戸惑うくらいの心地良さに喜んでます。
能登産ならではの絹糸のような肌理細やかな
細麺の海蘊が快適に喉越しを犯します。
其処にサラッと生姜が海蘊酢と馴染んで
軽やかに爽快な刺激を散らしつつ
酸味豊かに絹海蘊が口内を駆け抜けて行きます。
ズルズル〜ッと啜ってツルツル〜ンと
食感伸ばして喉越し過ぎて行く快感は
堪りませんね。
期待値膨らむ宴の始まりに相応しい一品の
ご用意が嬉しくなります。

❷泥障烏賊 三浦半島佐島
❸真子鰈 宮城 えんがわ

○生姜醤油→泥障烏賊
○割醤油→真子鰈
○山葵

何時も感じる事なのですが
すぎたさんで頂く最初のお摘みの白身
必ず水晶体の様に透明感に輝くお刺身
其れが真子鰈であれ鮃であれ
鮮度と肢体の美しさから
目に飛び込んでくる美味しさが
研ぎ澄まされてると言う印象が強くて
常に感銘してしまいます。
然も漆黒の付け台に逆さ富士のように
綺麗に白身の影が湖面に反映してるかの如く
写されてる姿の美観に戸惑い
チョットこの景観を崩したく無いなぁと
思ってしまいますね。
特に本日は泥障烏賊に入ってる両面の飾りが
半端なく美しく珊瑚のような姿に見えます。

矢張り人間視覚効果が高いと
舌が鋭敏に反応するもので
食べる前からワクワクして
絶対美味しいヤツだと想像が膨らみます。

その鰈と泥障烏賊を
其々割醤油と生姜醤油にチョコンと浸して
頂きます。
泥障烏賊は行成モチッと身質が伸びて
咀嚼してるとどんどん口内に甘味が
溢れて来てネットリのトロンとする
甘味の新鮮さに惚れ惚れしますし
この甘さが口内に暫く残るんです。
其れがまた嬉しい美味しさで
一切れだけだとフラストレーションが
堪りそうですが
再度味わえるように二切れをご用意頂いてるので
満足度高しのお造りです。
生姜醤油の香りと甘味が程よく馴染む泥障烏賊に
対して
歯応え感の艶かしさに誘われる真子鰈です。
此方はナチュラルに割醤油で淡白な鰈の
旨味を引き出しております。
仄かに
コリコリッとして未だ未熟な感じがするも
若々しさを感じる咀嚼感が駆け抜けて行きます。

その生き生きとして瑞々しい身が
淡麗な旨味と共に潔く走り抜けて
食後に爽やかな香りと余韻を
残していきました。

❹目光の粕漬け おろし

不思議なお魚と思う
小振りながら脂質の膨よかさと
旨味の太さが感じられて
火を入れると躍動感が走る美味さが芽生える
焼き手の判断による所も大きいかも知れませんが
身が薄くて質感を中々出し難い面も有り
脂質の零し方と身質の膨よかな感じを
釣り合うように火を入れて
めちゃくちゃバランスの良い美味さが
溢れて来てます。
その脂質に溶け込んで浮き上がってくる
粕漬けの甘味にほろ酔いする風味が
舌を惑わせて悩ましい味覚に
つい、狼狽えてしまうのです。
漬けの施しも火の入れ方も
仕込みを完璧に生かす匠の技ものに
ただ呆然とする舌が取り残されて居ました。

❺鹿児島 岩牡蠣 紅葉おろし ポン酢 浅葱

小鉢の底に黙々と佇む生牡蠣様
紅一点の鮮やかな紅葉おろしが
生牡蠣をエロスの世界に誘い込んでます。

小鉢を傾けて箸先で掬ってやり
其の儘お口に放り込むと
ツルンと艶かしい肌触りで舌を撫でて
口内に滑り込んできます。

トロトロ〜ッとお口の中に自然に
吸い込まれるように
ツルンツルンと滑り込んで来ます。
咀嚼すると
プチュンと牡蠣の旨味エキスが芳醇な
味覚を振り撒き舌が恍惚となります。

橙とか含ませてるのでしょうか
特製ポン酢と思われる酸味の纏わせ方が
とてもコク深いものにて
このポン酢を舐めながら
お酒欲しくなりそうです。
更には
紅葉おろしのピリッと絡んで来る刺激が
牡蠣の旨味にクリアな輪郭を与えて
牡蠣珍味を際立たせてとても
印象深い味わいを導き出してました。

噛み締めた時の食感が素晴らしくて悩ましい
噛み心地も抜群にプヨッと牡蠣の身が
揺れて歯をふんわりと包見込んで来ます。
牡蠣をキュッと抱き締めたくなりますね。
身がジュッと鳴る
旨味エキスが舌に滴る
ツルリと滑って蕩ける食感の爽快感と
途轍もなくピュアな牡蠣の味わいが押し寄せて
牡蠣の甘味と言いますか
旨味と言いますか
得も言われぬ美味なる味わいに
陶酔仕切ってしまいます。
牡蠣自身の美味さにまったく雑味が無くて
牡蠣を綺麗に清らかな味わいが芽生える様
仕込まれてるのが舌で感じ取られます。
この鮮度の高さ誇る牡蠣の旨味を味わえる
機会を頂けて感謝です。

❻帆立の磯辺焼き

厚みのある帆立。
大将がお海苔の保温器から
板海苔を取り出して
パリッと折って帆立をクルッと巻き込み
手渡し頂きます。
咀嚼して板海苔がパリンと破砕されて
磯風味がフッと舞い上がり
磯部焼きの帆立が焦がし醤油の良い匂ひを
纏って口内から鼻に抜けて行く感じが
フワァ〜ンと漂い帆立の美味しさを後方支援
お海苔と帆立の妙味が共鳴し合い
美味しさを膨らませてます。
素材同士の持ち味を見事に繋げる
良い仕事ぶりに感銘を受けて
舌を癒してくれる帆立の一品。

❼数の子 味噌漬け

数の子の仄かに滲み出る大海原に育まれた
塩味が舌に侵食して来る
コリコリッと噛み応えを感じながら
数の子を噛み締めると
味噌漬けがジワリ染み込んだ甘味も芽生えて
甘塩っぱさを含んだ妙味が自然に膨らむ
数の子自身の持ち味を邪魔しない
綺麗な仕込みの賜物なのでしょうね
素材の持つ味覚を大切に扱ってるのが
良く分かる一品でした。

❽海胆佃煮

この一品には
ホトホト感心してしまいます
勿論
酒呑には罪作りな細工を絶妙に施した
海胆の佃煮かと思ってしまいます。

本来のメニュー構成からしますと
すぎた大将の意図としましては
お酒を飲まれる方には鮟肝と陽乃鳥の合わせ技で
飲まれない方用にこの佃煮をご用意されてます。
然しながら
酒飲みに取りましても
海胆の珍味の広げ方にこう言う乙な仕込みの
一品が有るんだなぁと感じてしまい
その奥床しくも海胆珍味を穏やかに
甘味を整えて味わい深く頂ける一品に
感嘆してしまいます。
定番の一品ですが
何時も此方の佃煮と鮟肝には
舌が唸らせられて
お酒が自然に進んでしまいます。
然も摘むのに丁度良くコロコロして
可愛いカタチとサイズ感も嬉しい。
此の儘全部を食べ切って仕舞わずに
少し取り残しておいて
チビチビとやるのに最適な佃煮さんなのです。
一気に食べてしまうなんて
勿体無さ過ぎと考えてしまうのは
私だけでしょうか。

コロッとした佃煮を一欠片摘んで噛みますと
んん、仄かに味噌風味を纏った
海胆珍味が優しく甘味と寄り添い
コク深い味わいがジワリと口内に
歩いてきます。
その佃煮の味覚グラデーションが
徐々に進んで
お酒を垂れ流しますと
それがまた楽しくて仕方無くなります。

❾赤睦の塩焼き おろし

絶句しちゃいます〜。
このふわふわ感
箸先で突けば赤睦が皮ごと
ハラリと解けて
脂質がジュワ〜ッと溢れ出し
赤睦の旨味が芳醇に口内を掻き乱します。

純白に佇む赤睦の身を一欠片頂くと
頭抜けるしっとり感
衝撃的な淡味と底味
身質の膨よかな旨味
どの味覚エレメントたちも
優雅に絡み合い
赤睦の美味なる舞が
華麗な迄に踊り続けてくれます。

此処まで赤睦のポテンシャルを
昇華させてしまう火入れの妙に脱帽して
しまいました。

➓追加 鮟肝

○陽乃鳥を合わせて

秋田の新政の貴醸酒 陽乃鳥を
ご用意頂いて
鮟肝をお口に含んでから
陽乃鳥を流し込んで頂くと
お口が幸せになると思います、
との教えを大将より頂きます。

一口鮟肝をお口に含んで
舌にポトンと落とします。
鮟肝のしっとり感と解けて行く時の
身質の円やかな質感が舌を撫でて行き
あまぁ〜い瀞みが舌に余韻を残して行きます。
其処に陽乃鳥の甘酸っぱく
ほんのりとフルーティで淡麗な味覚が
スッと鮟肝を浸して
鮟肝と一緒に口溶け感を走らせて
清々しい余韻が芽生えてきます。
その瞬間が最高に美味しく楽しく
至福の味わいを頂きました。

■□ 此処から握りです。□■

①小鰭 佐賀 2枚付け

小鰭の握りほど
これぞ江戸前の粋の良さを巧みに表現している
お鮨は無いんじゃないかと思わせる一貫でも
有ります。

この一貫を握りのスタートに添えるすぎた大将の
矜持の潔さに敬服の念を抱きます。
鮨と言う工芸品に対する敬意を感じさせて
この素敵な嗜好品を多くの方々に感動と
共感を呼び起こし続けていると言う事自体に
畏敬の念すら抱いてしまいます。

小鰭と言う素材を知り尽くしているからこその
舎利とのストレートなバランスが冴えます。
小鰭に触れた瞬間にモチッとした感じが
先走り肉感の膨よかさを感じます。
咀嚼を重ねてますと
2枚付けの厚みの芳醇な肉感が押し寄せ
表面がスベスベな走りに艶かしさを感じ
舎利のエアリーさと完全に切れ味が
一体化している握りの洗練された
美味さに驚きますと共に
キリリと立つ小鰭のシャープな肉感が舌に
染み入る様に侵食して舎利の酸味との調和が
キュッと展開する
この一貫の潔さに感銘します。
その小鰭を見事な完成度と安定度で提供し続ける
匠の技には畏敬の念を抱いてしまいます。
そしてこの最初の一貫でグッと
すぎたワールドに惹き込まれて行きます。

②伊佐木

勢いが感じられて元気が漲っている身質
鮮度の良いプリプリ感が
鮮烈に舎利の酸味を押し退けてしまう感じで
キュッと伸びて来る美味さが潜む
咀嚼の度に艶かしく捩れる身質のエロさに
舌が戸惑ってしまいます。
この仕込み、寝かせ方の深謀遠慮なのか
ホントに
お口に伊佐木を含んだ途端にプリッと
舎利を退ける塩梅でコリッと弾いて来て
サクッと噛むと其の儘今度はプヨッと歯を
沈めて来る
此れは参りましたね
伊佐木ってこんなに艶の豊かな身質だったかな?と不思議に思いつつ
食感の膨らみを楽しみながら
脂質分旺盛な伊佐木の身を堪能します。
mogmog重ねてるうちに
舎利の円やかな酸味が伊佐木の旨味と
融合している感じとなり
食べた後の余韻が長く続く一貫でした。

③鯛

程良く寝かせてありモチッとしてて
エネルギッシュな質感を抱く鯛です。
脱水状態を上手に施されてるのかと
推察しますが
身質がキュッと引き締まって
歯触り舌触りに無垢な旨味が
詰まってる質感を抱きますね。
握りを咀嚼してますと
鯛の身質がしなやかに弾力して
抜群な旨味を咀嚼感と共に
際立たせて来ます。
鯛は絶妙なバランスの中で
舎利から漂う酸味と透明な旨味とが
調和する妙味を浮き立たせていました。

④赤身 漬け

赤身のテンパを軽く1分ほど醤油漬け
繊細な漬けの赤身で鮪本来の持ち味を
ダイレクトに感じる握りです。

モッチリ身質が素直に伸びる咀嚼感の
潔さに歯が招かれて肉肌にスゥ〜ッと
吸い込まれて行きます。

鮪の酸味と旨味のハーモニー
舎利の酸味に山葵の調和
優しい漬けの甘味などが
物の見事に調和して
全部の味覚要素が一体となり
バランスの優れた味わいと香りが口内で
交錯して複雑に絡み合いながら
握りとしての味覚を整然と整えてます。
一つの完成されたカタチとしての
鮪の握りの解答が
此処に有ると感じました。

⑤春子鯛 昆布〆 酢橘 塩

昆布香る春子鯛です。
フワフワの肉感で膨よかさを感じつつも
淡白な旨味が綺麗に感じられて
其処に昆布の香りが調和して来てます。
酢橘とお塩で味を整えており
最初に咀嚼した時には爽やかな味わいが
フレッシュに飛んで来て
その後昆布の旨味を纏った春子鯛の華やかな
味わいがパァッと広がります。
この味覚のグラデーションを鮮明に感じる
味わいの移り変わりに魅了されてしまいます。
こんなに感動する春子鯛に巡り会えて
口福感でいっぱいとなりました。

⑥中トロ

鮮烈な脂質の旨味が透き通る味わいに
驚き慌てふためいた一貫
ふわふわに口の中でナチュラルに解けて
行きながら脂質が絶えず旨味を零しつつ
さり気無く気がつくと舎利を巻き込んで
舎利の酸味と中トロの旨味が
溶け合っていると言う感じの握りです。
此方の一貫もバランスの良さに驚きます。
この舎利との距離感の親密性に感銘する。
舎利の酸味旨味を引き出しつつ
中トロを咀嚼すると瞬く間に
舎利と馴染み合い乳化が同期して
正に味覚と
食感と
香りが三位一体となり
当惑の世界に惹き込まれていきました。

⑦鯵 生姜

此方の鯵の鮮度と言いますか
瑞々しい味わいと言うのか
その身綺麗で淡麗な旨味に感銘してしまいます。
これ程美しい洗礼を受けた味覚と言うのを
かつて知り得ないほど
無垢で純真爛漫な旨味と質感が潜んでます。
舌に触れた瞬間に広がる清らかな冷感と
肉質の雑味の無さは
無色透明に透き通る美味さで
逆に舎利の酸味が追いかけて味を整えてる
印象すら持ちます。
更に葱生姜を挟んであり
咀嚼して行くと
アクセントがパンチを効かしてフワリと香り
この一貫を爽やかに落ち着かせてました。

⑧鰈 昆布締め 一週間

鰈の昆布締めではありませんね。
本日は昆布を鰈で締めました一貫でご用意
しております、
メインは昆布の握りとなります様で
皆さま、よろしいでしょうか
と、すぎた対象が軽妙に冗談混じりで
観客席を沸かせております。
笑いの絶えない明るい空気感が満ちて
とても楽しい場の雰囲気が流れます。

鰈の咀嚼感から
コリコリッとして未だ未熟な感じがするも
若々しさを感じる旨味が駆け抜けて行きます。
舎利もふんわりと優しく纏う握りにて
香り
旨味
酸味たちが
絶妙にマッチングして
ずっと噛み締めていたくなる一貫でした。

⑨閖上 赤貝

久し振りに味わう閖上です。
今年は痩せていた赤貝が戻ってきてくれて
めちゃ嬉しい
舎利を優しく纏う赤貝の美しいフォルムに
うっとりしちゃいますね。

赤貝は食べ応え感たっぷりな佇まいに揺れて
綺麗な身質が舎利におんぶしております。
可愛くて蝶ネクタイみたいな美観
コリコリ感が実にストレートに
伸びて来て歯触り感が突き抜けます。

ギュッと噛んでmogmogすると
赤貝からいい香りが放たれて
口内にフワッと立ち
スゥッと静かに鼻に抜けます。

食感と味わいが華麗に舞う美味しさ
鮮度の高い赤貝だけが持つ食感は
しなやかでコリッと可愛く微笑みながら
キュッと締まった肉感に
舌が躍らされておりました。

⑩車海老

穏やかな甘味と躍動感に支配されてる握り
其れも気品のあるプリプリ感で
実に美味さがお口の中で炸裂します。

プリプリンと勢いよく口内で跳ねて
やや暴れ気味なのですが
茹で具合の温感の和み方と言うか
お行儀が良い車海老です。
この食感はチョット他には無い穏やかな
プリプリ感をが口内を充満しつつ
埋め尽くして行く感じなのが
嬉しくなります。
また、当然の如く舎利との間合いが
いい距離感で車海老と舎利が
一体感を奏でております。
不思議なくらい丁度良く舌にしっぽりと
フィットして来て
車海老の穏やかな甘味が舌に浸透しつつも
海老味噌のほろ苦さがフワッと浮き上がり
最高の満足度の高さを誇る一貫との
出逢いでした。

⑪蝦夷馬糞海胆 羅臼

無垢で雑味の無さに驚きます。
この海胆の鮮度と言い
珍味以上のレベルを超える甘味が漂う
海の色合いを感じないくらい磯風味とかの
邪魔ものを一切感じられない無垢な
海胆の甘味だけが舌に訪れている
凝縮した濃厚で気品溢れるエレガントな
旨味が味わえる至高の馬糞海胆で
素材のクオリティの高さに驚きます。

拘りの仕入れ力
良い素材は何も足さない引かない
素材そのものを巧みに引き出すチカラに
優れた一貫を創出するすぎた大将の巧な技

その美味さが舎利にピタッと纏わりついて
咀嚼した時に蕩ける夢心地の味わいに
陶酔してしまいます。
奥床しくも謙虚な甘味に溢れる崇高な美味の
一貫に感服致します。

⑫お椀

浜名湖の浅蜊から膨よかなうま味が漂う
奥様手製の名品
ほっこりする潮汁が懐かしく愛着を感じる
滋味深さが同居するお椀

⑬追加:大トロ

一目惚れですね。
この美しく佇む美観にうっとり
目が暫し釘付けです。

大トロの一貫が置かれた瞬間に
握りが嫋やかな動きを見せて
フッと沈む
まるで生き物の様に呼吸を整えて
大トロの握りが蠢いて官能的な裸体が
曝け出されております。

大トロは舌に着地した途端に
甘味がネットリと絡みながら
舎利の温感が優しく大トロと
調和して行きます。
舌に抱かれた大トロの融点が
直ぐさま反応して
俄に脂質が口溶けする様に蕩け出して
奥床しくも華やかな香り立ちが鼻を突き抜け
極上の蕩け感が舎利玉を包み込みながら
旨味の渦となり舌を味覚の混沌へと誘います。
そして
大トロの妖艶なる味わいを纏った一貫が
印象的な余韻を残して跡形もなく
スッと消えて行ってしまいました。
大トロのポテンシャルと舎利の一体感が
図抜けて完成度が高く
高貴に気品漂う脂質が溢れる一貫でした。

⑭煮穴子 詰め 対馬

〆の一貫となります。

穴子の蒸し加減も流石に天下一品の仕上がり
一度咀嚼し始めますと
忽ちの内に穴子の身が軽やかに解けて
ホロホロにお口の中でフワリ、
粉となって口溶けしちゃいます。
その瞬間に香る詰めの耽美な香りと甘美を纏う
味わいの奥ゆかしさに誘われて
舌が呆然となりクラッと揺れてしまいます。
舌触り感がサラサラと流れて
詰めの濃厚な甘味が優しく追いかけて
来ておりました。

⑮玉

鮫の擂り身で繋いで
芝海老と山芋を合わせた卵焼き
素晴らしくフワッとした食感と
ほんのり舌触りがもっちり感も
漂うカステラ卵です。
皮目の狐色がとても蠱惑的な色合いで
舌を誘う美しくカタチに仕上がっております。
完成された均衡が整う食感と香りと甘味が
見事に調和する玉子焼き
日本で名実ともに一番の玉ではないでしょうか。

本日は最初から最後まで笑いが絶えず
お客様の笑顔溢れる和やかな空気感が佇み
至福のひと時を過ごせました。
此処に改めて感謝申し上げます。

  • 日本橋蛎殻町 すぎた -
  • 日本橋蛎殻町 すぎた -
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2022/05訪問7回目

5.0

  • 料理・味5.0
  • サービス4.9
  • 雰囲気4.9
  • CP5.0
  • 酒・ドリンク4.6
¥40,000~¥49,9991人

大将の人格が息吹きお店の風格が根付く 日本の鮨文化のカタチを着実にリードしている 名店。

◆2022.5.12(木)昼餉

◆お料理 お任せ¥33,000税込
お飲み物追加税サ含むお会計¥46,000

◆予約:先月のお電話合戦にてGET

◆誉れ高き評価が相応しい名店で
あるにも関わらず
決して驕ることなく常に探求を怠らず
前向きに素材を真摯に深掘りし続けて
弛まぬ精進を続けるお店
大将の人格が息吹きお店の風格が根付く
日本を代表する鮨文化のカタチを着実に
根付かせてる名人のお店と感じます。

〜〜〜お摘み〜〜〜

❶能登の絹もずく 生姜

絹もずくから始まる大将の繊細なおもてなし
この時期海蘊は確かに美味しい
土佐酢なんかで和えますと
途端に生き返った様に海蘊が生き生きする。
然しながら、通常の海蘊ではなく
能登の絹もずくをご用意してるお店は
少ないんです。
繊細な細さの海蘊の麺が
ツルツル〜ッと喉元を走り抜ける爽快感に
素直に感動する
そして今から始まる数々の美食素材に
対して心構えを律するかの様に優しく
胃を持ち上げる酸味が嬉しい。
食べやすく
飲みやすく
居心地良く
快適に喉元を過ぎ通る海蘊に
拍手したくなります。

シンプルな一品ですが
お料理のスターターとして
フルにその威力を発揮してる逸品でもあります。

❷泥障烏賊 佐島 2品が、セット
❸真子鰈 宮城 えんがわ

○生姜醤油
○割醤油
○山葵

付け台には透明感が美しく輝く真子鰈と
肌理細やかな飾りが両面に入れられた泥障烏賊

咀嚼してるとどんどん口内に甘味が
溢れて来て
生姜醤油の香りと旨味が程よく馴染む泥障烏賊

歯応え感の艶かしさに誘われて
泥障烏賊の咀嚼を進めると
ネトッと柔らか味を伸ばして来て
好感度なバランス良い泥障烏賊の
粘性が豊かに口内に充満して
甘ったるい余韻を残していきます。

また、真子鰈は
コリコリッとして未だ未熟な感じがするも
若々しさを感じる咀嚼感が駆け抜けて行きます。

その生き生きとして瑞々しい身が
淡麗な甘味と共に
ほんのりと熟成感が纏う淡白な甘味が
走り抜けてとても爽やかな余韻を
残していきました。

❹青柳の生姜醤油焼き 一味

半端なくサイズ感が広がる青柳
こんなにご立派な青柳も珍しい
生姜醤油をサラリと纏わせた上で
火入れを施しており
青柳の初々しい躍動感を穢さず
その旨味をギュッと引き出す焼き加減
焼き手の巧みさが伝わる名作となってます。
其処に一味をパラッと一振りして
お口に頂きます。
咀嚼した途端に真っ先に
ピリッと来るのが良くて
その直ぐ後を追いかけて
醤油風味香る青柳の甘味が
グンと伸びて来て口内に青柳の美味さが
満ちて来ます。

食べ応え感がどんどん膨らんで
咀嚼してる時の満足度が大きく
気がつくと心地良い余韻に囲まれてました。

❺鰹 漬け 勝浦

一度塩締めしたものを少し抜いてから
お醤油に漬け込んでる鰹の漬けです。
鰹の天にはグリーンも鮮やかに
浅葱と生姜を細かく叩いたものが
アクセントとして添えられてます。

その肢体はすぎた大将が鰹のブロックを
切り付けてスライス状に仕上げている時から
官能美を曝け出しており
まさに生唾もので見つめていました。
目の前に展開する悩ましげな姿は
血合いの色がテカテカとロゼ色に光り
堪らないほど食欲を誘って来ます。
鰹をお箸で挟んでクルッと二枚重ねにして
浅葱を包んでパクッとお口に含みます。
その美しい肢体を舐め回す様に
mogmogを重ねますと
しっとりとした身質が舌にピタッと
抱きついて来るではありませんか。
もう、堪らんですね。
咀嚼を続けてますと鰹の甘味旨味が
じわじわと膨れ上がって来ております。
何と言っても鰹の血合いの血の気の芳醇さから
滲み出る香りも味わいもしっぽり舌を捉え
その肉肌の艶々な舐め心地に
圧倒されてしまい
舌を唸らせる鰹の切り身でした。

❻小樽の子持ち蝦蛄 山葵

漬け込みしてる蝦蛄です。
コリコリ感が潔く伸びて
ジンワリと蝦蛄の旨味から
滋味深さが広がる蝦蛄

蝦蛄ってこんなに素直に地の味を
出してくるものなのかと
今更乍ら呆然と舌が
立ち尽くしてしまう作品です。

蝦蛄を極自然に素材の旨味を
漬けのチカラで膨らませて
旨味を引き出している逸品
蝦蛄の美味しさを堪能できる一品でした。

❼温かい真鯛の白子

○ポン酢
○紅葉おろし
○刻み葱

大海の恵みを紡ぐ春の珍味
真鯛の白子を頂けるとは
何とも嬉しい限りです。
春先頃から旬を迎える鯛の白子は
この時期ならではの春の味覚もの

嬉しく白子の珍味を広げてくれる一品は
鯛の白子を熟知されてるのでしょう
白子のポテンシャルを最大限に
引き出されてる仕込みの丁寧さ

その白子の珍味を美しく際立たせてるのは
ポン酢でも紅葉おろしでも無く
穏やかにオブラートを重ねた温感です。

白子の表情を見ながら
慎重に火入れされてるのだろうと推察するも
その繊細な温感の施しが有ればこその白子を
穏やかに珍味が広がるものに仕上げられてます。

その白子を齧ると
白子の表面はプリッと揺れる弾力感を放ち
クリーミィかつ円やかにプチュンと薄皮が
剥がれて蕩け出す白子の身がトロ〜ンと
口内に流れ出して
温和に伸びる珍味が舌を
悦楽の渦に巻き込んで行きました。

❽鮟肝を甘く煮付けたもの

○陽乃鳥を合わせて

お酒をお飲みになってる方には
秋田の新政の貴醸酒 陽乃鳥を
お猪口にてご用意してます。
鮟肝をお口に含んで頂いてから
陽乃鳥を流し込んで頂くと
お口が幸せになると思います、
との教えを大将より頂きます。

大将の教え通りに鮟肝に陽乃鳥を
合わせて頂きます。

一口鮟肝をお口に含んで
舌にポトンと落とします。
鮟肝のしっとり感と解けて行く時の
粉質感の円やかさが舌を撫でて行き
あまぁ〜く瀞みが舌に余韻を残す。
其処に陽乃鳥の甘酸っぱさに淡麗な
舌触りを感じる綺麗な味覚が
スッと口溶け感を走らせて
清々しい余韻に変えて行きます。
その瞬間が最高の味わいで
口福感がMAXとなる一瞬を頂きました。

❾蛍烏賊 味噌漬け

○KINOを合わせて

蛍烏賊と会話を積み重ねての味噌漬け
蛍烏賊を味噌漬けにするにしても
その風味と蛍烏賊本来のポテンシャルを
繊細かつ大胆に引き出して来てる味噌漬け
それも嫌味なく蛍烏賊に潜む旨味を
際立たせる味噌漬けとなってる事が伺えます。
丹念な仕込みあればこそ
この味噌漬けされた蛍烏賊の奥行きが
深掘りされてる美味しさが
展開してるのでしょう。
その蛍烏賊に合わせますお酒はKINOです。
プチュッと蛍烏賊が潰れて味噌漬けのコクが
口内に広がるタイミングでKINOを
流し込んでやると
爽やかに淡麗な切れ味の液体が
蛍烏賊の旨味と綺麗にマリアージュして
嬉しい美味が完成されます。
この蠱惑的な味わいには
グッと胸を打つものが有りました。

➓太刀魚の塩焼き 下浦

○酢橘
○おろし

絶句!
この突き抜けて行くしっとり感
衝撃的な淡味と底味
巧みに施された脱水
身質の膨よかな旨味
皮の裏側のゼラチン質の脂質溢れる甘味

太刀魚の焼き物は
和食のお店でも鮨店でも
この時期かなり頂きますが
これ程完成度の高さを誇る焼き物は
流石と思わせる名品

一度箸を入れればハラリと崩れる身質
皮も一緒に解けるもバラ付かず
白身と一体感を持って解ける
故にお口に含んだ時に
皮の裏にへばり付いてるゼラチン質が
脂質豊かな甘味を滲ませて
淡白な憂いを含んだ白身から浮き上がる
底味の奥深い味わいと共鳴し合う
素晴らし過ぎる美味に見舞われる
もう、感動の域を超えてしまいますね。
此処まで太刀魚のポテンシャルを
昇華させてしまうとは
焼き手のレベルの高さに脱帽です。

太刀魚の雑味の無い淡味が走る
その身がホロリと解ける身質から頂く喜び
お口に運べばハラリと身が崩れて行き
解ける側から身質の淡白な旨味が
お口の中では浮かんでは儚く消えて行く
この太刀魚の焼き物との出逢いが
嬉しいひと時となりました。

此処でお摘みの追加のご用意の紹介です。

○帆立の磯辺焼き
○下足の粕漬け
○数の子の味噌漬け
○海胆の佃煮
○煮蛤
等のご紹介が有り
帆立と海胆の一品を追加して頂きました。

⓫追加 海胆の佃煮

此れもすぎた大将の名品
完璧な味覚のカタチを作り上げてる
酒飲みの為にご用意されたお酒のアテと
言っても過言では無い名作
元論、飲まれない方にも
海胆の珍味の広げ方にこう言う乙な仕込みの
一品が有るんだなぁと感じて頂くのも
嬉しい限りです。
佃煮の馬糞海胆はコロコロして可愛い姿で
小鉢に盛り付けられて登場。
コロッとした佃煮を一欠片摘んでみますと
んん、海胆珍味が優しい表情に変わり
かつ、コク深い味わいがジワリと溶け込んで
来ます。
佃煮になってますので
珍味のグラデーションが徐々に進むんです。
それがまた楽しくて酒を欲してしまうんですね。
上手に仕組んでるなぁと感嘆してしまいますね。

⓬追加 帆立の磯辺焼き

お摘みの〆は
厚みのある帆立です。
お海苔をパリパリッと噛んで
ムシャムシャと頂きます。
帆立の咀嚼を重ねると
磯部の甘味と海苔の風味が心地良く響き
サクッと帆立の繊維感が歯を招き入れて
食感を健やかに伸ばしながら
楽しい味覚を振りまいて来れますね。
何と言うんでしょう
心と舌が癒やしを覚える磯部焼きです。

------------------------------

此処から握りです。

①小鰭 佐賀

何時も思うのですが
小鰭と言う素材ほど鮨ネタに適しているお魚は
多分無いんじゃないかと感じてしまいます。
その小鰭を見事な完成度と安定度で提供し続ける
匠の技には畏敬の念しか有りません。
そしてこの最初の一貫でグッと
すぎたワールドに惹き込まれてしまいます。

小鰭のシャープな味わいには感銘しか無く
酢締め塩締めのバランスが良くて
この身厚な小鰭の肉肉しい部分を
切れ味の良さが迸る美味さに惚れ惚れして
仕舞います。
その小鰭を舎利玉がバランス良く
縁の下の力持ちを発揮します。
握りの完成度において
この大将の右に出る方は居ないでしょう。

最初から興奮してしまって
此れは後が大変です。
少し自分の舌を落ち着かせねばと
お茶をゆるりと飲んで冷静にします。

小鰭は肉質感が高揚するほど美味い!
ダイナミックとも言えるストレートに
伸びる小鰭の切れ味
小鰭の美味さで舎利が甘く感じられる
舎利とのフィット感も素晴らしく伸びて
素晴らし過ぎるスタートの一貫。

②真鯛

2番手に真鯛のご用意です。
この構成の流れが
用意周到に計られてるなぁと感じる一貫に
なっております。
この辺りは経験値に裏付けされた巧みな流れを
作り出されてるのでしょう。

小鰭のシャープな一貫のスタートの後に
フッと気が付けば
落ち着いたゆとりの旨味が膨らむ真鯛の握り
此れは嬉しい
舌がフゥ〜ッと一息付いて
真鯛と舎利の一体感に
宥められてる気が致します。
咀嚼してますと
舎利玉の一粒一粒が
厳かに落ち着き払って
真鯛をしっかり受け止めてると感じる一貫

鮮魚の中でもやはり真鯛は王様
特に激流に鍛えられた身質のしなやかさは
抜群な旨味を含み咀嚼感と共に
舌を唸らせるもの
その真鯛を程よく熟れさせて
しっとりとする舌触りに
舎利のクリアーな粒感が
抜群の距離感で舌に迫って来ます。
この絶妙なバランスの中で
舎利から漂う酸味と真鯛の透明な旨味が
一体化した味わい深き一貫を頂きました。

③鰆

鰆の握りをパクッとお口に放り込む
咀嚼すると
鰆の濃厚な味わいに
少しムチッとした弾力する食感が広がる
此れぞ鰆の真骨頂そのものと共感しちゃう
程良く寝かしてある故か
噛み始めた瞬間からトロッと蕩ける脂質感が
全面に押し出されて来て
よく乗ってる脂の旨味が溢れ返ります。
ホント、鰆って良い味を出して来ますよね
舎利の酸味が鰆の旨味を追いかけて来て
舎利とのバランスがとても良く整えられてる
一貫でした。
この辺の握りの締め加減と言いますか
舎利とネタの間合いの良さかと思いますが
舎利の圧迫感と空気感の絶妙な間隔と
鰆の鮨ネタとしての味覚の共鳴が
素晴らし過ぎて
んん、と唸ってしまうんですよね。
流石で御座います。

④本ミル貝

ミル貝の水管部分を綺麗に仕込んで
とても繊細な滑らかさを引き出して
ミル貝の美味さを際立たせてる一貫
舎利とのコントラストが生き生きしてるの
噛むとグニュッと圧迫されて
仄かに反発する感じが素敵で
優雅にミル貝が舎利を同伴して踊ります。
踊り子の舞がリズミカルに咀嚼を促して
瑞々しい旨味を振りまいておりました。

④赤身 漬け 那智勝浦

モッチリ身質が素直に伸びる咀嚼感の
潔さに歯が招かれて肉肌にスゥ〜ッと
吸い込まれて行く
同時に舎利がハラリと解けて勢い良く
乳化が進んで穏やかな酸味を纏い乍ら
赤身が華やか鉄の香りを振り撒きます。
気品溢れる余韻を残して
高揚感が持続する赤身の一貫でした。

⑤大トロ 那智勝浦

フォルムが美しい〜
均整が見事な美観を誇り
大トロの一貫が置かれた瞬間に
握りが嫋やかな動きを見せて
フッと沈むんです。
まるで生き物の様に呼吸を整えて
大トロの握りが蠢いて来るんです。

大トロが舌に着地した途端に
甘味がネットリと絡みながら
舎利の温感が優しく大トロと
調和して行きます。
舌に抱かれた大トロの融点が反応して
俄に脂質が口溶けする様に蕩け出して
奥床しくも華やかな香り立ちが鼻を突き
極上の蕩け感が舎利玉を包み込みながら
旨味の渦となり舌を味覚の混沌へと誘う
大トロの官能的な一貫が印象的な余韻を
残して跡形もなくスッと消えて行きます。
大トロのポテンシャルと舎利の一体感が
図抜けて完成度が高く
かつ
高貴に気品漂う脂質が溢れる一貫でした。

⑥どんちっち 島根

鯵の脂質は一般的に平均3.5%程と言われますがどんちっち鯵は平均脂質10%以上の基準をクリアした鯵の中の鯵で
日本一の握り手すぎた大将の
小手返しによる一貫を頂けるとは
嬉しい限りです。

その鯵の一貫を咀嚼すると
先ず香りの高さに驚かされてしまう
鼻がピクンと震えてフワッと抜けて行く
咀嚼を進めると
鯵の瀞みが浮き出してきており
甘い脂質が滴り落ちて
舎利と戯れる鯵が旨味を
ジュワ〜ンと口内に満たして行きます。
舌も一緒に蕩けてしまいそうなほどに
トロトロになって快感を残して
どんちっちが消えちゃいました。

⑦子持ち槍烏賊 詰め

卵がプク〜ッとお腹を膨らませて
いっぱい詰まってる子持ち槍烏賊

カウンター向こうの板場で大将の
握るタイミングに合わせてネタを
最良の状態に仕込んでる射場さんの
手先が器用に子持ち槍烏賊の頭と尻尾を
カットして一番美味しい部位だけを
プリッと並べて整列させて行きます。
整列した槍烏賊は寸分の狂いもなく
綺麗に並んで長さも均等に揃ってます。
その均等なサイズにカットされた
子持ち槍烏賊は
大将がキュッと小手返しする舎利玉の
サイズと絶妙なサイズ感でフィットして
まるで精密機器で測ったかの如く
舎利玉が子持ち槍烏賊を丁度良く背負う。
子持ち槍烏賊の両端が少しだけはみ出て
舎利玉を慈しむ様にオブラートしてます。
こう言う光景を見ますと
さり気無いお弟子さん達の所作に
滲み出る大将との阿吽の呼吸が光ります。
チームすぎたが織りなす完成品レベルの
高さはこうして出来上がってるんだなぁと
崇高な芸術品の領域に達してるのかと
つくづく思いますね。

味醂とお酒とお醤油を合わせた甘いタレに
漬け込んでると思われる子持ち槍烏賊からは
落ち着き払った上品な甘味が
ジワァ〜ッと舌に染み入って来て
何とも言えない甘美な味わいが
広がります。

最初は子持ちの槍烏賊に詰まってる卵が
プチュプチュンと弾けてジュンと蕩ける
繊細な甘味が口内に迸って
舎利をも抱き込んで来ます。
その甘味にピタリ寄り添う様に
舎利が解けて酸味を放ちます。
そして
卵が先行して走り抜けた直後に
柔らかくクニャッと弾む槍烏賊の身質が
歯に挟まれて潰れて行く時の食感が
何とも言えない旨さで舌を唸らせます。
この魅惑の甘味には負けちゃいますね。
噛む度に
甘ったる〜い柔軟な肌触りと
噛んだ時の柔らか味が堪らなく伸びて来て
子持ち槍烏賊の握りは
プクッと膨らみを持った子持ちの甘味と
舎利が仲良く握手する美味しさで
舌一面にこってりした甘味を広げて
槍烏賊の醍醐味を満喫させてくれた一貫でした。

⑧金目鯛 炙り

火を丁寧に仕込んでると言いたくなる炙りで
焼き目を撫でてると言う感じで
金目の皮目に薄く満遍なく焼き目を付けてます。
その金目の一貫をポンとお口に放り込みます。
身質が艶かしくて旨味の熟成感が漂い
舎利と一体化した金目の握りが彷徨う

握りはぼんやりと朧気に艶かしさが漂い
不思議に思える味覚を放つ
炙られた感じが
火を金目の肢体へと奥床しく仕込んでる様で
優しく繊細に身質を穢さず
金目のしなやかな持ち味を壊さない火入れ

咀嚼してみると
なんだろう
生暖かい肉肌が生き生きとしてて妖艶とも
感じる肉質感が嫋やかに佇み
舎利にもピタッと寄り添う様にして
完成度を高めております。

艶かしくしっとりとした身質感を残しつつ
金目の旨味を最大限に活かし
舎利の温感と一緒に旨味を支え合う美味しさが
口内に満ち溢れる一貫でした。

⑨車海老

穏やかな甘味と躍動感なの
其れも気品のあるプリプリ感で
実に美味さが炸裂するのです。

プリプリンと勢いよく口内で跳ねて
やや暴れ気味なのですが
茹で具合の温感の和み方と言うか
お行儀が良い車海老なんですよ。
この食感はチョット他には無い穏やかな
プリプリ感を頂いてて
口内の空間を丁度良く埋め尽くす感じなのが
嬉しくなります。
大き過ぎず小さからずのサイズ感も素敵だし
舎利との間合いがいい距離感で車海老と舎利が
一体感を奏でて甘味と酸味が
マリアージュして来ます。

更に大将の車海老は舎利の温感が
穏やかなのも好み
どんな要領でこの温感を整えてるんだろうか
食べ手に取りましては
不思議なくらい丁度良く舌にしっぽり
来るのです。
車海老の体温の生暖かさが舌に優しく響き
海老の甘味が舌に早く馴染み
車海老の美味しさが膨らみます。
最高の満足度の高さを誇る一貫と思います。

⑩羅臼 馬糞海胆

今年の海胆は高騰したりして
未だに高値安定の様相を呈していますが
少しは落ち着いたものと見受けられます。
其れでも今季最高峰とも思える羅臼の
蝦夷馬糞海胆を揃えて頂き
価格帯の事は噯(おくび)にも出さず
さり気無い様子で馬糞雲丹の握りをご用意。
奥床しくも謙虚な所作から産まれる珍味に
感服致します。

馬糞海胆を軍艦でなくて握りと言うのも
微笑ましく嬉しい味覚が飛んで来ます。
舌の奥から甘味と珍味が訴えかけて来て
んん、と唸ってしまう。
海胆の握りがポトンと舌に着地した途端に
さり気無く冷感を飛ばして来るが
海胆に潜む濃密な旨味が顔を出して
心をギュッと鷲掴みしてしまうのです。
この華麗な珍味が踊る一貫の味覚は
脳裏に焼き付いて忘れたくない一貫と
なりました。

⑪浅蜊のお椀

浜名湖の浅蜊から膨よかなうま味が漂う
奥様手製の名作は
ほっこりする潮汁が懐かしい母の味を
思い起こさせる滋味深さ同居する椀盛
お口を素直に癒してくれて
嬉しい汁物ですね。

⑫穴子

〆の一貫となります。

塩と詰めの両方を所望致しましたら
握りのサイズを小さくしてくれて
半貫ほどの握りでご用意してくれました。
何と気の利いたサービスでしょう。
客側の気持ちを忖度して
満足度を高めて頂くおもてなしに
感動しちゃいますね。

柔らかく淡く蒸された穴子
塩と柚子の仕様と
蒸し穴子には詰めの仕様です。
質感も味覚も整え方を変えての
肌理細やかな配慮に舌が喜んでます。

穴子の蒸し加減も流石に天下一品の仕上がり
一度咀嚼し始めますと
忽ちの内に穴子の身が軽やかに解けて
ホロホロにお口の中でフワリ、
粉となって口溶けしちゃいます。
その瞬間に香る詰めの耽美な香りと甘美を纏う
味わいの奥ゆかしさに誘われて
舌が呆然となりクラッと揺れてしまいます。
舌触り感がサラサラと流れて
詰めの濃厚な甘味が優しく追いかけて来ます。

また、白焼に塩の方は
底味がジンワリと浮き上がる滋味深い
塩気が舞う一貫で
誠に和やかな身質が舌を優しく撫でて来る
焼き穴子で御座います。
締めに相応しい一貫にて
至福の余韻を残して頂きました。

⑬玉

鮫の擂り身で繋いで
芝海老と山芋を合わせた卵焼き
素晴らしくフワッとした食感と
ほんのり舌触りがもっちり感も
漂うカステラ卵です。
皮目の狐色がとても均一な色合いで
微塵も欠けるところがない。
完成された均一性と言うのか
食感と香りと甘味が三位一体となった
バランスの良さを誇る玉です。
日本一の大将が自ら手を加えた
名実ともに王様の作った玉であります。
しっとりと味わいながら最後の一口を
頂きました。

本日も
お客様の笑顔溢れる和やかな空気感が佇み
至福のひと時を過ごせた事に感謝の念しか
有りません。
末長く気長にお付き合い頂きたい名店です。

  • 日本橋蛎殻町 すぎた -
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2022/03訪問6回目

5.0

  • 料理・味5.0
  • サービス5.0
  • 雰囲気5.0
  • CP5.0
  • 酒・ドリンク-
¥40,000~¥49,9991人

丹念精緻な仕込みに呼応する達人の技量が懐の深い至高の一貫を創造する

◆2022.3.4(金)夕餉

◆お料理 お任せ¥33,000税込
お飲み物追加税サ含むお会計¥40,200

◆予約:ご常連様の代打依頼にて
至福のお席を賜りました。

〜〜〜お摘み〜〜〜

❶ひろっこのお浸し

糸削りをフワンと天に添えた
ひろっこのお浸し
春を優しく告げる涼やかな香りの旬菜
シャキシャキ感と瑞々しさの共鳴が
口当たりを健やかなる味わいに響かせる
このスタートラインに感じるもの
潔さ
清々しさ
日本橋蛎殻町すぎたと言う名店の風味を
代表する一品と感じるのです。

❷帆立 野付
❸鮃 えんがわ 勝山

❷と❸をペアでご用意

此れは舌が喜んじゃいますよ
そんな、2番手に野付の帆立
それもかなりのビッグなプレゼント
その帆立を無造作な感じで
あの名刀すぎたでスパッと二手に割る
スッと一気に帆立が裂ける
その肉片を二つも
其の儘、付け台にそっと据え置く

滑らかなぷよぷよ感が横たわり
舐め回したくなる誘惑を一所懸命に堪える
一旦、舌に落ち着けと諭すが
耐え切れない極上の旨さに負けちまいます。
如何せん、こんな鮮烈デビューを飾られては
抵抗し難く
じっくり味わう前に舌が驚いてしまい
あたふたして飲み込んじまいました。
んん、後悔先に立たずで
もっとジワッと噛み締め無いと勿体無い話と
気がつくのが遅しですね。

大将曰く
帆立も鮃も
塩締めしてるとの事ですが
塩を馴染ませてるわけではなく
軽く脱水させてる程度なのです。
故に旨味も甘味もしっかり
山葵が丁度良いくらいに甘味を引き立てます。

鮃の寝かせ方も身質の熟成感と
しっとりした舌触りのバランスの良さが目立ち
舌を艶かしくも淡麗さが浮き彫りとなる美味さ
えんがわもお供にご一緒して頂き
チョット頬っぺたニンマリしちゃいますね。

其れにしても良いピンネタを仕込んでます。
鮮度を管理するレベルの高さが
保持できてるからこその
この素晴らしい摘みたちを味わえる訳で
チームすぎたのお料理人様たちに
感謝しないとなりませんね。
皆様、ありがとうございます。

❹雲子

無洗の雲子でしょうか
此れも鮮度が図抜けてる雲子
只管冷水で洗いを掛けてるのかも知れませんが
全然雲子が水っぽくなくて
まったりと粘質感が纏う瀞け方で
舌を撫でてくれます。
雲子自体の鮮度を更に昇華させる為に
仕込んでると言う感じの淡麗さが極まる美味さ

其処に冷たいお出汁を浸して
柚子をかけて
香り気高く匂わせてて
頗る小気味良い食感と香りを
響かせて来るんです。
お出汁の旨味も
ツルツル食感も
無垢な雑味の無い珍味も全てが
冷たいお出汁のうま味と
噛み合ってるんです。
美味さ+香り+心地良い食感=陶酔感ですね。

❺穴子の茶碗蒸し

玉地のうま味に寄り添う様にして
焼き穴子が香ばしさを地に写して
気品溢れる味覚が芽生えて来るの
一番出汁に良く馴染ませて玉蒸し
長閑な甘味にピリッと効かす山椒
小気味良く玉蒸しがぷよぷよ踊る
焼き穴子が揺れ動く玉蒸しの中で
フワリ穴子の持ち味を着地させる
玉蒸しと穴子の共演が味覚を整え
舌がその妙味に頷きうっとりして
ほっこりとして落ち着きを取り戻してました。

❻鮟肝を甘く煮付けたもの 陽乃鳥

お酒をお飲みになってる方には
秋田の新政の貴醸酒 陽乃鳥を
お猪口にてご用意してます。
鮟肝をお口に含んで頂いてから
陽乃鳥を流し込んで頂くと
お口が幸せになると思います、
との教えを大将より頂きます。

鮟肝はしっとりと甘味が磨かれて
甘く浸された味付けでの仕込み
その身綺麗な甘美さに
一瞬たじろいでしまう程です。
一口鮟肝をお口に含んで
舌にポトンと落とします。
鮟肝のしっとり感と解けて行く時の
粉質感の円やかさが舌を撫でて行き
あまぁ〜く瀞みが舌に余韻を残す。
其処に陽乃鳥の甘酸っぱさに淡麗な
舌触りを感じる綺麗な味覚が
スッと口溶け感を走らせて
清々しい余韻に変えて行く
その瞬間が最高の味わいを齎してくれます。

❼牡蠣味噌漬け

どれだけ牡蠣と会話を重ねているのだろうかと
仕込みの担当の方にお尋ねしてみたいものだ。
生牡蠣を味噌漬けにするにしても
その風味と牡蠣本来のポテンシャルを
繊細かつ大胆に引き出して来る
それも嫌味なく牡蠣に秘められた旨味を
穢れなく活かし切る丁寧な洗いを施してからの
味噌漬けとなってる事が伺えます。
丹念な仕込みあればこそ
この躍動的で文句無しに魅惑が潜む味わいと
なっているのでしょう。

❽真魚鰹 幽庵焼き 胡瓜の白和え

一瞬舌がたじろいでしまうほど
幽庵地の香りの高さに戸惑う
この幽庵の淡く佇む濃度の纏わせ方に
繊細な幽庵地の仕込みを見て取れます。
すぎたさんほどのレベルになると
お摘み一つとっても半端なく手が混んでます。
手間暇かけるのは何処の鮨店でも同じですが
その手間暇の掛け方にもレベルが出て来る
この幽庵の地の酒 味淋 お醤油の割合や
真魚鰹に浸すお時間でどれだけ幽庵地が
身質に馴染むかにより火入れの度合いで
真魚鰹を地で傷めてしまうか
真魚鰹を引き出すかが如実に出て来ます。
この幽庵は正直、幽庵地が真魚鰹の身体中に
浸透してて
咀嚼してるとサクッと解ける白身に
幽庵地を帯びた真魚鰹からの味わいの
グラデーションが見事に展開しちゃうのに吃驚
白身を齧ると淡く旨味が浮き出し
皮目を一緒に頂くとコク深さが軋む様に滲み出る
皮目だけを少し剥がして舐めると
へばり付いたゼラチン質が地に染まって淡く
甘ったるい甘美な旨味を繰り出す
齧ってるとね
段々と味覚のグラデーションが進むのよ。
堪らんわ。
貪り尽くしたくなるんですが
勿体無い気持ちも芽生えて
んん、最期の一切れが惜しくなる
やばい幽庵でしたね〜。
こんなん出て来るのお鮨屋さん違反です。

此処で追加お品書きのご紹介です。

下足の粕漬けを炙ったもの
海胆の佃煮
北寄貝醤油漬け焼き
数の子味噌漬け
〆鯖大葉浅葱ガリ巻き

❾追加:〆鯖大葉浅葱ガリの海苔巻き

多種多様なお摘みたちへの渇望をセーブして
握りに進む前にお腹の余裕を考えて
〆鯖の巻物だけは外せないと思い所望。
〆鯖がキュッと引き締まってて身厚な身肉で
グッと迫る
肉感が十分に伸びて来る中に
食感も爽やかなガリに
香味野菜感丸出しの大葉と浅葱が心地良い
相性を展開して来る
この〆鯖の巻物を咀嚼してたら
松任谷由美の春よ来いが脳裏に囁き始めていた。

〜〜〜握りスタート〜〜〜

①小鰭 煮切り

陶芸家 有本空玄作の品の漆黒の付け台に
大将がご挨拶の一貫
小鰭を静かに佇ませます。
フンワリ返ってと舎利が沈みます。

小鰭と言う素材ほど鮨ネタに適しているお魚は
多分無いんじゃないかと感じてしまう
鮨に饗される為に生まれてきたようなネタでも
有ると感じてしまいます。

勿論、その場の楽しさも加わり
小鰭のシャープな味わいにも感銘
酢締め塩締めのバランスが良くて
この身厚な小鰭の肉肉しい部分を
切れ味の良さが迸る美味さに仕込み
その小鰭を舎利玉がバランス良く
縁の下の力持ちを発揮します。
握りの完成度において
この大将の右に出る方は居ないでしょう。

最初から興奮してしまって
此れは後が大変です。
少し自分の舌を落ち着かせねばと
お茶をゆるりと飲んで冷静にします。

肉質感が高揚するほど美味い!
ダイナミックとも言えるストレートに
伸びる小鰭の切れ味
小鰭の美味さで舎利が甘く感じられる
舎利とのフィット感も素晴らしく伸びる

②魴鮄 煮切り

此れはお初です。
握りで頂いた事がない未踏の領域
興味津々でそっと握りを掴んで
徐にお口の中に運びます。

成る程、こう言う味覚と食感に
結構脂も乗っており気品の有る味わいで
やや肉感が伸びてしなやかな身質は
咀嚼感が元気に反発する感じです。
その上で柔さも兼ね備えており
mogmogすると身質の噛み応えが
健やかで潔く食感が伸びる美味しさです。
程良い熟成感が佇み肉厚な旨味が
浮き上がる一貫。

③縞海老 煮切り

良い縞海老です。
こんなにトロンとしてたっけかな?と
思える程で
まるで牡丹海老の様にトロトロ〜ンと
表皮が蕩けて来て
咀嚼していますと
身質はしっかりプリンプリンに弾力感が
豊満に佇み、
食感がエロくて舌を惑わしますね。
其の儘mogmogするとヤバいよ
舎利を仲間に引きずり込んで
ジュワ〜ッと蕩ける甘美な旨味の渦の中に
舌が引き込まれちまって
食感と味覚が乱れて混沌とした味わいに
埋もれて行きました。
でも、其れが楽しい一貫でも有ります。

④鰆 煮切り

鰆の握りをパクッとお口に放り込む
咀嚼すると
鰆の濃厚な味わいにネットリとした食感が
広がる
此れぞトロ鰆の真骨頂そのものと共感
程良く寝かしてある故か
噛み始めた瞬間からトロッと蕩ける脂質感が
全面に押し出されて来て
よく乗ってる脂の旨味が溢れて返りますね
ホント、鰆って良い味を出して来ますよね
舎利の酸味が鰆の旨味を追いかけて来て
舎利とのバランスがとても良く整えられてる
一貫でした。
流石でございます。

⑤春子 昆布締め 酢橘 塩

しっとり感が半端ない

やや大きめな春子の切り身が
舎利の上にフワッとお付き合いして
軽妙に握られてます。
舎利感が他の握りとは全く異なり
肉厚なのにふわふわな身質に合わせて
舎利も柔らかくハラリと解けて行きます。

華やかな旨味があって食べ応えのする一貫で
咀嚼し続けて行く内に
満足度が高揚して堪らないです。
更には
昆布締めが良い感じで春子に昆布のうま味を
写していて
春子の旨味の輪郭を伸ばして来ています。

僅かにアクセント付けされた
塩と酢橘がほんのりと春子から浮き上がり
旨味を活かす味付けが素敵で
上品な旨味が展開して
鰆の艶かしさの後にこの春子を持って来て
柔らか味で舌を悩ましてくれる流れも
陶酔する味覚を伸ばして納得の一貫でした。

⑥中トロ 漬け 神奈川県三崎

此れはぶったまげます。
その中トロをお口に含んだ途端に激しく
味覚のグラデーションが見事なほど
鮮やかに展開する中トロで
重層的にトロの味わいがどんどん重なり合う様に
自在に変化して来ます。
脂質から迸る甘味に段階的に上昇する中で
味わう極上の旨味にうっとりです。
煮切りの甘味が赤身肉から舌に届いた後には
トロの表面に浮き出てる脂質の甘味が展開して
更に
咀嚼してる内に浮かび上がる脂質と身質が溶け合って芽生えて来る極上の旨味が重なり合う
そんな悶絶する美味なる味わいでした。

⑦大トロ 神奈川県三崎

その大トロが舌に着地した途端に
甘味がネットリ絡んで来て
ワクワクする感じが止まらない

舎利の温感が優しく大トロと調和する
舌に抱かれて人肌の温もりに融点が反応して
俄に脂質が蕩け出し
口溶けする重厚感と蕩ける爽やかさが
異次元レベルです。
奥床しくも華やかな香り立ちが鼻を突き
極上のとろけ感が舎利を包み込みながら
旨味の渦となり舌を巻き込んで行きます。
舎利の切れ味の良さとベストマッチングする
大トロの官能的な味わいに悶えまくりでした。

⑧閂 煮切り

透き通る無垢な旨味が閂の身に留まる
閂の身質のコリッとした食感にマッチするように
舎利も少し固めに握られている様で
しっかりとした食感が咀嚼する度に
閂の透明感が走る旨味が滲み出てきます。

mogmogしてると
サクッとする爽やかな旨味が舎利の温感に
支えられて交錯して溶け合って行く
その妙味が堪らない美味さを放っている一貫。

⑨金目鯛 和芥子

火入れが凄い
火入れと言う捉え方ではなくて
火を仕込むと言うことなんだと思う
身質が艶かしく旨味の熟成感が通う
なのにくっきりとはせずに
ぼんやりと朧気な嫋やかさが漂うの
此れは不思議な味覚
金目でこう言う事が可能にする火入れなの
火を金目の肢体へと奥床しく仕込んでると言う
言い方が適切なのではと感じる火入れなんです。
優しく丁寧に身を傷めない
かつ、
金目のしなやかな持ち味を壊さない様に
火を仕込んでる
素直に炙ると皮目だったり身質の繊維が
壊れて少し焦げ目がついて身が破壊されて
旨味が圧縮されると言うこともあるかと
思いますが
この金目の仕込みはレベチなのです。
もう、なんだろう
生暖かい生気が生き生きとしてる艶かしい
肉質感が佇んでいて
その身質にピタッと寄り添う様にして
舎利が返って来るの
仕込むお弟子さんの技量と
その火入れを悉く理解して握る杉田大将の力量
チームの阿吽の呼吸がこの一貫の精緻な完成度を
物語ります。
こんな金目には二度と出逢えないかも知れない。
正に白眉の貴重な一貫。

艶かしいしっとり感を残しつつ
表面には火が通り
舎利の温感と一緒に旨味を支え合う感じか
此れは炙りの技ものです。

⑩車海老 煮切り

穏やかな甘味と躍動感なの
其れも気品のあるプリプリ感で
実に美味さが炸裂するのです。

プリプリンと勢いよく口内で跳ねて
やや暴れ気味なのですが
茹で具合の温感の和み方と言うか
お行儀が良い車海老なんですよ。
この食感はチョット他には無い穏やかな
プリプリ感を頂いてて
口内の空間を丁度良く埋め尽くす感じなのが
嬉しくなるんです。
大き過ぎず小さからずのサイズ感も素敵だし
舎利との間合いがいい距離感で車海老と舎利が
一体感を奏でて甘味と酸味が
マリアージュして来る

更に大将の車海老は舎利の温感が
穏やかなのも好み
車海老の方を1.5度位高めにして
舎利の温感を控えたカタチで
味覚を整えていらっしゃる
どうやればそんな微調整が
コントロール可能なのか
分かりませんが
食べ手に取りましては
不思議なくらい丁度良く舌にしっぽり
来るのです。
車海老の体温の生暖かさが舌に優しく響き
海老の甘味が恐らくは舌に早く
馴染むので
車海老の美味しさが膨らむのでは無いかと
思います。
こんなに旨旨で満足度の高さを誇る一貫を
食べてしまうと
美味しいは正義と言われてる方が
居られますが全く同感してしまいます。

⑪蝦夷馬糞雲丹 煮切り

香り気高くスゥッと鼻に抜けて行く
パッと匂ひ立つ馬糞雲丹の芳しい匂ひ
咀嚼すれば珍味が混沌とする甘味がブワァンと
広がりを見せる

ギリギリ赤潮に被害を受けてない士別からの
ご用意と推察されます。
最近は何方様も海胆の仕入れが大変な中
斯様にご用意して頂くことに感謝の気持ちで
いっぱいになります。
その馬糞雲丹の握りをストンと舌に
落として広がる冷感の爽快な味わいを
楽しみながら
甘味と馬糞海胆の珍味を満喫致します。
それこそあっという間に舌一面に広がる珍味
全く雑味の無い馬糞雲丹の美味さ
蝦夷馬糞独特の香りとコク深い味わい
これらの味覚が全て同調しながら
舌を撫でて行き
人肌の温度でどんどん蕩けて行きます。
蕩けて行くひと時に感じる無限大の珍味に
陶酔感が芽生え
その陶酔感に浸り切ってしまいます。
舌をジッと静かに佇ませますと
舌を沈黙させている間に広がる広がる
馬糞雲丹の珍味の極み
其処に
お海苔の磯風味
舎利の適度な酸味
海胆珍味に五感の全てが吸い込まれて
至福のひと時が静かに流れておりました。

此処でいつもの様に大将が張りのあるお声で
追加のご用意のご紹介です。

みる貝
北寄貝
煮蛤
子持ち槍烏賊
墨烏賊
鮃の昆布締め

干瓢巻き
トロ鉄火巻き
カッパ巻き

お腹の具合と相談させて頂き
カッパ巻きを所望致しました。

⑫お椀

浜名湖の浅蜊から膨よかなうま味漂う椀盛
奥様手製の名作は
天下一品の和みが舌に訪れる逸品
舌を癒して止まないピュアなうま味が通う
春の香りと共に潮汁の味覚が舌にジンワリ
浅蜊のプックリと膨らむ身質の豊かな味わい
甘辛の塩梅が舌妙に整えられた味わいでした。

⑬穴子 詰め

〆の一貫となります。
煮詰めか塩か聞かれて詰めを所望
柔らかく淡く蒸された穴子
塩と柚子の仕様と
蒸し穴子には詰めの仕様で
質感も味覚も整え方を変えての
肌理細やかな配慮です。

穴子の蒸し加減も流石に天下一品の仕上がり
一度咀嚼し始めますと
忽ちの内に穴子の身が軽やかに解けて
ホロホロにお口の中でフワリ粉となって
口溶けしちゃいます。
その瞬間に香る詰めの耽美な香りと甘美を纏う
味わいの奥ゆかしさに誘われて
舌が呆然となりクラッと揺れてしまいます。
舌触り感がサラサラと流れて
詰めの濃厚な甘味が優しく追いかけて来て
至福の余韻を残して消えていきました。

⑬追加:大葉にカッパ巻き

カッパが細やかに刻まれてシャキッとした
瑞々しさが口内にパンと弾けて行き
爽快感が走り抜ける一貫
お口をスッキリ綺麗に清めてくれます。

⑭玉

卵焼きが素晴らしい
皮目の狐色がとても均一な色合いで
微塵も欠けるところがない。
完成された均一性と言うのか
バランスの良さが完成された玉です。
名実ともに日本一の名店の玉
すなわち王様の作った玉であります。
本日も
和やかな和の空気が佇んだ至福のひと時を
頂きました。
末長く続いて欲しい名店です。

  • 日本橋蛎殻町 すぎた -
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2022/01訪問5回目

5.0

  • 料理・味5.0
  • サービス5.0
  • 雰囲気5.0
  • CP5.0
  • 酒・ドリンク4.8
¥40,000~¥49,9991人

新年明けて雪化粧に佇む東京は すぎた大将の至福の鮨三昧が 満面の笑みを浮かばせる大吉を呼んでいた

◆2022.1.6(木)夕餉

◆お料理 お任せ¥33,000
お飲み物追加税サ含むお会計¥44,800

◆予約 知人のお誘いにてお席を頂きました。

新年明けて初日のすぎたさんに
お伺いしました。
大将も格別の思いなのか
いつもと違って
賑やかに和やかなひと時を頂きました。

2022年の口福紀行の旅立ちに相応しい
境地に佇まいです。
最初に新政の干支ボトルにて
振る舞い酒のサービスが有り
何時も以上に賑やか和やかな至福のひと時を頂き
大将曰く
鮨ネタは乏しく干瓢を揃えるのがやっとと
冗談混じりに会話も弾み
大将の至高の握りに舌鼓を打たせて頂く光栄を
授かり良い年になりそうな予感が芽生えました。

〜〜〜お摘み〜〜〜

❶里芋のきぬかつぎ
切り口に胡麻を散らしたものと
唐墨パウダーを振りかけたものの
2種類のご用意です。

薄皮ごと食べれてしまう優しい仕込みで
きぬかつぎのトロンとするヌメリ味に
胡麻のポロポロする食感が
面白い違和感を生んで
こう言う楽しみ方もあるんだなぁと
改めてその味わい方に興味を持ちました。
一方で
唐墨の方は塩味がゆっくりと染み渡り
里芋のヌメリ感と甘味にピッタリ合う感じで
此方はかなり印象的な味覚で舌を捉えて
とても美味しく頂きました。

この対面する両方の味わいでセットされてる
所に妙味を作り出す巧みな味わいが
芽生えるのだと感じました。
シンプルな素材で材質感をフルに上手に
さり気無く装って味を偲ばせる
流石な仕掛けに満足感高めですね。

❷穴子の茶碗蒸し

今日はかなり冷え込んで身体が
冷え切ってしまってます。
そんな思いを察してか
大将が優しくお声掛けです。
温かい茶碗蒸しで身体を温めてください、
とのお言葉で蒸し碗が手前にご用意されます。
穴子が甘く焼いてあり
プルプルと揺れるウマミ抜群の玉蒸しの中から
ニョキッと頭出してきます。
そいつをスプーンで掬い上げて
玉蒸しの甘味と焼き穴子の甘味が同調して
とっても美味しく舌が嬉しそうに微笑み
掛けておりました。
ほっこりと穏やかな甘味を味わえる蒸し物に
田酒がいい感じで寄り添いますね。

◉ぬる燗 田酒

❸利尻 鮃 山葵 醤油

えんがわもご一緒にお付き合い頂くご用意に
感謝です。
見るからに透明感溢れて
透き通るお肌がとても艶やかに輝いてます。
水晶の様に輝きを増す鮃の身に
山葵醤油を添えて一切れ頂きますと
直ちにトロッとする舌触りで解けて来て
モチッと舌に絡みついて来る感じが
悩まし気です。
少し寝かせてるかと思いますが
鮃自体の身質の鮮度がピュアで
全く雑味が無く
鮃の淡い旨味を堪能させて頂きました。
此れに田酒の温燗がピタリとハマりました。

❹氷見 鰹の漬け 地辛子

漬けの甘味に鰹の身厚な事
更に辛子が舐めてると甘味を増す

氷見の鰹を塩締めした後に
軽く醤油漬けにしてます。
鰹の天に添えてます黄色いアクセントは
地辛子で鰹の甘みをピシッとストレートに
伸ばしてかなり素敵な仕事ぶりです。

脂質はサッパリした感じの鰹で
赤身の色合いがほんのりロゼ色に染まっているのが艶かしく輝いてます。
先ず切り身のサイズ感の気前の良い事
肌合いが艶めいて見えてを欲を誘う
ポンとお口に入れて
此れは上品な鰹だと舌に触れた瞬時に
理解する
鰹の気品の良い香りがパッと口内に広がる
そして程良い甘味が淡くしっとりと
味覚を伸ばして行く。
mogmogしますと
鰹の甘味が素敵に響いて来ますね〜。
其処に地辛子がほんのりとアクセントを加えて
極上の鰹の味覚が完成してました。

❺帆立磯部焼き 塩〆 野付

大将からお海苔を帆立に巻いて手渡された時に
掌いっぱいに佇む帆立のビッグなサイズ感に
うほ〜、と唸ってしまう。
見るからに膨よかそうで
指でお海苔に巻かれた帆立を挟むと
もう、ぷにぷに弾力して
掴み心地の良い事
指先で感じる触感からコリャきっと
甘味も食感の膨よかさも相当レベルが
高いぞと妄想が先走ります。
で、ムシャムシャと齧り付いてみた。
んん、メェの
お海苔がパリィンと叫んで来て
直ぐに其の儘歯をフワンと帆立が
迎え入れてくれて
帆立の肉布団の中に吸い込まれる
その豊満な姿態からは
膨よかさ余りある甘味がお口の中でポン、
と炸裂しちゃう。
磯部焼きの醤油風味もこの甘味に輪をかけて
旨味を増幅する
齧れば齧るほど糖度が滲み出てくる感じで
ズ〜ッと齧っていたい衝動に
駆られておりました。

❻生牡蠣 兵庫室津 ポン酢 紅葉おろし 浅葱

小皿の上に3つの悩ましげな生牡蠣の個体が
ぷよぷよッとして
ポン酢に浸されて佇んでおられます。
お姿が美しくも整えられたカタチで
ツルンツルンに光っております。
本日は室津からの牡蠣のご用意。
見るからにウンマそうに此方に微笑みかけて
いるではありませんか。

3個もご用意頂いてますので
1個目をパクンとお口に放り投げてやります。
トロトロっ、ん、ツルンツルン、んん
プチュン、生牡蠣の旨味エキスが染み出し
そのお汁がジュワンと舌を攻めて来ます。
噛み心地も抜群にプヨッと牡蠣の身が
揺れて歯をふんわり包見込んで来ますよ。
牡蠣を抱き締めたくなりますね。
身がジュッと鳴る
旨味エキスが舌に滴る
ほぅ、コリャ素晴らしく鮮度の良い牡蠣です。
ツルリと滑って蕩ける食感の爽快感と
味覚が途轍もなくピュアな牡蠣の味わいが
極まり
齧った時の快感が無限大に伸びていく感じです。
牡蠣の甘味と言いますか
旨味と言いますか
得も言われぬほどの美味なる味わいに
陶酔仕切ってしまいますね。
牡蠣自身の美味さにまったく雑味が無い
恐らくは冷水で流して丁寧に洗ってるのかと
推察しますが
物の見事に
この鮮度の高さ誇る牡蠣のポテンシャルを
最大限引き出しておられます。
こんなに素直に澄んだ味を放つ牡蠣に
出逢えて感謝感激ものです。
新年早々、いい日だ。

❼雲子

冷たいお出汁に落としてのご用意です。
振り柚子を施して
プチンと舌が洗われる様な清い肌触りに
悶絶しちゃいますね。
こんなにスベスベ感が美しく触れ合い
舌が清楚な感覚で向き合うことが出来る雲子です
多分すぎたさんならではの洗い方なのか
殆ど巡り会ったことがないほどの鮮度に
感極まってしまいます。
無洗雲子としたとしても素晴らしすぎる。
ジッと暫くお口の中で佇ませたい衝動が
疼いておりました。

◉三重 作

❽鮟肝 陽乃鳥

鮟肝は甘く煮付けたもので
この煮汁の甘味の穏やかな味わいが
鮟肝の質感以上にグッと来ますよ。
この淡麗な甘さと言うのか
これ程謙虚な味わいを漂わせる甘味も
また舌への思い遣りが感じられて
仕込み担当されてる誰かさん
お名前忘れましたが
感謝の気持ちでいっぱいになります。
さて、
お酒をお飲みになってる方には
秋田の新政の貴醸酒陽乃鳥を
お猪口にてご用意してます。
鮟肝をお口に含んで頂いてから
貴醸酒を流し込んで頂くと
お口が幸せになると思います、
とのお言葉を大将より頂きます。
お達しの通りにて鮟肝を
先にお口に含みますと
鮟肝はしっとりと甘味が浮き上がり
甘く浸された味付けが穏やかに広がり
その甘味に一瞬たじろいでしまう程です。
一切れを齧り舌にポトンしますと
鮟肝のスベスベ感が舌を撫でて行き
しっとり絡んで来ます。
その甘味に山葵が一瞬ツーンといい感じに
舌を刺激して来ます。
そして陽乃鳥をキュッと含むと
淡麗な切れ味の良い甘味がサッと走り抜けて
鮟肝の甘い余韻が舌に染み染みと溶け込んできて
陽乃鳥の雫と共に
良い気分に浸ってしまいました。

◉作

❾太刀魚 塩焼 酢橘

塩味の施しが淡くて太刀魚の身から
ジワジワと舌に忍び込んで来る底味
こんなに淡くてしっとりする身質か
ホロホロに解けて戯れてくれる
あぁ、幸せな新年ですね〜。

お箸をフカフカの白身に入れて
その身を少し摘んでみます。
焼き過ぎず硬過ぎず柔らか過ぎずの
絶妙な火入れ加減の柔らかさに舌を
しっぽりと包んで抱きついて来ちゃう。
こんなんされたら堪らんわ。
太刀魚の身がホロホロに解けて
フワリと浮くような感じで白身が
崩れて行くのですが
その優しい味覚にもうっとりです。

追加メニューのご紹介へ
鯖巻き
蛸の柔らか煮
下足の粕漬け
数の子味噌漬け
牡蠣の味噌漬け

相変わらず酒のアテに持ってこいのものばかり
此処はお腹の調子も考えてグッと我慢して
鯖の巻物だけ所望。
しめ鯖がキュッと引き締まってて
海苔巻きから綺麗な酸味が零れ落ちて来た。
ガリや大葉がシャリッとして気持ちの良い
アクセントになってました。

〜〜〜握りスタート〜〜〜

①小鰭

酢締めも塩締めも仕事がキリッと小鰭の
肉感を捉えていて
咀嚼した時の突き抜ける様な爽やかさ
これこれ、この感じが中々手に入らないもの
やはりすぎたさんの小鰭は何か違うんですよね。
身質のフレッシュ感とシャープな食感が
舎利の酸味と一緒に届くんですが
舎利の方は逆にフワッとしてるので
小鰭の研ぎ澄まされた食感が余計に際立つ

小鰭の肉肌から発散される程良い酸味と
芳醇な旨味
舎利とネタとの抜群の間合いから生まれる
咀嚼感の満足度
これ程謙虚に完成された握りに出逢えて
最高の新年です。

◉勝駒 ぬる燗

②真鯛 湯引き

しっとり鯛の甘味が浮き上がる
皮目の旨味がめちゃくちゃ舌を喜ばしてます。
真鯛の活きの良さが冴える一貫ですね。
咀嚼した途端に鯛の身が
元気良くプリプリと舌に向かって跳ねて来る
さらに咀嚼して行くとジワリその身が
捩れる様に身質がトロンとして来て
艶かしくも舌をモチッとした舌触りで
撫でてて来ちゃう。
舎利玉のやや可愛いサイズ感が
真鯛にピタリ寄り添って
心地良く弾む食感が楽しくなる握りです。

③墨烏賊

飾り気のないストレートな旨味が
キュンと伸びる墨烏賊
その潔さが舌を快感に導いて行く
抜群の鮮度の良さを誇るとともに
コリコリ感を走らせて歯応え爽快
墨烏賊のフレッシュな食感を伸ばして来る
咀嚼が進んで墨烏賊を砕いて行くと
少し身質が和やかになり
ネトッとした食感が浮かび上がり
墨烏賊の甘味がジンワリと舎利の酸味と
絡み合い乍ら乳化が進んで行く
その味わいの変化で
握りの完成度の高さがグンと
膨らんでおりました。

④赤身

ロゼ色に輝く美しき肢体
眺めてるだけで欲望が沸々と湧き起こる
赤身の握りをストンと落とし口に含むと
キレの良い酸味が走り始める
mogmogを数回重ねる
舎利にピタッと馴染んでくる赤身の美味さ
脂質分もサラサラでジンワリ広がるのが良い
酸味が舎利に寄り添いつつ乳化して
赤身の醍醐味を味わさせてくれます。
鉄分の香りがフワッと香り立つ
赤身の旨味を主張して来て
グッと飲み込んだ後からも
余韻の香りが心地良く鼻腔を掠めて
この赤身の美味しさを高めてますね。
鮪の醍醐味を遺憾無く発揮して
満足度の高さを誇る一貫。

⑤中トロ

中トロって何でこんなに艶かしくも
舌を操って来るのだろうと思う
その蕩ける陶酔感に出会うために
存在するかの様に
舎利と共に佇む姿が悩ましい

咀嚼すると中トロが脂質を発散させて
ジワリと酸味を含んだ甘味が舎利に滴り落ち
鮪の身は甘味を帯びて
甘味と酸味のバランスが整えられて
味覚の両立を楽しめる一貫

その中トロをmogmogしてると
サラリと流れる脂質感がジュ〜ンと飛び出す
想像以上に酸味もサワサワ〜ッと舌一面を覆う
歓喜したくなるサラサラな酸味に惑う
酸味と甘味の透明感を素直に感じる
味わいが浮き上がり
此の儘暫くその美味に酔いしれたい
と思ってるのも束の間
あっという間に溶けて消えていきました。

⑥鰯 三枚付

驚くほど滑らかな肌触りに感銘する一貫
素晴らしい鰯の本質を具現化している握り
仕込みの丁寧さが半端無く繊細に
施されてるお仕事なのでしょう。
小骨が微塵の欠片も無く
舌触りの円やかな事
シルキーな肌触りに驚愕してしまいます。
その艶かしいほどに美しく輝く美肌は
何処までも和やかで滑らかな舌触りであり
雑味の無い無垢な鰯を実現されてます。
更に
3枚重ねの施しが鰯の旨味を長持ちさせて
mogmogする楽しさを長引かせてくれます。
しっかり鰯の醍醐味を味わえる一貫にて、
此れは鰯の握りと言うよりも
まるでお飲物の鰯でした。

◉黒龍 ニ左衛門

⑦車海老

咀嚼する度に浮き上がる甘味と
プリプリ感に狼狽えてしまう。
信じられんほどの優しいプリプリ感が纏う車海老
温度感が抜群に優れていて
茹で立て剥き立ての車海老は
舎利の温感との微妙なバランスを整えており
舎利の隙間も少し強めに空気を吸わせて
キュッと引き締まった感じのシャリ玉仕様
お口の中では車海老が暴れて
やんちゃ振り撒いてしまうが
舎利もきちんと追いついて来る所が上手に
完成度を高めてる一貫。

⑧金目鯛 和芥子

此処で金目が来るんですよね〜。
嬉しくなる感じです。
蕩ける金目です。
暫く寝かせて熟成させたものを
バッと炙られて焦げ目を皮目に施してます。
炙りの香りが鼻に抜けて行きとても素敵に
うっとりさせてくれます。
この金目も脂が乗ってて
咀嚼する度にジュッと金目の雫が
滴り落ちて来て
舎利の乳化と同調しながら
その旨味を振り撒いておりました。

⑨馬糞雲丹 握り

北海道士別の馬糞海胆
ギリギリ赤潮に被害を受けてない士別から
海胆をご用意されてます。
それでもかなりの高値のもの
最近は何方様も海胆の仕入れが大変な中
斯様にご用意して頂くことに感謝の気持ちで
いっぱいになります。
その馬糞雲丹の握りをストンと逆さに
落として広がる冷感の爽快な味わいを
楽しみながら
甘味と馬糞海胆の珍味を満喫します。
それこそあっという間に舌一面に広がる珍味
全く雑味の無い馬糞雲丹の美味さ
蝦夷馬糞独特の香りとコク深い味わい
これらの味覚が全て同調しながら
舌を撫でて行き
人肌の温度でどんどん蕩けて行きます。
蕩けて行くひと時に感じる無限大の珍味に
陶酔感が芽生え
その陶酔感に浸り切ってしまいます。
舌をジッと静かに佇ませる
舌を沈黙させている間に広がる広がる
馬糞雲丹の珍味が極まる
海苔の磯風味
舎利の適度な酸味
海胆珍味に五感の全てが吸い込まれて
至福のひと時が訪れておりました。

⑩お椀

蜆汁の和やかなお味にほっこりします。
蜆の旨味が透き通る様な美味を
お淑やかに広げます。
誠にホッとする安堵を頂くひと時です。
此処で少しお時間を頂き
穴子に進む前に追加のご紹介
大トロ
北寄貝
鰹のハラス

しめ鯖
お腹いっぱいにて穴子に進むことにしました。

⑪穴子 詰めで

塩か詰めの二択です。
詰めをチョイス致しました。
最後まで舌を飽きさせない演出に
感謝したくなります。

穴子の蒸し加減も流石と思わせます。
ホロホロにお口の中で解ける
自然にスゥ〜ッと消えて行く
穴子の身質の粉質感が滑らか
舌触り感がサラサラに流れる
詰めの濃厚な甘味が追い討ち
詰めが円やかに舌を撫で回す
握りの〆に相応しい一貫です。

⑫玉

◉帰り際にお土産のお海苔を頂きました。

  • 日本橋蛎殻町 すぎた -
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2021/11訪問4回目

5.0

  • 料理・味5.0
  • サービス5.0
  • 雰囲気5.0
  • CP5.0
  • 酒・ドリンク-
¥30,000~¥39,9991人

掛け替えの無い至福の味覚 満ち足る思いに宿る口福感 五感を超える味覚が舌を陶酔で満たしました。

◆2021.11.07(日)夕餉

◆お料理 お任せ¥28,000
お飲み物追加税サ含むお会計¥37,800

◆予約 ご常連様のお導きにより同席
勿体無い事に大将の真正面と言うアリーナ席に
招かれてしまいました。
何という誉れでしょうか
常連様のお気遣いに感謝感激です。

〜〜〜お摘み前半〜〜〜

❶銀杏塩焼き

殻ごと塩焼きされており
程良い塩味がジワリ銀杏の苦味と
同調して舌に響く銀杏です。

殻は半分剥かれており
取り出しやすい様に
お小皿に4個セットされてます。

すぎたさんの摘み類のお料理全般に
伺える事ですが
全ての一品に対して
そのサイズ感
箸の使い易さ掴みやすさ
お口への入れ易さ
噛み心地等々
食べ手側の気持ちを汲み取る配慮が
統一して完成されており
そのお料理に対する繊細な気配りに
感心します。
然も意図的な様子が窺えず
さり気無くそう言う事をサラッと
サーブして来る
非常に洗練されたお料理のレベル感に
驚きます。
此れは銀杏だけでなく
お刺身も焼き物も煮物も全て同じ要領で
窺うことが出来ます。
恐らくはここまでのレベルを達成するのに
幾度も試行錯誤を重ねて
鍛錬をお弟子さん達と重ねて
チーム力を高めてきた結果なのでしょう。
勿論すぎた大将の指導力が有ればこそですが
チームのチカラを引き出している所が
素晴らしく勉強になった気がしました。
すいません、お話それましたね。

さて、銀杏は
殻から抜いてお口に大きな一粒を頂くと
銀杏特有の香ばしさ漂うほろ苦さと
塩味とが一緒にお口の中に流れて来て
舌に良い感じで響き渡り
銀杏の柔らか味が美味しさを
お口の中に充満致しておりました。

❷皮剥 肝醤油 神奈川県永井

この皮剥の一枚の美しさ
可憐なる佇まいに魅了されます。
やはり一枚のサイズ感も
素晴らしい切り身です。
そしてゴロンと寝転んでる肝の
ブツ切り
大将のご説明を聞いて成る程と頷きます。

大将曰く
肝醤油はゴロリとブツ切りにしての
ご用意ですのでチョンチョンと
漬けて頂くのではなく
皮剥で肝を巻く様にして召し上がり下さい
との教えを頂きます。

そう言う事なんですね。
切り身で肝を巻く
従って巻けるだけの広がりの切り身に対して
一枚で巻ける大きさのブツ切りと言うセット
切り身と肝とお醤油を自分で完成する楽しさ
この切り身のサイズ感と肝のゴロリ感の
一対としての一体感に匠の技を垣間見る

肝醤油はお弟子さんが仕込むのでしょう
その間、大将が皮剥を慎重に32枚
(4枚×8名分)を均一にスライスしております。
お小皿に盛り付けられて
4枚のうち1枚を肝に巻いた時に
ピタリとハマる切り身の大きさと
巻き上がった時に肝で切り身が膨らんで
お口に入るサイズのフィット感が
丁度良くて食感が斯くもスムーズになるものかと
感嘆してしまいます。
咀嚼しますと
その肝醤油がコク深い味わいで
綺麗に淡白な旨味が滲む皮剥の身質との
相性がとても良く交わります。
皮剥のやや野性味のある肉質感が素晴らしく
少し寝かせてるのでしょうか
弾力感にモチッとしたしなやかさを感じます。
食感からの快感が走る中
肝の旨味が全開放され
お醤油のうま味と香りも鮮やかに煌めき
皮剥を引き立ててます。
醤油に浸った肝の甘味と
皮剥の身質の淡白な旨味に
お醤油自体のうま味が響き合って
珍味この上無しとなり
この皮剥の一枚が鮮烈な味わいを残して
走り抜けて行きました。

❸鰹の漬け 気仙沼 襟裳沖
福井の地辛子

一度塩締めしたものを少し抜いてから
お醤油に漬け込んでる鰹の漬けです。
福井の地辛子を添えてます。

此の一品は大人しそうに静かに
血合いの色がテカテカと光り
舌に欲を誘って来る艶めかしいお姿を
見せつけておりました。
その肢体はすぎた大将が鰹のブロックを
切り付けてスライス状に仕上げている時から
官能美を曝け出しており
まさに生唾もので見つめていました。
目の前に展開する悩ましげな姿を見ては
堪らなくなり
お手元にて鰹を摘むとパクッと
お口に急ぎ取り込んでしまいます。
その美しい肢体を舐め回す様に
mogmogを重ねますと
しっとりとした身質が舌にピタッと
抱きついて来るではありませんか。
もう、堪らんですね。
咀嚼を続けてますと鰹の甘味旨味が
じわじわと膨れ上がって来ております。
何と言っても鰹の血合いの血の気の芳醇さから
滲み出る香りも味わいもしっぽり舌を捉え
その肉肌の艶々な舐め心地に
圧倒されてしまいます。
その艶めかしいお肌の肉感にうっとりしてると
奥の方から地辛子がツンと突っ張って刺激を
走らせてきます。
この刺激が鰹の甘味の輪郭をくっきりと
浮かび上がらせて鰹の妙味を更に
引き立てておりました。
舌を唸らせた鰹の一品でした。

❹蝦蛄 小樽

感動に打ち震えた蝦蛄
此れが蝦蛄か
はたまた私の舌がどうかしちゃったのか
蝦蛄ってこんなに素直に甘味を
出してくるものだったのかと
今更乍ら呆然と舌が立ち尽くしてしまう作品

蝦蛄を極自然に素材の旨味その儘で
引き出している
素直に蝦蛄を表現したいるカタチ
この蝦蛄は大海の恵みを受けた蝦蛄らしい
淡く甘い蝦蛄の美味しさを堪能できる一品。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

❺雲子

冷たいお出汁に浸しました。
上から振り柚子です。

流水作業のみで仕上げてる清らかな雲子は
無垢な白装束に身を包んでいらっしゃいます。
一口サイズに食べやすくなっており
3個ほどが小鉢の中に置かれてます。
スベスベツルツルの食感が心地いいの
猛然と舐め舐めし続けたくなりますね。
その艶々な表皮をじっくり舐めてから
プチュッと突き破って
お口の中で破裂させて
トロ〜ンと白子の身が蕩けてくる快感を
堪能致します。
白子の身は
独特の甘味を振り撒き
食感もプヨプヨン‼︎と揺れながら
口溶けして行きます。
んん、喜びと快感が同時進行して
舌が舞い上っちゃいましたね。

❻目光の焼き物 おろし添え

目光を開きで焼いてます。
このお魚の貴婦人の様な佇まいに参りました。
何という慎ましやかな旨味を持って
いらっしゃるのか
焼き加減が絶妙なのですね。
仄かに香る焦げ目の匂ひと
お焦げのほろ苦さが
ジュワジュワ〜ッと焼かれて
甘〜く浮き出る脂質のエキス
そのエキスが目光の白身に浸り
身と一緒に舌に滴り落ちて
旨味を曝け出しているのに
気品があるんです。
この品格伴う旨味は素晴らしい
自らの気品を忘れずに気高さが感じられて
滋味に満ちた味わいを呈しています。
ほんのりと舌を穏やかに甘えさせて
ジワッと身質が寄り添ってくる。
仕込みの繊細な施しの面影が
舌にピンと響いてきますね。
相当慎重にも慎重を期して
目光の繊維を傷つけない様に
火入れされてるものと思います。
でなきゃこんな繊細な旨味は
発生しないのではと感じました。
プロの技が光る味わいに
喉が鳴りましたね。

❼生牡蠣 仙鳳趾 ポン酢 紅葉おろし 浅葱

小皿の上に二つの悩ましげな塊が
ぷよぷよッとしてツルンツルンに
光って鎮座されております。
おぉ〜、
此れがかの有名な仙鳳趾の生牡蠣様との
ご対面と相成りまして候。
見るからにウンマそうに此方に微笑みかけて
いるではありませんか。
真正面のほっぺが誠にツルンツルンの
旨味を含んでる様相を呈しております。

お二つもご用意頂いてますので
1個目をパクンとお口に放り投げてやります。
トロトロっ、ん、ツルンツルン、んん
プチュン、牡蠣の旨味エキスがお汁が
ジュワンとやって来ました。
噛み心地も抜群にプヨッと牡蠣の身が
揺れて歯をふんわり包む
牡蠣を抱き締めたくなる
身がジュッと鳴る
旨味エキスが舌に滴る
ほぅ、たまげますね〜、コリャ素晴らしいわ。
ツルリと滑って蕩ける食感の爽快感と
味覚が途轍もなくピュアな牡蠣の味わいが
極まる味覚の快感が同時に押し寄せる
牡蠣の甘味と言いますか
旨味と言いますか
得も言われぬ美味なる味わいに
陶酔仕切ってしまいます。
牡蠣自身の美味さにまったく雑味が無い
恐らくは冷水に流して洗いを
ずつと掛けてるのでしょうが
物の見事に
この鮮度の高さ誇る牡蠣味を
最大限具現化しておられます。
この逸品の正直さに驚愕します。
こんなに素直に澄んだ味を放つ牡蠣に
出逢えて感謝です。

❽鮟肝煮付け 山葵 貴醸酒陽乃鳥

鮟肝は甘く煮付けたもの
お酒をお飲みになってる方には
秋田の新政の貴醸酒を
お猪口にてご用意してます。
鮟肝をお口に含んでいただいてから
貴醸酒を流し込んで頂くと
お口が幸せになると思います、
との教えを大将より貰います。

鮟肝はしっとりと甘味が浮き上がり
甘く浸された味付けを施していて
その甘味に一瞬たじろいでしまう程です。
一口入れて舌にポトンしますと
鮟肝のスベスベ感が舌を撫でて行き
しっとり絡んで来ます。
無垢なる甘味を演じる鮟肝さんです。
その甘味に山葵が一瞬ツーンといい感じに
舌を刺して来ます。
陽乃鳥との相性が最適な一品でした。

❾本物の葱鮪 おろし醤油

葱鮪は良く焼き鳥のネギ間と勘違いされる事が
多いですが
すぎた大将のご用意されますのが
所謂正真正銘の葱鮪となります。
久し振りの葱鮪です。
お葱の合間に挟まれた鮪の焼き物
鮪は二つ串刺しにされてご用意
お一つは山葵添え
もう一つは柚子胡椒添えにて
鮪の甘味に対するピリッとした鹹味と
ツーンとする辛味で味変させる楽しませ方に
舌が嬉しそうです。
程良く火の入った鮪は
シャトーブリアンの様に赤身が柔らかく
外側はこんがりと狐色に
中は赤身のレアな感じで
噛む度にジュンと鮪が唸って旨味を
お口に放ちます。
その旨味を残しながら
お葱をおろしの辛味を足して頂くと
旨味と辛味の味覚ダブルスが生まれて
此れまた乙な味となり
お酒を呼んでしまいます。

さて、此処で一通りのお摘みが
終わりです。
大将より
お摘み追加のご用意が有り
握りに入る前に聞かれます。

追加のご用意は
数の子の糠漬け
ばちこ
新烏賊の下足の粕漬け
帆立の磯部焼き
子持ち蝦蛄の甘辛

中々の布陣に誘惑も多いですが
お腹も少し膨らんでますので
其の儘握りに入る事と致しました。

〜〜〜握りです。〜〜〜

美しきガリの整然とした姿が目に入る
扇状に正方形のガリが開く形でお小皿に
盛り付けられてます。

①小鰭

陶芸家 有本空玄作の品の良い付け台に
大将が挨拶の一貫
小鰭をやんわりと置かれます。
スゥ〜ッと舎利が沈みます。
微妙な動きなのです。
其処を此処ぞとばかりに
俄かカメラマンの皆様が
動画に収めようとします。
すると、大将曰く
舎利が沈む所をお写しになりたい方が
大勢いらっしゃいます。
皆様が沈む所を動画で身構えてる時には
きちんと沈まない様に握らせて頂いております。
皆様がお写真の時はちゃんと沈む様に
握っております、とのお茶目な一言に
全員が大爆笑して微笑ましい会話の中から
あっという間にその場が
すぎたファミリーの如く
打ち溶け合う雰囲気が醸成され
すぎたワールドに惹き込まれてしまいました。
何というタイミング
何という和みの言葉
その発言の瞬発力も去ることながら
機を捉えようとしてるのではなく
自然体で表現されて
お客様の心をグッと鷲掴みにしちゃう
中々出来る芸当では有りません
長年の鍛錬と修行の賜物プラス
ご本人のセンスなのでしょうね。
こう言う気さくな点も
人気を博している所以なのでしょうね。

勿論、その場の楽しさも加わり
小鰭のシャープな味わいにも感銘
酢締め塩締めのバランスが良くて
この身厚な小鰭の肉肉しい部分を
切れ味の良さが迸る美味さに仕込み
その小鰭を舎利玉がバランス良く
縁の下の力持ちを発揮します。
握りの完成度において
この大将の右に出る方は居ないでしょう。

最初から興奮してしまって
此れは後が大変です。
少し自分の舌を落ち着かせねばと
お茶をゆるりと飲んで冷静にします。

②真鯛

シコシコしてサラリと靡く
サラリとしてなよっとする
ピンのネタの勢いとほんのりと
寝かした加減の柔らか味が
見事なほど同居している仕込みに感銘
その仕込まれた真鯛をキュッと生き生きする
感じに舎利を重ねて締め付ける
咀嚼しようとしたら
鯛がピクんとする
え、生きてる?
錯覚してしまうほど艶かしい
鮮度を保ってるのでしょうね
繊細な仕込み仕事には鮮度を
如何に保つかも真剣勝負です。
大将の小手返しに恥じない様に
素晴らしい仕込みです。
真鯛の鮮度十分に淡白な甘味が
舌に寄せて来ます。
皮目がほんのりと
湯引きされてるのでしょうか。
美しい皮のゼラチン質が艶めいて
甘味を鯛の身に染めてました。
舎利の酸味の切れ味と程よく
マッチングして舌が唸りました。

③トロ鰆 答志島 和芥子

お口の中に鰆の身を置いた途端
ホロホロに解け始めて
脂質が鰆自身をも乳化し始めて
舌で掻き回すかしないうちにトロ〜ンと
なりました。
蕩けて来ちゃってホントにトロ鰆なんだなと
改めて実感
トロリと鰆の身が解ける具合の艶かしさに
やられちゃいましたね。
咀嚼してますと
もうしっとり身質の肌触りに眩暈がするくらい
舌をジワ〜ッと鰆の旨味が染見込んで来て
このトロ鰆の妙味に完全に溺れてしまいました。

④墨烏賊 塩

流線形に美しく輝く墨烏賊
つい、じっと見つめてしまう。
咀嚼し始めますと
墨烏賊がコリコリ感を走らせて爽快な歯応え感
歯に当たる食感が烏賊の甘味を
ストレートに伸ばして来ます。
咀嚼が進んで烏賊を砕いて行くと
少し身質が和やかになり
ネトッとした食感が浮かび上がり
墨烏賊の甘味がジンワリ舎利の酸味と
絡み合い乍ら乳化が進んで行きました。
この絶妙な舎利とネタのハーモニーの調べに
舌がうっとりして呆然と立ち竦むのです。

⑤赤身 漬け

二枚折りの定番の鮪の赤身です。
すぎた流独特の赤身を二枚に折り畳んでの
握りとなります。
この2枚折りを時として他の鮨店にて
散見することがあり
すぎたさんを真似ていらっしゃるのかと
思いますが
全く似て非なるものにて
味気なかった覚えが有ります。

大将が赤身のブロックを外側から丁寧に半円の弧を描く様にブロックをスライスして
シャリ玉を二周してしまう様な面の広さで
切り身を拵えてます。
その広がりのある赤身の切り身を
お弟子さんがしっぽりと煮切りに漬け込んで
キッチンタオルで脱水処理を施してます。
仕上がった漬けの赤身は
大将の手元に渡り
徐に赤身を二枚折にして
舎利玉の上に乗せて小手返しです。
さぁ、目の前に届いた赤身を
お口に放り込んで咀嚼します。
んん、この赤身の身厚な所が
ムニュ〜ッと舌を包む感じで
しっとりと絡んできますよ
流石はダブルですね。
うんメェ、漬けが程良く赤身に浸透してて
赤身の旨味に甘味を添えてじんわりと
舌を攻めてきますね〜。
この二枚折りが舎利と丁度のバランスを保ち
赤身のボリューム感から発散される芳醇な香りと
舎利が抱き合わさって躍る感じとなり
溌剌とした握りの美味さに感動しちゃいました。

⑥中トロ

モグした瞬間に蕩けたわぁ
美味秀麗なのだ
兎に角絶品なのだ
こんなに美味しいと消えて欲しくないのだ
背トロの方なんですかね
少しサラッとした脂質が気品に溢れていた
その和やかそうに舎利の上に佇んでるお姿とは
全く別人格が出て来る様に
mogmogし出すとジュワ〜ッと
脂質が溢れてトロ〜ンと蕩ける身質の
官能的な甘味が口内に充満し
舎利をも巻き込んで
あっという間にトロが蕩けて
消えて行っちゃいました。
食べた後に残る香りと
中トロの甘味の足跡が心地良い余韻を
残していました。

⑦秋刀魚 山葵 生姜 浅葱

握る舎利に山葵をチョコンと塗って
舎利玉を逆さにして浅葱の山に向けて
舎利玉に吸いこませるように
ペタンと貼り付ける
其の儘小手返しして秋刀魚の天にさり気無く
生姜を添える
その華麗な所作につい見惚れてしまう。
一分の隙もなく無駄なく流麗に
指も掌も踊られてます。
咀嚼してこの秋刀魚のポテンシャルに興奮

滑らかさ
円やかさ
香り立ち
秋刀魚臭く無い透明な匂ひと味覚に
舌がメロメロになって
この秋刀魚の一貫に一目惚れです。
秋刀魚の握りの魅力について
再認識させられた感じがしました。

⑧しめ鯖

レベルが段違い平行棒のしめ鯖
もっとシャープな酸味が走って来るものと
思ったましたのに
咀嚼し始めてストレートに
走って来たのは穏やかな甘味
パッと散って行く様に口内に甘味がフワリ
溶け込んで来た。
で、
その後にジワッと切れ味良く酸味が駆け寄り
甘酸っぱい鯖の身肉が舎利と一体化して解ける
その肉質の解け方がスカッとする位に
歯切れが良く味覚が開いておりました。

鯖らしさが感じられるピュアな甘さが
芳醇に薫る美味しさに唸る一貫

⑨車海老

勢い良くプリプリンと跳ねる
一尾丸ごとの食感が良いですね。
車海老はこの元気良く
口内で暴れる食感が醍醐味
目いっぱい頬張って
思い切りmogmogが良い
その反発力を感じながら車海老の甘味が
舎利を飛び越えて挑んでくる
その瞬間が楽しみの一つだと実感しました。

更に大将の車海老は舎利の温感が
穏やかなのも好き
車海老の方を少し1.5度位高めにして
舎利の温感を控えさせてます。
その絶妙な温度差をどうやって
コントロールしてるのかは
分かりませんが
或いは感性かも知らません
食べ手に取りましては
不思議なくらい丁度良く舌にしっぽり
来るのです。
車海老の体温が生暖かくて
海老の甘味が恐らくは舌に早く
馴染むんでしょう。
その適度な温感が人肌の温感と同調して来る
その後に舎利が少しだけ温感を下げた状態で
酸味が舎利に回る
すると当然人肌の方が温感が高いので
舎利が溶け込むんですよね。
この温感がネタにより
意外と異なってたのには驚いちまいます。
理屈はどうあれ
大将の掌の中で私達の舌が弄ばれてるものと
推察致しました。
誠に舌妙な匠の技で御座います。

⑩浜中の馬糞海胆

軍艦では有りません。
そう言えば今気が付きましたが
本日、軍艦が一貫も有りません。
お鮨屋さんで海苔風味が漂わない日を
初めて?体験したかも知れません。

食べた瞬間、
仰け反りましたよ
大将から違反切符きられましたぁ。
一回¥4,800とのお達しです。(笑い)
オーバーリアクション違反とのこと
笑いが店内に響き渡ります。
いやぁ楽しい会となりました。
ご常連様に感謝感謝ですね。

海胆の珍味の奥深さが
この握りに潜んでいる
シンプルに海胆の甘味
ジワッと口溶けて珍味
舎利を溺れさせて妙味
スゥ〜ッと消える儚さ

この辺りが絶妙に絡むので
美味が冴えるのでしょうね
微妙なのは舎利との間合い
直ぐに溶け出しますので
早めに召し上がってください、との
教えを一人一人にお伝えする大将
この辺りの気配りも
握りの海胆故に
海胆が溶け出してしまう前に
美味しさを味わって下さいね
と言うお気持ちが滲み出ております。
優しくお気遣いに頭が下がります。

此処で握りの追加をお尋ねされます。
本日のご用意は
大トロ
北寄貝
鰹のハラス
蝦蛄
以上で御座います、とのお話があり
お腹の具合と相談し
丁重に控えさせて頂きました。

⑪お椀

奥様手製の浅蜊汁
天下一品の和み汁
舌を癒して止まないピュアなうま味
滲み出る蛤のエキス
然し蛤の鹹味は辛からず甘からず
甘辛の塩梅が微妙に均整の取れた味わいでした。

⑫煮穴子

〆の一貫となります。
煮詰めか塩か聞かれて詰めを所望
最後の最後まで舌を迷わせてくれます。
白焼きされた穴子
塩と柚子の仕様と
蒸し穴子には詰めの仕様で
質感も味覚も整え方を変えて
ご用意です。

穴子の蒸し加減も流石だなぁと思わせます。
ホロホロにお口の中で解けます。
蒸し穴子の粉質感が
自然にスゥ〜ッと消えて行きます。
舌触り感がサラサラに流れて
詰めの濃厚な甘味が優しく追いかけて来ます。
〆に相応しい一貫。

⑬玉

卵焼きが素晴らしい
皮目の狐色がとても均一な色合いで
微塵も欠けるところがない。
完成された均一性と言うのか
故に美味しいのか
此処で大将が一言
焼き手は私で御座います、とのお言葉に
皆大爆笑。
和やかな和の空気が佇んだ至福のひと時を
頂きました。
何時迄もご繁盛して欲しい名店です。
ご繁盛する事がお料理に携わる飲食業自体を
レベルアップするでしょうし
多くの料理人がすぎたさんを目指して
精進されるかと思います。

名実ともに日本一の名店の玉
すなわち王様の作った玉であります。

そして本質お鮨の観点とは
別の角度で感嘆しましたのは
雅な器の数々で御座いました。
最初の茶器から始まり
片口とお猪口
更には小皿に至るまでの名品を
ご丁寧に説明頂きました。

唐津焼は藤の木土平氏の手による作品を
始めとして
その他湯呑みやお皿には
辻村史朗氏と
子息の唯氏と塊氏の陶器が
見受けられました。
また
黄瀬戸作家は西岡悠氏の作品を
お見せ頂きました。
目の保養と同時に
素材を慈しむ心を読まんばかりの
陶器の品揃えにも感銘を受けました。

日本橋蛎殻町すぎた
至高の和食空間
凛と響く心地良さ
掛け替えの無い至福の味覚
満ち足る思いに宿る口福感
五感を超える味覚が舌を陶酔で
満たして頂きました。

  • 日本橋蛎殻町 すぎた -
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2021/02訪問3回目

5.0

  • 料理・味5.0
  • サービス4.9
  • 雰囲気4.9
  • CP5.0
  • 酒・ドリンク-
¥30,000~¥39,9991人

心地良く春の香り漂いながら和やかな握りが舞う

◆2021.2.27(土)昼餉

◆お料理 お任せ¥28,000
お酒追加税サ含むお会計¥37,400

◆予約 ご常連様のお招きにて

❶〜⓫→お摘みと握り以外
①〜⑫→握り

■前置き

未だ数回しかご訪問の経験が無い
日本蛎殻町すぎたへの新参者ですが
大将のお料理と接して見て
名人と言えば宜しいのか
達人と言うが相応しいのか
将又
王者の風格と貫禄を持ち合わせた偉人なのか
恐らくはご本人の中には
そう言う意識は無くてシンプルにお料理を
作り上げていく中で食材と対峙しているだけなのかと推察致します。
大将曰く
高価な素材を集めて出す様なお料理には
したくない
其れでは食材屋さんになってしまうので
宜しく無い
何処でも手に入るものの中から良いものを選んで
家庭で使われてる普通のお醤油や塩を使って
誰にでも出来る事をさり気無く料理する
その中から、あれ、何か違うぞ
これ、美味しいなと言うものを作り上げていく
其処に料理人としての矜持がある、と言う。
成る程と納得するも
其れを実行してしまってるところがまた、
凄い事だと大将の握りを噛み締めるたびに
こう言う美味しさを実現させている実力が
あってこそのお言葉に重みを感じてしまいます。

本日は常連様のお導きにより
大将の正面アリーナ席に着座させて頂いて
しかと大将の包丁捌きから握りの所作までを
じっくりと拝見させて頂きました。

例えば生牡蠣を味噌漬けにするにしても
お摘みの仕込みも繊細かつ大胆に
そして寝かすものはじっくりと
手間暇を惜しまず素材の持てるポテンシャルを
最大限に引き出す施しを日夜重ねての
素材との会話には驚くべきものが有ります。

鮪のトロを目の前でスライシングしながらも
丹念にトロの表面を観察しトロに潜んだ
細かな筋を見つけては
一枚一枚の筋をピンセットで一本一本抜く
故に舌の上でクリーミィな程に蕩ける快感が
訪れる事が可能となっているのだなと痛感。

すぎたさんの握りを見ていると
有ることに気が付く
普通の鮨店はネタを握りに乗せて小手返し
杉田さんはネタを舎利に巻く、と言うより
シャリ玉を包み込んでると言った方が
正解かも知れない。
舎利の玉に対してネタの面積が
大きく広いものをスライスされてるので
舎利を腹の部分から背の部分の端まで
グルっと半周して包んでの小手返しとなる。
そして完成されたフォルムの美形にうっとり。
ネタの一枚に対しても
日常の中に仕込まれた丁寧な仕事が有ればこその
握りとしての完成度と美味のレベルの高さが
実現しているのだなと感嘆してしまいました。

前置きはこのくらいにして
その華麗なる美味の舞をご報告させて頂きます。

■お摘み

❶シロッコのお浸し 削り節

最初に春の食感から頂きます
清々しいシャキシャキ感と
爽やかに走り抜ける澄み切った淡い味覚
浅葱の新鮮な香り高き繊維質の青青とした
清々しさが舌を喜びせる一品です。

❷ミル貝 鮃 えんがわ

愛知のミル貝は軽く塩締め
鮃も軽く軽く塩締めです。

ミル貝のコリッコリ感が堪んなくて
その硬度と軟度の絶妙なる間合いから来る
歯触り感の瑞々しい鮮度の良さに驚く
モノもピンのネタなのだろうが
此処まで肉質の鮮度を保ってると言う点に
感謝してしまいます。

そして相対する鮃の肉質のしなやかさが
艶かしくてこの鮃を食すと
またみる貝のコリコリを渇望してしまう
全くもって麻薬的な食感と味覚の組み合わせに
舌がてんてこ舞いするのです。

更に鮃の重ね造りの上に
さり気無くえんがわが置かれてます。
大将一言も述べずサラッと添えてくれてる所が
奥ゆかしいですよね。
こんなの仕掛けて見ました、とか何とか言わずに
黙って美味しいから摘んでみなよ、的な優しさの
オーラみたいなのが漂う鮃とえんがわです。
えんがわの悩ましいほどに艶かしい食感が
舌にピタッと寄り添います。
此れは酒が必要だと思いが募るも
お昼なので温かいお茶で我慢してます。

❸かんぬき

生姜
浅葱
溜まり醤油

その透き通った身質のシコシコ感が素晴らしく
生姜の少しくツンと鼻に抜ける刺激に絡んでの
お醤油味がかんぬきに纏わり舌にジワっと
寄せて来るのが美味に感じ取られる。
かんぬきは塩を当てただけと言うか
その塩梅がよい
そして包丁で短冊にカットされたかんぬきの
一本一本のサイズ感が絶妙なればこその
味わえる食感、お口の中で一本一本の
ツルリとした舌触りと一本毎に醤油と生姜が
誠に見事に満遍なく偏差なく浸透してる
故に舌でその味覚を甘味を鋭く感知することが
出来てるのでしょう。
この辺の作り手の塩梅、素材と調味料との
間合いも大変勉強になります。

❹蛸の柔らか煮 佐島 和芥子

不思議な蛸との出逢いに恵まれた
2切れが皿の上に有る
其処に有る事が存在感を示して
見るからに食べて欲しいと蛸が渇望していた

ゆっくりと口に運び噛み始める
うぅ〜、呻いてしまう
まるで蛸の生き様が見えて来る様な
素敵な食感が横たわっている
大海の塩味が蛸に染み込んでるのであろう
咀嚼して行く時間の経過と共に
ナチュラルな塩味が蛸の白身から滲み出す
とても淡く気品を感じる塩味なのである
その淡さに舌がうな垂れてしまう
そして和芥子である
柔らかく歯をキュッと締め付ける様に
抱き寄せながらも和芥子がツンと刺激し
背筋を伸ばして来る
この絶妙な味覚の引き出し方に脱帽するのは
私だけでは無いかと思います。

❺焼き雲子 酢橘

鱈の白子さんには
驚くほど色々な呼び名がある
その姿が可愛らしいからなのか
独特のカタチと甘味が愛おしく感じられるからか

北海道では「たち」
青森に行くと「たづ」
山形・福井だと「だだみ」
京都の人には「雲子、雲腸、菊子」と呼ばれる
それだけ固有名詞に愛着が湧く素材なのだと
感じてしまいます。

さて、大将から渡された
小皿の上には憂いを帯びた雲子がポツンと
フンワリして一人佇んでいる
狐色のお焦げが真鱈模様に点々としている
お隣には酢橘さんがお供です。

一口頂く
プルプルン、揺れた
厚手の皮が歯に抵抗する
皮が熱々で手厚い
雲子の皮は余程じっくりと火を入れないと
こう言う厚目にはならない
さり気無く丁寧な仕事で仕込むすぎた流
この雲子を焼くのに◯◯分弱火で
焼いてるんですよ〜、とか一切触れない
サッと小皿だけ置いて
其の儘でも
酢橘を少し絞っても美味しいかと思います、と
軽くお話しされる
多くは語らず
黙って食べてご覧よ、美味しいから。
と暗黙の了解です。
お箸で雲子の塊の一部を摘んでお口にポン
少し歯に力を入れてプチンと引き千切る
噛んだ瞬間にトロンと舌に柔らか味が流れる
フワンと雲子の香りが鼻腔を掠めて
その身が濃密な姿態と重なって色気を
妖艶に醸し出す。
何処までも澄み切った艶さなのに驚いちゃう
このまま浸りきりたい誘惑に駆られて
うっとりだ。

❻牡蠣の味噌漬けと雲丹の佃煮

酒蒸しにした牡蠣を二週間ほど味噌漬け
雲丹は乾かして濃い水で炊いてまた乾かしたもの

牡蠣の漬け具合が良くて良過ぎて絶品な味覚を
舌に運んで来た
んん、此奴は唸らせる奴です。
牡蠣の旨味たっぷり
プリプリ感満喫
味噌漬けの甘い誘惑にぞっこんである
更にその直ぐ側には雲丹の佃煮と言う
豪華絢爛なるお酒のアテシリーズ
コリャ舞い上っちゃいますね。
酒だ酒だぁ、とはしゃぎたくなる
なんと言う塩梅の良い珍味が雲丹を纏うのか
渋い甘さと淡い塩味が同居してる?
なんだよ、こんなもん作ってくれて
困ってしまいます。
こんな佃煮が世の中には存在するんだと
知ってしまった以上は
この雲丹の佃煮さんに再会を熱望したくなる
ではありませんか
誠に罪作りなすぎた大将なので有ります。

❼太刀魚塩焼き 酢橘 おろし

焼物も天下一品ですね〜
皮目は薄くてパリパリ感が満載と言う感じ
そして何?この太刀魚の身質のしっとり感
もう、ダメ
こんなの有り得ないくらい素朴で
太刀魚の本質を引き出す火入れ
皮目は爽やかなパリパリの薄いオブラートの様に
身質はお口に含んだだけでハラリと解けて行く
この絶妙なコントラスト
太刀魚の白身は何処までも無垢で淡白な旨味
故におろしのほろ苦さがジンワリと白身に
沁み入ってくる
うふん、と喜んじゃいますね。
美味しいわぁ〜。

❽穴子の白焼き(追加)

美味そのもの
此れが本物の穴子の美味しさ?
穴子が本気を出すとこんなに美味しくなるのか
凄く新鮮な甘味を持った白焼き
純粋無垢な美味しさが穴子の表情に現れてる
涙ウルウルしちゃいそうなほど美味しいと
言いましたら
すぎた大将、すいませ〜ん
山葵が効き過ぎちゃいましたね〜とのお言葉に
観客席からどっと笑いが起きました。
楽しいトークの切り返しで
場を楽しませてくれるご配慮も嬉しい。
どうやって焼いてんの?と聞きたくなりますが
ヤボですね。
美味しく頂けるだけで口福絶倒です。

❾しめ鯖の大葉巻き(追加)

大葉
ガリ
浅葱
とっても脂乗っている

やった〜!
これ此れ、中々この巻物には巡り会えない奴
鯖の脂も乗ってる乗ってる
山葵をたっぷり盛ってもツ〜ンとならずに
しめ鯖の脂質の中に吸い込まれて
蕩けてしまうほど乗ってる
その脂質の強さを大葉やガリが抑えようと
必死に頑張っている
でも鯖の脂質から溢れる旨味を少し抑えるだけで
後は海苔風味もガリの酸味もみんな抱き合わせて
ごっちゃ混ぜになってしまうのです。
其れが至福の妙味に膨らんじゃって
一所懸命mogmogしちゃうのです。

□握り

①小鰭 煮切り

すぎたさんの有名な小鰭の握りで
この一枚付けを最初にお出ししてくれる
ネタの面が広く舎利を包み込む様に
握られます。

熟成感が堪らなく旨味がはみ出て来てます。
舎利の酸味を凌ぎそうな酢締めの施しにて
其のキュッと握りに圧を加えて締まった感じの
酢飯とのバランスが絶妙に仕上がってます。
この肉肉しさもたっぷりの小鰭は
食べ応え感ガッツリと言う感じで
お口の中で小鰭の身が暴れた一貫でした。

②鯛 煮切り

んん、此れもめっちゃ美味しい鯛の握り
咀嚼してると
プリッとしてて歯応え感半端ない
其れでいてしっとりとした身質がしなやかに
お口の中で踊る
適度に寝かされた鯛だからこその豊満な
熟成が実り豊かに肉付けされた身質となっていて
舎利に寄り添い旨味を広げていた。
印象に残る一貫でした。

③鰆 煮切り

お口に鰆さんを入れた途端に
鰆の自然な匂ひが薫りました。
フワァンと芳しく鼻から抜けてった
その香りを楽しみながらmogmogする
身質が優しく舎利の玉を抱擁してる
その寝心地と言うのか
舎利の座り心地の良さが舌に快感を走らせる

この身質の膨よかさに似合う舎利の玉の質感との
マッチングあればこその抜群のバランスの良さ
其処から生じる極上の美味に
陶酔してしまいます。

④春子 昆布締め 酢橘 塩

大将が舎利玉に春子を乗せてる
握った後に酢橘を搾る
ポトンと一滴が滴り落ちる
お塩を一摘みパラパラ
付け台にふんわり置いて
春子がフッと僅かに揺れた様な気がする

春子がふっくらとしたその姿態を艶かしく
舎利を抱き込み軽やかに駆け抜ける
春子に振られた酢橘塩が程良く酸味と塩味の
harmonyを奏でる
其れでいて身質はしなやかさも併せ持ち
歯触り心地良く舌に馴染んで寄り添う
春子が快感を呼んで来て
舌が惑いっ放しの一貫であった。

⑤赤身 漬け 下田 煮切り

赤身が舎利の玉をほぼ完璧な装いで覆っていた
其れも舎利との間合いが程良く保たれた状態で
しっくり来てるのに驚いちゃう
此れはすぎたさん特有のネタの切り付けが
呼び込んで来るものなのか
ネタの面の広さから来るのか
兎に角舎利の玉のサイズ感もさる事ながら
赤身とのバランスの良さに衝撃する
咀嚼感がとっても心地良く歯に響く
赤身の肉肌のしっとり感が舌を悩ませて
酸味がジワジワ浮き上がる
このハーモナイズされた美味さが
堪りませんね。

⑥背トロ 下田 煮切り

参った!
参りました!
もう、降参です。

背トロって甘味が穏やかに香って
かつ酸味も後から淡く
追いかけて来るものなんですね。
何と気品溢れる艶かしさでシャリの玉を
抱擁してくれて
其の儘舌も委ねてしまいたくなります。
背トロが舌を弄んでイチャイチャしてんですよ
此れは楽しい食感であると同時に
とても艶やかなひと時を頂けるのに
喜んでしまいます。
その舎利の乳化と同期して背トロが
一緒に蕩けて来ます。
その蕩け方もなんと穏やかに悩ましく
口溶けする事でしょうか。
もう、舌は
メロメロにさせられちゃって
この背トロに一目惚れで御座います。

⑦鰯 浅葱 煮切り

とぉっても滑らかなる事この上なし
生臭さも皆無
此れが鰯なの?
何か特殊加工してませんか、と言いたくなる程
凄くクリーミィと言っても過言ではないくらいに
鰯の身質がスベスベの肌合いで
その舌触り感に参りました。
舎利と一緒にmogmog、mogmogしてみると
鰯さんがあっという間に舎利の中に滑り込んじゃうし、舎利もまた鰯さんをスルスル〜ッと
何の抵抗感もなく溶け込ませている
それくらいの滑らかさにて
もう此れは飲み物となってて
飲む鰯さんになっちゃってます。
んん、衝撃の鰯の食感でした。

⑧子持ち槍烏賊 詰め

このタイミングで何かホッとする一味を
間合い良く挟み込んでくれるのが
嬉しくなります。
やはりこんだけピンのネタのお鮨を
食べ続けてると舌が少し鈍感になると言うか
色んな鮨ネタの色に染まって
ざわついてチョット感覚が麻痺したりする
其処に子持ちが滑らかにサラサラ感が入って
和やかな詰めの甘味纏う槍烏賊の
ほんのりシコシコ食感の繊維質が訪れる
其れが
舌をヤンワリと労ってくれる
こんな優しい仕掛けを頂けるのが
とても嬉しくなる
一品一貫が個性を持ってその魅力を
いっぱいに引き出しながら
全体感を纏めてネタの緩急で飽きさせない様に
お見事なまでに自然体で流れて行く

大将曰く
美味しい鮨を楽しんでもらう事以上に
食べて喜んで貰える事が大切
お客様の笑顔が何よりの幸せと仰るのに
本物の職人さんの心意気を
垣間見た気がしました。

⑨車海老 煮切り

この車海老の握り
サイズ感が、ほどほどに心地良いのだ。
大きからず小さからず
舎利の玉にピタリとフィットして来る
故に車海老の居心地座り心地が良くて
お口に放り込んだ途端に
プリプリッと跳ねるのだけれども
お口の中で暴れずにmogmog出来る
其れが車海老の甘味とプリプリ食感を
落ち着いて堪能できるから嬉しくなる。
こう言うバランス感覚に優れているのが
すぎたさんの握り全てに一貫して統一されてる
施しで、mogmogするのに然程、
負担を感じさせないので
食べ疲れしない所が余計美味しさに対して
敏感に味覚を感じ続ける事が出来るのかと
思います。

⑩寒鰤 2枚重ね 炙り 煮切り

此奴は贅沢にも2枚を重ね合わせての一貫だ
炙り加減が秀逸な仕上がり
香る薫る鰤の皮目のお焦げ
滴り落ちる身質からのしっとり脂に
舌が惑わされる
本当にブリブリと来る一貫

最初付け台に鰤の握りが置かれた時に
舎利が重たそうにおんぶして
必死に鰤2枚付けを支えてる姿に
頑張れ〜と応援したくなる
その凛々しい姿を見て
どうやって頬張ろうかと悩むが
勢いでええいッととばかりに
お口の中に鰤を突っ込んでしまう
鰤が2枚とも一度に
勢いよくお口の中で暴れてしまう
んん、まさに熟れごろで
絶妙にしっとりした脂質感が漲り溢れてくる
鰤を噛むたびに甘味がジュワ〜ジュワ〜ッと
流れ出る感じで舎利を
一緒に巻き込んで行きながら
鰤の甘味の渦の中に舌が埋もれて行き
充満する美味しさに翻弄されまくりました。

⑪蝦夷馬糞雲丹 浜中 煮切り

カネヨ鴎洋水産の友禅折の生雲丹
箱ぎっしりに整然と並べられた雲丹の輝きに
思わずうっとり見惚れてしまいますよね。
流石根室の逸品なのであります。
然も軍艦では無くて握りなのです。
良くカタチが崩れないで
この美形を維持出来てるものだと感嘆してしまう
その美しい雲丹の一貫が可愛くて仕方ない
これ、食べちゃうのかぁと一瞬たじろぐ
勇気を出して指でソッと崩れない様に摘んで
ポトンと舌に落とす
んん、冷んやり冷感が舌に心地良く響くぅ
直ぐに海苔の磯風味も追いかけて来て楽しぃ
舎利の温かみも追い上げる
冷感温感の絶妙なコントラストが良い
蝦夷馬糞の珍味が品格を伴う美味で
お口の中を支配する
ふぅ、mogmog仕切って極上珍味の一貫を
満喫です。
余韻が清々しいですね。

➓浅蜊の留椀

ほっこりと舌を癒してくれるお椀
浅蜊汁に潮風味がたんまり流れて
しみじみと味わう浅利の旨味
安心する慈の味わいを頂けます。

⑫煮穴子 塩で

穴子のご用意の前に
詰めと塩の何方になさいますかとの
ご質問が来ます。
二者択一出来るんだと判り
チョット嬉しいような
でも半分悲しい様な気持ちも残ります。
お腹に余裕があれば
両方頂きたいものですが
流石にこの段階でお腹もパンパンです。
お摘みから延々と約3時間食べ続けてます。
かなりのボリュームです。
此処はサッパリお塩を所望しました。
舎利に穴子の白焼きが覆い被さってます。
穴子の背にサラリとお塩が振られてます。
一気にお口の中にパクんしてmogmogです。
んん、本当に穴子なのか
まるで和菓子の淡雪ですよ。
穴子の粉質感の鮮やかさが鮮明にお口の中で
フワリフワリと飛び交う
もうフワッフワァンなのです。
その吹雪の様に舞い散る感じの粉質から
薄らと塩味が漂って穴子の甘味だけを捉えて
食感とは別に味覚が寄せて来る
ムフフ、と頬っぺた落ちちゃいますね。
見事に陥落です。
とっても嬉しい穴子の一貫でした。

⓫玉

〆の玉は気品あるカステラ菓子に酷似
味わいも舌触りもカステラ風
きっとメレンゲと黄身の塩梅が
宜しいのでしょう。
レシピを聞きたくなる玉ですね。

  • 日本橋蛎殻町 すぎた -
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2020/11訪問2回目

4.8

  • 料理・味5.0
  • サービス4.8
  • 雰囲気4.8
  • CP4.6
  • 酒・ドリンク4.6
¥30,000~¥39,9991人

同月に2度の口福訪問は運が良すぎた

◆2020.11.18(水)昼餉
まさか二週間後に再訪出来るとは
なんと言う口福な巡り合わせかと
高揚する気分を抑えて暖簾を潜る

◆お料理 お任せ¥28,000
お酒追加税サ含むお会計¥¥38,000

◆予約
前日にOMAKASEで
ランチ狙いで
偶々GET出来た幸運の女神様のお陰です。
ランチは基本、水曜日と日曜日のみですが
水曜日は全8席をOMAKASEに開放しており
前日か前々日に大将の気分で
開放してるそうです。
あくまで気分次第で解放されるそうです。
火曜日のお昼頃にOMAKASEを見張ってると
幸運が巡って来る確率が高そうですよ。

❶〜⓫→お摘みと握り以外
①〜⑪→握り

❶銀杏素焼き

焼き色が程良い加減にこんがりとしてて
ジーッと見つめてると直ぐにも
齧ってしまいたい衝動に駆られます。
殻から抜いてお口に大きな一粒を頂くと
銀杏特有の香ばしさと旨さが
塩味と一緒にお口の中に流れて来て
銀杏の柔らか味が美味しさを
お口の中に充満させて
おビールが麗しく進んで喉の潤いを
健やかに満たします。

❷長崎の 迷い鰹 浅葱乗せ

鰹は塩締めした後に軽く醤油漬けにしてます。
鰹の天に添えてます緑は
浅葱と生姜を軽く叩いて潰したもの

脂はサッパリした感じの乗り具合の鰹
赤身の色合いがほんのりロゼ色に染まっている
肌合いが艶めいて見えて舌を誘う
ポンとお口に入れて
此れは上品なな鰹だと舌に触れた瞬時に
理解する
鰹の気品の良い香りがパッと口内に広がる
そして程良い甘味がしっとりとして
淡く浸透する
鰹の甘味が素敵に響く
其処に浅葱がほんのりとアクセントを加えて
極上の鰹の味覚が通り過ぎて行く

❸長崎の皮剥 肝醤油

付け台の上には皮剥がきらきら
水晶の様な輝きを見せてます。
思わず見惚れてしまう
切り身一枚に皮剥の肝を包んで
お醤油をチョコンと漬ける
巻いたものをお口に置く
mgmgと咀嚼すると
てっさの如く活力漲る筋肉質が
歯に挑みかかる様に弾力する
歯に跳ね返って来る反発力が快感を呼ぶ
ほぼ同時に肝が蕩けて来て珍味を
お口中に発散する

肝があんまくてコク深さ伴う珍味をvividに
ビンビン伝えて来る

弾力に富む肉質感と
旨味溢れる蕩け感が
同時に舌を珍味の渦に招く
恍惚となる瞬間が訪れる

❹蝦蛄 小樽

北海道小樽の子持ち蝦蛄
下味が付いてますので
そのままでも山葵でもお好みでとの
大将のお言葉です。

卵がいっぱい詰まってて
蝦蛄の皮目のシコシコする感じと
卵のコリコリ感が同期して来る
食感が素敵に舌に微笑む
食感の心地よさが蝦蛄の旨味を膨らませて
舌を口福紀行に誘う

❺北寄貝の醤油漬け

プリプリ感が堪んない
お醤油がほんのりと焼かれて
その匂ひが鼻腔を掠めて香ばしい
磯部焼きみたいな
いい匂ひの漂う北寄貝
その香りに導かれてパクリと頂いちゃう
北寄貝の肉質感がプリプリで何とも
可愛らしい食感
歯がプヨンと肉の中に沈んでいく時
その弾力感が気持ち良く
甘味を増幅させる

❻銀鱈の白子

白子
ぽん酢
浅葱
紅葉おろし

北海道の鱈は
とっても鮮度の良い白子です。
艶々でピカピカ
前回もそうでしたが
流水のみで白子の下処理をされてるのみ。
大将曰く
北海道のホントに鮮度の良いものは
東京には回って来ないそうです。
獲れたての新しい白子はピンク色がかってる
もので、真っ白なものではないそうです。
其れでも白子のミルキーなとろけ感と
優しい温感を纏わせた白子に
生暖かいぽん酢の酸味が舌を蕩けさせて
至福なる珍味が噴き出して来ます。
此奴は止められない、止まらない味覚です。

❼鮟肝 数の子 余市

鮟肝を甘く煮付けたもの
数の子は味噌漬けとなってます。

貴醸酒の陽の鳥を合わせて頂きます。
陽の鳥が甘く舌を湿らせてくれて
喉の奥までサァ〜ッと清らかな甘味を
一面に広げてる所に塩味の塩梅が良い数の子を
カリカリッと噛んで頂くと
数の子がフレッシュに弾け飛んで
食感豊かに刺激して来ます。
歯当たり感が半端なく心地良さが継続します。
更に麗しき鮟肝さんを咀嚼しますと
しっとりと舌の中に溶けて来て
落ち着いた甘味が広がりその珍味を
惜しげもなく披露してくれます。

此処でお摘みのオプション品をご紹介です。
こんな素敵なお摘み軍団が控えてるとは
お摘みだけでも豪華な馳走です。
このお摘みたちだけで4合行けちゃうかも。

生牡蠣のおろし和え
穴子の白焼き
蛸の柔らか煮
墨烏賊の下足を粕漬けにして炙ったもの
雲丹の佃煮

良くこれだけの逸品たちをご用意出来るものと
感心すること仕切りです。
因みに私は牡蠣と穴子をチョイスです。

❽太刀魚の塩焼き 千葉竹岡

おろし
酢橘

お箸をフカフカの白身に入れて
その身を少し摘んでやると
焼き過ぎず硬過ぎず柔らか過ぎずの
絶妙な火入れ加減の柔らかさに舌が唸ります。
太刀魚の焼き上がりのホロホロ解れて
フワリと浮くような感触を呼び込む白身の
優しさに感動して堪らなくなる
その白身が極上の美味さが訪れる内に
梅肉のお出汁がたっぷりに
しっとりと酸味を纏う
この素朴に淡白な甘味に施された塩味が
ジワァ〜ッと舌に溶け込んで来て
太刀魚の白身を激ウマに引き上げる
其処に間髪置かずの梅肉の酸味が
浮き出て来る
この波状攻撃にやられた。

❾生牡蠣のおろし和え 追加

ビックリ仰天です。
何だこの生牡蠣!
鮮度の良さが群を抜いてて
異次元レベルの牡蠣の味覚に驚く
とぉってもクリーミィに口溶けしてくる
ワタの苦玉の部分が無い感じ
牡蠣固有の磯風味が清らかに浸透する
透き通る様な甘さが飛んでもなく美しく
牡蠣の珍味を静かに浮き立たせる
牡蠣が口溶けする感覚を初めて体験した。

➓穴子の白焼き 対馬 追加

フワフワな感じに見えるんだけども
裏返すと皮目はパリッと焼かれて
身はしっとりと弾力して大海の豊穣さを
一身に背負ってる如くの美味旨味に覆われて
幸せ気分満喫の白焼きなのです。
塩味が淡くジワジワ〜
白身がお口の中でプルプル〜ンッて震えちゃう
ギュッと歯が踏み込む
むにゅって言うのが聞こえた様な?
でもってグニャリとしながら
穴子の旨味がジンジン浮き上がって来る
皮目にへばりついたゼラチンが甘くて
うんまいのだ。
皮と白身が一緒になって異なる食感の伴った
美味しさを拡散して来る
このコントラストがお口の中で
ぐるぐるするのが楽しくて仕方がない。
んん、此れも優れた一品。

お摘み全てのレベルがピンネタばかり
味覚も食感も香りも全てに於いて
最高のものを揃えてるのには驚きを
禁じ得ない。
さぞ仕込みも大変なのであろうが
大将はそう言う素振りの片鱗も見せず
私は塩当ててるだけですから、とか
さり気無い仕草がまたかっこいいのですね。
然も極自然体で語り口調も丁寧に分かりやすく
かつ、
8名のお客様たちに気配り怠りなく
これ,何かしら?産地は何処どこのかな?
とかコソッとお喋りしてるのを
ちゃんと聞いていて
聞きたいことの意を汲んで
ちゃんと食材の話を語ってくれるのです。
こう言う優しさは杉田大将特有の
持ち味なんでしょう。
目の前で見聞きしていてとても
嬉しくなる雰囲気を作り出してます。

さぁ、そろそろ握りの準備に入られます。
最初は定番の小鰭を握り用のサイズに
スライスして皮目に飾りをスゥ〜ッと
入れて一枚一枚繊細なまでに
ネタを仕上げていきます。

①小鰭 煮切り

有名な小鰭の握り
返しのカタチ
舎利のカタチ
小鰭のカタチ
味覚のカタチ
余韻のカタチ
全てのエレメントにおいて美しさを誇り
この均整の優れたフォルムと味わい
肉肌から出づる程良い酸味と芳醇な旨味
舎利とネタとの間合いの良さから生まれる
咀嚼感の満足度
恐らくこれ以上の完成度を持つ握りに
出逢うのは相当難しいのではと感じます。

②鮃の昆布締め 煮切り

新潟のコシヒカリは米粒の存在感が
ネタにより返しの扱いにより
大将の掌の中で恐らくは
絶妙に変化させてるのでしょう。
昆布締めが淡く鮃に忍ぶ
鮃自身の身質の鮮度が高く
舌に反発して来る弾力性が
身のしなやかさを映えさせる
鮃と舎利が互いに手を取り合い
握りの旨味を完成させて行く
咀嚼した時の粒感と鮃のシコシコ感が
絶妙に釣り合う
食べ応えの感性が弾む秀逸な一貫。

③鰆 煮切り

舎利がフワフワッとして
付け台の上に浮いている
握りの返し具合とネタのバランスが
絶妙なの
鰆と舎利の距離感が素晴らしく
mgmgすると鰆と米粒がほぼ完全に
一体となって妙味を際立たせている
咀嚼した時に感じる身質のしなやかさが
艶かしい
膨らみのある鰆の身が
柔らかく舌を包み込んで来て身を委ねる
その抱擁感に高揚してしまう

④春子の昆布締め 酢橘 塩

眺めてて思わず見惚れてしまう
春子が沈んでく
ふぅッと沈む
静かに
大将の指から離れた瞬間に
フワッと沈むのだ

顔を近付ける
春子が香る
とても良い匂ひが聞こえて来る
此れが春子の匂ひか
ほんのりと甘く耽美ですらある

お肌のきめ細やかな美しさも去ることながら
カタチが整っている
春子と言う工藝品が有るとすれば
まさしく匠の技を駆使した芸術品

春子の肉質の気品溢れてる事
お上品な握りですよ〜、此れは。
舎利の温感が映える
春子の肉の旨味が舎利とピタリ寄り添う
舎利の酸味がピッタリ春子に添い寝する
本日の白眉な一貫。

⑤腹かみ 中トロ 煮切り

本日の鮪は三厩です。

夜の部とは異なり瀬トロでは無く
腹かみの部位を使われてます。
酸味がギトギトしてなくて穏やかに
舎利を纏ってます。

中トロと大トロの真ん中辺の厚みと
芳醇な肉体が横たわる
山葵もたっぷりに小手返しされてます。
なのにトロ勝ちに酸味が口内に轟き
舎利を蕩けさせて
舎利の乳化を加速させてます。
あっという間にトロが蕩けて
消えていきました。
その瞬間が儚くも美しい一貫。

⑥鰯 浅葱 煮切り

素晴らしい鰯
仕込みの丁寧さが半端無く大変な
お仕事されていると強く感じます。
小骨は皆無
その艶かしいほどに美しく輝く美肌は
何処までも和やかで滑らかな舌触り
雑味の無い無垢な鰯を実現されてます。

3枚重ねの施しが鰯の旨味を長持ちさせて
mgmgを長引かせてくれます。
肌触りも肉質感も艶めかしく舌を捉えて
しっかり鰯の醍醐味を味わえる一貫です。

⑦車海老 煮切り 山口宇部

温度感が抜群に優れてる
茹で立て剥き立ての車海老
握る前に舎利を新しくして
温かいものに変えてる
車海老の温感との微妙なバランスを整えて
舎利も少し強めに空気を吸わせて
お口の中では車海老が暴れん坊に
やんちゃ振り撒くが
舎利もきちんと追いついている
男鮨って感じがする一貫だ。

⑧金目鯛 煮切り 和芥子 千葉勝浦

金目に炙りを掛けていらっしゃいます。
少し網目模様におこげの付いた赤身が美しい
炙られて艶かしく肌の潤いが浮かび上がり
瑞々しいくらいに赤身にヌメリ感が出てます。
妖艶に舌に抱きついて来ます。
脂が舌に滴り落ち旨味が舌を蹂躙します。
其処に和芥子がピンと背筋を張る様に刺激して
金目の旨味をくっきりと際立たせて来ます。
金目の持ち味を最大限に活かした一環です。

⑨いくら軍艦 煮切り

オレンジ色に輝く海のダイヤモンド
醤油漬けを薄く施してます。
薄皮は全部剥いていくらの卵の性格を
生々しく映えさせてます。

軍艦を丸ごとお口に放り投げてやります。
いくらちゃんたちが
プチンではなくジュワンとジューシーに
甘味を発散して来ます。
お口の中で全く弾きません。
そのままジューシーに洪水して来ます。
まるでジュースみたいにいくらの甘味が
溢れて来て無茶苦茶うんまい軍艦さん
なのであります。

⑩蝦夷馬糞 浜中 煮切り

甘味と馬糞の珍味が異次元レベル
全く雑味の無い馬糞雲丹の美味さ
蝦夷馬糞独特の香りとコク深い珍味が
舌を撫でて行き乍ら
人肌の温度でどんどん蕩けて行く
蕩けて行くひと時に感じる無限大の珍味に
陶酔感が芽生える
その陶酔感に浸り切りたくて
舌をジッと静かに佇ませる
舌を沈黙させている間に広がる広がる
馬糞雲丹の陶酔するほどの珍味
海苔の磯風味
舎利の適度な酸味
雲丹の珍味に全ての味覚が吸い込まれて
旨味が渦を巻く
至福の時を迎える雲丹の一貫に拍手したくなる

⑪穴子

最終貫
二者択一です。
塩か詰めを選択出来ます。
最後まで舌を迷わせる演出にタジタジです。
白焼き仕様に塩と柚子で
蒸し穴子には詰めで
両方とも頼むことも出来ます。
詰めをチョイス

穴子の蒸し加減も流石です。
ホロホロにお口の中で解ける
自然にスゥ〜ッと消えて行く
穴子の身質の粉質感が滑らか
舌触り感がサラサラに流れる
詰めの濃厚な甘味が追い討ち
詰めが円やかに舌を撫で回す
んん、〆に相応しい甘味です

⓫お椀 蜆汁

ほっこりと蜆をカチャカチャ鳴らしながら
白味噌のうま味をしみじみと味わう
ホッとするひと時を堪能して落ち着きます。

⓬玉

カステラ玉子です。
ふぅわふわ
歯触りがフワンとして気持ちいいの
舌触りはしっとり絡みこんで来て
穏やかな甘味を振り撒く
品の良い甘味です。
ホントに高級カステラなのです。


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2020/11訪問1回目

4.8

  • 料理・味5.0
  • サービス4.8
  • 雰囲気4.6
  • CP4.8
  • 酒・ドリンク4.8
¥40,000~¥49,9991人

風格と人格が同居する極みのお鮨

◆2020.11.08(日)夕餉

◆お料理 お任せ¥28,000
お酒追加税サ含むお会計¥46,700

◆予約
一週間前に個室狙いでお電話
キャンセル待ち依頼のお電話多く
繋がりにくい様でしたが
個室が意外にもすんなり取れた。

❶〜⓭→お摘みと握り以外
①〜⑬→握り

確かにお鮨のネタのレベルと言い
舎利との絶妙なバランス然り
握りとしての完成度は最高峰
また、
大将の慇懃さには感心すること大にて
人格と品格が身についてるお店との
印象を受けました。
個室まで大将自らおもてなしされてたのには
ほとほと頭が下がります。
ただ一点
比べてはいけないのでしょうが
お弟子さんたちが修行不足なのか
注文忘れたりミスしたりも有りで
大将とのレベルの格差が余計に
目立ってしまい
サービス面では頂けない点が
やや気掛かりでした。

❶銀杏塩焼き

焼き色が程良い加減で見るからに
齧ってしまいたい衝動に駆られます。
この素焼きの銀杏は
実の固さと柔らかさが同居する感じで
外側から齧ると
歯当たりを感じる食感が素敵で
中まで齧り進めるとふんわりと柔らか味が
出て来て歯を優しくタッチして行きます。
その間に銀杏特有の香ばしさと旨さが
塩味と一緒にお口の中に流れて来て
おビールが麗しく進んでしまうのです。

❷皮剥と肝醤油 長崎

皮剥のやや野性味のある肉質感が素晴らしい
咀嚼すると虎河豚の様な力強い弾力性を感じ
歯を押し返して来るのだ。
この生命力漲る身質をギュッと歯で噛み締めて味わうところにこの皮剥の醍醐味が覚醒する。

皮剥の肝はペースト状ではなく塊で具されて
その肝を皮剥で巻く様にして頂きます。
すると醤油で和えた肝の旨味と
お醤油の甘味とが混合ダブルスで舌に浸透して
珍味この上無しなのである。
更に其処から皮剥の身質がしなやかな食感で
迫ってくるので忘れ難き味覚が脳裏に刻まれ
至極舌が喜んじゃいました。

❸鰹の漬け 壱岐

お塩で〆た後に醤油漬けされて
生姜と浅葱を叩いたものを天に添えてます。
此れは大人しそうに見えて
実は旨味がじわじわと膨れ上がってくる一品。
何と言っても鰹の血合いの血の気の芳醇さから
滲み出る香りも味わいもしっとりとして
そのエロい肉肌の艶々な舐め心地に
圧倒されちゃうのです。
漬けの塩梅が良くて甘辛の味覚が
舌に丁寧に浸透する、と同時に肉肌の
滑らかさにもやられちゃうので
相乗効果で美味しさが更に膨らむと言う
好循環の仕掛け作りをされてます。
其処が見事です。

❹帆立の磯部焼き 北海道

大将自らお海苔を巻きに個室まで
下駄の音カランコロン鳴らしながら
来てくださいます。
帯びちよーだい!との掛け声で
お弟子さんが板海苔を手渡しです。

厚みのある帆立です。
お海苔をパリパリッと噛んでムシャムシャ
頂きます。
磯部の甘味と海苔の風味が良く
均衡して美味しいですね〜。
何と言うか
心と舌が温まる磯部焼きさんです。

❺銀鱈の白子 ぽん酢

流水作業のみで仕上げた清らかな白子
無垢な白装束に身を包んでいらっしゃいます。
一口サイズにかっとされたものが
3個も小鉢の中に置かれてます。
スベスベの食感が悩ましく
舐め舐めしたい欲望を誘って来ます。
スベスベの薄皮を舐め回してから
プチッと突き破ってお口の中で
トロ〜んと蕩けさせます。
白子独特の甘味がぷよぷよんと揺れながら
口溶けして行き
んん、喜びと快感が同時進行して
舌が舞い上っちゃいます。

❻穴子の白焼き 対馬

塩で味付けしてますが
お好みで山葵を加えて下さい、との事。
ガス焼きでもここまでのレベルに到達することが出来ると言う見本みたいな作品。
皮目もしっかり火が通りパリッとして
白身もふっくらでハラリと解けて
優しい食感に包まれて穴子の身が
均等に散る。
なので穴子から発散される塩味も舌一面で
均等に淡く浸透して穴子の甘味をはっきり
映し出してくるのです。
んん、此れも秀逸なレベル感を超えて来るなぁと感心してしまいます。

◉黒龍 純吟三十八号

❼筋子

もっちりねっとりしてる筋子さん
此れがとても身質が品良くて
塩気の純度が高くて
粒の中身が引き締まってる筋子なのです。
塩分高いと辛目な筋子が多いですが
此方の筋子辛いよりも塩味が
サッパリしてる感じで
然も粒がいくら並みに大きくて
粒々感が楽しくなる
こりゃヤバイぞ、という感じです。
黒龍にバッチリ合います。

❽余市の鮟肝と陽乃鳥

すぎたさん仕様の日本酒がセットで
饗されるお摘み
此れは嬉しい

鮟肝はしっとりと甘味が浮き上がり
甘く浸された味付けを施していて
その甘味に一瞬たじろいでしまう程です。
一口入れて舌にポトンしますと
鮟肝のスベスベ感が舌を撫でて行き
しっとり絡んで来ます。
無垢なる甘味を演じる鮟肝さんです。
その甘味に山葵が一瞬ツーンといい感じに
舌を刺して来る
お酒のアテに最適な一品。

❾千葉竹岡の太刀魚塩焼き

酢橘
おろし

此れが本物の太刀魚の焼き物
鮨店で此れほどの日本料理的な焼き物に
遭遇するとは
嬉しくて歓喜しちゃいますよ。
皮目はしっかり焼き上げられて
身はしっとりと何処までも淡く塩味を
忍ばせてホロリと解ける身質を
お口に運べばハラリと身が崩れて行く
解ける側から身質の淡白な旨味が
お口の中では浮かんでは儚く消えて行く
その巡り逢いが嬉しくもあり悲しくもある

此処でお摘みのオプションが
豊富にご用意されてるのにはビックリでした。
握りも色々オプションがあるとの事ですので
此処は少な目に所望
雲丹と蝦蛄などを追加させて頂きました。
こりゃお酒自然と唆られるわ
ヤバイやばいアテの大行進は
酒呑み殺しものですな。(๑・̑◡・̑๑)

➓馬糞雲丹の佃煮(追加)

此れは初体験
雲丹を佃煮にすると言う離れ技?の一品
まさかね、馬糞海栗が佃煮にされちゃうとは
想像だにしませんよね。
お酒のアテに最適かつ贅沢な一品です。

◉勝駒

⓫ 子持ちの蝦蛄(追加)

蝦蛄を極自然の形と旨味そのままに
素直に表現したカタチ
子持ちの玉子が蝦蛄の隙間を埋め尽くして
艶かしいです。
この蝦蛄は大海の恵みを受けた蝦蛄らしい
美味しさを実感するもの。
淡く甘い蝦蛄の美味しさを堪能する一品。

こかから握りです。

①小鰭

小鰭の身に付いているお肉が分厚い
小鰭感が半端なく抜きん出てる一貫
酸味が素晴らしすぎで
食べた途端にブワワ〜ッとお口中に
酸味が拡散しまくりです。
舎利の酸味を凌いで来る
其処をキュッと握りの圧が締まった感じの
酢飯が小鰭とのバランスを絶妙に整えてる
この肉肉しい小鰭は
食べ応え感ガッツリに
小鰭の身が暴れる握りでした。

②鰆

へぇ〜、此れが鰆ですか?
と言うくらいにスンバラしい身質
冬の鰆だからか
脂が乗ってる
身も引き締まってる


舎利とのバランス良い
握りが美味い!
舎利がネタを邪魔しない
控えめな舎利でネタにピッタリ寄り添う感じで
ネタを下支えするかの様な舎利感なのです。
此奴は凄えわ

③春子

大きな春子が舎利にドカンとおんぶしてる
身質のしなやかさと肉質の逞しさとがご一緒
その春子の鮮烈な旨味に合わせて
舎利はやや強めに握られてます。
咀嚼すると春子は肉質感が柔らかい表情を
見せて歯を優しく受け止めてくれます。
鰆自身は艶めいた身質が旨味たっぷりで
その美味しさに至福のひと時を見出します。

④背トロ 大間

今年初の大間です。
170kgの魚体です。
腹かみと違って
夏っぽさが残ってる様な
サッパリ感のある酸味が漂います。
舎利との一体感が抜きん出ており
ネタと舎利のバランスの良さが映える一貫。
背トロの蕩けて行くのに合わせて
舎利の乳化が同期してる感じで
舎利と背トロの一体感が完成されてる
故に背トロのサラサラな脂質から
発する甘味と酸味が舎利の中に溶け込んで
一体化して行きながら
握りとしての表情が変化して
極上の旨味を創出してます。

⑤大トロ 大間

同じ大間でも魚体の異なるもの
此方は156kgの鮪
計算された技術が自然に出るのでしょうが
この大トロの握りの方が
ネタの強さに合わせてキュッと引き締まってる
舎利がしっかり整えられてて
然も温感も此方の方が生暖かく仕上がってる
酸味が沸々と迸る大トロさんに
釣り合う一貫でお口に入った途端に舎利と
同期化した大トロが口溶けし始めて
一気に酸味が口内に充満する。
大トロは何処のお鮨店でも
瞬時にトロの旨味が溶け出して
儚くも消えちゃうし
美味しくて食べた後でも愛おしくなるもの
しかしながら
すぎたさんの大トロは舎利との間合いが完全に
一致してて大トロの余韻を繋げて来るもので
大トロの旨味が意外に残る?という感じで
舎利が上手に大トロを引き上げて余韻を
継続させて来るのですよ。
その分大トロに浸っている時が長続きして
満足感も膨らむし大トロも徐々に
消えて行くので
少し長く大トロを味わえて喜びが増します。
お弟子さん曰く
此れが大将の握りの掌の中で計算されてて
偶然は無いと言い切ってましたから
ホントに凄いことです。

⑥鰯 釧路

浅葱
生姜

衝撃的と言うに相応しい鰯だった。
お肌の色艶が全くの別世界もの
鬼の仕込みが素晴らしい
兎に角円やかで滑らかですべすべで
一点の曇りもない円やかな舌触りの鰯
こんな艶めいた肌触りの鰯には
出会ったことがない
聞きますと骨は徹底的に抜いてるとのこと
一本の小骨も許さない所からのみ生まれる
滑らかさです。
食感は感激的で涙するくらいの
円やかさに鰯が口の中では
スムーズに蕩けて行く
まるでトロである
何か新種のお魚に出逢ってるみたい
凡そ通常の鰯らしいものが微塵もカケラも無し
この瀞みと言うかまろ味のような肌との
触れ合いにはビックリでした。
そして、そのまろやかさに相応しい舎利と
浅葱と生姜が小粋なアクセント味を
舎利に塗れてほんのりと漂わせてるのである
誠に奥ゆかしい限りなのです。
更に舎利が酸味を底から浮き上がらせてくる
その鰯の滑らかな甘味と舎利の酸味の
味覚同士が共鳴しあうのである
もう溜まりませんなぁ〜。

⑦いくら軍艦

お醤油漬け
いくらの薄皮をスゥ〜ッと剥がしていて
プチン感が無くて
此れはいくらです、とはっきりわかる一貫。
塩味以上に甘味が舌を通してジュワジュワンと
浸透してきて美味。
いくらの珍味が満遍なくお口の中で
遊んでくれる
お海苔の風味がいくらと握手して
珍味を膨らませて来る
舎利の酸味も参加して三位一体となって
軍艦の味覚のカタチが完成される。

⑧金目 勝浦

美しい金目です。
少し炙ってあるもののフォルムが素敵
舎利とのバランスが素晴らしい
金目自体の旨味が溢れてる上に
炙りを入れての脂質がジワリと効いてきて
脂の旨味が舎利を揺らしている
金目と舎利が互いを尊重して
金目の脂質が舎利を通して舌に妙味を
充足させると共に
舎利が金目の旨味の橋渡し役ともなっている
んん、妙味溢れる一貫です。

⑨蝦夷馬糞雲丹 浜中

軍艦じゃなくて握りです。
然もカタチも整っていて
その見事なフォルムに見惚れちゃう。
蝦夷馬糞雲丹の蕩ける事
舌に置いた途端に雲丹の冷感が走り抜けて
気分爽快となり
その直後に口溶けが始まり
舌が雲丹の旨味に塗れて
愉悦に浸ってしまいます。
舎利の酸味を完全に凌いでいるも
雲丹の渦の中から舎利がほんのり
浮いて出てくるみたいな感じも有り
舎利が控えめなのも余計に雲丹の味覚を
堪能できて嬉しくなります。
其れにしても凄かったわ
この蝦夷馬糞雲丹の破壊力に驚愕の至福を
頂きました。

さて、
此処で穴子に行く前に追加を頼めると
言う事なのですが、
追加でご用意してるものが豊富で
ドキドキしちゃいました。
車海老を追加し
更に巻物を所望したく
ネギトロ巻きと小肌巻きを追加しました。

⓬蜆汁

ここは素直に蜆汁をじっくり楽しんで
ホッと舌を落ち着かせて
何となく安堵感が広がって良いですね〜。

⑩車海老(追加)

宇部山口の車海老
お口の中はmgmgに忙しくなり
車海老ちゃんがプリンプリンに
弾けて舌を弄んでくれちゃいます。
この一貫は楽しい味覚を振り撒いて
舌と手を繋いで遊んでくれる一貫。

⑪穴子 対馬 詰めで

穴子がホロホロに解ける
解け方がまたお優しい
身質の柔らか味が半端無い
詰めは何週間もかけてトロトロに
詰めの甘味がくどく無く
上品なコクを伴うもの
詰めと穴子の身質の一体感が素敵に
甘味の奥行きを広げる
舎利が黒子役になってて
ちっとも邪魔せずに大人しい粒感なのです。
その塩梅が程よく穴子の甘味を生かしてて
美味しさが増して来るんですね。

⑫小鰭巻き(追加)

大葉
ガリ
胡麻

小鰭がよく締まって酸味もキレが良くて
巻物としての完成度の高さをはっきり感じます
此れは美味しい小鰭の巻き物です。
小鰭の海苔巻きさんなんて
今まで食べたことがなかったから
ちょっと不思議な味覚を知って嬉しい。

⑬ネギトロ巻き(追加)

ネギトロがフワフワ
お米の粒の間合いが良くて
ギュッと詰まってるわけでは無く
舌触りがソフトに感じられる柔らか味を
持たせてる感じに握られてる巻物
故にネギトロの甘味が素直に舎利の中に
埋め込まれてお海苔の風味も生きてくるのかと
考えてしまいました。

⓭玉

カステラですね。
此れは芸術品
全体のお姿も形状も食感も完成された一品。

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miti4134

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店舗情報(詳細)

店舗基本情報

店名
日本橋蛎殻町 すぎた
受賞・選出歴
2024年Gold受賞店

The Tabelog Award 2024 Gold 受賞店

2023年Gold受賞店

The Tabelog Award 2023 Gold 受賞店

2022年Gold受賞店

The Tabelog Award 2022 Gold 受賞店

2021年Gold受賞店

The Tabelog Award 2021 Gold 受賞店

2020年Gold受賞店

The Tabelog Award 2020 Gold 受賞店

2019年Gold受賞店

The Tabelog Award 2019 Gold 受賞店

2018年Gold受賞店

The Tabelog Award 2018 Gold 受賞店

2017年Gold受賞店

The Tabelog Award 2017 Gold 受賞店

寿司 百名店 2022 選出店

食べログ 寿司 TOKYO 百名店 2022 選出店

寿司 百名店 2021 選出店

食べログ 寿司 TOKYO 百名店 2021 選出店

ジャンル 寿司
予約・
お問い合わせ

03-3669-3855

予約可否

完全予約制

住所

東京都中央区日本橋蛎殻町1-33-6 ビューハイツ日本橋 B1F

このお店は「中央区東日本橋3-1-3」から移転しています。
※移転前の情報は最新のものとは異なります。

移転前の店舗情報を見る

交通手段

水天宮前駅4番出口から徒歩約2分

水天宮前駅から101m

営業時間
  • ■ 営業時間
    【水・金・土】
    昼:12:00~
    夜:17:30~、20:30~

    【木・日】
    昼:12:00~
    夜:17:30~

    ■ 定休日
    月曜日(不定休日:火曜日)
予算

¥30,000~¥39,999

¥30,000~¥39,999

予算(口コミ集計)
¥50,000~¥59,999 ¥50,000~¥59,999

利用金額分布を見る

支払い方法

カード可

(VISA、JCB、AMEX、Master、Diners)

電子マネー不可

QRコード決済不可

サービス料・
チャージ

サービス料10%

席・設備

席数

9席

(個室カウンターあり)

個室

(2人可、4人可)

個室のみ予約は一週間前の9時〜11時の間に電話で受け付ける。 *金曜に予約したい場合は前週の金曜の9時〜11時の間に電話すること。

貸切

不可

禁煙・喫煙

全席禁煙

駐車場

空間・設備

落ち着いた空間、席が広い、カウンター席あり

メニュー

ドリンク

日本酒あり、焼酎あり、日本酒にこだわる

料理

魚料理にこだわる

特徴・関連情報

利用シーン

一人で入りやすい

こんな時によく使われます。

オープン日

2015年10月27日

備考

お任せ(ツマミ、握り)コース39,600円(サ別)~
*あくまで時価となっており、季節や日ごとに多少の変動はある旨、あらかじめご了承下さい。
夜は2部制。
メインカウンターは翌々月まで受付。
個室のみ予約は一週間前の9時~11時の間に電話で受付。
*金曜に予約したい場合は前週の金曜の9時~11時の間に電話。

写真撮影はフラッシュ禁止、シャッター音OFF(スマホ含め)ならOK。
香水・整髪料等の強い香りをまとってのご来店はご遠慮頂けますようお願いします。
ワイン(白限定)・シャンパンの持ち込みは3,000円/1本。
シャンパンは1銘柄(フルボトル・ハーフボトル)有り(要確認)。

希望すれば、お好み(つまみ・にぎりの加減を含め)も可能です。但し事前にその
旨希望の連絡をしておいた方が無難かと思われます。

アメックスが使えます(情報提供元:アメックス)

初投稿者

saltsalt(1646)

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