神さまのご加護でご縁をいただきました。 : 日本橋蛎殻町 すぎた

日本橋蠣殻町。
花のお江戸の名残り郁る、なんとも小粋な町名です。
実際、この界隈の道筋は寛永年間の江戸切絵図からさほど変わっていないもよう。
水路の上に首都高が張り巡らされた不粋さはありますが。

東京メトロ半蔵門線水天宮前駅から、てくてくすること数分です。
下町情緒たっぷしな横丁の一角にお店はあります。
路地に面した地下への階段口のおっきな白い暖簾に「すぎた」のロゴマーク。
おおお！ここだここだ！

こちらに移転され屋号が変わるまえから予約困難で知られてましたね。
昨今では「超」の文字がついてしまうほどの繁盛店です。

ダメ元で予約のお尋ねお電話したのは、たしか１月の中旬でした。
やっぱし、ぜんぜんダメで、しかも、ご新規さんはキャンセル待ちのみだとのこと。
あんりゃぁ。想像以上の手強さに、ち〜ん。

しっかし、ここで、あきらめては・・・、と思い直し、
「そのぉ。キャンセル待ちは、どうしたらいいんですか？」と、食い下がる・・・。
「お電話番号をうかがっておいて、キャンセルがあったら、ご連絡いたします」
な〜る〜。超予約困難な繁盛店にしては、とっても丁寧な応対です。
ダメ元アゲインで、ぜひぜひにと、お願いしておきました。
まぁ。確率は限りなくゼロに近いだろうなぁと、思いつつも、できることは、やったぞ！
あとは、神さまのご加護を祈るばかりなのであ〜る。

そうしたら、な、な、なんと！
２月の上旬になって、キャンセル出ましたコールがあったんです！
えええええ〜っ。こういうハッピー、あるんですねぇ。

そして、当日。さっさか仕事を仕舞いにして、参上仕りましてございます。
到着したのは暮れ六つ四半刻前を少し回った頃合いです。
１７時半と２０時半の２部制だそうですが、一斉スタートではないとのこと。
ですが、９つあるカウンターお席は、すでに２席を残したのみ。
ほどなく、淑女がお見えになられて、満席となりました。

わらは、な、な、なんと！９席のうちの真っセンター。
親方の真ん前のお席にご案内いただいちゃいましたのでございます。
えええええ〜。いいのかしら〜ん。

キャンセル出ましたコールをいただいたときに、
もし、できたら、少しボリュームを控えめに、とお願いしてあったんですが、
親方が「どうしましょ。品数を少なくしますか？
それとも、全体的にポーションを小さくしましょうか？」と、
ご挨拶とともにお声かけしてくださいました。にっこり、やさしげなお方です。
そこらへんは、親方におまかせで・・・。

わら以外は、みんなさまご常連のようです。
親方とのあれやこれやの会話を楽しんでおられました。

まずはまずはの、生ビーをば。ぐびりぐびり。
ハイボールをお願いしたんですが、ウイスキーがないとのことで・・・。
そして、おつまみから、今宵の宴の始まりです。

えび芋のきぬかつぎ

ここいらで、日本酒をば。さっぱり辛口とリクエスト。
秋田 雪月花　です。

かんぬき（さよりの大きいの）
ほたて
たこのやわらか煮
しらこぽん酢

お次のお酒をば。もうちょっと、ドライなの・・・。
広島 宝剣 でした。

あん肝
蒸し牡蠣

お次は、日高見をお願いしました。

太刀魚の塩焼き

「どうしましょ。そろそろ、握りますか？
もうちょっと、おつまみ、お出ししましょうか？」っと、親方。

ちょうど、お隣さん方に、〆鯖を海苔で巻いたのが出されたとこだったんで、
「ワタシも、あれが食べたいです」と、リクエスト。親方、にんまり。

〆鯖と浅葱の海苔巻き

そして、いよいよ、握り、です。

「握りは、今日は、ぜんぶで十一貫です。
初めの一貫を通常よりも少しだけ小さめに握りますね。
もし、もうちょっと、小さいほうがいい、などのご希望がありましたら、
ご遠慮なくおっしゃってください」っと、まったまた、親方。

まずは、こはだ。
うんわぁ。すんごい、肉厚！

「酢めしの大きさ、だいじょぶですか？」
「はいっ！」

握りスタートとともに、がり、がきました。
カンナで削ったようなのではなく、１ミリ厚くらいの、です。
これが、めっちゃ、うま！ 思わず、大盛りで、とお代わりしちゃいました。

あまだい
さわら
かすご
中とろ

せっかく、小さめで握ってくださったのに、けっこうおナカいっぱいに・・・。
で、あと、２貫で、とお願いしちゃいました。
残りのネタの中から・・・。

あじ
きんめ

いんやぁ。おいしかったぁ。おナカ、い〜っぱい！

みんなさま方は、まだ宴８割なところでしたが、
〆のお椀も遠慮させていただいて、早々にお勘定をお願いしました。

「食べるのは大好きなんですけど、一度に少ししか入らなくて・・・。
初めておじゃましたのに、いろいろとわがまま言っちゃって、すいません〜」

「いあいあ。そんなことないですよ！ぜひ、また、いらしてください！」

次回からの予約のルールなどを詳しくご説明いただきました。

ご常連さん方が勢ぞろいな中で、キャンセル待ちで飛び込んだわらを
親方前の真っセンターにご案内くださって、何から何まで、
ご親切にご丁寧に接していただいて、ほんとうにびゅうてぃほ〜なひとときでした。

予約が超困難なのもさもありなん、です。

いんやぁ。生きててよかったぁ。

ごちそうさまでした！

注：お料理のあれやこれやは、わらの文章力では難しいので、写真をご参照くださいまし。