喜寿司
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僕らは仕事に価値を見いだせるのか
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切りつけが厚めなのに対し舎利が小さすぎる。冷たく、身も荒い。旨味の伝達とねっとりとした食感にも欠ける。
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縞鯵。 脂乗りは良くないが少し寝かせてあるようで、しっとりと。乳のような白身で円やかな味わいで後口もごく軽やか。
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別府湾赤貝。厚みがあり磯の香りもあるが爽やかな香り。食感がよく旨味の軽めなあっさりとした赤貝。美味しい。閖上は色、味が揃うものが少なすぎるとの事。
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佐賀小肌。厚みが5mm。しっとりとしているが、身質は少し粗い。瞬間的な脂の拡散は少ないが甘い脂が身にかんでいる。中々美味しい。1日寝かせて。比較的フレッシュな酢の風味。
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千葉延縄マカジキ。脂乗っている。脂の余韻や甘みはないがとろっと蕩ける。これは寝かせたらさらに美味しそうだ。
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鯖。酢が軽くフレッシュ感。半日寝かせたらもう使うとのこと。脂乗りもそこそこだけど酢の味が良くて舎利のコクと合わさると美味。
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ふかふかっとした空気感のある玉子に朧を噛ませて
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穴子。空気感を内包しふわふわで皮は感じないタイプ。酒と醤油で煮る。ツメは甘く粘度があるが少し塩気が勝るもの。美味。
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煮蛤。プリプリとして蛤の香りや味は強くないが柔らかな身とツメが舎利にぴったり。初めから甘い煮物はここのツメと合わさると総合的にかなりの甘みとなる。
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海老。茹で置き。今一つ甘みと香りにかける。
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春子。皮が少しきになる。しっとりして爽やかな香り。青物より少し強めにしめるとの話。穏やかに纏った酸味に朧の分量もしっかり目でほんのりした甘みが中盤から味わいを加える。
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槍烏賊。パツっとした心地よい歯切れと歯ごたえ。ツメはべっとりかなり甘めで煮切りと舎利をイカぎ繋ぐ。美味！
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店舗情報（詳細）
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店舗基本情報
| 店名 |
喜寿司（㐂寿司/きずし）
|
|---|---|
| 受賞・選出歴 |
寿司 百名店 2021 選出店
食べログ 寿司 TOKYO 百名店 2021 選出店 |
| ジャンル | 寿司 |
|
予約・ お問い合わせ |
03-3666-1682 |
| 予約可否 |
予約可 |
| 住所 | |
| 交通手段 |
地下鉄人形町駅 A3出口より徒歩1分 人形町駅から115m |
| 営業時間 | |
| 予算（口コミ集計） |
￥20,000～￥29,999
|
| 支払い方法 |
カード可 （VISA、Master、JCB、AMEX、Diners） 電子マネー不可 |
| サービス料・ チャージ |
サービス料なし（2階は10%）、お通し550円 |
席・設備
| 席数 |
42席 （カウンター12席、テーブル4席、座敷26席） |
|---|---|
| 個室 |
無 |
| 貸切 |
不可 |
| 禁煙・喫煙 |
全席禁煙 |
| 駐車場 |
無 |
| 空間・設備 | 落ち着いた空間、カウンター席あり、座敷あり |
メニュー
| ドリンク | 日本酒あり、焼酎あり |
|---|---|
| 料理 | 魚料理にこだわる |
特徴・関連情報
| 利用シーン |
こんな時によく使われます。 |
|---|---|
| ロケーション | 一軒家レストラン |
| オープン日 |
1923年 |
| 備考 | |
| お店のPR |
江戸前寿司伝統の仕事を施すことで、厳選素材がさらに魅力を増す
創業大正12年、江戸前寿司の伝統を頑なに守り続ける名店。その本質は、すべてのネタに施す丁寧な仕事にあります。柔らかく煮た蛤や穴子、オボロを挟んだ海老、筋を剥がした鮪、浅く〆られた光物。ひと手間加えることで、素材自体の持ち味がさらに輝きを増しています。シャリは白酢、赤酢、塩だけでさっぱりと。砂糖を一切使わないことで、米自体の甘みが引き立つのです。さらに品書きには手綱巻きや印籠詰めといった、見慣... |
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前回伺ったのはもう10年ほど前になる。
贔屓にされている方と共に建物だけでも楽しめるからと伺った。
その際にお聞きした建物の話なども少し書こうと思う。
現在3代目の隆一親方と長年勤められる山岸さんがつけ場に立つこの建物は昭和20年頃、先代が高級寿司店として建てられたものだという。
それが一番表れているのが白木のカウンター。
厚みが10cm程、長さは6mはありそうな一枚板だ。
面白い意匠の話も印象に残っている。
御影石の床は入口に向かい気付かない程度の緩やかさで傾斜している。清掃する際に外に水が流れる為だ。その床の傾斜に合わせ椅子の脚も斜めにカットしている為、座った際には全く分からない。
老舗である二葉すしや寿司政と同じ、船底天井は歴史を滲ませる。
そして今回楽しみに伺った寿司の話。
改めていただいて、寿司もやはり良くも悪くも老舗を感じさせた。
舎利が特に古典的。
少し柔らかめの舎利は古米がメインなのか少し旨味に欠ける。米粒の表面がざらつき少し潰れているような印象。
舎利は冷たくはないが、低い温度で一定だ。
酸はたってはおらず、素朴な味わい。
酢について聞くとミツカンの米酢と赤酢を同割りで混ぜ、砂糖や味醂や一切使わないものという。
親方は親指を効かせず、穏やかな角度の舟形の舎利に握る。握りはとても早く、水分量が多い舎利ながらもポロポロと崩れるイメージだった。
中でも印象的だったものを数貫。
鯖
塩による適度な脱水に身が荒れない程度の酢の浸透は脂に起因しない鯖の旨味を引き出す絶妙な塩梅。仄かに残る鮮度ある酢は、舎利のコクを感じさせ共に食べる事で昇華される。
鞍懸で舎利に鎮座し、タネと舎利の分量の逆転思わせるそのバランスによりタネを舎利が引き立てる。
個体のポテンシャルに頼らない仕事は素晴らしい。
隠岐穴子
程よい粘度と甘みがありつつも個性を覆わないツメが舌を初めに喜ばす。
白くふわりとした身がほろほろと消えながら、沢煮により感じる事の出来る、身の旨味と軽やかな甘さを残す。
軽やかながらも食べ応えのある穴子だった。
槍烏賊
茹でられた槍烏賊の上にはべったりとツメがコーティング。つるりとした表面に負けない粘度のツメが覆う。
槍烏賊を口に入れるとぱつっと表皮が割れた後にさっくりと柔らかに歯を譲る。硬くはなく割れるのだ。
仄かなイカの甘みとツメが響きあう。
印篭詰は以前いただいがこちらの方が完成度を感じる程の一貫。
全体的にタネは値段帯もあり凄みはない。
鮪に関してはランチであっても切り置きでないのはとても嬉しいのだが冷たく、温度管理はしていただきたいところ。
仕事がしてあるものは好み。
自分に合う仕事こそ、その寿司屋を選ぶ理由になる。本当にありがとうございました！
〜今回いただいたもの〜
320kg宮崎赤身
縞鯵
別府湾赤貝
佐賀小肌
千葉延縄マカジキ砂ずり
鯖
玉子
ネギトロ
壱岐穴子
九十九里煮蛤
ゆで海老
かすご朧噛ませて
槍烏賊