渾身の刺身定食 : 八丁堀 朋

ランチの刺身定食が1100円。
この安さはハンパない。
白身の魚が2種類、マグロ、ホタテ、ハマチが乗ってトータル5種類の魚種が盛られている。しかも全て2切れずつ。

その魚の扱いはさすが、分厚い刺身をふんだんに食べさせてくれる。この白身のサッパリしている仕上がりが本当に嬉しい。
コチかな？あいなめかな？カレイかな？と思って食べたけど
聞かなかったのでその日は識別不能。

後日、聞いたら、ヤガラと目鯛とのこと。嬉しすぎる！
ホタテもこんなに甘くて分厚いホタテ感動しかない。

添えられている副菜はひじきと豆腐＝冷奴が添えられていて、ひじきの煮物は甘すぎないバランスの良い仕上がり。このくらいの薄めの味付けは体に気を使うランチには最高の添え物。うーん、この店のカキフライに以前はゾッコンだったんだけど、刺身定食もやはり素晴らしいなー。1100円という金額は安過ぎるくらいの素晴らしさ。ランチで1500でも僕なら出すレベル。このお店はどの料理とっても、やはりレベルの高いクオリティ。

ご飯はやや、僕の好みの柔らかな甘い米ではないけど、どんぶりクラスのデカ茶碗で、十分な量でランチのボリューム感を支えてくれる満足度の高いもの。

少し気になるのはマグロが、おそらく魚体の小さなメジマグロではないかということ。おそらく30kgほどの魚体ではないかと想像できる味と食感。柔らかくてみずみずしい肉質が旨いとは思うが、次世代のためにも資源を選択して行ってほしいな。

サービス精神旺盛な素敵なお店。なかなかないものねだりになり申し訳ないけど、大好きな店なので、できれば絶滅危惧種の太平洋のクロマグロ、サスティナブルに資源を使い、社会性の高い徳の高さも見せてほしい。

北海道厚岸のブランド牡蠣「マルえもん」LLサイズを食べさせてくれる店。

厚岸の「えもん」シリーズは素晴らしい牡蠣で
稚貝を移入してきて厚岸の海で1～3年育成して出荷するブランドがマルえもん
産卵から、稚貝、育成、出荷までを厚岸で一貫して行うのがカキえもんブランド。
双方とも、厚岸漁協の最強ブランドだ。

厚岸は、大きく括ると釧路地域その自然の豊かさは言うに及ばず。
厚岸湖、別寒辺牛湿原の広大な地域約8,300haは連続して国設鳥獣保護区に指定されており、
そのうち登録面積5,277haの厚岸湾全域を含む特別保護地域がラムサール条約に登録されている。

この自然の背景を持つ海域で養殖されている牡蠣は
まさに天然記念物級の素晴らしい味わい。

八丁堀朋さんは
裏道にある店舗で、あまり目立つものではないが、
（※看板では努力をしているが）
夜は付近でも知る人ぞ知るかなり評判の良い店で、その評判はなんとなくは聞いてはいた。

売りにしているのは
厚岸の牡蠣マルえもん
小形（おがた）牧場の前沢牛
など、裏路地の店なのに一流の旨い素材を比較的リーズナブルに提供してくれる事。

余談だが、この二つに一点豪華主義を絞り込んで伝えているのも
非常にわかりやすくていい。何もかも主張すると焦点ボケをしてしまうから分かりにくくなる。
この二つを前面に出しているだけで、「いいもの使っている」感は充分出ている。

話は戻るが、ランチはそのリーズナブル度が究極を極める。

厚岸の牡蠣マルえもんを使った
牡蠣フライはランチにしては高そうに感じるかもしれないが1,500円。

どこの贅沢ランチよりも贅沢な牡蠣フライで
大振りな牡蠣フライが5つも乗ってくる。

大振りすぎてさすがの僕も一口ではいけない。
しかも、ほとばしり出る熱々の旨味のあるエキスに
「熱っ、旨っ！うまい！旨すぎるぅー！」と絶句。

これほどまでにボリュームと味とを兼備した
良心的な牡蠣フライ定食を僕は未だ知らない。

1,500円はこの内容にしてはかなりリーズナブル。

前沢牛のステーキ丼も丼ぶりに分厚い前沢牛が
一口サイズの食べやすいあまり脂っぽくないが抜群の旨さの前沢牛が
たくさん乗っていて、これもわずか1,200円。

この二つのランチメニューの威力にやられて
大ファンになってしまった僕ではあるが

他にも800円～1,000円で定食があって
どれもボリュームや味の割にはリーズナブル。
聞くとうちの会社の中では昼、夜通してかなりファンの多い店だということが判明。

この付近、すぐ横にブラッスリーギョランができて
飲食の選択が可能な地域になりつつある。

こうして考えると、八丁堀は実は名店ぞろい。

それにしても、あまり人通りのない
裏道というハンデを乗り越えて人気店だというのはすごいことだ。