社員食堂の給食風カレーを思い出すなあ。 : 空腹鶏

当店、神田・御茶ノ水エリアのランチレビュアービッグ4のお一人であるショーグン様のランチレビューを見て、物は試しで訪問してみることにしました。

しかし、長年食べログをやってくると、そのお店のトップページ、そして口コミの様子から見て、そのお店がどういうタイプのお店かということについては、概ね見当がつくようになってきました。

この点については、フォローレビュアーの一人である司祭ことkuidouraku11様から随分とご指南いただいたこともあり、私の感性もそれなりに磨かれてきたものと思っています。

当店は、そんな観点からすると、あるタイプのお店に該当すると思います。
事実だけ端的に述べると、絢爛豪華なトップページ、夜の部を中心とする多くの称賛レビューそして美しい写真の数々、そして半ばキーワードになった感のある店名の「個室」等々・・・

それにランチとは言え、ショーグンさんのレビューがそれを裏付けてくれるに十分でした。
その後、女王様も続きましたね♪

では、何故そんなお店にわざわざ行くのか？
それは良いお店についてはレビューによりどんどん知らしめたいのと同様に、芳しくない評判についてもキチンと発信しないと、正確な情報を読者に伝えるという意味においては片手落ちだと思うからです。
ある意味自己犠牲(笑)の精神ともつながると思いますが。

そんなことで、10月に入ったというのにかなり蒸し暑い陽気のこの日、訪ねてみることにしました。

当店に到着したのは11時45分。
しかし、店頭の表示はクローズドになっています。
店舗情報では営業は11時半からとなっているので、店内にいた店員さんに聞いてみると、「すみません。今日は事情で開店が遅れるんです。」と。
何時になるかと聞いてみると「12時過ぎにはオープン出来ると思います。」との返事。

もうこの日は当店モードに凝り固まっていましたので、「それなら中で待たせてもらえますか？」と渋る店員さんを説き伏せて1,000円を先払いして店内で待つことにしました。

店内はカウンター席7席とテーブル席が大テーブル2卓18席ありますが、一言で言って粗雑な造りですし、清掃も全く行き渡っていません。
客の満足度をあまり考えていないコスト削減ではないか？との疑問が沸き起こります。
肝心の「個室」については2階にあるようで、ランチタイムは稼働していない様子でしたが、1階の造りから見ると想像を働かせたくなります。

店内を観察しているうちに準備は徐々に整えられ、12時ちょっと前にドリンク(ウーロン茶)がサーブされました。
12時をちょっと回った頃にようやく準備が整ったようです。

当店のランチメニューは、カレー一本で、夏野菜カレーが食べ放題(非食べ放題のサラダ付き)で、これに唐揚げ食べ放題が付きます。

セルフサービスなので、カウンター席横のコーナーでカレーをよそいます。
ショーグンさんや女王様のレビューからすれば、当店でカレーは期待しない方がいいと予想して、食べる方は唐揚げに力を注ぐことにし、ライスは少なめにしてカレールーをかけました。

このカレールー、夏野菜カレーということにはなっていますが、チキンは結構ふんだんに入っているものの、夏野菜はかろうじてカボチャの皮が確認できた程度です。
カボチャの身は溶けて形が失われているようです。
数日かけてそうとう煮込んだのでしょうね。焦げ臭を感じたのも度重なる煮込みの結果ではないかと思われます。

テーブルに戻っていただきます。
その間にサラダが提供されてましたので、胡麻ドレでいただきますが、これはごく普通のサラダ。お代わりは出来ません。

カレーはショーグンさんのおっしゃる通りとてもヌルい。
熱くすると焦げ臭が酷くなるので、できないということかもしれませんね。
鶏肉がたくさん入っているのは評価できますが、唐揚げ食べ放題が付いていることからも、やはり鶏肉がキーワードですね。
鶏肉の大量仕入れということが経営の肝になっている可能性が高いと思われます。念のため補足しますが、これはあくまで私見であって、決めつけではありません。また、大量仕入れによって原価を低減するのは、一般論であって、こちらの企業の内部事情について述べたものではありません。

参考までに鶏肉の価格は、数年前のサラダチキンブームの時にムネ肉を中心に高騰した時期がありましたが、その後は下落基調になっており、市場相場を見ても、モモ＋ムネの2kg単価は1年半以上対前年同月割れが続いています。
ブラジル産やタイ産を中心にした輸入もかなり増えてきていることも相まって相場反落になっていると思われます。
いずれにしても安価大量仕入れには好環境と言えるものと思います。
私は、鶏肉たっぷりの分、決して劣悪とは思いませんでしたが、名前は、どう見ても夏野菜カレーではなくてチキンカレーとすべきですね。
まあ、そうするとチキンカレー＆唐揚げ食べ放題になって芸がないということになるので、それを敬遠したとも見れますが。

唐揚げは、揚げたてのものが出されます。
調味料はマヨネーズ、ソース、カイエンペッパー、ブラックペッパーなどと書かれていますが、置かれているはずのコーナーにソースは見当たらず、仕方なく一皿目はカイエンペッパーを振りかけたマヨネーズ、二皿目は塩胡椒でいただきました。
揚げたてですから、味そのものは悪くなかったですね。
ただ、実質チキンカレーとの食べ合わせですので、鶏肉にうんざり感は出てしまいます。

その筋のお店の場合、ランチ営業しているお店は比較的少なく、そのランチ評価については夜の部ほど酷くならないケースも多いですが、当店にもそれが当てはまる面はあると思います。
唐揚げにしても実質チキンカレーにしても、少なくとも鶏肉だけは思い切り食べられる点はそれに該当するでしょう。

ただ、今回の利用に関しては、営業時間をおろそかにしていた点、夏野菜カレーの実物とのギャップ、かなりの手抜きが明らかな内装と清掃といったネガティヴ要因を無視することは出来ませんね。
よって、3.0点割れ評価は致し方無いものと思います。

しかし、昼と夜との違いこそあれ、夜は称賛レビューだらけですね？？？

私は、社員食堂は利用しない派なのですが、久し振りに社員食堂の給食風カレーを食べたような気になりました。
この日は営業開始が遅れたせいかどうかは分かりませんが、12時20分近くまで在店しましたが、客は私ともう一人だけ。
激空きと言っていいでしょう。
原材料の鶏肉が夜の部と共通の素材で、ランチに取り組み始めた理由は、飲食店の重要経営指標であるFL比率(売上に占める食材費と人件費の比率)の低減を狙ったものと思われますが、FL比率の低減はランチでも一定の稼働率を確保しないと難しいですし、この日の客入りを見るとあまり効果を発揮していないと思われます。
なお、念のため補足しますが、これはあくまで私見であって、決めつけではありません。また、大量仕入れによってＦＬ比率の低減を目指すのは、飲食店としての一般論であって、こちらの企業の内部事情について述べたものではありません。

いずれにせよ、この後のランチ営業、どう出てくるのかについては、注目ですね。
※　2019年10月18日後記☞やっぱりランチは中止になりましたので、利用される方はご注意を！！