淡々としたコース料理 : 日本橋OIKAWA

ランチで伺った際、印象が良かったのでディナーで再訪。

周囲にもファンの多いお店なので、私如きが評価するのは勇気のいる事です。
同じ理由で「湯島くろぎ」さんについても、何度か訪問したものの何も書けずにおります。
免責としてあくまで個人的な相性＆感想である事をご理解頂けることを祈って。

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日本橋界隈で和食を探しており、ディナーも食べてみたいなと思っていたこちらを予約。

食べログでも【日本橋×和食】で検索すると１位になっており、更にはテレビで取り上げられたらしく人気が上昇している模様。

お席が取れるか心配でしたが数日前でも大丈夫でした。

新しく離れが出来ると伺っていたので席数増えたのかな～？と思いつつ、期待に腹を空かせて訪問。

活気ある扉を開けて入ると、すぐにカウンターを抜けた外へと案内される。
今日はいわゆる【はなれ】のお席だそうだ。

カウンターを眺めながら食事をしたかったのでカウンター予約をしていたのだが、確約があるわけでもないし予約状況など色々あるのでしょう。残念ですが止む無し。

古いオフィスビル（と言うより昭和の事務所）の廊下に出され、EVで２階へ。
仕事終わりに現実逃避がしたくて食事に出たかったので若干ブルー。
蛍光灯の光と味気ない古ぼけた廊下や他社さんの看板にテンションが下がりながら進む。

もちろん２Fの店舗入口へ向かうと綺麗な空間が広がっている。
玄関で靴を脱ぐように言われ、ストッキングを履かずに春靴で来てしまったので狼狽える。

カウンターからテーブルへ変わるのはともかく、履物を脱ぐことになるのであれば教えて貰いたかったなぁと思った。
今回はプライベートだったから良かった物の、仕事関係や接待であれば困った事になっていただろう。

カウンターが常連さんでいっぱいだったからなのか、デートだからと気を利かせて離れにしてくださったのかは解らないけれど、一応連れ合いに格好つけねばならない場面だったので先に分かっていれば「今日は新しくできたばかりの離れなの」と言いたかった。

通されたお席は４名が入れる広さで、あつらえも良く、使い勝手の良さが伺える。
お隣にもう少し大きな個室があるようで、たまたま元気な男性グループだったせいか賑やかさが伝わってきた。
会話、結構聞こえます。

２Ｆは及川氏ではなく別の方が仕切りをされているようで、サービスもずっと同じ方でした。
丁寧ではあるのですが不慣れさが目立ち、雰囲気が白けてしまいました。

それでも楽しみにしておりやっと来れたお店。
ワクワクしながらお料理とお酒を待ちます。

連れ合いのお祝いで日本酒好きなので、予約時に日本酒を飲みたい旨伝えてありました。
と言うのも、以前お伺いした時に及川氏が日本酒がお好きで色々な種類を合わせていると聞いていたから。

ドリンクメニューはなく２Ｆスタッフの方が、お料理に合うお酒をボトルごと持ってきて下さった。
口の空いていない綺麗なボトルを見せてくださるのは美しいプレゼンでした。

お酒のチョイスは正直面白味がなく、可も不可もない良く見る"かなり有名な"銘柄でした。
お料理が進むたびに２択で持ってきて下さるのですが、興味をそそるものはなく消去法で２，３杯頂きました。

これは同エリア内の「はし本」や「逢坂」で新しいお酒や相性との出会いが多く、そこに楽しみを見出す飲んだくれだからこその感想だとは自負しています。決してこちらのお店に問題があるわけではないのですが、【御店主が日本酒好き】の期待感から肩透かしをくらった感があったので明記しておきます。

ここから肝心のお料理です。

ランチとディナーで印象が全く違いました。

味の含ませ方や盛りの塩梅がちょうど良く、ふくらみを感じる女性的な印象だったランチ。
「これはなんだろう？」「どうやって作るのだろう？」と想像が広がり好奇心が刺激されました。
勢いのある若手のアイディアが光っていました。

一方ディナーはかなり古典的な内容で、淡々とコースが進んでいきます。
盛りも平坦でザッパな印象を受けました。

器に対して中央高く置かれるべきものも、上からラップしてましたか？思わせるような扁平。
コース内のみならず同皿内でかぶる食材。
昔の宴会に出てくる男性的なコースでした。

別の方が作ったのかな？と思うほどイメージが違い、散々素敵な体験を語り聞かされていた連れは(?_?)の表情。

味は普通に美味しいです。
ただ通り過ぎて行く美味しさで、どれがメインだったのかは分かりませんでした。
最初から最後まで通して「おぉ」や「へぇ～」が出ませんでした。
お品書きもないので、これから何が出てくるのか、どれくらい出てくるのかは読めません。
接待利用時には時間も読めず不便かもしれません。

これはたまたまメニューがそういう日だったのか、私の受け取り方が悪いのかはわかりません。
ただ「日本橋OIKAWA」と調べれば【モダン】【創作】など前衛的なワードが並ぶお店です。
そのイメージからは大分遠いのではないかと感じました。

もっと飲むだろうと思い、予算を￥45,000で考えていたのですが、どうもお酒が進まなかった為お酒は３合。
お会計は￥17,000/人。

"貴重なお酒"を頂いた事、税・サを考えても高級感にシビレるお値段でした。

接客も丁寧で、空間もお手洗いも（方向転換が難しい狭さですが）綺麗だし、場としては良いお店です。
席を立つ際は１Ｆでご主人もお見送り下さりました。

あまりに淡々としたお料理だったので特にお声掛けすることもなく、またあちらも何か話しかけるでもなかったので「ありがとうございました」の声だけを聞きお店を後にしました。

奇しくも【日本橋×和食】の僅差３店舗を一周してみて感じた事は、三者三様がバランスよく成り立っていると言う事。

一介の小娘と言う立場で伺った感想は↓。
（あえて同じ価格のコースでそろえ伺いました）

①日本橋OIKAWA…古典、日本酒が凡庸（そして高い）
年配の親しい方への接待向き？。割高感あり。

②日本橋はし本…古典＆創作、若手の日本酒も扱っている（が仰々しい説明と共に出てくる）
押し出しが良いので汎用性高し。店内の動線、街並み含め箔が付けやすい。アクセス良好。
少し気取った付き合い当初のデートにも向く気がする。

③日本橋　逢坂…創作メイン、コアな日本酒が普通に出されてくる（ありがたみは分かりづらい）
お酒が好き、柔軟なタイプのデキる方をお連れすると100％ハマる。コスパ最強。
友人や付き合いの長い方とのデートが盛り上がりそう。

どこがお好きかは本当に好みが分かれると思います。

これはどのお店も常連さんになればまた、印象が変わってくるでしょう。
それを期待させるホスピタリティやラインは全店超えています。
どこが１位でも２位でも３位でも、なんら不思議ないお店です。
だから後は相性のみ！意見には個人差があります！！

とりあえずの結論として、常連さんとご一緒する時までは個人的なこちらへの訪問は取って置くことにします。

最後に…
こうも長々と書き連ねたのは誤解を恐れた為。
私と真逆な方が御不快に感じたら申し訳ありません。