焼きチーズビーフカレー＠３丁目のカレー屋さん : ３丁目のカレー屋さん

東京メトロ京橋駅から徒歩4分。

2番出口から上がって鍛冶橋通りを宝町方面へ。信金中央金庫のビルの手前の路地を入って50ｍ程入ったところに左側のビルの地下1階。1階はタイ料理の店。

ビルの入口には「From ALTEC LANCING Do ｍusic You」という大きな電飾看板が。その手前のところに小さな看板がぶら下がっているだけなので、見落としてしまうかも。尚且つ地下1階であることも書いていないし、地下に降りて行っても扉の横に掛かっている「お客様へ」という注意書きの所に小さく店名が書いてあるのみ。ちょっと秘密倶楽部っぽい。

20:00頃訪問。店内に先客が9名。女性6名のグループと男性1名と2名という構成。店内はかなり広々としていて、壁に沿ってテーブルが設置されているので、9名いても少し閑散とした感じがする。

扉を開けると、ウェーブの少し掛かったロングヘアが印象的な年配の女性店員さんが空いている席に案内してくれる。

店に入って右側に年代物のALTECのオーディオがずらりと。おそらく、もともと「Do ｍusic You」という店だったのだろうと想像。ミュージックバーだったのかしら？余裕のあるテーブル配置もそれなら納得がいくし、入口の看板の謎も説明がつく。

メニューを確認してから、焼きチーズビーフカレーを辛口で。合わせてコーヒーを食後にオーダー。夜はドリンクを頼まないとチャージとして300円掛かるとのことなので、コーヒーを頂くことにした。やっぱりカレーにはコーヒーでしょ。

店内にはジャズのLPレコードがALTECのオーディオセットから迫力ある音で掛かっている。LPが終わると、厨房から若い店主の方が出てきて、レコードを裏返していた。店主の方はわりと若い感じの方なので、女性店員さんはお母様なのだろうか？

15分程でまずサラダが提供される。

サニーレタスとサラダほうれん草、じゃがいもの千切りを揚げたもの、ベーコンビッツ。ドレッシングは甘めの和風。

取り敢えず、サラダを食べてカレーの提供を待つことに。付け合わせのサラダにしては量もしっかりあってなかなか豪華な感じだった。

そして25分後に焼きチーズビーフカレーが提供。

手付きのテラコッタの耐熱皿に焦げ茶の煮え滾ったグレービー。中央には焼けたチーズが乗っている。

猫舌なので、このままだと火傷しそうだなと、少しグツグツが収まるまで待つことに。スコップ型のスプーンでグレービーを掬ってみると、中に溶けたチーズとライスが出てきた。

チーズの混ざっていない隅のほうのグレービーを少し掬って舐めてみる。それほど辛口という訳ではないが、濃厚なコクの欧風の味わいが。バナナの甘みがけっこう強く感じられる。あと、シナモンではない甘い香りのスパイスも。何だろう？

次にチーズが混ざったところを食べてみると、コクがさらにプラスされてコッテリした味わいに。これはなかなか美味しい。ただ、グレービーとチーズとライスが混ざっているため、味に変化がないというか、途中で旨味の濃さに少々飽きてしまった。

うーん、口直しのためにサラダを少し残しておけば良かったかも。

最後のほうはスパイスの効きが強くなってきて、辛さも十分に感じられるように。更に焼き付いたライスもスプーンで刮げてきれいに食べ切った。

食べ終わった頃を見計らって、食後のコーヒーが提供された。

ちょっと変わった形の手焼き風コーヒーカップに深入りのコーヒーがたっぷりと。そう、カレーの後の深入りのコーヒーはとても良く合うのだ。この辺店主の方も分かっているのだろう。

ゆったりと美味しいコーヒーを飲みながら、ジャズのレコードを聴く。ダラダラと時間を過ごすのがとても楽しくなる空間である。

出来れば1、2時間ゆっくりとしたいところだが、コーヒーを飲み終わったところで閉店時間。女性店員さんを呼んで、テーブルで代金を払った。

帰り際にお母様が扉のところまで送ってくれるのを制止して、オーディオセットの前で「これ少し拝見しても良いですか？」とお願いしたところ。「はい、どうぞ！自慢の真空管アンプなんです」と笑顔で答えてくれた。

オーディオの写真を数枚収めて、女性店員さんにお礼を言って店を出た。

こちらのカレーはとても良く出来た美味しいカレーだと思う。焼きチーズビーフカレーだけでなく、菜食カレーとかシーフードカレーなども試してみると、店主の方の実力の全容を知ることが出来るかも。スパイスの使い方も独特で複雑なので、一度どんな使い方をしているのか訊いてみたいかも。

そして、カレー以上にここの空間が気に入った。カレーを食べずにコーヒーだけでも良いのかしら？その辺をちゃんと訊いておけば良かった。