【丸の内仲通り Vol.1】マドレーヌ (madeleine) で虫養い : エシレ・メゾン デュ ブール

「三菱村」を南北に走る ”丸の内仲通り” には、たくさんのブランドが店を構えています。

世界有数の高級ブティック街であるNY Fifth Avenue(五番街)、ロンドン Bond Street(ボンド ストリート)、パリ Rue du Faubourg Saint-Honore (フォーブル・サントノーレ通り)、ミラノ Via Monte Napoleone(モンテ　ナポレオーネ通り)、ベヴァリ・ヒルズ Rodeo Drive(ロデオドライブ) に比べると作為的で三菱グループの意向を強く感じてしまいます。

三菱グループの「三綱領」（所期奉公・処事光明・立業貿易）の一つ ”処事光明” とは「公明正大で品格のある行動を旨とし、活動の公開性、透明性を堅持する。」という意味でありますが、社是とかスローガンというのは、”明るい農村”、”Cool Japan”、”Fun to Drive Again” などを例にしてもお分かりのように実際にはそれができていないから掲げるものであり、社是や企業理念を見ればその集団の足らないところが明確に伝わってくるという「冷酷なる事実」があります。


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と書いたものの三菱村の地下駐車場に車を滑り込ませ、1時間以内に三つの買い物ができるというのは便利であります。買い物の額によって駐車料金の割引もあり、今回も無料で停めることができました。


Vol.1 「エシレ・メゾン デュ ブール」


・マドレーヌ (Madeleine) ＠300円
・ギモーヴ・オ・ブール (Guimauve au Beurre、バターのマシュマロ) ＠1,200円×2箱

この日、妻を六本木のけやき坂で降ろし、私は都内で別の用事をこなし、紀ノ国屋 青山の「イル　プリマリオ」で待ち合わせするという実に平凡な日程なのですが、日曜日に開いていて四、五貫 摘んで簡単に済ますことのできる旨いすし屋は少ないし、面倒なのでエシレ・メゾン デュ ブールでチョットだけ買って”虫養い”でもしようかと考えたのですが、店へ行ってみると二十人以上が列をなしています。『久しぶりだから並ぶか』ということになり、中国語や韓国語ばかりが聞こえる列の最後尾に着きました。西洋人は一人もいません。そうですよね、何も此処で買わなくても帰国すれば おいしいクロワッサンや菓子はいくらでも安く買えます。

店の中にはマドレーヌを焼く匂いか充満し、待つことが苦にならないほど幸せな気分に浸ることができます。皆さん列を作っている間に購入する品を決めているようで、注文取りの女性が二人いるのですが、「あれとそれ」「これはプレゼント用にラッピングしてください」と手際よく日本語で頼み、英語での対応もストレスなくこなしてくれて、列はスムースに流れていきます。


マドレーヌ (Madeleine) は、作り立てが一番おいしく、粗熱が取れて落ち着いた頃に食べるのが良いです。これを家に持ち帰って保存容器に保管したとしても翌日に食べるの物とは比較にならないくらい差があります。

たった一個を買っただけなのですが、車の中にマドレーヌの芳香が広がりました。
「直ぐ、食べてね」と言っているようです。

エルサレム、バチカンと並ぶキリスト教三大巡礼地のひとつSantiago de Compostela (聖ヤコブの遺骸が祀られている) へ向かう巡礼の証である帆立貝をかたどってマドレーヌという女性が作ったという説もありますが、菓子のマドレーヌは貝殻の模様を下にして焼きます。店に並んでいる時は貝殻文様が表になっていますが、裏側がアワビの柱のように盛り上がっています。ここがフンワリしておいしいのです。たったの一個を食べただけなのですが、満足度は120%、実においしい！！！！！


ギモーヴ・オ・ブール (Guimauve au Beurre、バターのマシュマロ)についてコメントしている食べロガーは少ないです。やっぱり私は ”マイノリ党” です。

店にも「本日、クロワッサン完売しました」との貼り紙があり、他の客の購入品もフィナンシェ、マドレーヌ、ケーキ、ビスケットでありますが、ギモーヴ・オ・ブールは誰も手を出しません。こんな美味しものはないと思うのですが、酒飲みの嗜好品なのでしょうか。グラッパやマールと合わせると最高に美味しいです！！！！！


次に向かうは、仲通りを日比谷方向に進んだ「和久傳」と「COVA」です。

（2回目のコメント）

今回は、丸ビルで行われたセミナーの帰りに寄ってきました。
セミナーが目的というよりエシレ・メゾン デュ ブールに寄ることが目的であり、ついでにセミナーに参加したようなものです。

午後3時過ぎの入店でしたが、店内には８名ほどの先客が商品を選んでいました。
今回のお目当ては、ガレットでもクロワッサンでも入手困難なバターでもありません。

　・エシレ バターを原材料の30％も用いた独創的なマシュマロ　ギモーヴ・オ・ブール
　・エシレ バターをクリームの半量近く使ったミルキーでコクのあるバター クリームのケーキ三種

この二つを買うために寄りました。
前回は、開店間もない午前10時に入りましたので、数量限定販売のガトー・エシレが手に入りましたが、これと同じバタークリームを使ったミルフィーユが目に焼き付いて頭から離れなくなっていました。パリッと焼かれたパイ生地とバタークリームの組み合わせがどんな食感を与えてくれるのか想像しただけで嬉しくなります。

ガラスショーケースを覗いているとケースの上にギモーヴ・オ・ブールが置かれていました。写真のようにパウダーシュガーの掛かったキューブ状のマシュマロです。食いしん坊の性として、目に入ったからには買わずに店を出ることができない衝動にかられました。

自宅に戻って夕食の準備を整え、食後のデセールとしてこれらのお菓子を用意しました。
夕食は、今が旬の魚”たかべ”の塩焼きにエキストラ・バージンオリーブオイルを振って、箸ではなくナイフとフォークで食べ、ボルドーの白ワインを開けて、デセールを食べる雰囲気を作りました。勿論、塩焼きに使う塩は、フランス産のカマルグです。

いよいよマシュマロ　ギモーヴ・オ・ブールです。
美味しいものは、口に近づけただけでそれが持っている香りが鼻腔をくすぐり、脳天を突き抜ける衝撃を与えるものです。まさにこれはエシレバターの真骨頂とも言えるお菓子です。こんなお菓子を創作するフランス人というのは、視覚、嗅覚、味覚、触覚においてなんという才能の持ち主なのでしょうか。

次にミルフィーユです。
想像していた通り、パリッとしたパイ生地がフォークに崩されポロポロと崩れ皿の上にこぼれました。この崩れた欠片をバタークリームで掬い口に含みました。バタークリームがトロッと溶けて舌に広がっていき、どういう訳かパレ・ロワイヤルのパティオを思い出しました。そうか、白と焦げ茶色の文様が思い出させたのです。甘くほろ苦い思い出です。

などとツラツラ書きながら、どうして私は文才がないのかと嘆いているところであります。
フランス人だったら叙情的に表現力豊かに、この素晴らしいお菓子について記述するでしょう。失礼いたしました。


（1回目のコメント）

先日、東京ステーションホテルに泊まりました。
ある方からブラン ルージュの食事券（二名分）をいただきましたが、ワインを飲まないフレンチは寂しいので部屋を予約してゆっくりしました。東京在住の私たちが都心のホテルに泊まることは結構あることでこの天井の高いホテルは一番のお気に入りです。翌朝、丸の内を散策していると三菱一号館美術館のパティオにバターの香りとともに列が見えてきました。ECHIRE MAISON DU BEURREです。「そうだ、ガトォー•エシレだ。」と気付き、その列の最後尾に並びました。

何度も訪れているECHIRE MAISON DU BEURREですが、いつも訪問時刻が遅いので残っているサブレやクロワッサンを買って喜んでいましたが、今朝は幻のガトォー•エシレを買うことができます。

ところで、私は料理が好きなので朝晩、家族全員分を作っています。
和食、洋食、イタリアンが主体ですが、出汁も昆布と鰹節で引き、ソフリットも約1時間かけて造りますので、化学調味料を使ったことがありません。さすがにフレンチのフォンまでは手が出ませんが、エシレバターに出会うまでカルピスバターを使っていました。今でも基本的にはカルピスバターですが、より豊かな香りが必要な時にエシレバターを使います。常に二種類のバターが冷蔵庫に入っています。（塩不使用タイプ）

さて、初めて食べたガトォー•エシレは香り良く、滑らかで口の中でとろける具合が官能的であります。決してしつこくなく食べようと思えば1本丸ごと食べることができる仕上がりです。行列を作る理由が判りました。もし、売り切れていたら「ミゼラブル」や「ミルフィーユ」でも同じ味が楽しめるのではないかと思います。ガトォー•エシレは持ち歩き時間が短いですから遠方の方は近くで直ぐに食べるか購入をご遠慮いただいたほうが良いでしょう。