エシレバター入りクロワッサンの聖地巡礼? : エシレ・メゾン デュ ブール

この口コミは、コロコロさんが訪問した当時の主観的なご意見・ご感想です。

最新の情報とは異なる可能性がありますので、お店の方にご確認ください。 詳しくはこちら

3.0

~¥9991人
  • 料理・味3.0
  • サービス3.0
  • 雰囲気3.0
  • CP1.5
  • 酒・ドリンク-
2015/01訪問1回目

3.0

  • 料理・味3.0
  • サービス3.0
  • 雰囲気3.0
  • CP1.5
  • 酒・ドリンク-
~¥9991人

エシレバター入りクロワッサンの聖地巡礼?

■プロローグ 
(長い前置きなのであしからず  レビューは、ーーーーーーー のあとからです)

◆エシレバターとの出会い
エシレバターという、美味しいバターがある。
という話を聞いたのは、7~8年前のことだったでしょうか。

たまたま、イタリアンのランチを食べた時に、食べ放題のパンに
噂のエシレバター50gがまるまるつくというメニューに遭遇しました。
さすがにすべて使いきることはできないので、
ランチでは使わずに、そのまま持ち帰りました。

おいしいという噂だけども、そんなに違いがあるのでしょうか?
ところが、実際に食べてみると、これがまた、おいしい!のです。
これまでのバターとは全く別物でした。

バターによってもたらされる「コク」は好き。
しかし、バターの食感、ねっとりした油脂の状態が嫌いで、
完全に溶けていないと食べることができません。

ところが、エシレバター、バターの方から、
「溶かして食べたらダメ そのまま食べてね」と訴えかけてきたのです。

思い切って、溶かさずに原型が残る状態で食べてみました。
溶けていない状態のバターを食べることができる
というのは、私にとっては、画期的なことでした。

そんなわけで、自分でも買って試してみようと思い、
その後、購入し食べてみたのです。

ところが・・・・
2度目に食べるエシレバターは、最初の感動がありませんでした。

おそらく、「常温に戻してから塗る」というひと手間が煩わしくなり、
焼いたトーストに乗せて、またトースターで加熱し、
完全に溶かして食べたからかなと思われました。

やはり、常温に置いて、ふんわりした状態で塗って食べてこそ、
エシレバターの風味が生きるのだと悟りました。

もしかして、このバターは、加熱調理には
あまり向かないバターなのでは? と感じさせられました。

しかし、常温にもどして、塗っても最初の感動には及びません。
2度目の慣れということもあるのかもしれません。


◆エシレバターを使ったパンの登場

そののち、エシレバターを使った食パンやクロワッサンがあると知りました。

しかし・・・・
パンに練りこんで、エシレバターが持つよさを、
引き出すことができるのかしら?と思っていました。

勝手にエシレは、加熱に弱いと思っていたので、
焼いてしまったら、風味が失われてしまうのでは・・・・と。

クロワッサンであれば、バターを層にして重ねるので、
バターの違いを感じることができるかもしれません。
しかし、食パンに練りこんでも、
バターのおいしさは、わからなくなりそうな気がしました。


◆エシレという先入観が味に影響?
エシレ入りのパンを、まだ食べる前、
噂では、とても評判は良好でした。
しかし、私は思っていました。

「エシレバター入り食パン」
という先入観が、おいしいと思わせているだけじゃない?  
私は騙されないわよ・・って(笑)

実際、エシレバター入りのパンのクチコミを見ているとこんな話がありました。

「プレドールのクロワッサンは、エシレバターを使っているからおいしい」
と書かれていました。

ホント?  クロワッサンにエシレバター使っているように思えませんでした。 
エシレバター使ってるのは、食パンで、クロワッサンには、使ってないと思うけど・・・

お店の方に確かめてみました。やはり使われていませんでした。

ほ~らね、やっぱり・・・
おそらく、食パンにエシレを使っているから、クロワッサンにも使っているのだろうと
思ってしまったのだと思います。
そのため、入ってもいないのに「エシレ入りクロワッサンは、おいしい」
という評価になってしまったのでしょう。味覚なんてそういうものなのよ・・・・

しかし・・・・
オープン当時、クロワッサンに、エシレバターを使っていたことがあったそうです。
当時のクロワッサンを食べた方は、とてもおいしいと感じて、
やっぱりエシレバター入りのクロワッサンは違うと思ったそうです。

ところが・・・・
ある時から、プレドールのクロワッサンは、エシレバターを使わなくなりました
使われなくなったのに、その変化に気づけず、その後もずっと、
エシレバター入りのクロワッサンは、おいしいと思っていたとのこと。

一方・・・
ご主人は、クロワッサンの味が変わったことに気づいていたそうです。
「エシレが使われなくなっていた」と、話たら、
「味が変わったことなんてとっくに気づいていた・・・ 気付かずに食べていたのか?」と言われてしまったと・・・

結局、エシレバターは特徴のあるバターなので、
最初に食べた時は、その違いに気づく人は、気づけるのかもしれません。
しかし、その後も、
エシレ入りだと思っていますから、使われなくなっても、
味はおいしく感じてしまうというよい事例だと思いました。

実際に、エシレバターそのものは、
今まで経験したことのない味なので、
その差が「おいしい」と感じさせている部分もあるような気がします。

バターに限らず、ファーストインパクトが強い食品というのは、
これまで食べていた味との違いが、明確に飛び込んできて、
その違いをおいしいと感じていることがあるのではないでしょうか?

そして、一度、そう思い込んでしまうと、その後、変化があっても、
思い込みは解けず、使われなくなっても気づかないということは、
ありがちではないかと思いました。

裏を返せば、一度、おいしいという評判を作って、
話題になり、行列ができるようになったら、
そのあと、少しぐらい味を落としても、利用者は気づかず美味しいと思って食べてくれる
そんなことも、ありそうです。
(一部の人たちには、気づかれてしまうのでしょうが・・・・)


◆日経ランキング1位の食パン
エシレバター入り食パンで有名なのは、葉山のプレドールです。
エシレバターを教えていただいた方から、プレドールの食パンもおいしいと伺っていました。

しかし実際に食べてみましたが、全然、おいしいと感じませんでした。
その後、日経の「なんでもランキング」食パンで1位になったこと知りました。(2014年3月)

あれが、一位なの!? でした。
日経のランキングって、専門家が選んでるのよね。

私も一度しか食べていなかったので、再度、確認してみました。
しかし、おいしいとは感じませんでした。

このランキング、どういう方が評価して、どういう採点をしているのでしょうか。
詳細は、下記にあります。

http://www.nikkei.com/article/DGXZZO67476680X20C14A2000000/

選者11人のうち10人が、推薦しており、次のようなコメントが・・・・
「誰もがおいしいと思う味わい。焼くと香りが立ち、生地のしっとり感が際立つ」
焼かずにそのまま食べたときの評価も高く、「口当たりがなめらか。バターなどをのせずにそのまま食べたい」
といった専門家の声があったようです。

私と専門家の味覚は違うのだと思いました。

そして、10人の専門家がこの食パンを評価したけれど、
評価しなかった1人の専門家の味覚と私は同じなのかも(笑)


◆専門家は一般人の味覚の代表?
ところで、専門家の味覚は、一般人の味覚を代表しているのでしょうか

専門家が絶賛しても、一般人に受けないものもあるし、
専門家がダメだししても、一般人に受けるものもあると思うのです。

  たとえばお願いランキングのファミレスメニューの時によく感じていたことなのですが、
  お店で一番売れているというメニューに専門家がよくダメだしします。
   (演出であるかもしれないことは、置いておいて・・・・)

  あなたたち専門家にとっては、NGかもしれないけど、
  一番売れてるっていう現状は、どうとらえるの
  一般人は、そういう味が好き、それをおいしいと思ってるってるってことじゃない?
  世間一般の味覚と、あなたたちの味覚は判断の基準が違うってことじゃない?
  あるいは、世間一般がおいしいと思う味のレンジを、
  専門家になってしまったゆえに。見失っているというこもあるのでは? 

と思っていました。
そのため、プレドールの食パンを11人中10人の専門家が一位に選んだとしても、
私は、私がおいしいと思うものがおいしいものなので
あなたたちの味覚とは違う・・・・と一蹴していました。


◆求めるものが違う
エシレバターを教えていたただいた方に、
「エシレバターは確かにおいしかったけど、 プレドールの食パンは、おいしいと感じなかった」

という話をしました。すると

「おそらく、コロコロさんは、エシレバターをパンに付けて食べた時と
 同ような感動を、食パンに求めているような気がするんですけど・・・
 練りこまれてしまうと、やはり塗った時と同じではないですから、
 パンに直接つけた時の、感動のようなものを求めてしまうと
 どんなエシレのパンを食べても、おいしいと思えないのではないでしょうか?
 私は、プレドールおいしいと思いましたよ・・・・」

と言われて、なるほどと思いました。
カルチャーショックに近いくらいの最初に感じた
エシレバターの衝撃を求めていたかもしれません

これまでも、エシレ入りクロワッサンも食べてみましたが、
どれも、納得ができるものではありませんでした。


◆サダハルアオキのエシレクロワッサン

エシレバターは、本当に繊細で、
フランスから日本に移動する間にも変化してしまう。
そのため、フランスのエシレバターの産地近くで、クロワッサンを作り
冷凍して輸入し、こちらで焼くという手法をとったサダハルアオキのクロワッサン。

サダハルアオキのエシレ入りクロワッサンの作り方についても、
疑問を感じていました。
エシレバターは日本にも輸入されています。
そして、30日ぐらいの賞味期限があります。

これだけ期間の幅のあるバターを、現地でできたてのバターを使わなければならいほど、
焼いたクロワッサンでこだわる意味があるのか疑問でした。

生で食べるなら、フレッシュなエシレバターはおいしいのだろうということは想像できます。
しかし、焼いたクロワッサンに使うバターが、
日本に輸入してから使うバターとの違いがわかるほど、
繊細な味覚を持った人は、どれくらいいるのでしょうか?
当然、私にはわからなと思ったので、現地でエシレバターを使うという意味、価値が
よくわからなかったのでした。

そもそも、すぐに使わなければ変化するバターを、
日本に輸入して、使っている現状を、どう説明すればいいのでしょうか?

結局、商品にストリー性を持たせているということなのねと思ってしまいました。
出来立てのフレッシュなバターを使ってます。
そのため、現地ですぐに作りました。フランスで冷凍したパンを空輸してます。
と言われると、一種のこだわりにも感じられ、ありがたい付加価値にもなります。

「フランスで作って空輸する」ということは、
輸送コストがかかって、その分、価格にも添加されてしまっているのだろうと感じてしまい、
なんだか、わざわざめんどくさいことをしていると思ってしまったのと、
実際に食べてみても、エシレバターである意味が、あまり感じられず、
そんなにおいしいと思えなかったのです。


◆高級素材を生かしきれていないパン作り
「エシレバターを使う」ということの付加価値の面が大きいのでは・・・
と思い初めていたところに、街中のパン職人さんを取り上げた記事があり、
興味深いことが書かれていました。

  最近はフランス産の高価なバター、小麦粉を使ったことを売りにするお店があるが、
  高価な食材を生かしきれないと感じたそうです。
  パン生地を作り置きしたり、冷凍保存をしてしまっては
  どんな高価なバターを使っても、宝の持ち腐れ・・・・

この一言で、意を得たり! と思いました。
高級なエシレバターを使うというのは、一種のキャッチなんだと。
それだけで、美味しパンというサブリミナル効果があります。

ところが、その素材のよさを、本当の意味で引き出して
生かしているお店というのは少ないのではと思いました。

私が最初に直感的に感じた、エシレバターというのは、
加熱してしまうと、持ち味を失ってしまうのではないか
ということにもつながる気がしました。

高級バターのエシレを、売り文句として使いありがたいものにしているけど、
特徴を引き出しておいしく仕上げているお店は少ない・・・

高級バターを使えば、高い値段をつけても、受け入れられやすくなります。
エシレバターを使ったパンというのは、単なる符丁に思えて、
もうエシレバター入りのパンに踊らされないぞ・・・(笑)
食べ比べは、ピリオドを打とうと思っていました。

しかし・・・・

◆最後にエシレ・メゾン デュ ブールで確認

私がこれまでの経験から悟ったことは、
エシレバターを使いこなして提供しているベーカーリ-は少ない。

ただ、2009年、フランスA.O.P.伝統発酵バター「エシレ」の世界初店舗がオープンしました。
世界初のエシレ。その触れ込みに一種の期待がありました。

もしかしたら、このお店なら、エシレバターのよさを、存分に引き出し、
おいしいと思わせてくれるクロワッサンを提供してくれるかもしれない。

エシレ入りのパンは、もういいと思ったけど、
最後にこのお店のクロワッサンを食べて、
エシレバター入りのパンについて、自分なりに理解し判断をしようと思ったのでした。

ところが、なかなか訪れる機会がありません。


■今だに行列のできるお店
オープンは2009年。
当初は、購入するのに行列しているという噂だったのですが、飽きやすい日本人。
何年かすれば、すぐにおちつき、行列もなくなるから、それから伺うつもりでした。

ところが・・・・・
オープンして5年たった今も、未だに並ぶらしいのです。

立ち寄っても午後には買えないらしい。
午前中に買って持ち歩くのも煩わしいし、すぐに食べないと味も落ちてしまいそう。
そのため、利用することができませんでした。

5年たっても、今なお、途切れることのない行列

と聞いて、思いました。
これは、意図的に作られた行列だと・・・・・

おそらく、今後も、この行列は続くと想像されます。
ここは、意を決して、朝一から並ぶつもりで、でかけないと、
いつまでたっても食べることができないと思ったのでした。


■事前の情報収集

現在の行列の状況を情報収集もかねつつ、
エシレクロワッサンの評判をさぐりながら、クチコミを見てみました。
なんと、500を超えるクチコミの数です。

そして売り切れで購入できなかったという声が、いまだに寄せられています。
朝から並びました。11時には買えませんでしたという声。
その一方で、午後でも買うことができたという日もあるようで、
その日の状況によって違うようでした。


◆生産調整してない?
焼かれるのは、1回だけ・・・・・
三種類のクロワッサンがあり、一人6個ということがわかりました。

これで、行列の仕組みが見えた気がしました。
何で1回だけしか焼かないのでしょうか?
2回焼けばいいだけの話ではないかと思うのです。
いろいろ事情もあるのかもしれませんが、ちょっと、興ざめしてしまいました。

そして、この行列も、オペレーションで意図的に
長くなっていることが考えられます。

行列ができる商品は、もともと魅力があることが絶対条件ですが、
さらに、行列を作るためのノウハウも駆使されています。

ヒットして品薄になると、通常は生産体制を整え、多くの人に行き渡るようにします。
しかし、十分、行き渡り苦労せずに手に入るようになると、
人は飽きてしまいブームも下火になります。

マーケーティングのノウハウに「飢餓状態をつくる」ということが言われます。
モノがないときに、人は欲する・・・・ないと言われると欲しくなる・・・・

ならば、食品も、それを応用すればいいと兼ねてから思っていました。
供給する努力するのではなく、息を長く続けるために、
顰蹙を買わない程度の品薄状態を意図的に作る。
生産体制は努力して整えない方がいいのではないか・・・と

そして、マスコミに取り上げられるような爆発的なヒットにして行列を作るのではなく、
細く長く持続的なヒットを狙う方が、飽きられることない商品になると・・・

大きく取り上げられることはなくても、いつも並んでいる食品というのは、
そうした販売がされていると思っていました。

5年たってもまだ、行列が続いているエシレ・メゾン デュ ブール。
きっと、それを実践しているということなのだと思いました。
その読みのとおり、1回だけしか焼いていないとわかって、やっぱりと思ってしまいました。


◆購入制限
そして、一人6個という制限にもちょっとした仕掛け(?)を感じてしまいました。
今の時期なら、寒空の中を並びます。
3種類あるなら、それぞれ1個ずつにしようかなと考えます。

結局、長い時間並べば、これだけ並んだのだし、また並ぶのも大変。
6個、買っちゃえ! と1個、400円を超えるクロワッサンを6個買ってしまうのでは?
そもそも、クロワッサンを6個なんて通常、購入する数ではないと思うのですが、
制限されることで、買いたくさせられてしまうのでは・・・
それによって、またまた行き渡らない状態となり品薄状態。

入手できなかった人は、また今度・・・ということで、
行列は細く長く続いていくということに・・・・


◆丁寧な接客
クチコミを見ると、とても丁寧な接客をされている様子が伺えます。
包装は紙袋で個包装で丁寧です。
もし、6個のクロワッサンを購入する人が続いたら・・・・
一つ一つを6回、包装されることになります。
この接客方法は、一人にかかる時間が当然長くなります。
すると、行列ものびる、待ち時間ものびる。
でも、丁寧な接客だから、待っている人たちに
それほどストレスを与えないということなのだと思いました。

また、こじんまりとした店内で、行列の時は、
人数が制限されています。
そして、何を買うかは、店内に入ってからでないと物色ができません。
お客さんが購入するものを決めるまでの時間もかかります。

ラーメン店の行列、実は、カウンター10席ぐらいで、
回転率を下げているから・・・というのと似てるかも(笑)

以上のようなことが、ざっとクチコミを見た様子から伺えました。

そして、この行列は巧妙に(と言ったら聞こえが悪いですが)
作られているな・・・と思ってしまいました。

そして、これからも、とだえることなく、
まだしばらくは続くのだろうと・・・・・


◆400円のクロワッサン

そして驚いたのは、400円を超える価格です。
クロワッサン1個が400円!  ありえない!

以前、300円台のロブションのパンですら、なんなんだ・・・と思ったのですが、
クロワッサンに400円はどう考えても、高すぎではないでしょうか。

物にには適正価格というものがあると思います。
過去にも、2000円の味噌煮込みうどんは許せないと思いましたし、
豪勢な魚介のラーメンが1500円というのも、許容できません。
どら焼きやケーキ、パンなども妥当が価格があると思うのです。

シンプルなクロワッサンに400円という値段をつけてしまうのは、
エシレバターで高級感を煽り、
世界初エシレバター専門店という看板で上乗せしすぎ。
ブランディングによる価格アップ。どうも好きになれません。
(立地や材料費、空輸などもろもろかかることもわかりますが・・・)

そして、わかりました! バターが材料の50%だそうです。
これを知った第一印象は、そんなに入れてどうなの!?
バターを入れればいいってもんじゃないと思うけど・・・でした。

材料の半分がバターなんて、信じられません。
高級バター、こんなにたくさん、使ってます
だから、400円でも納得してね・・・って言われているみたい。

そもそも、どうやって、50%のバターを
生地と交互に層に重ねていくのかしら?
半分もの量を重ねることなんてできるのでしょうか? 油まみれになりそう・・・・

結局、50%という数字ももキャッチにすぎないのだと思いました。
50%のバター、すごい! って思わせるための。

  最近でいうと、お酒の「獺祭」のヒットも、2割3分という数字がポイントでした。
  はちみつコスメの、はちみつの含有量も、
  通常は入れることのできない10%にしたことがミソで注目されました。

業界的にありえない数字の含有量などを打ち出すことで、
商品が差別化され特徴づけられ、注目に値するものになり
メディアにもとりあげられやすくなります。
そういう狙いもあっての50%含有率だと思ってしまいました。


■一般的なクロワッサンンバターの含有率は?
ところで・・・・
50%のバターなんてありえないと思ったのですが、
通常のクロワッサンにはバターはどれくらい含まれているでしょうか?

子供の頃、母がクロワッサンを焼いていたので、
そのバターの量にびっくりしました。それを上回る量ということです。

ところが、いろいろ調べてみると、含有量には幅があるようで、
30~60%と結構、ばらつきありました。
そして、50%のバターが特別に多いかというと、
そうでもないような印象もあり、中には60%という話もありました。

となると、50%が特筆する数字ではないということでしょうか?
これまであまりバターの含有率を表に打ち出したクロワッサンがなかったので、
50% という数字が、インパクトを与えているとも思えます。


■マイナスの刷り込み
以上のように、エシレ・メゾンデュブールについて、事前調査をすればするほど、
印象は、マイナスに大きく傾いてしまいました。

エシレバターの入ったクロワッサン。
さぞや、おいしいのだろう・・・・という期待とは裏腹に、
戦略的なにおいがプンプン漂うクロワッサンになってきました。
果たして、どんなものなんだろう? と斜めから見ている感じです。

話題作り、うらんがためという部分が見えてしまって、
ある意味、逆刷り込みがされてしまいました。
そして、そもそも、400円のクロワッサンなんて、
私には許容できませんでした(笑)

しかし、最初にマイナスイメージを持っていたのに、
おいしいと感じることも、過去にありました。
ここまで穿った見方をしている、クロワッサンですが、
これで、美味しいと感じることができたら、それは本物だと思うのです。


■エシレ・メゾン デュ ブールへの期待
たまたま知ってしまったあるパン職人の言葉。
最近の良質なバターや小麦粉を使っても生かしきれていないことが多い。

しかし、エシレ・メゾン デュ ブールは、世界初のエシレバター専門店です。
当然のことながら、エシレバターのことは知り尽くしているはずです。

巷では、エシレバターを活かすことができていないベーカーリーが多くても、
ここなら、エシレバターを生かしたパンを、きっと提供してくれるはず・・・・
食べる前に抱いてしまったイメージを覆してくれるのでは?という大きな期待もありました。

マイナスイメージを逆転する力を持っているかもしれない・・・・
いや、持っていて欲しい、この価格を裏切らない商品を
提供して欲しいという切望にも近い気持ちでした。


■並ぶことを断念・・・

元来、並ぶことは嫌いで、
今回だけは、気合を入れて朝から並ぶぞ! と思っていました。
しかし、その日は、あいにくの雨。

この雨の中、並ぶのはちょっと・・・・
しかも、湿気を嫌うクロワッサン、雨の日に持ち帰って食べても、
本来の味ではないことが想像されます。

午後に、立ち寄るところがあるため、一日、持ち歩くのは得策ではありません。
過去に、雨の日に評判の「墨絵」のクロワッサンを、
持ち歩いて、よさを感じることができなかったことがありました。
この価格帯を支払って、そういう失敗はしたくないと思い、
またの機会に見送ることに・・・・

しかし・・・・・

その気になったことだし・・・・
とりあえずは、場所の確認と、偵察の意味でも、
一度、エシレ・メゾン デュ ブールを訪れてみることにしました。


■訪問

16時頃だったでしょうか?
ドアを開けると、ウッとむせかえるようなバターの香りが、
漂ってきました。

そして、目の前に飛び込んできたクロワッサンの山。

えっ、えっ、えっ?   どういうこと?
ちょっと混乱気味・・・
クロワッサン、たくさんあるじゃない。  なんだ・・・・・

お正月明けの平日、しかも雨天ということで、
クロワッサンは、残っていたようです。

有塩と無塩の2種類でした。
もともと、買うつもりがなかったので、とまどいます。

こんな日に買うのはコンディションが悪すぎます。
しかし、またにのばすと、いつ来れるかわかりません。

ここは、買ってすぐ食べられる分だけ、購入してみることにしました。
外は雨なので、庭では食べられませんが、
なんとか、食べられそうなところを探すことにして・・・・

本来なら「有塩」と「無塩」の食べ比べをしたいところ。
しかし、クロワッサン2つで800円超えます。
これは、ありえない金額。 
私のお財布感覚に、2つで800円のクロワッサンは、許せませんでした。
有塩のクロワッサン一つとパン・オ・レザン・エ・オ・ピスタシュの2つ。

ところで、こちらで、たった2つだけパンを買うだけという人は、珍しいかも。
誰もいないと、人目も気にせずにすみます。
回りに人がいたら、2つだけは、考えたかもしれませんが、
クロワッサンもいっぱい残っていて、人もいないと、
とりあえずの購入でいいかな・・・と。

そして、もう一つは、ショーソンパイを購入したかったのですが、
800円・・・・  この価格もありえません。

こうして並んだ商品の価格を見ながら、
却下、却下・・・で、結局、手が出せたのは、パン・オ・レザン・エ・オ・ピスタシュ。
中は、カスタード・クリームにラムレーズンを散らして仕上げです。
レーズンはあまり好まないのですが、
金額的(473円)に購入できるのは、これくらいだったので・・・(笑)。

クロワッサンが、これだけ残っていると、
6個限定の誘惑には、負けませんでした。
もし、残り数個になっていたら、考えたのかもしれません(笑)
といいながら、やっぱり、価格的に私には無理かな(笑)


■イートイン
家まで持ち帰ったら、このパンの良さは損なわれてしまうはず。
しかし、ここには、食べるコーナーはありません。
晴れていれば庭で食べることもできそうですが、雨のため断念。

今、食べないと、このクロワッサンの真価はわからないと思って、
ちょっと回りをうろうろしながら、ここなら・・・と思う候補を見つけました。

ところが・・・・・   携帯の充電が切れてた・・・・

記念すべきクロワッサン。やはり画像には残したい。ということで、
充電スポットを聞くと、八重洲口にしかないそう。
八重洲口で充電しながら、外パンできそうなところを探しましたが、みつけることができませんでした。

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■自宅で試食
長すぎる前置きとなってしまいましたが、ここからが本題です。

パッケージを開けてみると、青い小袋に一つ一つ包まれていました。
有塩には、有塩のスタンプが押されています。
こんな包装をしていたら、接客に時間がかかるのは当然・・・・
(油が多いから、ビニールは適さないのもわかるけど)

クロワッサンは、持ち歩いていた影響もあってか、ちょっと潰れてしまっていました。
袋の中には食べ方のシートが入っていました。
そこには・・・・

① 敷き紙をはずし
② 最初にレンジで軽く温め (15秒~30秒)
③ オーブンに入れて(2~3分) 全体がこんがりする頃が食べごろです。

特に、「クロワッサン・エシレ 50%ブール」は、
バターが滴るくらいに焼いていただくと、焼き立ての風味により一層近くなります。


なるほど・・・・  これで多すぎるバターについて納得しました。
バターを50%も入れて過剰すぎじゃない?
敷紙にしたたるほどのバターを入れるなんで、そんなに入れる必要ないでしょ?
結局、商品に特徴を持たせるための過剰演出?で、味、云々ではなのでは?
とずっと懐疑的でした。

 (名物にうまいものなし と言われますが、
  話題になって行列するメニューというのは、実は美味しいというよりも、
  製法に特徴があったりするケースが多々、見受けられます)

しかし、バターが滴るくらいに焼いていただくと
というこの一言がミソに思えました。
そんなに入れてどうする? と思っていたバターも、
バターをしたたらせてこその、エシレクロワッサン
というように理解しなおしました。


■加熱方法の配慮
ただ、加熱方法は、最初に電子レンジで15~30秒とあります。
しかし、レンジの10秒の差って仕上がりに結構、差がでるはずです。
最近は、高出力のレンジもありますから、想定のワット数がわかりません。

冷凍食品などは、「500wで○分」「1000wで○分」という表記がされています。
バターの含有率も多い、デリケートなクロワッサンなのですから、
どれくらいのワット数を想定しているのか記載をする配慮をして欲しいなと思いました。

高価格のこだわりクロワッサンです。しかも高いバター含有率。
この幅の加熱時間が与える、仕上への影響は未知数です。

さらにトースターの加熱は、バターが多いほどデリケートなはず。
以前、ちょっと油断したら、真っ黒焦げにしたことがあったので、
バターが多いクロワッサンだと、非常に危険です。
どの程度のワット数を基準にした時間なのかを知りたいと思いました。


■リベイク
写真は、加熱前と加熱後です。
そして、バターが染み出るという言うので、裏面の撮影もしました。
やはり噂どおりです。
ただ、滴り落ちるという感じは、ありませんでした。
香りはすごいです。

正直、このクロワッサンは、リベイクして食べることを
前提にしたほうがいいように思いました。
その点からいうと、雨で断念させらたのは、不幸中の幸いだったかもしれません。

50%というバターの量、どのように重ねているのかと思っていたら、
生地の芯に10gのバタースティックを巻き込んでいるのだそうです。

したたりは、芯の部分が溶けていたわけですね。
すべてを層の中に入れているのかと思ったので、
表面の側面から見る層の感じが、
綺麗な層に分かれていないなと思っていました。


■お味は・・・・
さて、いよいよ味は・・・・
想像どおり・・・・・

私の好みではありませんでした。

これは、他の方のクチコミからすでに感じていたことで、
食べる前から、このクロワッサンは、私の好みではないと思っていました。

いくつかクロワッサンを食べてきた中で、やっと自分の好みのクロワッサンが、
どんなものなのかを理解できるようになりました。
自分が好きなクロワッサンは、パリパリ、ハラハラと外の皮がこぼれ落ちるもの。
今、人気らしい、中もふわふわしたものは、好みではないのでした。

エシレクロワッサンは、バターの含有量のこともあり、
ジューシー、したたるというとおり、しっとりしており、
パリパリを好む私には、合いませんでした。

ところが・・・・
食べ続けても、こんなにバターバターしているのに、
全くしつこくなくいただけるのは、エシレならではだと思いました。
最後、これでなくなるという一口になったところで、
後ろ髪を引かれるというか、もっと食べていたいという気にさせられたのは、
エシレバター所以かなと思われました。

サクサク、パリパリ好き。
ということは、通常のクロワッサンなら、美味しいと感じたかもしれません。

ちなみに、通常のクロワッサンのバターは36%(38%だったかも)だそうです。
食べていないのでわかりませんが、やはり「いい・加減」というのがあると、
個人的には思います。

本来は、36%のエシレバタークロワッサンが、味の面ではおいしいのだと思います。
50%というのは、話のたね、ネタ的な看板商品なのかなというのが、
エシレクロワッサンの、聖地を巡礼しての感想でした(笑)

エシレ云々でなく、クロワッサンの好みのテイストが、
個々にあって、その好みに合わなければ、
どんなに高かろうが、高級食材を使っていようが、
おいしいと感じられないとうのが、いろいろなクロワッサンを食べてきた総括かな(笑)


ーーーーーーーーーーーー
ところで「エシレ・メゾン デュ ブール」は、
フランスの「エシレ社」直営のお店だとばかり思っていました。

世界初のエシレを、日本に出店。
本国、フランスにないのに、プライドの高いフランス人が日本に目をつけるって、
日本のマーケットってそんなに注目されてるということ?

ところが、こちらのお店、エシレバターの輸入代理店 片岡物産と
VIRON(株式会社ル・スティル)のコラボレーションなのだそう。
クロワッサンは、バターを知り尽くしたエシレ社が、
プロデュースしたのだと思っていたのですが違うようでした。

サダハルアオキでは、エシレバターはデリケートだから、フランスで加工すると言ってる。
そんなデリケートなバターを、エシレ社は、日本に持ってきてどのように扱うのか興味がありました。
両者それぞれの扱い方が、どうも腑に落ちませんでした。
VIRONの考えるエシレバターの扱い方なのだと理解しました。

エシレ社を見る限り、職人気質で、小さな町で、良質なものを
細々作っているという印象がありました。
なのに、なぜ、日本進出なんて考えたのだろうと
ちょっと違和感を持っていたのですが、やっとその理由がわかりました。

また、VIRONでは、焼き方の違うクロワッサンを提供しています。
こちらは有塩、無塩、バターの含有率の違い。
同じクロワッサンでいくつもの種類をそろえるというのは、
そこにこだわりを感じさせるものです。

VIRONの手法と似てない?・・・・って。
そしてショーソンポムの形が、何かデジャブ感があると思ったのですが、
VIRONと似てたのかな・・・・

そして、VIRONもクロワッサンはエシレ入り。
となると、エシレ・メゾン デュ ブールのクロワッサンと、どう違うのかしら?

VIRONのエシレは100%ではなく、他のバターも混ざっているそうです。
ただ、使っている小麦粉は同じだそうです。


そして、最近、高梨乳業でもエシレバターが扱われていて、
製造ライセンスをとって作ってるの?
でも、エシレは、エシレ村で作るからこそエシレだって聞いてるけど・・・・・・
輸入代理店的な契約をされているそうです。

エシレ村のエシレバターって、もしかしたらいくつも会社があって、
それぞれに契約して輸入されているのかな? と思ったら、
エシレ社は、一社だけなのだそうです。

エシレバターを見たら、それはどれも同じ。
しかし、同じものでも、価格はいろいろ。
これまでも、扱うお店によって、随分、価格が違うなと思っていましたが、
オープン価格なので、それぞれが値付されているようです。


これは違うと感じたエシレバターに出会えて、
最後に、エシレ・メゾン デュ ブールのクロワッサンを食べたいという
数年来の希望がやっと実現しました。

  • エシレ・メゾン デュ ブール - 焼く前

    焼く前

  • エシレ・メゾン デュ ブール - リベイク 電子レンジ&トースター

    リベイク 電子レンジ&トースター

  • エシレ・メゾン デュ ブール - 側面 

    側面 

  • エシレ・メゾン デュ ブール - 加熱後の裏面 バターが染み出る

    加熱後の裏面 バターが染み出る

  • エシレ・メゾン デュ ブール - 加熱方法 ワット数の表記が欲しいところ

    加熱方法 ワット数の表記が欲しいところ

  • エシレ・メゾン デュ ブール - パッケージ

    パッケージ

  • エシレ・メゾン デュ ブール -
  • エシレ・メゾン デュ ブール - ラムレーズン

    ラムレーズン

  • エシレ・メゾン デュ ブール - カスタード

    カスタード

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コロコロ

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店舗情報(詳細)

店舗基本情報

店名
エシレ・メゾン デュ ブール(ÉCHIRÉ MAISON DU BEURRE)
受賞・選出歴
スイーツ 百名店 2023 選出店

食べログ スイーツ TOKYO 百名店 2023 選出店

スイーツ 百名店 2022 選出店

食べログ スイーツ TOKYO 百名店 2022 選出店

スイーツ 百名店 2020 選出店

食べログ スイーツ TOKYO 百名店 2020 選出店

スイーツ 百名店 2018 選出店

食べログ スイーツ TOKYO 百名店 2018 選出店

パン 百名店 2017 選出店

食べログ パン 百名店 2017 選出店

ジャンル ケーキ、パン、ジェラート・アイスクリーム
お問い合わせ

非公開

予約可否

予約不可

住所

東京都千代田区丸の内2-6-1 丸の内ブリックスクエア 1F

交通手段

JR東京駅 丸の内南口 徒歩10分 
JR有楽町駅 国際フォーラム口 徒歩10分 
4d東京メトロ千代田線二重橋前駅 1番出口 徒歩8分

二重橋前駅から197m

営業時間
    • 10:00 - 19:00
  • ■ 定休日
    定休日無し (1月1日および法定点検日を除く)丸の内ブリックスクエアの施設点検実施にともなう全館休業のため、2023年2月5日(日)を臨時休業日とさせていただきます。
予算

¥3,000~¥3,999

¥3,000~¥3,999

予算(口コミ集計)
¥1,000~¥1,999 ¥3,000~¥3,999

利用金額分布を見る

支払い方法

カード可

(VISA、Master、JCB、AMEX)

電子マネー可

QRコード決済不可

領収書(適格簡易請求書) 適格請求書(インボイス)対応の領収書発行が可能
登録番号:T7010401006794

※最新の登録状況は国税庁インボイス制度適格請求書発行事業者公表サイトをご確認いただくか、店舗にお問い合わせください。

席・設備

席数

(イートインなしです)

個室

貸切

不可

禁煙・喫煙

全席禁煙

駐車場

3000円以上の買い物で周辺のパーキングサービス(駐車券確認有り)

空間・設備

オシャレな空間、バリアフリー、車椅子で入店可

特徴・関連情報

利用シーン

サービス

テイクアウト

ホームページ

https://www.kataoka.com/echire/maisondubeurre/

オープン日

2009年9月3日

初投稿者

るーじゅるーじゅ(25)

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