「またおま」でも「意識高い系」でもない独自のバランス感 : 麺家 いし川

つけ麺（780円）

新橋付近で晩飯。なんとなくつけ麺が食べたい気分。
けど、濃厚豚魚じゃないのが食べたいなぁ。。かと言って「ほりうち」のざるほどクラシカルじゃないやつ。。とか考えつつ「味方」を覗くと行列なし！慌てて店前まで行ってみると既に終了ですか。。。そしてたどり着いたのが久々の「いし川」さん。
前回は確か汁なしをいただいたけど、ラーメン/つけ麺はシャバめの豚骨醤油だったはず。ではこちらで。

平日21:05到着。前客１、後客３。
券売機で「つけ麺」をポチし店内へ。
スタッフはワンオペ。食券を渡ししばし待機。

待つこと５分ほどで着丼。
ほぉ、黄色っぽい麺の上にはきれいに並べられたチャーシューとメンマ。つけ汁は茶濁で上に液体油と白ネギ。
今っぽいつけ麺とは全く違うけど、またおまな感じもしないオリジナリティありますね。

では麺から一口。
麺はラーメンと共通かな？ポクポクした食感の中細ストレート。麺量は並で300gと必要十分。
キンキンに〆られているわけではなく、ややぬるめ、水道水よりちょい冷たいくらい。
粉の味わいはそれほど強くなく、つけ麺向きにはもうちょっと派手な麺味の方が映えるかも？

スープはデフォのラーメン用のものを濃いめにして七味等でアクセント付けた構成ですかね？シャバいので麺をズバッと浸けてズバズバ啜る楽しみあります。
ベースは鶏豚、特に鶏のペットリ感がかなり強く唇がペカペカになるやつです。そこに風味付けで節系の味わいが加わり、醤油ダレのキレは強め。
こう書くと「またおま」っぽい構成ですが、魚介が控えめで動物系がガツンと前に出る仕様になっているところが違う部分かな？好みとはちょっと外れるけど、これはこれでまとまっていると思います。
おそらくラーメンはこれをさらに魚介スープで割っているんだろうなぁ。

チャーシューは注文の都度切られるロース煮豚スライスが３枚。
おそらく定温調理（低温ってほどではない）をしていると思われ、中はややピンクが残った仕上がり。しっとりした歯ごたえと肉の旨味がありいい感じ。
メンマは和出汁がしっかり染みているショキショキのもので、単品で食べても十分美味しい仕上がりですな。

ということで、サクッといただきごちそうさま。
全体的に悪くはなかったけど、やはりメインはラーメンで、つけ麺はその１バリエーションといったサブの位置づけに感じたので、次回は暑くともラーメンにしてみましょうか。また来ます。

--

新橋駅から、キャバクラの呼び込みをスルーし続け愛宕方面へ歩くこと7分。
駅前の喧騒もここまでくるとかなり落ち着き、歩く人も帰宅を急ぐリーマン主体になってきます。
平日20:45到着。閉店間際ということもあり、前客０。このエリア、ランチ需要はあるけれど、夜は結構厳しいのかも。
店外の券売機を見ると、ラーメン、つけ麺の他に「あえ麺」なんてのもあるんですね。
ラーメンやつけ麺のレビューは読んだけど、汁なしってどんなのか気になるなぁ。。。と思い、相変わらず王道を外してポチ。

カウンターへ着席し、店主さんへ食券を渡します。
店内は白木ベースの明るい雰囲気。出来たてな店なので厨房も広くてキレイですね〜。
麺箱には「カネジン」の文字。BGMは松田聖子、久保田早紀等懐かしめの歌謡曲。

待つこと5分ほどで着丼。
汁なしと思いきや、つけ麺のつけ汁のようなのも一緒に付いて来ました。
店主さん曰く「麺が混ぜづらくなってきたらスープを入れて馴染ませてください」とのこと。

おぉ、汁なしとしてはかなりシンプルなルックスですね。
麺はおそらくラーメン/つけ麺と共通？の中細麺。その上にはチャーシュー、岩のり、花鰹、トロけるチーズ、中心に卵黄。
スープはとりあえず置いておくとして、まずは麺を引き出してパクリ。

あ、結構シンプル。
醤油ダレと液体油で絡められた麺は、どことなく武蔵野系のクラシカルな油そばを思わせる風味。
花鰹と醤油と油の香りが混ざり麺の熱でフッと上がってくる、このなんともジャンクな香りがすごくいい感じですね。ラード的なネットリ感はそれほど強くないですね。塩気はこの時点で結構強め。
麺は中細角断面で緩い縮れを持つ、黄色味が強い独特のルックス。
クニッとした固めの茹で上がり。加水は中〜高で、ムッチリとした食感もあり、、なかなかおいしい麺ですね。
ただ汁なしで食べるにはちょっとパワーが足りないかなぁ。麺の存在感よりタレの方が強いですね。

麺はあつ盛りで、上にトロけるチーズが載っているということは、こりゃ混ぜろってことですね。では下からよく混ぜてチーズを溶かしこんで行きましょう。
お、チーズが溶けて、崩れた卵黄と共に麺に絡むと。。。お、今度はカルボナーラだ！ｗ
底に仕込まれた黒胡椒もいい感じにカルボ的な雰囲気を醸しだしてくれますね〜。
最初ちょっと頼りない感があった麺も、パスタ風と考えればアリかも。
ただ、店主さんの仰る通りチーズがだんだんダマになってきますね。あと、チーズの塩味も結構強いので、全体的にぐんぐん濃い味になってきます。食が進むけど、ライスが欲しいかも。。

チャーシューはロース系の煮豚スライスを短冊に切ったもの。しっとりした口当たりでなかなか美味しいです。
岩のりは、その磯の香りがチーズと喧嘩しちゃうかな？ここは無難に揚げネギあたりでもよかったような気もします。

後半、麺がダマになってくるので、サポートアイテムであるスープを使いましょう。
その前にまずスープを一口・・お、こちらもかなりしょっぱいんですね。
見た目通りとても口当たりのいいサラサラのスープは、風味的にはいわゆる豚魚タイプ。非常にシルキーで滑らかな舌触りが特徴的です。旨味は非常に上品で臭みも全くなく、「超上品な青葉」的な感じ。こりゃラーメンも期待できそう。
ただ、塩気が相当強く、つけ麺のつけ汁以上かも？汁なし自体も結構しょっぱいんだけどなぁ、と思いつつ全量投入！

お、スープが入ると岩のりの香りが立つんですね。ここで生きるトッピングだったのか。
また、麺に絡んでいたチーズや醤油ダレが洗い流され、シンプルなラーメンっぽい「素」の麺が楽しめるのも面白いですね。
ただ、やっぱりスープ側の塩辛さが結構目立ちます。和えつけっぽく食べた方がよかったかも。
ここからさらにスープ割で割ってもらえれば、ちょうどいい塩梅になりそうです。

麺量は体感200g弱かな？
細麺だったこともあるのですが、意外にスルスルと胃袋に吸収されてしまい、食いごたえという面ではイマイチ。C/Pもまずまずかなぁ。。
サクッと完食してごちそうさまでした。

トータルで見て、武蔵野系なクラシカル油そばかと思わせておきながら、カルボっぽい洋風アレンジへ「味変」が入るユニークな汁なし。ラストのスープ割もなかなか面白く、最後まで飽きずに食べられました。
気になった点は、全体的な塩分濃度の高さと、なんとなボリューム的に「貧相」さが感じられちゃったところかな。。。

お店的には結構気に入ったので、次回は本命、ラーメンを食べに来てみたいと思います。

--