今日のおかずは、いろはにほ : いろは

柳通りが新虎通りに出る一本手前の路地を入って、行列ができているラーメン屋さんの隣に店があります。
ちょっと路地から引っ込んでいますが、その路地のところに看板が出ていました。
14時30分までランチをやっているのと、700円という良心的価格のため、周辺サラリーマンには結構人気があります。
ランチタイムは、女将さんとお手伝いの女性スタッフの2人で切り盛りしています。

店内は、カウンター席に4人掛けのテーブル席が２つ、2人掛けのテーブル席が1つというこじんまりした席数。
壁際には焼酎のボトルが並び、冷蔵庫には日本酒の瓶が入っていました。

ランチには焼魚やカレー、煮込みハンバーグなどの定食もあるのですが、いつも注文するのは、日替わりのいろは定食（700円）。
日替わり定食は、外の看板と中のボードに出ている何種類かのお惣菜のうち、2種類を選べるというもの。

ある日は、若鳥のねぎまみれ、チンジャオロース、いわしのフライなどのメニューの中から、サバの味噌煮と黒まいたけとズッキーニのベーコンソテーを選択しました。
刻んだオクラの付いた冷奴とお新香も付いて、ご飯と味噌汁とのセットになっています。
一品ずつの量は多くないですが、いろいろな素材品目の惣菜が食べられるところが魅力です。
それにどれもきちんと作り込んでいるものばかり。
サバの味噌煮は甘辛の味噌味がしっかり沁み込んでいるし、黒まいたけとズッキーニのベーコンソテーは、バターと胡椒の風味が効いていました。

看板にある日替わりメニューに品切れが出だすと、夜は大皿料理になるのではないかと思われるお惣菜がカウンター上に並べられ、「この中からお好きなものを2品選んでください」ということになります。

別の日は、カウンターに並んだお惣菜の中から、鶏つくねときんぴらごぼう、大根とがんもの煮物を選択。
いんげんの胡麻和えとお新香、味噌汁、ご飯とセットでいただきました。
きんぴらが甘辛でご飯が進む味付けです。
大根とがんもにも味がしっかり沁み込んで、ご飯のおかずに申し分ありません。

さらに別の日は、鰯の煮付けにゴーヤチャンプルの2品。
冷奴に味噌汁とご飯のセットです。
この時訪問した7月は鰯の旨い季節、ゴーヤも夏の野菜という季節の味を味わえるセットになりました。

その次の訪問では、鶏のから揚げのネギあんかけにレンコンと桜えびの炒め煮。
女性では一口では無理でしょうという唐揚げ3個に、ネギたっぷりの和風餡がかかっていて、このひと手間が箸を進ませます。
桜えびの味が効いたレンコンもシャキッとしていい味を出していました。

はたまた別の日は、豚の角煮に青椒肉絲。
豚の角煮には煮玉子と大根の煮物も一緒に入っていました。
青椒肉絲は本格中華ではなく、家庭のお母さんの味的中華。

いずれもおふくろの味的で、ホッとできる品々。
「全部手作りなのよ」という女将さん。
「変なものは一切使っていないからね」と自信を持って語ります。
「昼はね、夜の宣伝みたいなもん」なのだそうです。

夜はこういうお惣菜の大皿料理と、魚や肉料理で飲める店となります。
「日本酒もいろいろ仕入れているからね」とのこと。

なので、いつも西武線沿線で集まるオジサンたちの会を新橋で開催。
こうしたお惣菜を肴に飲もうという算段でやってきました。

刺身盛り合わせ（金目鯛、しまあじ、かんぱち、ホタテ、まぐろ）とスペアリブの煮込みだけを事前に注文して、あとはその日のお惣菜という方式。
当日いただいたお惣菜は次のものでした。

お通し（玉子ポテサラ、きゅうりと中華クラゲの酢のもの）
筍と高野豆腐の煮物
筑前煮
牛蒡きんぴら
枝豆
タコときゅうりの酢のもの
人参サラダ
万願寺唐辛子の焼物
カブのお浸し

カブがシャクッととして美味し。
「いいもの仕入れてるからね」と女将さん。
高野豆腐の煮物はさっぱり味ながら、出汁の味がしっかり染み込んでこれまた美味し。
筑前煮には鶏の旨味が染み込み、酢のもののタコは柔らか、人参サラダには人参のシャキッと感が残って甘味がありました。

こうしたお惣菜を、ジンジャエールと生ビール（ヱビス）で乾杯の後、春霞、山形正宗、松尾といった日本酒で流します。
なんだか今回は非常にヘルシーな会の気分。
ご一緒させていただいたみなさんも、これだけたくさんの野菜で飲むのは初めてかもとのご反応。
お腹の出具合が気になるオジサンにはたまにはこうした肴で飲むのもいいもんです(^_^)/