[出し直し]テイクアウトもやっています : 和の菜彩 さとう

　お昼に行ったとき、美味しい焼き魚の定食を目の前にしてお酒が呑めずに悔しい思いをしていたら、「テイクアウトもできますよ」とご主人が言うので、ではぜひ、ということで３０００円で酒の肴詰め合わせをお願いしました。

　で、会社の帰りに受け取りに立ち寄り、見たらびっくり。豪勢です。おせち用の箱に詰めてくれていたのは、脂がのったさば焼きやぽりぽりとかじりながら酒をちびちび呑むのにもってこいの骨せんべい、山椒のきいたじゃこや山菜、天ぷらなど。

　これで酒が進まないはずがない。味付けも酒のあてにぴったりだし、冷めても美味しく作ってあるので、２人で日本酒４合あっという間に吞みました。

　久しぶりの「さとう」さん。お昼に焼き魚を食べたいときは、ここ。間違いない。

　いつもは常連さんでいっぱいになっているお店もコロナ禍でリモートワークする人が多く、空いていてびっくり。大将と一対一でゆっくりといただきました。

　この日の仕入れでおいしそうだったのは太刀魚。それと一夜干ししたにしん。この二つを焼いてもらうことに。これで税込み１８００円。こういうやりとりができるお店はうれしい。

　じっくり焼いている間に出てきたのは、にしんの白子の炙り。かなり濃厚で、舌触りは滑らか。日本酒がすごく合うだろうなぁ。平日で午後も仕事があるので当然我慢。さらにサービスで出してくれたのが、ゴマダレに漬けたまぐろ。これ、最高。鯛茶みたいにご飯に載せても、茶漬けにしても絶対いける。ゴマダレの香りと味にコクがあり、絶対日本酒に合う。あぁ、呑めなくて悔しい。ご飯を少しもらって食べました。

　で、いよいよメインの太刀魚とにしんの焼き物。太刀魚、ふわふわじゃん。塩加減がばっちり。にしんも抜群。梅の酸味がきいた炒り酒につけて食べると余分な脂を飛ばしてさっぱりと食べられる。これ、本当にうまい。

　せっかくの食材を無駄にしないため、テイクアウトやっているというので、帰りに持って帰れる酒のアテを頼むことにしました。これも乞うご期待。

　もう、「銀座で焼き魚ランチ＝さとう」という公式が出来上がってしまっているので、焼き魚を食べたくなったこの日もまっすぐさとうへ。

　毎日、メニューは仕入れによって変わるので、飽きないのもうれしい。

　この日の焼き魚（１３００円）のラインナップ数点から、ブリの一夜干しを選択。日本海側の人間にとって、冬はブリ。でも、この冬、あんまり食べなかったんだよなぁと思いながら。

　いつものように、大将がグリルでじっくり、焼き具合をみながら焼き上げてくれます。カウンター席からもよく見せるので、おっ、脂がしたたってきたぞ、そろそろだな、なんてお腹を空かせながら予想しているのですが、それよりもほんのちょっとだけ長く焼いて出してくれる魚がなんとも言えずおいしい。焼き加減ばっちりです。

　この日のブリも、皮も身もこれ以上ないほど絶妙で、ブリ自身も喜んでいるに違いない仕上がり。麹でブリの旨味も増し、添えてあるふわふわ出汁じゅっのだし巻き卵とあら汁で、おいしくいただきました。

　久しぶりのさとう。職場の近くで焼き魚が食べたくなったら、真っ先にここを思い出す。

　本日もほぼ満席。焼き魚はいろいろとあったけれど、やっぱり鯖の塩焼き（１２００円）を選んでしまいました。

　１５分ほどじっくりと焼いた鯖の皮はぱりぱりとしていて、香ばしい。身はジューシー。横に十分な量の大根おろしが添えられていて、この上にさっと醬油をかけ回して鯖と一緒に食べると、香ばしさが生きたまま、大根おろしで鯖の脂が優しくなって、硬めに炊かれたご飯が進みます。

　鯖の皮と大根おろしはなぜこんなに相性がいいのだろうか。初めて出合った硬さを感じさせない、大人な関係の空気が漂っている。随分昔からの知り合いで、当然ただならぬ関係にあった二人のような「ツーと言えばカー」的な雰囲気を感じるのは私だけだろうか。

　今日のお昼は、このお店では珍しい揚げ物。

　カキフライと豚汁定食（１５００円）です。大振りのカキフライ３切れと、具だくさんの豚汁の組み合わせは最高。

　おやじさん一人で営むお店なので、満員になると手が回らないけれど、お客さんがお膳を下げたりして手伝う家庭的な雰囲気も大好きです。

　さばの塩焼き定食（１２００円）。この日のお昼は雨が降っていたので空いていると思っていたら、同じことを考える人が多く、店内は超満員でした。
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　かなりのリピート率となっている「さとう」。この日は鰆の焼き魚定食（１２００円）をいただきました。

　焼き物はパリッと音が出るような皮とほくりした身。もちろん骨なし。それに鰆の子の煮付けも添えられていて、鰆の中骨だけでなく、鯛の中骨についた身までサービスしてくれました。

　鰆の子って初めて食べたけど、食感がよく、濃すぎない味の煮付けで、とてもおいしいものでした。子が入っているということは、もちろん１匹買い。

　鯛の尻ビレ近くの骨の根元には「鳴門骨」というこぶ状の骨がついていました。「鳴門海峡のような急流を泳いでいる鯛にできる」と大将。なるほど、養殖との違いが一目瞭然で分かるんですね。

　この日の定食にも大満足でした。

　この日のランチは、珍しく揚げ物があった。大好きな鰺フライの定食（１３００円）。

　鰺フライといっても、身を重ねてふっくらと仕上げているので、よくある開いた平べったい鰺フライとはまったくの別物の料理だ。もちろん中骨は抜いてあり、骨せんべいとして添えられている。

　一手間かけると同じ料理でもまったく別物になるという典型的な例。焼き魚以外でもうならせてくれます。

　花椿通りをコリドー街に向かって突き当たった右角のビル３階にある和食屋さんです。

＜２０１６年１２月再訪＞
　空気が冷え切った平日の昼、焼き魚が食べたいなぁと思ったら、こちらを思い出しました。午後１時半近かったのに私が着いた後もお客さんが続いてほぼ満席に。一人でやっている大将はてんやわんやです。この日の焼き魚（１２００円）はぶり、さわら、かますの３種類。さわらをお願いしました。１５分ほどじっくり焼かれて出てきたさわらはふっくらと焼き上がっています。ジューシー。小鉢は豆とレンコン、鶏肉、こんにゃくの煮もの。あら汁も相変わらずのおいしさでした。
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<２０１２年９月再訪>
　この日は脂ののったさばの塩焼き（１５００円）。焼きあがるのを待つこと１５分。じりじりと脂が焼ける音を聞きながら待つ。どんどん香ばしい香りが漂ってきて辛抱できなくなったころ、熱々の荒汁と炊き具合のちょうどいいご飯が出てくる。至福の昼飯。
　総合評価を３．５→４に変更します。写真追加。
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<２０１２年４月訪問>
　花椿通りを挟んでランチの駆け込み寺・ニッタビルがあり、お店が入ったビルの裏にはおそばの照庵もあるランチ街です。ビル１階に大将が写った写真とともにランチメニューが出してあったため、気がつきました。エレベーターで３階に下り、廊下をぐるっと回って突き当たったところにあるので、知っていないと入りづらいかも。

　しかし、入ってよかった。カウンターと奥にテーブル席があるだけのこじんまりしたお店ですが、とにかく焼き魚がおいしかった。

　メニューはいわしやさばなど５、６種類の焼き魚定食や利休うどん定食が１０００円。銀だら味噌漬け定食だけ１５００円でした。メニューを見たら、銀だらがどうしても食べたくなり、注文。平日の午後１２時５５分ごろの入店で、入った時にはほかのお客さんは１人だけでしたが、銀だらは最後の１匹でした。ラッキー。

　丁寧に焼くので注文から出て来るまで１５分ほどかかりました。銀だらは肉厚で、しかもふっくらと焼き上がっているので、身が膨れていました。箸でさわるとぷるんとした弾力があるのに、ほろっとつまめます。うまい。味噌味がちょうどいい。

　大将は「しっぽのほうでしたから」と言って、お店でつけたというちりめんを小鉢でくださいました。これもふかふかで、山椒も強すぎず、いいお味です。

　味噌汁はあら汁（写真、撮り忘れました）。ご飯も柔らかすぎず硬すぎず。「おかわりしてくださいね」という案内もありました。漬物も上品な漬かり具合です。

　最後には甘さ控えめで滑らかな胡麻プリンもつきました。料理は言うことなし。

　食べている間に常連さんが何人かいらっしゃいました。

　カウンターの上に材料が置いてあり、少し雑然とした雰囲気があるので、小料理屋さんのような感じですが、料理だけみると割烹と呼ぶ方が似合っているような気がします。

　お昼においしい焼き魚を食べたくなったら思い浮かべるお店の一つになりました。何度か通って評価も上がりそうなので、とりあえず総合３・５でスタートしたいと思います。