とても美味しいケーキとこだわりコーヒー。ファンが多いお店なのも分かります。 : 草枕

平日休暇をとったこの日は、家内を伴って内幸町から虎ノ門界隈を食べ歩くことにしました。
そもそもの最大の目的のお店は、ランチをとった「光村」。
こちらは名古屋にもゆかりのある同名店があり、二度目の名古屋勤務となる平成11年~14年の時期に家族連れで何度かお邪魔していました。
今般、食べログレビューで虎ノ門の光村のレビューを見て知るところとなりましたが、同店は平日のみの営業との情報だったので、この日を逃してはということで訪問に至ったものです。
絶品の海老かき揚げ丼をいただき、気分よく同店を後にし、あらかじめ決めて来ていた食後のコーヒースポットへと歩を進めます。

そのコーヒースポットとして今回チョイスしたのが、虎ノ門の外堀通り沿いにある当店です。
当店も食べログベスト5000にリストアップされている著名店で、食べログを始めてからコーヒー専門店については、かなりのお店を調べて来た私としては、その存在はかなり以前からインプットされていましたが、なかなか訪れる機会がなく、この日まで先送りされていたお店です。

大通りに面したお店で、ビルの1階で営業しているのですが、それにしては、店頭の歩道に置かれた「珈琲」と書かれた木の看板、そして深緑色の暖簾がとても特徴的で個性あふれるお店だなという印象を持ちます。
大体、店名の「草枕」からして、不思議な感じがしましたが、これは夏目漱石がお好きな店主さんということらしいので、まあ納得です。
深緑色の暖簾をくぐるとそこには自動扉がありました。
これもちょっとチグハグな感じですが、あまり気にしないことにします。

店内は、薄暗い感じで、まさしく昭和レトロの雰囲気。
クラシック音楽が比較的大きな音量で流れています。
両側に2人用テーブル席が並び、奥には厨房とそれに面したカウンター席がありますが、それ以上に目立ったのが本棚とカウンター席上に置かれた古書。
これもインテリアの一部を構成しています。

店員さんからカウンターでもテーブル席でもどちらでも可と言われましたが、二人連れだったので素直にテーブル席の方をチョイスしました。
先客はカウンター席に3名ほどとテーブル席に2名ほど。
当店はスイーツ以外のフードは置いていないコーヒー専門店と聞いていましたので、お昼時はガラガラだろうと踏んでいたのですが、意外に客が入っていて、我々の後からもカップル客など二組の入店があり、結構な盛況ぶりでた。

また、もう一つ目に付いたのは、店頭に外車で乗り付けて車中で注文しているお客さんがいたこと。
黒塗りの車に後部座席のレースのカーテンなどひと目で要人だろうと判るのですが、そんな人がわざわざ乗り付けて車中で当店のコーヒーを飲むのですからびっくりしました。
運転手さんと当店の店員さんの阿吽の呼吸を見ても常連さんなんだろうと思われます。

さて、我々がテーブル席に着くと、店員さんが水とメニューを持ってきてくれました。
メニューは表裏あって、表面がコーヒー専門店としての顔、裏面はコーヒー以外のドリンクのほかアルコールがかなりの割合を占め、夜の顔という風に感じられました。
コーヒーの表記も「こいめ」「ふつうめ」「うすめ」「冷たい珈琲」「牛乳珈琲」・・と、とても個性的です。
また、ホットコーヒーについては、コーヒーの量と使用しているコーヒー豆の量が併記されています。
色んな意味で規格外のお店だなという印象ですね。
ただ、それだからかは分かりませんが、お値段はかなり高めで、コーヒーにケーキを付けると軽く1,000円オーバーです。

注文は、私が本日のコーヒー＠700円にチーズケーキ＠400円を付け、家内は、「ふつうめ」＠650円にチョコレートケーキ＠400円を付けました。
二人で2,150円になりますが、ランチのかき揚げ丼が二人で2,600円でしたので、贅沢なコーヒータイムですね。

提供まではかなり待たされました。
コーヒーとケーキは同時に運ばれてきましたが、待ち時間は18分ほど。
混んでいたせいもあるかもしれませんが、この待ち時間ではこの界隈の多忙なサラリーマンの利用は厳しいでしょうね。
お値段のこともありますし・・

コーヒーは、器の違いがあるのかもしれませんが、私の本日のコーヒー（エチオピアモカ・イルガチェフェ）と家内の「ふつうめ」は濃さが随分違うような気がします。
アップした写真をご覧いただいても分かると思われるくらいの違いです。

まずはコーヒーをひと口。
薄いという先入観があったからかもしれませんが、やはりやや薄めに感じました。
「うすめ」の間違いではないと思いますが、やはり気になりました。
それでもネルドリップらしい口当たりの柔らかさはよく出ていて、まったりした飲み口でした。

そしてチーズケーキですが、これは美味しいです。
やや酸味が効いたチーズケーキですが、コクとのバランスが素晴らしく、添えられているキウイジャムとの相性も申し分ありません。
とても秀逸なチーズケーキでした。

あまりにも美味しかったので、家内とちょっとだけ交換したのですが、チョコレートケーキの方は、いわゆるショコラテリーヌですね。
ほとんどチョコレートガナッシュそのものといった感じの濃厚な味わい。
少量もらっただけなのですが、かなり食べたような錯覚に陥るくらいの濃厚さです。
家内はとても気に入っていました。

お値段は確かに張るものの、クラシック音楽の流れる落ち着いた雰囲気のなか、ゆったりとコーヒータイムを楽しむにはとてもいいお店です。
おしゃべりについても多少ならば全く問題ありません。
経営されているご夫婦も結構話好きみたいですしね（笑）