昭和産まれにはたまらない味 : むさしや

【2021年7月8日再訪問】

現時点で殆どのお店がラストオーダーを締め切る夜の７時半を少し過ぎた平日の新橋。約３年振りの訪問となったこちらのお店は、未だ受付の締切は行われていませんでした。店前には４人の待ち客が。その後ろに並ぶと、今回もすかさず注文を聞かれました。慌てて選んだのは「ドライカレー」。店前には人気メニューの写真が貼られているのですが、そこにあった同メニューには「辛めにも出来ます」との記載があったので、その通りにお願いをしました。事前注文を行ったお陰もあってか、10分ちょっとで席に着く事が出来、そこからは３分程の待ち時間で料理も到着しました。因みに同メニューにもナポリタンとキャベツと味噌汁は付いて来ます。

前回の訪問時…といっても先述の通りにかなり間が空いているという事もあるのですが、ケチャップの影響もあって、ここ迄はハッキリとした味が分からなかったな…凄い懐かしい味がするんです。辛めでお願いしてしまったので、少し唐辛子の強めの主張はあるんですが…。最近のドライカレーって思った味と少し違った…なんて事が何度かあったのですが、昭和の時代は一律でこんな味だった！逆に今じゃ珍しいけれど…。ナポリタンの味もそうだし、味はともかく、味噌汁を何にでも付けてしまう点もそうかと…。良き時代でした。

老舗とは分かっていたモノの…今迄気付きもしませんでしたが、創業は明治18年だったんですね。昭和どころの騒ぎではない…令和の時代でも人気店。益々頑張って欲しいですね！

ご馳走様でした。

【2018年7月31日再訪問】

夜８時少し前の新橋。「夜８時以降の食事はタニタカフェ」の自己ルールから、そちらに行くべきと思いつつ、「タニタカフェ」ではないのですが、同系統の少し味の薄いお店に嫌気がさしていた今日この頃…正反対のお店という事で頭に浮かんだこちらに向かう事にしました。

到着すると８人程の行列が…。相変わらずの人気です。先ずは注文の品を決めておかないと…並んでしばらくしたら、すぐに注文を聞かれてしまうので…。こちらでは「オムライス」しか食べた事がありません。ちょっとだけ変わっているメニューを…とメニュー表を見ると「オムドライ」なるメニューが…。「ドライカレーで作ったオムライスかな？」と思い、これを注文しました。

結局、食事にありつけたのは、８時を20分程回った頃。目の前に出されたのは、思った通りのメニューでした。ケチャップが沢山掛かったオムライスの中身はドライカレー。その上にはケチャップ味の強いナポリタン。それにマヨネーズの掛かったキャベツの千切り。

過去の訪問時、「オムライス」を食べて満足も、チキンライスにナポリタン、これにケチャップとマヨネーズとなると少しクドい感じがしたのも事実。これがドライカレーに変わるって想像以上に効果的な変化をもたらしています。更に言えば、このドライカレー、お願いすれば、辛さマシも出来る様ですが、私には味のバランスとして、デフォルトで良かったのかな？といった印象も。バター香る卵の焼き加減もやっぱり絶妙ですし、私には「オムドライ」の方が合っている様です。

ケチャップにやられる事もなかったので、煮干の効いた出汁の味噌汁の味もよく分かり…で、今後の訪問では、もう「オムドライ」で決定だろうな…。

ご馳走様でした。

【2018年3月12日再訪問】

実は他の店を目的として、この日は「ニュー新橋ビル」へ。平日の夜８時前でしたが、予約も含めてもう一杯と断られ、エスカレーターを降りて来ると、目前には同店が。５人しか並んでいなかった事もあって、そのまま最後尾につきました。…と並び始めた段階で、やはり注文を聞かれ…反射的にまた「オムライス」と…

そんな感じなので今日も回転は早く、並び始めてから７分位で食事にありつけました。

当然ながら、前回との見た目に変化は無く…ただ、この前よりは慣れたのか、ケチャップ状態を普通に感じる事ができ…少し違った面を垣間見る事が出来ました。その最たるモノが味噌汁。舌にケチャップが残っていない状態で飲んでみると、煮干の効いた出汁の実に美味なるそれ。でもその美味って、懐かしさも込みの美味しさ。昭和の家庭の晩御飯なんですよ。

対して、卵の焼き加減はやっぱり絶妙。バターの香りを強く匂わせながら、薄く固まっているのに、所々で半熟黄身がバターと共にトロけ出ている。ここに少しだけケチャップをつけて食べると本当に美味しい。

ナポリタンはやっぱり今日も普通…そもそも柔らかい麺類が私は苦手な為、ケチャップのベチャッと感を上乗せした感じで、味は良くても好きになれない。キャベツも切り方自体は良いのですが、ケチャップにマヨネーズだと少しクドイかな？

トータルすれば、私に苦手な部分があるだけで、懐かしくて美味しい洋食屋さんって事になるんでしょうね。まあ、今回は２回目ならではの違った面も見つけられたし、店構えから用途は限られるものの、色んな切り口で楽しめるお店なのかもしれません。

ご馳走様でした。

【2017年6月26日初訪問】

新橋駅前、「ニュー新橋ビル」の１階にあるお店。閉店時間が早く、いつも当ビルに私が訪れる夜の８時前後では、同店が営業しているところを見た事がありません。

月曜の夕方６時半に訪問。カウンター８席の小さい店舗は満席でした。並ぼうとすると注文を聞かれました。初めから「オムライス」を食べる為の訪問だったので、即応えましたが、優柔不断な人は困るシステムかもしれませんね。

座ってしまえば５分と経たずに料理到着。オムライスの横には具材の無いナポリタンとマヨネーズのかかったキャベツの千切り。「ケチャップ定食」とあだ名を付けたくなるようなヴィジュアルです。ふと周りを見ると、いい歳したおじさんばかりが、ナポリタンかオムライスを揃って食べている。異様だけど、何か楽しい世界。

卵はバターで焼いているとの事で、確かに香りと食感が良い。と言うか、卵の焼き加減が良い。フワトロの玉子焼ではない、薄いそれだけど、表側が固まり、内側はややトロ感を残した感じが凄く好み。チキンライスの表面にもこのバター玉子焼がくっ付いてケチャップに頼らなくても楽しめる。他のレヴュアーさん達の中にはボリュームが凄い的な事を記載している人もいましたが、私は結構、ペロッと行ってしまいました。

ナポリタンは特段これと言ったところはありませんでしたが、キャベツは切り方が良いのか美味しく頂けました。あと味噌汁が付いて来ましたが、これもまあ普通と言ったところでした。

トータル的には、ほぼ家庭料理の延長っぽいところがいいんでしょうね。ただ、これだけケチャップが強いのに途中で飽きさせなかったのはお見事。ここがマスターの腕なんでしょうね。

ご馳走様でした。