ピジョンのポトフ : タテル ヨシノ ビズ

昼再訪

今回もお目当てのメニュー目的で訪問
ビズにリニューアルしてから3度目の訪問になりますが、ヴィアンドのピジョン率100%です。

通常コースは以前より値上がりしたでしょうか。今回もデジュネ一番皿数の多いコースにしました。

内容は以下

・アミューズ ボルシチをイメージしたビーツのムース
銀座の本店でも出されるアミューズです。


・本日のスープ
新玉ねぎのポタージュ

・前菜1 Le Homard : en boudin, sauce à la bisque オマール海老のブーダン　ソース・ビスク
オマールのソーセージ仕立て。中には所々オマールの身入り。アメリケーヌを取って腸詰めした物。
クネルみたいな食感ですね。最初オマールのブーダンに甲殻類のビスクをぶつけるのが最善なのか疑問でしたが、ブーダンの方の香りはそれほど強くなかったのでビスクでちょうど良かったのかも。


・前菜2 Les Légumes : étuvés avec “Sawara” mi-cuit au “Saikyo-Miso”
季節野菜のエチュベ　鰆の西京焼きと共に
野菜のエチュベ中心の皿かと思ってたら鰆の存在感もしっかり。ピンクペッパーにサワークリーム。
鰆に西京味噌をナッペしてミ・キュイ。常温くらいの温度帯でしたが魚料理無しでも魚食べた感もしっかり残り良かったです。


・メイン Le Pigeon : de pot-au-feu 鳩のポトフ仕立て
これ目当てに来ました。以前神楽坂のラ・トゥーエルでお願いして鳩とザリガニのポトフやってもらいましたが(結局エクルヴィスの入荷がなくオマールに)それ以来でしょうか。コンソメに多分ランド産の鳩の半身のロティに鶉の卵や野菜を合わせた仕立て。コンソメの方に香りが移らないようにするためか鳩の表面の焼きは浅め。ロティした鳩に液体を注ぐ目的や狙い所というのは全く理解出来てないのですが何故か不自然さや違和感を感じない不思議な料理です。美味かったですね。好きです。
原価を考慮しなければブレスの鳩が最も合うような気がする。


・デセール Puits d’amour d’orange sanguine, glace à la bière stout
ブラッドオレンジのピュイダムール
黒ビールのアイスクリーム
追加料金で季節限定のこちらを。シブーストっぽい仕立て。ブラッドオレンジを敷いたパイ生地にイタリアンメレンゲを合わせたカスタードクリームを詰めて表面をキャラメリゼし、黒ビールのアイスクリームを添えたデザートとの説明で中に詰めたクレームがクレームシブーストなんでやはりシブーストと思ってほぼ間違いない感じ。こちらはデセールも本当に素晴らしいと思う。

西京味噌を使った料理なんかもあったりするが、THEフランス料理という感じのこちらの料理は個人的にとても好きです。ロケーションなども含めたら破格と言えるくらいの安さだと思う。
また伺います。
ご馳走様でした。

夜再訪

夜利用は初めてですがさすがにホテルの25Fだけあって夜景と雰囲気は最高です。

今年何周年だかでフランスの地方に特化したコースを季節おき(2ヶ月おき？)に一年間提供されるようで3～4月はロワール地方。

頂いた料理は以下

・アミューズブーシュ
シェーブルチーズのサラダ
シェーブルチーズをパンに乗せて焼いた物にサラダを添えて。チーズはあまり得意ではないですがこれは美味い。アミューズらしからぬ存在感に大満足です。

・アントレ
ナント風帆立貝のグラタン
テロワールとして合わせたのがミュスカデ。そしてグラチネのサヴァイヨンもミュスカデを使って作った物。ミュスカデの酸があり軽めの仕上がりとなっており若干帆立に対して乗りが悪かったのはありますが量感がしっかりあり満足感は高い。

・ウナギの赤ワイン煮
所謂マトロート。元々のだと骨付きのままぶつ切りにして臭み抜きなどはしないためクセや匂いが気になる料理である(某所で食べたマトロートは相当熟成したジビエなども比較にならないくらい臭かった)。しかしこちらは骨抜きしてロール状にし、一般的なブリブリした食感とは異なりトロけるような食感。しっかり濃厚ではあるが臭みなどは一切なく食感とソースの合わせ方なども見事でした。

・ヴァンデ産鳩のロースト グリーンピースと共に
アンティエロティをプーレドゥで。ガルニは春らしいプティポワにロワール産白アスパラ。ソースはピジョンの骨などから取ったジュ・ド・ピジョン。今まで食べてきて決定的に美味いと感じたピジョンのソースはジュ・ド・ピジョン。サルミなどよりピジョンそのものの旨味、香りが際立ちやすい。こちらもそんな感じで現代的なフレンチでもピジョンはよく使われるもののこのアプローチはやはりクラシックを基とする店ならではであると感じる。地味にプティポワのガルニとしての効果もあり。


・クレーム・ダンジュ
タテル・ヨシノグループの特徴としてデセールの美味さも上げる事が出来るだろう。クリームチーズをカカオバターでコーティングした物にフランボワーズなどを合わせた。エクセレント

感想
コースが2人で税サ込み15000円でワインのペアリングも1人3000円くらいだったかな？銀座に比べかなり安い。
ビズにリニューアル前からシェフは変わってないのでレストランクオリティの精度がありながらビストロ価格。料理内容も銀座とは明確な区分けされておりどちらへ行っても楽しめると思う。
サービス陣もプロが揃っておりシチュエーションも含め良い気分で店を出られる事間違いなし。
今年中にまた違う州のコースやジビエなんかも頂きに参りたい。
ご馳走様でした。

昼に利用

年末に伺った銀座店で主に相手してくれたK氏が年明けにこちらに移るので良かったらと仰ってたのとリニューアルしてビズになってから未訪だったので時間を取り行ってみる事に。

コース主体だったリニューアル前からアラカルトを置いてガストロノミーのクオリティでビストロ料理をといったところでしょうか？
メニューは基本内容は昼夜一緒、ディナーはその他ムニュセゾン10000円がある感じですかね。

オーダーは6000円のコース。
アミューズ、前菜、スープ、魚、メイン、デセールといった構成のアラカルトから選ぶプリフィクススタイル

・アミューズ
グージェール
固定の定番

・前菜
リードヴォーとラングスティーヌのテリーヌ
仔牛の胸線と手長海老の意外な相性。
フワっとした食感と香ばしさ

・スープ
新玉ねぎのポタージュ

・魚
コトリヤード ブルターニュ風魚介のブイヤベース
ル・ジュー・ドゥ・ラシエットで初めて知ったコトリヤードとゆう料理ですが趣はかなり異なる。
見た目ベルギー料理のワーテルゾーイみたいな感じ？
クリームっぽいソース。美味しい

・メイン
ピジョン 鳩のロティ 小さなグリーンピースとともに
何とシェフからとフォアグラのポワレを付けて頂くサービス！
有り難う御座います！
どこ産のピジョンが分かりませんがしっかり鉄分を感じ、しっとり柔らかい。
所謂最近のモダンガストロノミーと言われるタイプの店よりは若干火入れは深め(カンテサンスの岸田シェフはピジョンはしっかり火を入れないと危険と仰ってましたが)
キュイスはクロケットにしてササミとサラダを添えた別皿で。
う～んこれは美味しい。

・デセール
ランチ用として用意されたもの以外にアラカルトの物も選択可能。
タテルヨシノさんの好きなところの一つにデセールの作りがしっかりしてる事がある。
今回も色々悩みましたがチョコレートタルトを選択。
濃厚濃厚。それにもましてグラスヴァニーユの香りが凄い。確かにギャルソン氏が仰ってたように強い濃厚なタルトショコラに負けない強さ。
やっぱ良いな。悩んだシヴーストやオススメで是非食べて欲しいと仰ってたスフレなんかも次回是非食べてみたい。

あと因みにアラカルトのスープドポワソンもかなりオススメらしいですがあまり出ないそうです。コースのカテゴリーの中でスープだけアラカルトから選べないのが一番の要因だとは思いますが、リニューアルしたとはいえまだそういうベタなビストロ料理を求める人が少ないという。

次来た時は是非とも頂きたいと思います


感想
結構色んな意味で中途半端なイメージがあった前汐留店よりもかなり金額を抑えて差別化が出来てると思う。
料理の方もクオリティを維持しつつ少しカジュアルなビストロちっくな料理で良い感じ。

良い意味で敷居が低くなり利用しやすくなりました。

また伺います。

ご馳走様でした。