さよなら、第三晴美鮨 : 第三春美鮨

新橋の名店が、9月末で閉店することになりました。

大将、長山一夫さんは、寿司界のレジェンドともいえる方です。

全国の漁協や漁師、生産者を長年に渡って取材して

まとめた名著「江戸前鮨　仕入覚え書き」を2004年に

出版。　1冊だけでも脱帽な内容ですが、さらにその7年後、

続編も執筆されました。

あるとき、大将とその著書の話になりました。

「え？　あれ、全部読んだの？　読むだけでも

タイヘンだよ」なんて、おっしゃっていました。

そのとき、私はわずかにニコリとして頷いただけですが、

読んだ、どころか、何度も熟読し、私の中では、

バイブルと化しています。

おかげさまで、全国の寿司の素材とその産地、

および、このところの旬の変化など、体系的に

学ぶことができたのです。


そんな大将のお店が閉店と聞き、

9月は予約激戦となって、ほぼ難しいかと思われましたが、

運よく、昼にお席を取っていただけました。

カウンターには、大将の趣味である陶芸の

作品の新作が・・・。

お皿、箸置き、醤油差し、楊枝立て・・・。

斬新なデザインです。


11000円のたっぷりコースをお願いしました。

1、活けのメイチ鯛　尾鷲
2、鯵　　沼島
3、赤身　　おまけでもう一貫　戸井
4、いくら　標津
5、こはだ　　有明海　太良大浦
6、天然の車海老　大分姫島
7、雲丹
8、戻り鰹　気仙沼
9、平貝　炙り　師崎
10、ゲソ
11、穴子　　トンヨン
12、春子鯛
13、新烏賊　　富津
14、玉子
15、かんぴょう巻き　栃木河内郡上三川

＊平貝ヒモ入りの味噌汁


和気あいあいと、そして、淡々と

その時間は過ぎました。

大将に握ってもらう最後の時間と
思うと、感慨がこみ上げました。

＜２０１５年８月＞

　　この日は、夜お邪魔しました。

　　早い時間だったので、他のお客様がまだいない時間。　おかげさまで、長山さんの寿司＆魚講義を独占しました。　いや、ホントに勉強になります。

　　そして、この日も他では食べらない珍品を。

　　以下、おまかせで。

　まずは、ビールを。

１、あわびの肝豆腐

２、ほや　　　　　　　　青森でいただいたときでさえ、独特のクセがあったほやですが、これはクセがまったくなく、美味。　長山さん曰く、「鮮度とポン酢」が秘訣だそうです。

３、刺身　　　　　　　　トロ
　　　　　　　　　　　　赤身
　　　　　　　　　　　　とりがい
　　　　　　　　　　　　新イカ　　　　　鹿児島県　出水東町　　　すみいかの子ですが、このエリアは、いつも適度な大きさの最も美味なサイズのものが獲れるのだそうです。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ねっとりとした、なんとも言えないいい食感。　

　　　　　　　　　　　　メイチダイ　　　尾鷲

４、握り　　　　　　　　新イカ
　　　　　　　　　　　　しんこ　　　天草のもの。　もうこれで最後の時期。
　　　　　　　　　　　　中トロ　　　大間の出初め。　
　　　　　　　　　　　　ミル貝　　　伊良湖
　　　　　　　　　　　　車海老　　　天然　　大分県姫島
　　　　　　　　　　　　ミル貝　　　なんと、足と卵。　　これは、人生で初めて食べました。　というのも、他のお寿司屋さんでは、出していないので。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　他のお寿司屋さんでは、捨ててしまっているのでは？　と長山さん。　　これは驚きの美味。　柔らかで、卵がふわっふわ。
　　　　　　　　　　　　平貝　　　　炙って。　愛知県篠島
　　　　　　　　　　　　雲丹　　　　蝦夷バフン。　　利尻産。　８月までです。
　　　　　　　　　　　　車海老の頭
　　　　　　　　　　　　白鱚　　　　富津
　　　　　　　　　　　　穴子　　　　子安
　　　　　　　　　　　　メイチダイの皮　　　これがもう本当に珍品。　見た目は悪いですが、なぜ？と思うくらい、美味。
　　　　　　　　　　　　玉子　　　　焼き立てのアツアツ
　　　　　　　　　　　　巻き物　　　鮪の皮と脂と自家製わさび漬けとわさび、きゅうり。　　これまた驚きの組み合わせ。
寒天

　長山さんの寿司話はとどまるところを知らず、次から次へと日本の漁場やら魚の旬やら、と興味深い話が炸裂。

　大間の鮪の話になったときに、私が戸井の鮪のことを伺うと、長山さんが「　どうして、戸井なんて、知ってるの？」　と。　　そこで、私、「長山さんの本全部読んでますから」と。　爆笑！

　長山さんが最近、石狩湾のシャコ漁を見に行ったとのことで、現場の実態を詳しく教えてくれました。　いいシャコが取れているそうです。

　この夜も、「もう１個食べたい！！」と思うものが、多々ありましたが、お腹は究極にいっぱい。　　相変わらず、恐るべき満足度です。


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＜２０１５年３月＞

　かなり久々に伺いました。
　相変わらず、お元気できさくな長山さん。　その仕事を堪能させていただきました。

　写真撮り忘れもありますが、１４貫１０８００円のコースです。

　勝浦の初鰹、塩釜の赤身、鯛、大分鶴見のすみいか
　ここで、玉子が焼きあがったので、いきなり玉子。笑
　天草のコハダ、愛知　師崎の平買　炙りで、　標津の塩いくら、愛知　一色の車海老、鹿児島内之浦柏原の春子、国後島の馬糞雲丹、長万部の北寄貝と紐、
　ここで、車海老の殻焼き。
　松輪のサヨリ、対馬の真鯖、子安の真鯖、　鉄火巻。

　初春の魚を思う存分楽しみました。　


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＜２０１２年５月＞

１年半ぶりで訪問。お昼ですが、カウンターは満席で、空くまでテーブル席で。
相変わらず、キビキビした動きと笑顔がやさしい大将。
大将の陶芸の作品が増えていました。　

大将、長山一夫さんは、魚の名著「江戸前鮨　仕入覚え書」の著者でもあります。続編も出ました。５７９ページにもわたる大作で、これを読むと、鮨のこと、魚のことのあらましがわかります。　日本に寿司職人は数々いますが、これだけの本を書き上げられる職人は少ないでしょう。

さて、この日も、大将直筆の「本日の魚の産地」を見ながら、美味なる鮨に舌鼓。　７０００円のおまかせにしました。
４月下旬で、マグロが最も痩せている時期ではありましたが、和歌山県勝浦のシビマグロの中トロはほどよく脂ものり、とろけました。

震災の影響、中国のこと・・・・・。長山さんと話をしていると、本当に勉強になります。