洗練されたインド料理を、テーマとともに : SPICE LAB TOKYO

銀座に昨年誕生したレストランです。

エレベーターを降りると、センスのいい空間が現れます。

「洗練されたインド料理」ですが、これまで経験してきた

どの「インド料理」の概念も覆す、

カテゴリーレスな味覚の数々。

予想していたより、はるかに美味で、楽しめました。

シェフは、「noma」で修行したこともあり、

インドの高級ホテルで経験を積んだ方。

インドの伝統と、日本の素材をみごとに融合し、

オリジナリティのある世界観を構築しています。


店名に、「スパイス」とつきますが、

これもまた、「スパイス」の概念を変える、

スパイス使い。


ランチは3コース、ディナーは、2コースあり、

それぞれに、ベジタリアンコースが用意されています。

料理には、各々テーマがあります。

この日は、ディナーに。

インチャンティング　スパイス　8テーマのコース
14300円

１、テンプル
　　「仕事の成功を祈願して神に捧げる食事」がテーマ。

　　①　3色のソース　（トマトとクミン、アボカド、炭とココナツ）
　　　　ワダ（南インドのドーナツのような軽食）
　　　　コーラルリーフ（ドーサを珊瑚のようにして）
　　　　ヨーグルトソース
　　　　カレーリーフ

　　②　鳴門金時のスープ
　　　　柚子胡椒、牛蒡チップス
　　　　カレーリーフとマスタード

　　　　これは新作で、春の手前のイメージ。

　　すべて野菜で構成されています。
　　魅惑的なスタート。

２、ストリート
　　土地土地のユニークネスがある、インドの
　　ストリートフードをイメージ。

　　なんと、真っ白の枕型の陶器で登場。
　　「やさしさ」を表現しているとのこと。
　　5種のフードがのっています。

　　・ゴルガッパ
　　　パニプリという北インドの揚げ菓子に
　　　似ています。中身は、通常タマリンドやミントソースで
　　　作られますが、なんと、
　　　梅干し、みりん、ミント、レモンで。
　　・チャート
　　　紫蘇天ぷら
　　　タマリンドチャツネと柘榴を散らして
　　・ケバブ
　　　鴨、プルーン、マンゴーパウダー
　　・サモサ
　　　バターチキン
　　・ドクラ
　　　ひよこ豆のケーキに、ズワイガニ、ラディッシュ

　　　見目麗しいお皿。
　　　みごとに洗練されたストリートフードです。

３、コースト
　　インドを囲む３つの湾岸エリアの豊穣を祝して。
　　この日は、ケララのイメージ。

　　ロブスター
　　マコモダケ、ロマネスコ
　　トマトパウダーとカレーリーフパウダー
　　ココナッツとターメリックのソース

　　いつもは、鮟鱇だそうですが、この日入荷が
　　なく、ロブスターに。　とても上質な
　　ロブスターでした。

４、ヴィレッジ
　　失われた料理法を再現。

　　竹筒で蒸し焼きにした地鶏。
　　かなり太い竹筒ごと見せてくれます。

　　・葛を使用したカリフラワー豆腐にローズパウダー
　　・カシミールモリーユ
　　・白トリュフソース

　　竹で蒸された地鶏は、柔らかなテクスチュアで、
　　ほんのり甘い香り。

５、アーユルヴェーダ
　　インドの伝統医学から着想した一品で、
　　味覚、体感の浄化を。

　　口直しです。
　　チュスキーパッションフルーツのかき氷
　　クミン、ブラックソルトと。

６、ホーム
　　愛すべき家庭的な一皿。

　　蛤、トマトラッサム、自家製がんもどき
　　コリアンダーとブラックペパーのスープ

７、ロイヤル
　　かつてインドの王族が最も高価で貴重な食材を
　　使った宴の料理を再現。

　　鹿児島県産黒毛和牛サーロインのソテー
　　紫人参
　　蓮根
　　ピーナッツとタマリンドのソース

　　4種のクルチャとチキンのビリヤニ
　　クルチャの種類
　　・燻製したケツルアズキの煮込み
　　・プレーン
　　・赤玉葱とカスリメティ（緑の葉のスパイス（
　　・ジャガイモとコリアンダー

　　これに、カレーと、大根とくるみのライタが
　　つき、クルチャに好みでつけていただきます。

　　チキンビリヤニには、ヨーグルトソースが
　　添えられます。

　　クルチャもビリヤニもお替り自由。
　　あまりにも、おいしすぎました。

８、フェスティバル
　　壮大なインドの祭りで、有終の美へ。

　　4色のソース
　　苦みから甘みへ、色も味もグラデーションに。
　　・ビター：マスカルポーネチーズとエスプレッソ
　　・サワー：ラズベリーとタイム
　　・ソフト：バニラビーンズとカスタード
　　・スウィート：ターメリックとナツメグの
　　　　　　　　　アイスクリーム
　　　　　　　　　パンプキンカルダモンのハルヴァ

小菓子　　マッフィー＝トフィー＋マッシュルーム

チャイ


お供は、シグネチャーカクテルの中から、
ムンバイ　トニック　を。
1600円
ドライスパイスのジン、スーズ、ハウスビターズ、
トニックウォーター。
赤い花弁が浮いて、実に美しいカクテル。


居ながらにして、インド全土を旅したような、

しかも、かなりリッチな旅をしたような

気分にさせてくれます。

どれも、手が込んでいて、しかも、センス抜群。

スパイス使いがやさしく、気品があります。


この日も、ほぼ満席。

スタッフがかなり大勢したのには、驚きました。

日本人女性のスタッフさんの説明が

とてもわかりやすく、そのおかげで、

存分に楽しむことができました。


これは、他では味わえない経験でした。

再訪したいと思います。


ちなみに、こちらが９Fですが、１０Fには、

ラウンジがあり、インド菓子のアフタヌーンティーなどが

あるそう。　そちらも興味津々です。