心の底からほっこりとする、かえしのない、優しく体に染み渡る一杯。【特製中華そば】 : 銀座 八五

（味の感想は★からです）


今回のお店は【銀座 八五】さん。
東銀座にありますは、フレンチ出身の店主さんが紡ぎ出す、ラーメンでは珍しい、かえしを使わないラーメンが頂けるお店。


皆さんもご存知だと思いますが、かえしとはタレのことで、ラーメンは基本的にタレを入れてお出汁で割ってスープにします。このかえしを使わないということは、いわば炊き出したスープのみでラーメンを作るということ。薄くなりそうでしょ？でも、八五さんではそうはいかない。


八五さんは同じくラーメンの名店、勝本さんと共に一度営業を終了していたお店。この度復活の運びとなり、前回からのファンの方も合わせて、かなりの列になるとのこと。


時刻は10時40分。
開店2時間前にして２０人ほどの列。お見それしやした。この人気。


その後1時間10分待ってお店へ。
食券を買うタイミングや、入店のタイミングは店員さんが案内してくれるので、まったりと待ちましょう。


私は【特製中華そば】をオーダー。


カウンターのみの美しい店内。さながら高級お寿司屋さんって感じ。
厨房奥にはでっかい寸胴。そこから覗く沢山の食材。面白いなぁ、こういうの。


しばし待っているとラーメン到着。
キラッキラの美しいスープ。香るは八五さん独特のスープの匂い。いやぁ、美味しそうだ。


それではいただきます。


Report〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜★
★・特製中華そば　　1400円


早速スープを一口、、、


ふぁー、ウッメェ。
でも独特だぁ。でも美味しい。


かえしを使っていないとは思えない、複雑で奥行きのある味わいのスープ。
香りは少々特徴的で、最初は、ん？ってなるが、徐々に体に馴染んでくる。浸透してくる。


麺は細麺ストレート。
か弱くも感じる優しい麺は、啜る度に、スープの旨味をこれでもかと引き上げる。


チャーシューはホロホロっで最高だし、一枚目はたっぷりとかかった胡椒と一緒に、２枚目はスープに馴染ませて楽しむ。メンマ、ネギ、味玉、チャーシュー、スープ、麺。どれも爆発的に美味しい！って感じじゃないけど、じんわりとじんわりと美味しい、ほっこりとするラーメンだ。


epilogue〜〜〜〜〜〜〜
場所柄や、店内の雰囲気、見た目や、その待ち時間からも、どこか高級ラーメンって感じがする八五さんだが、味わい自体は、本当に心の底からほっこりするような優しいラーメンってイメージ。
スープは食べ進める度にどんどん味わいが変わるし、どんどん体に馴染んでいく感覚が分かると思う。

他のラーメン屋さんとはまた別ベクトルの一杯が頂けるお店だと思います。
気になる方は是非。


それではごちそう様でした。
美味しかったです。

（味の感想は★からです）
私は銀座の街を歩いていた。
行き交う人並み。彼らは皆それぞれの人生を歩いている。

なんとも当たり前の話だが、見慣れない土地を歩いていると、普通に働いているスーパーの店員さんとか家族で歩行者天国を歩いている子供たちとかを見ると何百という人生が並行線のように連なっているような感覚に陥る。

私がいないどこかで誰かは必ず生きていて、各々の人生を歩んでいる。
人間観察とはただ人の顔や服装を見るものではなく、その人の人生を想像し、その後の人生を妄想することだと私は思う。

その度に私は「あーこの人とはこれから一生会うことは無いんだろうな」と思う。


別にそれはセンチメンタルな話ではなく、今この瞬間、この時は幾つもの偶然が重なってできたシチュエーションなんだと思うのだ。


何気なく通り過ぎた女性が、もし朝忘れ物をして一度家に帰っていたら、、、。
私はその女性とすれ違うことはなかっただろう。そんな偶然が何億回と繰り返された現実が今であり、昨日であり、未来である。


何気ない平凡な日常すら幾つものの奇跡が集まった日常なのだ。

私は銀座の街を歩いていた。
幾つもの奇跡と交錯した私は、集合時間ぴったりに「銀座 八五」に戻ってきたのだった。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
今回のお店は【銀座 八五】さん。
朝9時からウエイティングボードに記帳して再集合するタイプのお店。

私は10時過ぎ頃にお店に到着。
再集合時間は13時半。

銀座は豪勢なセレクトショップやブランド店ばかりで、子供達の遊ぶ公園や、ライトな感じで入れる商業施設がなくて困った。

私は結局ラーメン屋を何軒かはしごし、スタバで休憩することに落ち着いた。
やはりまだ私は銀座のこの空気感に慣れることができない。


再集合の後、整理券を返却。
そのまま食券を買い店内へ。

店内はカウンターのみの6席。
たまにテレビで見るような回らない寿司屋さんのような空間は一枚板のカウンターが美しい。

お客さんは意外と女性の方が多い。
ラーメン屋さんとは思えない手厚い接客が嬉しい。
シンプルに居心地が良く、まぁこういうのが合わさっての人気なのだろう。

私は連食だったのでデフォルトの中華そばをチョイス。
てぼ（ラーメン茹でるやつ）の中で丁寧に麺を折り畳むさまがなかなかに面白い。

少ししてラーメン着丼。
店主さん達が一つ一つ丁寧に置いてくれているのが伝わる。
それではいただきます。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜★
★・中華そば　850円

黄金の凛とした表情と清潔感のある具材達が美しく映える。

早速スープを一口、、、


ぐう！！うわ、うっま、、、


今までたくさんラーメンわ食べてきたが、恐らく一番初手で旨味を感じたラーメンなのではないだろうか。

ガツンとくる旨味とサラサラながら濃厚な口当たりのスープは最高の一言。

他のレビュアーさんは鶏の出汁とおっしゃっていたので、正しくは鶏なのだと思うが、私は豚の出汁のように感じた。
というのも、清湯豚骨の「月や」さんと近いものを感じたのが大きい。


鶏でこの旨味とパンチ力を引き出しているのはすごすぎますね。普通に調べてびっくりしました。

ただ、全体的に若干ワイルド過ぎる味わいがしたのも確か。ここは好みの問題だろうと思うので省くが、後味はなかなかワイルド。


その日の仕込みの感じで味わいは変わるだろうし、本来こういったタイプのラーメンなのかもしれません。


ただラーメン好きなら一度は食べてほしいお店だなと感じた。シンプルに旨いし、学びがある。


食後はほうじ茶のサービス。
どうでもいいが、ほうじ茶のグラスの飲み口がかなり薄く、とても美味しく頂けた。
こういう細かいところも素敵である。


最後はこんな若造に笑顔で「ありがとうございます」といっていただきました。
味はもちろんのことサービスも素敵なお店ですね。


それではごちそう様でした。